異世界召喚 ~依頼されたのは魔王討伐ではなく……~

オフィス景

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121 戦闘開始

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「あれか」

 遠目に魔物の群れが確認できた。すげえ数だ。

 こっちは千人程度だが、それよりは確実に多い。

「どこからこんなに集まってきたんだ?」

「魔族が呼び集めたんだろうな」

「その肝心の魔族はいるのか?」

「ここからじゃわからんな」

「いずれにしても一当てしなきゃ駄目だろうな」

「そんな悠長なこと言ってないで、最初っから潰すつもりでいかないと、足元掬われるんじゃねえの?」

 魔族に率いられてるとなれば、今までの常識は通じないと思っていた方がいい。

 いい、のだが、そうなると今度は、何をやってくるのかわからない相手に慎重さを欠いていいのかという話になる。

 色々な意見が出たが、最終的な決断はブライト王子に委ねられた。

 皆の注目の中、ブライト王子は胸を張って言い放った。

「全力で叩き潰す。それにあたって、先鋒は俺と親衛隊が務める」

「アホか!?」

 俺ほど直截的な表現をした者はいなかったが、あちこちから反対の声が上がった。

「自分の立場をわきまえろ。王子に何かあったら、取り返しがつかんだろうが」

「しかしーー」

「しかしじゃねえ。まず俺たちが行って攪乱するから、王子がとどめを刺せ」

「それじゃ俺がいいとこ取りすることになっちまう」

「それでいいんだよ。王子が手柄を立てたって話の方が士気が上がる」

「それでいいのか?」

「それがいいんだ。もし心苦しいなら、報奨弾んでくれ」

 わざと下世話な言い方をする。その方が納得しやすいだろう。

「…わかった。頼む」

「ん。頼まれた」

 頼りになる仲間とともに先頭に立つ。

「カズサさん、背中頼むね」

「あんまりアクロバティックな動きはしないでね。ついてくの大変なんだから」

「善処します」

 カズサさんだけに負担がかかるようじゃいかんからな。気をつけよう。

「んじゃ、これから先陣切らせてもらうけど、まずは一番奥まで突き抜けるから。奥には魔族がいると思う。魔族とかち合ったら、必ず二人以上で対処すること。で、ヤバかったら無理はしない。いい?」

 皆、真剣な顔で頷いた。

「よし、行こうか」

 タイミングを合わせたわけではなかろうが、ほぼ同時に敵も前進を開始した。

 ゆっくりの歩みが、逸る気持ちに煽られるように早足に、すぐに疾走へと変わる。

 彼我の距離が詰まる。

 走るスピードの関係で、敵の先陣はゴブリンだ。

「しゃあっ!」

 間合いに入った瞬間に振るった双剣が、先頭にいたゴブリンを切り裂く。

 本格的な戦闘に突入した。

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