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136 ブライト王子の苦悩
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シルヴィアの時と同様、快晴に恵まれた。
昨夜から盛り上がっている連中も多く、王都全体がお祭りムードに包まれていた。
起きて早々にミネルヴァは支度のために連れ去られ、俺は暇を持て余していた。
そこへブライト王子がやって来た。
「おめでとう。今日は頼むぜ。バッチリ盛り上げてくれよ」
芸人じゃねえぞ、と苦笑するが、言いたいことはよくわかった。
ここのところ魔物の発生頻度も高くなり、人心に不安が蔓延しつつある。明るい話題があれば、それを最大限有効活用したいと思うのは当然だろう。
「見世物になるつもりはねえけど、楽しい思い出にしたいとは思ってるよ」
「よろしく頼むーーそれにしても、あのミネルヴァが結婚か。かなり感慨深いものがあるな」
「ミネルヴァとも話したんだけど、ローザさんに感謝を」
「ああ、あれか」
ブライト王子は半苦笑を浮かべた。
「あいつの行動パターンだけは読めん」
「そのおかげで今があるわけだからな。俺からすれば、どれだけ感謝してもし足りんよ」
「よかったら、直接言ってやってくれ。きっと喜ぶから」
「わかったーーそれはそうと、そのローザさんとはどうなってるんだ?」
「はあ……」
肺の中の空気を根こそぎ吐き出しそうな深いため息。
「あれ? うまくいってるんじゃないのか?」
「…あいつ、強情でなあ……」
「強情?」
「正式に結婚しようって言ってるんだが、今のままでいいって聞かないんだよ」
「…ああ……」
なるほど、そういうことですか。
貴族でもない人が王妃になるって、口で言うほど簡単なことではない。
「おまけに『わたしのドジは国を滅ぼしかねない。迷惑をかけるのが王子だけなら受け止めてくださいって言えるけど、国民皆に迷惑はかけられない』なんて言われちまったら……」
いくらなんでも大袈裟な、と思いながらも笑えない俺もいる。
「王子としてはローザさんを嫁に迎えるつもりがあるんだな?」
「もちろん」
ブライト王子はきっぱり頷いた。
「俺の正妻はあいつ以外に考えらんねえ」
「わかった。そこまで言うなら俺たちも協力は惜しまねえ。できることがあったら何でも言ってくれ」
「助かる。頼りにさせてもらうぜ」
「ーー任せておいて!」
答えたのは俺じゃなかった。
ノックなしに扉が開け放たれる。そこにいたのはシルヴィア、やカズサさんをはじめとするいつものメンバーだった。
「話はすべて聞かせてもらったわ。必ずあなたたちを結んであげるわ」
世話好きな近所のおばちゃんみたいなことを言うカズサさんの目が爛々と輝いている。
…妙な方向へ脱線しなけりゃいいが……
すごく不安になった。
見れば、ブライト王子の顔が微妙に引きつっている。
気持ちはわかるが、多分もう逃げられないぞ。
「じゃあここに『ローザさんを王太子妃にステップアップさせる会』の発足を宣言します!」
あー、早速妙な方向へ突っ走り始めたぞ。
前途は多難っぽいな。
俺はブライト王子の肩をぽんと叩いた。
昨夜から盛り上がっている連中も多く、王都全体がお祭りムードに包まれていた。
起きて早々にミネルヴァは支度のために連れ去られ、俺は暇を持て余していた。
そこへブライト王子がやって来た。
「おめでとう。今日は頼むぜ。バッチリ盛り上げてくれよ」
芸人じゃねえぞ、と苦笑するが、言いたいことはよくわかった。
ここのところ魔物の発生頻度も高くなり、人心に不安が蔓延しつつある。明るい話題があれば、それを最大限有効活用したいと思うのは当然だろう。
「見世物になるつもりはねえけど、楽しい思い出にしたいとは思ってるよ」
「よろしく頼むーーそれにしても、あのミネルヴァが結婚か。かなり感慨深いものがあるな」
「ミネルヴァとも話したんだけど、ローザさんに感謝を」
「ああ、あれか」
ブライト王子は半苦笑を浮かべた。
「あいつの行動パターンだけは読めん」
「そのおかげで今があるわけだからな。俺からすれば、どれだけ感謝してもし足りんよ」
「よかったら、直接言ってやってくれ。きっと喜ぶから」
「わかったーーそれはそうと、そのローザさんとはどうなってるんだ?」
「はあ……」
肺の中の空気を根こそぎ吐き出しそうな深いため息。
「あれ? うまくいってるんじゃないのか?」
「…あいつ、強情でなあ……」
「強情?」
「正式に結婚しようって言ってるんだが、今のままでいいって聞かないんだよ」
「…ああ……」
なるほど、そういうことですか。
貴族でもない人が王妃になるって、口で言うほど簡単なことではない。
「おまけに『わたしのドジは国を滅ぼしかねない。迷惑をかけるのが王子だけなら受け止めてくださいって言えるけど、国民皆に迷惑はかけられない』なんて言われちまったら……」
いくらなんでも大袈裟な、と思いながらも笑えない俺もいる。
「王子としてはローザさんを嫁に迎えるつもりがあるんだな?」
「もちろん」
ブライト王子はきっぱり頷いた。
「俺の正妻はあいつ以外に考えらんねえ」
「わかった。そこまで言うなら俺たちも協力は惜しまねえ。できることがあったら何でも言ってくれ」
「助かる。頼りにさせてもらうぜ」
「ーー任せておいて!」
答えたのは俺じゃなかった。
ノックなしに扉が開け放たれる。そこにいたのはシルヴィア、やカズサさんをはじめとするいつものメンバーだった。
「話はすべて聞かせてもらったわ。必ずあなたたちを結んであげるわ」
世話好きな近所のおばちゃんみたいなことを言うカズサさんの目が爛々と輝いている。
…妙な方向へ脱線しなけりゃいいが……
すごく不安になった。
見れば、ブライト王子の顔が微妙に引きつっている。
気持ちはわかるが、多分もう逃げられないぞ。
「じゃあここに『ローザさんを王太子妃にステップアップさせる会』の発足を宣言します!」
あー、早速妙な方向へ突っ走り始めたぞ。
前途は多難っぽいな。
俺はブライト王子の肩をぽんと叩いた。
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