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145 マリエールのピンチ
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久しぶりの街中は変わらず賑わっていた。
とりあえず目指すは冒険者ギルドだ。ルミさんに挨拶する。義理は欠かしちゃまずいからな。
ギルドに向かって行く中で、段々と空気が変わってきた気がする。賑やかと言うよりは、騒々しい感じだ。
そしてその騒々しさの発生源は俺たちの目的地ーーギルドのようだった。
「何だ? 取り込み中か?」
冒険者たちが入れ替わり立ち替わり、忙しそうに出入りしている。
その中の一人と目が合った。話をしたこともある、顔見知りの冒険者だ。
「あーっ!」
いきなり指差された。何だ?
周りの注目が集まる。
「おお!」
「ちょうどいいところに」
どうやらトラブルなのは間違いなさそうだが、誰か状況をわかりやすく説明してくんねえか?
そこへギルドの中からルミさんが出てきた。
「コータローさん!」
「おー、ルミさん、久しぶり」
「挨拶は後! 一大事! マリエール様の使節団が魔物の群れに襲われてる!!」
「何ィ!?」
ホントに一大事じゃねえか!
「コータロー」
シルヴィアが顔色をなくしている。
「わかってるーー俺が先行する。場所は!?」
「ルビアスの森の入口だ」
「先行ってるぜ」
ルビアスの森じゃあ普通なら半日はかかる。だが『韋駄天』なら二時間はかからずに行けるはずだ。それでも間に合うかどうか。
何とか踏ん張ってくれと祈りつつ、俺は先を急いだ。
遠くに土煙を見つけて、一気に希望が湧いた。少なくともまだ戦闘は続いている。戦っている人がいるってことだ。
ここまでの強行軍で足にだいぶ乳酸が溜まっていたが、そんなことを言ってる場合じゃない。限界までスピードを上げて現場を目指す。
「見えたっ!」
オークやゴブリンの他に、双頭狼やトロールまでいやがる。
どうなってやがんだ、と叫びたくなるが、魔族がいないだけましかと思い直し、勢いのままに戦場へ飛び込む。
「うおらあっ!」
駆け抜けざまに双剣を振る。ゴブリンとオーク一体ずつの首が飛んだ。オリハルコンの切れ味は相変わらず絶好調だ。
「マリエール、無事かあ!?」
「コータローさん!?」
まさかここで俺が来るとは思わなかっただろう。マリエールの声は裏返りかけていた。
魔物を切り飛ばしながらマリエールのもとに駆け寄る。怯えてはいたが、深刻な怪我はしてないみたいだ。
ちょっとだけほっとしたが、まだ気を抜いていい場面じゃない。
「援軍もじきに到着する! しっかり意地見せろよ」
「っしゃあっ!」
援軍の報を聞いた兵士たちが息を吹き返した。
「まず双頭狼からやる。フォロー頼むな」
ちょこまか邪魔をしてくる鬱陶しい双頭狼を片付けてからでないと、トロールにかかれない。
普通の兵士相手なら優位に立てるスピードを持つ双頭狼だが、本気になった俺なら十分着いていける。
多少苦労はしたものの、危なげなく双頭狼を駆逐した。
「っし、お次っ!」
本番のトロールに取りかかろうかと思った時、遠くから喚声が聞こえてきた。
「援軍か」
これで何とかなるな。
んと、あれは冒険者じゃなさそうだな。軍か?
尚更いいや。
「かかれっ!」
先頭に立った指揮官の号令で、駆けつけてきた部隊は戦場に雪崩れ込んできた。
こういうのを鎧袖一触と言うのだろうか。すげえ勢いで魔物を薙ぎ倒していく。
「すげえな、ありゃ」
感心したところで嫌なことに気づいた。
「…あの指揮官、ブロディじゃんか……」
波乱の予感に、俺のデリケートなポンポンがキリキリと痛みを訴え始めた。
とりあえず目指すは冒険者ギルドだ。ルミさんに挨拶する。義理は欠かしちゃまずいからな。
ギルドに向かって行く中で、段々と空気が変わってきた気がする。賑やかと言うよりは、騒々しい感じだ。
そしてその騒々しさの発生源は俺たちの目的地ーーギルドのようだった。
「何だ? 取り込み中か?」
冒険者たちが入れ替わり立ち替わり、忙しそうに出入りしている。
その中の一人と目が合った。話をしたこともある、顔見知りの冒険者だ。
「あーっ!」
いきなり指差された。何だ?
周りの注目が集まる。
「おお!」
「ちょうどいいところに」
どうやらトラブルなのは間違いなさそうだが、誰か状況をわかりやすく説明してくんねえか?
そこへギルドの中からルミさんが出てきた。
「コータローさん!」
「おー、ルミさん、久しぶり」
「挨拶は後! 一大事! マリエール様の使節団が魔物の群れに襲われてる!!」
「何ィ!?」
ホントに一大事じゃねえか!
「コータロー」
シルヴィアが顔色をなくしている。
「わかってるーー俺が先行する。場所は!?」
「ルビアスの森の入口だ」
「先行ってるぜ」
ルビアスの森じゃあ普通なら半日はかかる。だが『韋駄天』なら二時間はかからずに行けるはずだ。それでも間に合うかどうか。
何とか踏ん張ってくれと祈りつつ、俺は先を急いだ。
遠くに土煙を見つけて、一気に希望が湧いた。少なくともまだ戦闘は続いている。戦っている人がいるってことだ。
ここまでの強行軍で足にだいぶ乳酸が溜まっていたが、そんなことを言ってる場合じゃない。限界までスピードを上げて現場を目指す。
「見えたっ!」
オークやゴブリンの他に、双頭狼やトロールまでいやがる。
どうなってやがんだ、と叫びたくなるが、魔族がいないだけましかと思い直し、勢いのままに戦場へ飛び込む。
「うおらあっ!」
駆け抜けざまに双剣を振る。ゴブリンとオーク一体ずつの首が飛んだ。オリハルコンの切れ味は相変わらず絶好調だ。
「マリエール、無事かあ!?」
「コータローさん!?」
まさかここで俺が来るとは思わなかっただろう。マリエールの声は裏返りかけていた。
魔物を切り飛ばしながらマリエールのもとに駆け寄る。怯えてはいたが、深刻な怪我はしてないみたいだ。
ちょっとだけほっとしたが、まだ気を抜いていい場面じゃない。
「援軍もじきに到着する! しっかり意地見せろよ」
「っしゃあっ!」
援軍の報を聞いた兵士たちが息を吹き返した。
「まず双頭狼からやる。フォロー頼むな」
ちょこまか邪魔をしてくる鬱陶しい双頭狼を片付けてからでないと、トロールにかかれない。
普通の兵士相手なら優位に立てるスピードを持つ双頭狼だが、本気になった俺なら十分着いていける。
多少苦労はしたものの、危なげなく双頭狼を駆逐した。
「っし、お次っ!」
本番のトロールに取りかかろうかと思った時、遠くから喚声が聞こえてきた。
「援軍か」
これで何とかなるな。
んと、あれは冒険者じゃなさそうだな。軍か?
尚更いいや。
「かかれっ!」
先頭に立った指揮官の号令で、駆けつけてきた部隊は戦場に雪崩れ込んできた。
こういうのを鎧袖一触と言うのだろうか。すげえ勢いで魔物を薙ぎ倒していく。
「すげえな、ありゃ」
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「…あの指揮官、ブロディじゃんか……」
波乱の予感に、俺のデリケートなポンポンがキリキリと痛みを訴え始めた。
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