158 / 179
158 三人目の嫁
しおりを挟む
「…何を言ってんだ、おまえは」
思わず呆れた声が出た。
「…二人に比べてわたし何の役にもたってないし……」
「まだレイナの力を発揮する場面がないだけだろ」
「二人ともすごい美人だし……」
「そこは負けてないから心配すんな」
「でも……」
煮えきらない。
「二人にいじめられてるーーわけねえよな」
自分で言っておいてアホかと思ったら、後ろから首を絞められた。
「うわ、やめろミネルヴァ」
「一瞬でもその発想になることが許せない。わたしたちを何だと思ってるわけ!?」
「悪かったよ。勘弁してくれ」
確かに今のは俺が悪かった。平謝りするしかない。
「次にそんなことを言ったらひどいからね」
何とか許してもらえた。口は災いの元だな。気をつけよう。
「で、レイナは何を思い悩んでいるわけ?」
「…その…なかなか進展しなくて……やっぱりわたしのことは義務感で拾ってもらったのかな、なんて思ってしまったり……」
「え!?」
そんなことを考えてたのか!?
「……」
ミネルヴァの目が怖い。
またこのパターンか、と言いたげな顔をしている。
「そろそろ三ヶ月よね」
「は、はい」
「じゃあもう大丈夫ねーー押し倒そう」
「「はい?」」
またおかしなこと言い出したぞ。
口には出さなかったのだが、ミネルヴァの視線が冷たさを増した。
「そうでもしないと話が進まないでしょ。ほんっとに要らないところに気を使うんだから」
「何だよ」
理不尽にディスられた気がする。
「あのね、レイナの方はとっくに準備できてるんだよ」
「え?」
「やっぱりわかってなかった」
盛大にため息をつかれた。一気に旗色が悪くなったように感じるのは気のせいか?
「どうせまた余計なこと考えてたんでしょ。選択肢もない状態でこんなことになっちゃったけど、ホントは嫌なんじゃないかとか」
「…何でわかるんだ?」
ズバリ言い当てられた。俺ってそんなにわかりやすいのか?
「これでもあなたの妻ですから」
きっぱり言い切ったミネルヴァがカッコよく見えた。
「そういう配慮がコータローの優しさから出てるのはわかるし、優しいのは素敵なことだと思う」
一旦言葉を切ったミネルヴァに正面から見据えられて、ちょっと気圧された。
「でも、優し過ぎるのはダメだよ。決めるべきところはきちんと決めてくれないと」
ごもっとも……
ぐうの音も出ない。
「まあ、そういう考えが出たってことは、レイナに対する気持ちが育ってきてるってことだと思うけど」
「そうなんですか!?」
レイナの目に期待がこもってるのは気のせいではないだろう。
「出会ってすぐにそんな気持ちにはなれなくても、これだけ一緒にいるんだから、もう問題はないでしょ。違う?」
「…違いません」
「え? ホントにいいんですか?」
「いや、はっきりさせなくて悪かったーーレイナさえよければ、俺と結婚して欲しい」
「はい。喜んで」
一瞬の迷いもなく即答してくれた。待たせてしまったんだなと思うと、改めて申し訳なさが湧いてくる。
「まったく世話の焼ける……」
残念なことに、返せる言葉がひとつもなかった。
思わず呆れた声が出た。
「…二人に比べてわたし何の役にもたってないし……」
「まだレイナの力を発揮する場面がないだけだろ」
「二人ともすごい美人だし……」
「そこは負けてないから心配すんな」
「でも……」
煮えきらない。
「二人にいじめられてるーーわけねえよな」
自分で言っておいてアホかと思ったら、後ろから首を絞められた。
「うわ、やめろミネルヴァ」
「一瞬でもその発想になることが許せない。わたしたちを何だと思ってるわけ!?」
「悪かったよ。勘弁してくれ」
確かに今のは俺が悪かった。平謝りするしかない。
「次にそんなことを言ったらひどいからね」
何とか許してもらえた。口は災いの元だな。気をつけよう。
「で、レイナは何を思い悩んでいるわけ?」
「…その…なかなか進展しなくて……やっぱりわたしのことは義務感で拾ってもらったのかな、なんて思ってしまったり……」
「え!?」
そんなことを考えてたのか!?
「……」
ミネルヴァの目が怖い。
またこのパターンか、と言いたげな顔をしている。
「そろそろ三ヶ月よね」
「は、はい」
「じゃあもう大丈夫ねーー押し倒そう」
「「はい?」」
またおかしなこと言い出したぞ。
口には出さなかったのだが、ミネルヴァの視線が冷たさを増した。
「そうでもしないと話が進まないでしょ。ほんっとに要らないところに気を使うんだから」
「何だよ」
理不尽にディスられた気がする。
「あのね、レイナの方はとっくに準備できてるんだよ」
「え?」
「やっぱりわかってなかった」
盛大にため息をつかれた。一気に旗色が悪くなったように感じるのは気のせいか?
「どうせまた余計なこと考えてたんでしょ。選択肢もない状態でこんなことになっちゃったけど、ホントは嫌なんじゃないかとか」
「…何でわかるんだ?」
ズバリ言い当てられた。俺ってそんなにわかりやすいのか?
「これでもあなたの妻ですから」
きっぱり言い切ったミネルヴァがカッコよく見えた。
「そういう配慮がコータローの優しさから出てるのはわかるし、優しいのは素敵なことだと思う」
一旦言葉を切ったミネルヴァに正面から見据えられて、ちょっと気圧された。
「でも、優し過ぎるのはダメだよ。決めるべきところはきちんと決めてくれないと」
ごもっとも……
ぐうの音も出ない。
「まあ、そういう考えが出たってことは、レイナに対する気持ちが育ってきてるってことだと思うけど」
「そうなんですか!?」
レイナの目に期待がこもってるのは気のせいではないだろう。
「出会ってすぐにそんな気持ちにはなれなくても、これだけ一緒にいるんだから、もう問題はないでしょ。違う?」
「…違いません」
「え? ホントにいいんですか?」
「いや、はっきりさせなくて悪かったーーレイナさえよければ、俺と結婚して欲しい」
「はい。喜んで」
一瞬の迷いもなく即答してくれた。待たせてしまったんだなと思うと、改めて申し訳なさが湧いてくる。
「まったく世話の焼ける……」
残念なことに、返せる言葉がひとつもなかった。
0
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜
月城 蓮桜音
ファンタジー
仕事に日々全力を注ぎ、モフモフのぬいぐるみ達に癒されつつ、趣味の読書を生き甲斐にしていたハードワーカーの神木莉央は、過労死寸前に女神に頼まれて異世界へ。魔法のある世界に召喚された莉央は、魔力量の少なさから無能扱いされるが、持ち前のマイペースさと素直さで、王子と王子の幼馴染達に愛され無双して行く物語です。
※この作品は、カクヨムでも掲載しています。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる