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159 周りに恵まれてます
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レイナの希望で、派手な式などは挙げないことになった。
俺としては前の二人と同じようにきちんとした式を挙げるつもりでいたのだが、レイナに固辞されたのだ。
曰く「自分は王族でも何でもなく、分不相応なのはかえって居心地が悪くなってしまう。できれば身近な人たちだけでこぢんまりとした式がいい」とのことだった。
そういうことならばと、アンソニーに頑張ってもらって、新しい趣向を用意した。
ウェディングケーキの入刀である。
立った俺たちの目線の高さまであるケーキは、アンソニーの力作である。イメージを伝え、無理を言って作ってもらった。素晴らしい出来映えで、これが運び込まれた時は、参加者の間でどよめきが起こった。
「夫婦初の共同作業ってことで、このケーキに二人でナイフを入れるんだーーちなみに、これやるのはレイナとが初めてだから」
「ホントですか?」
レイナの顔が心底嬉しそうにほころぶ。この笑顔を見れただけでオッケーと思ったんだけどーー
無事に入刀を終えたところで気づいた。こちらを見るミネルヴァの視線に。抑えようとはしているようだったが、目が何よりも雄弁に「わたしもやりたい」と訴えかけてきていた。
見ればシルヴィアも、ミネルヴァほどではないものの羨ましそうな顔をしている。
「う……」
「こいつ、やらかしやがった」という空気が流れかけた瞬間、神が降臨した。
「あとふたつありますよ」
微苦笑しながら神ーーアンソニーが言った。
「え!?」
「こうなりそうな気がしたので……」
アンソニー、マジ、神。
「え、でも、今日はレイナのお祝いだし……」
シルヴィアはそう言ったが、口許は嬉しそうに緩んでいる。
「わたしなら全然かまいませんよ。みんなで幸せな気分になれるなら、その方がいいです」
レイナ、心が広い。マジ、神。
それに引き換え、こんな大事なこと見落とすなんて……マジ、クズ……
これまでの人生で一番深い反省。
ともあれ、レイナとアンソニーのおかげで雰囲気が壊れることもなく、和やかな宴が続いた。
そして、陽も傾き、夜の帳が降りる頃合い、俺は立ち上がって集まってくれた人たちに頭を下げた。
「今日はありがとう。レイナとの結婚は、集まってくれた人たちに誓う、人前式の形をとりたいと思います」
「え、今ここで?」
「うん」
「あれ? まだ式はしてなかったの?」
変なことを言い出したのはカズサさんだ。
「してないよ。何で?」
「だって、レイナさん、普通に綺麗じゃない。だから、式は別に挙げて今日は披露宴だけだと思ってたんだけど?」
「じゃあ呪いは自然に解けてたの?」
ユキノさんまでそんなことを言い出した。
「呪い、まだ解けてないよ」
「「「「え!?」」」」
何人かの声が重なる。
「…それって、レイナさんは今よりもっと綺麗になるってこと……?」
「俺にはレイナが皆の目にどう見えてるかがわからんので何とも言えねえけどーー」
ちょっともったいぶって言葉を切る。
「ホントのレイナはマジで綺麗だぞ」
「……」
何とも微妙な沈黙が落ちる。
「…嘘でしょ……」
「今より綺麗って……」
「自信なくすわぁ……」
皆の目には今の段階でレイナが美人に見えているらしい。
シルヴィアとミネルヴァの場合は、キスが呪いを解くカギになった。そして、俺はまだレイナとキスはしていない。
ただ、こういう反応をされると、俺も自信がなくなる。
呪い、解いたつもりはないけど、自然に解けてたのかな?
いずれにしても、先に進もう。
俺としては前の二人と同じようにきちんとした式を挙げるつもりでいたのだが、レイナに固辞されたのだ。
曰く「自分は王族でも何でもなく、分不相応なのはかえって居心地が悪くなってしまう。できれば身近な人たちだけでこぢんまりとした式がいい」とのことだった。
そういうことならばと、アンソニーに頑張ってもらって、新しい趣向を用意した。
ウェディングケーキの入刀である。
立った俺たちの目線の高さまであるケーキは、アンソニーの力作である。イメージを伝え、無理を言って作ってもらった。素晴らしい出来映えで、これが運び込まれた時は、参加者の間でどよめきが起こった。
「夫婦初の共同作業ってことで、このケーキに二人でナイフを入れるんだーーちなみに、これやるのはレイナとが初めてだから」
「ホントですか?」
レイナの顔が心底嬉しそうにほころぶ。この笑顔を見れただけでオッケーと思ったんだけどーー
無事に入刀を終えたところで気づいた。こちらを見るミネルヴァの視線に。抑えようとはしているようだったが、目が何よりも雄弁に「わたしもやりたい」と訴えかけてきていた。
見ればシルヴィアも、ミネルヴァほどではないものの羨ましそうな顔をしている。
「う……」
「こいつ、やらかしやがった」という空気が流れかけた瞬間、神が降臨した。
「あとふたつありますよ」
微苦笑しながら神ーーアンソニーが言った。
「え!?」
「こうなりそうな気がしたので……」
アンソニー、マジ、神。
「え、でも、今日はレイナのお祝いだし……」
シルヴィアはそう言ったが、口許は嬉しそうに緩んでいる。
「わたしなら全然かまいませんよ。みんなで幸せな気分になれるなら、その方がいいです」
レイナ、心が広い。マジ、神。
それに引き換え、こんな大事なこと見落とすなんて……マジ、クズ……
これまでの人生で一番深い反省。
ともあれ、レイナとアンソニーのおかげで雰囲気が壊れることもなく、和やかな宴が続いた。
そして、陽も傾き、夜の帳が降りる頃合い、俺は立ち上がって集まってくれた人たちに頭を下げた。
「今日はありがとう。レイナとの結婚は、集まってくれた人たちに誓う、人前式の形をとりたいと思います」
「え、今ここで?」
「うん」
「あれ? まだ式はしてなかったの?」
変なことを言い出したのはカズサさんだ。
「してないよ。何で?」
「だって、レイナさん、普通に綺麗じゃない。だから、式は別に挙げて今日は披露宴だけだと思ってたんだけど?」
「じゃあ呪いは自然に解けてたの?」
ユキノさんまでそんなことを言い出した。
「呪い、まだ解けてないよ」
「「「「え!?」」」」
何人かの声が重なる。
「…それって、レイナさんは今よりもっと綺麗になるってこと……?」
「俺にはレイナが皆の目にどう見えてるかがわからんので何とも言えねえけどーー」
ちょっともったいぶって言葉を切る。
「ホントのレイナはマジで綺麗だぞ」
「……」
何とも微妙な沈黙が落ちる。
「…嘘でしょ……」
「今より綺麗って……」
「自信なくすわぁ……」
皆の目には今の段階でレイナが美人に見えているらしい。
シルヴィアとミネルヴァの場合は、キスが呪いを解くカギになった。そして、俺はまだレイナとキスはしていない。
ただ、こういう反応をされると、俺も自信がなくなる。
呪い、解いたつもりはないけど、自然に解けてたのかな?
いずれにしても、先に進もう。
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○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
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この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
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