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番外編 01「凍てついた心の独白」
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玉座の間で、アリシアに離婚を告げたあの夜。私は、己の心を凍らせることで皇帝としての仮面を保っていた。隣で嘘泣きをするセシリアの姿に吐き気をもよおしながらも、私は冷徹に非情な言葉を紡いだ。
アリシアをノースガルドへ追放する。それは、セシリアの監視が届かない最も遠い場所へ彼女を逃がすための、私にできる唯一の選択だった。セシリアはアリシアの死を望んでいたが、追放という形に留めることでかろうじて彼女の命を守った。もちろん、そんなことは彼女に言えるはずもない。
ノースガルドで、彼女が生きている。密偵からのその一報は、私の凍てついた心に差し込んだほんのわずかな光だった。だが、彼女が領地を復興させ民に慕われていると聞くたびに、安堵と共に焦りが募った。私の手の届かない場所で、彼女はどんどん強くなっていく。
再会した彼女は、私の知る公爵令嬢ではなかった。瞳には確固たる自信を宿し、一国の主としての風格さえ漂わせていた。同盟を申し入れた私を、彼女は軽蔑した目で見た。当然だ。私は、彼女を裏切ったのだから。
再び彼女を罠に嵌めてしまった時、私は本気で死のうと思った。私という存在が、彼女の人生をこれでもかと狂わせている。だが、彼女はそんな私を叱咤し手を引いてくれた。あの時、私は救われたのだ。この、気高き女王に。
そして、彼女が攫われたと聞いた時。私の思考は停止した。国も、民も、皇帝としての責務も全てがどうでもよくなった。ただ、アリシアを取り戻さなければ。彼女を失うことだけは、耐えられない。
ボロボロになりながら彼女を腕に抱いた時、私は初めて自分の本当の気持ちを知った。これは、政略でも償いでもない。ただ、アリシア・ヴァンデルークという一人の女性を心から愛しているのだ。
戴冠式で彼女が私を選んでくれた時、長年凍てついていた私の心がようやく春の訪れを知ったのだった。
アリシアをノースガルドへ追放する。それは、セシリアの監視が届かない最も遠い場所へ彼女を逃がすための、私にできる唯一の選択だった。セシリアはアリシアの死を望んでいたが、追放という形に留めることでかろうじて彼女の命を守った。もちろん、そんなことは彼女に言えるはずもない。
ノースガルドで、彼女が生きている。密偵からのその一報は、私の凍てついた心に差し込んだほんのわずかな光だった。だが、彼女が領地を復興させ民に慕われていると聞くたびに、安堵と共に焦りが募った。私の手の届かない場所で、彼女はどんどん強くなっていく。
再会した彼女は、私の知る公爵令嬢ではなかった。瞳には確固たる自信を宿し、一国の主としての風格さえ漂わせていた。同盟を申し入れた私を、彼女は軽蔑した目で見た。当然だ。私は、彼女を裏切ったのだから。
再び彼女を罠に嵌めてしまった時、私は本気で死のうと思った。私という存在が、彼女の人生をこれでもかと狂わせている。だが、彼女はそんな私を叱咤し手を引いてくれた。あの時、私は救われたのだ。この、気高き女王に。
そして、彼女が攫われたと聞いた時。私の思考は停止した。国も、民も、皇帝としての責務も全てがどうでもよくなった。ただ、アリシアを取り戻さなければ。彼女を失うことだけは、耐えられない。
ボロボロになりながら彼女を腕に抱いた時、私は初めて自分の本当の気持ちを知った。これは、政略でも償いでもない。ただ、アリシア・ヴァンデルークという一人の女性を心から愛しているのだ。
戴冠式で彼女が私を選んでくれた時、長年凍てついていた私の心がようやく春の訪れを知ったのだった。
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