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5章 女装して国の裏を堕とした
83話 男の夢を叶えた変態さん
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「ぐふ……ぶひ……」
僕はさんざんに豚さんを踏みつけた。
情報はかなり引き出せた――知りたくなかったけど。
「確認が取れたのでしたら、もう――」
この熱気と湿気を放っている物体を踏むの、やめても――
「尋問が必要です」
「いえ、既に」
「必要です」
「ですから」
「セレスティーヌ様――姫様により調教されています以上、その方法ならば嘘は吐けないはずですので」
「そうです、ごまかされないためにも、ここは全てを白状するまで羨ま――尋問を」
「……はぁ……」
さっきまで。
さっきまで変態貴族としてふんぞり返っていたはずの、立派なイス。
僕はそれに座らされ、ハイヒールを履かされ。
脚を組まされ、「これ、見えてしまうのでは?」「見えないぎりぎりを攻めるのでございます」ってメイドさんたちから股を覗かれ、一応ぱんつが本当に見えないぎりぎりのとこで組んだまま、ついでに腕も組まされ女王様プレイ。
僕、男なのになんでこんな目に遭っているんだろうね。
女装しているとはいえ、生物学的にも魂的にも男なのにね。
「しかし、母さ――母上からの許しが出ていたとはいえ、いたいけな子供に対して性的な乱暴を」
「とんでもございぶひぃ!」
「簡潔に」
ぐりっ。
もうやだ。
「ぐふ、儂は以前より嫌がる相手に無理やりというのは好きではなかったので――ぶひぃ! おかげでセレスティーヌ様に去勢されずに済んで悲しかったのでぶひぃ!」
うわぁ……。
「ですがあのお方により、儂は目覚めたのですぞ! 『儂に対して精神的にも立場的にも優位で、自ら楽しく踏みつけてくる綺麗で幼い少女に虐げられないと興奮できない体』になっておるのです! その証拠に踏んでいただいてからこの方、儂から手を出した相手は存在しないので――ぶひぃ!」
それなら安心――いやいや。
貴族の血で魔力を受け継いでいき、魔法とかいうトンデモパワーを使い倒して――ようやくなんとか魔王軍に対して劣勢で押しとどめてる人類圏なんですけど。
たとえ悪いやつだとしても貴族の、それも当主に……その、滅多にない性癖をすり込んじゃったらまずいんじゃないですか、セレスティーヌ母さん。
「……本当ですか?」
ふぅ、と息を吐き、僕はメイドお姉ちゃんへ――今の僕と同じくぎりっぎりのメイド服を着た数歳上の少女へ尋ねる。
「は、はい……モルテール様から手を出された子は居ません」
「『からは』?」
「……その。お貴族様の子を身籠もれば、妾になれますので……あと、豚、いえ、方法はともかく、この方は一応はお貴族様なのに孤児でも拾って育ててくださいましたので……自分から寝所へという子は……」
あー。
女の子って、幼くても意外としたたかだからね。
ほら、よく言うじゃん。
「今日は安全日なの」とか「後で見たらゴムに穴が」とか。
僕は――うん、前世の僕自身は聞いたことないらしいけど、人づてで見聞きはしたらしい。
それはそれは悲しそうな目をした男たちから。
「女って怖い」って。
僕もそう思うよ。
男はか弱い存在なんだ。
男とは、恋愛でも子育てでも家庭でも社会でも慈悲を請う下位の存在なんだ。
「それは、確かで?」
「あ、はい。私は何代目かのメイドまとめ役だそうですけど、これまでも1度も、と」
ああ。
「――つまり、モルテール子爵は」
「身寄りのない孤児、あるいは子沢山のせいで食事も与えられずに半ば放置されている平民の子供を王国中でさらっては、清潔な環境で栄養と教育を与えて育てていたと」
「ぶひぃ! 魔力の才があれば冒険者という肩書きで、無くとも戦闘の才があれば私兵に取り立て、どちらもなければ貴族や商人の使用人として人材育成ぐっふぅ!」
つまり。
――こんなにも変態なのに、実際にはセレスティーヌママン直轄の対魔王軍とか王国内での煽動・反乱・革命を阻止していた、紛れもない有能貴族で?
しかも処罰しようにも――少なくともメイドお姉ちゃん――や、その前のまとめ役たちにバレない範囲でしか、おいたはしていないと。
「……子爵の子供は?」
「ぶひっ! セレスティーヌ様に躾けてもらう以前に手を出した平民の娘を全員妾として娶り、その相手とで数人! 以降は逆レ――奇襲を掛けてきた子供の責任を取った数人が居ります――ぶひぃ!」
「………………………………そうですか」
ああ。
世の中は――不条理だ。
なんでこんなやつが子爵っていう適度な貴族の跡取りになってハーレム構築して――母さんに性癖歪められたりしたたかな子から征服されたりはしているものの、それでも男の夢を叶えているんだ。
僕だって異世界転生貴族スタートでなんにも縛りがなければ「血を残すのも貴族の義務」とか言い張って好みの女の子を囲い込みたかったよ。
こんな侯爵、しかも辺境伯、しかもしかも10年後から悲惨なジュリオン様とかじゃなく、子爵とか男爵とか普通の商人の家に生まれて普通に生きたかったよ。
それなのに僕を見てよ。
ジュリオン様だよ。
ついさっき、危うく全世界の敵にさせられかけて思わず泣くとかいう屈辱を、そして今は男に対して女王様プレイを強制させられてるジュリオン様だよ。
……まぁ変態相手とはいえ責める側ってので、まだメス堕ちにはならなさそうで良かったけども。
いや、待て。
女装して女の子扱いされながら男を踏みつけて喜ぶ変態って、ある意味メス堕ちなのでは?
喜んではいないけども、この場の全員が――僕以外の世界そのものが、そう見てきているのでは?
「………………………………」
ぐりっ。
「ぶひぃ!!!」
……予定では今ごろ、何事もなく屋敷に帰っていたはずなのに、どうしてこうなったんだろうなぁ……。
僕はさんざんに豚さんを踏みつけた。
情報はかなり引き出せた――知りたくなかったけど。
「確認が取れたのでしたら、もう――」
この熱気と湿気を放っている物体を踏むの、やめても――
「尋問が必要です」
「いえ、既に」
「必要です」
「ですから」
「セレスティーヌ様――姫様により調教されています以上、その方法ならば嘘は吐けないはずですので」
「そうです、ごまかされないためにも、ここは全てを白状するまで羨ま――尋問を」
「……はぁ……」
さっきまで。
さっきまで変態貴族としてふんぞり返っていたはずの、立派なイス。
僕はそれに座らされ、ハイヒールを履かされ。
脚を組まされ、「これ、見えてしまうのでは?」「見えないぎりぎりを攻めるのでございます」ってメイドさんたちから股を覗かれ、一応ぱんつが本当に見えないぎりぎりのとこで組んだまま、ついでに腕も組まされ女王様プレイ。
僕、男なのになんでこんな目に遭っているんだろうね。
女装しているとはいえ、生物学的にも魂的にも男なのにね。
「しかし、母さ――母上からの許しが出ていたとはいえ、いたいけな子供に対して性的な乱暴を」
「とんでもございぶひぃ!」
「簡潔に」
ぐりっ。
もうやだ。
「ぐふ、儂は以前より嫌がる相手に無理やりというのは好きではなかったので――ぶひぃ! おかげでセレスティーヌ様に去勢されずに済んで悲しかったのでぶひぃ!」
うわぁ……。
「ですがあのお方により、儂は目覚めたのですぞ! 『儂に対して精神的にも立場的にも優位で、自ら楽しく踏みつけてくる綺麗で幼い少女に虐げられないと興奮できない体』になっておるのです! その証拠に踏んでいただいてからこの方、儂から手を出した相手は存在しないので――ぶひぃ!」
それなら安心――いやいや。
貴族の血で魔力を受け継いでいき、魔法とかいうトンデモパワーを使い倒して――ようやくなんとか魔王軍に対して劣勢で押しとどめてる人類圏なんですけど。
たとえ悪いやつだとしても貴族の、それも当主に……その、滅多にない性癖をすり込んじゃったらまずいんじゃないですか、セレスティーヌ母さん。
「……本当ですか?」
ふぅ、と息を吐き、僕はメイドお姉ちゃんへ――今の僕と同じくぎりっぎりのメイド服を着た数歳上の少女へ尋ねる。
「は、はい……モルテール様から手を出された子は居ません」
「『からは』?」
「……その。お貴族様の子を身籠もれば、妾になれますので……あと、豚、いえ、方法はともかく、この方は一応はお貴族様なのに孤児でも拾って育ててくださいましたので……自分から寝所へという子は……」
あー。
女の子って、幼くても意外としたたかだからね。
ほら、よく言うじゃん。
「今日は安全日なの」とか「後で見たらゴムに穴が」とか。
僕は――うん、前世の僕自身は聞いたことないらしいけど、人づてで見聞きはしたらしい。
それはそれは悲しそうな目をした男たちから。
「女って怖い」って。
僕もそう思うよ。
男はか弱い存在なんだ。
男とは、恋愛でも子育てでも家庭でも社会でも慈悲を請う下位の存在なんだ。
「それは、確かで?」
「あ、はい。私は何代目かのメイドまとめ役だそうですけど、これまでも1度も、と」
ああ。
「――つまり、モルテール子爵は」
「身寄りのない孤児、あるいは子沢山のせいで食事も与えられずに半ば放置されている平民の子供を王国中でさらっては、清潔な環境で栄養と教育を与えて育てていたと」
「ぶひぃ! 魔力の才があれば冒険者という肩書きで、無くとも戦闘の才があれば私兵に取り立て、どちらもなければ貴族や商人の使用人として人材育成ぐっふぅ!」
つまり。
――こんなにも変態なのに、実際にはセレスティーヌママン直轄の対魔王軍とか王国内での煽動・反乱・革命を阻止していた、紛れもない有能貴族で?
しかも処罰しようにも――少なくともメイドお姉ちゃん――や、その前のまとめ役たちにバレない範囲でしか、おいたはしていないと。
「……子爵の子供は?」
「ぶひっ! セレスティーヌ様に躾けてもらう以前に手を出した平民の娘を全員妾として娶り、その相手とで数人! 以降は逆レ――奇襲を掛けてきた子供の責任を取った数人が居ります――ぶひぃ!」
「………………………………そうですか」
ああ。
世の中は――不条理だ。
なんでこんなやつが子爵っていう適度な貴族の跡取りになってハーレム構築して――母さんに性癖歪められたりしたたかな子から征服されたりはしているものの、それでも男の夢を叶えているんだ。
僕だって異世界転生貴族スタートでなんにも縛りがなければ「血を残すのも貴族の義務」とか言い張って好みの女の子を囲い込みたかったよ。
こんな侯爵、しかも辺境伯、しかもしかも10年後から悲惨なジュリオン様とかじゃなく、子爵とか男爵とか普通の商人の家に生まれて普通に生きたかったよ。
それなのに僕を見てよ。
ジュリオン様だよ。
ついさっき、危うく全世界の敵にさせられかけて思わず泣くとかいう屈辱を、そして今は男に対して女王様プレイを強制させられてるジュリオン様だよ。
……まぁ変態相手とはいえ責める側ってので、まだメス堕ちにはならなさそうで良かったけども。
いや、待て。
女装して女の子扱いされながら男を踏みつけて喜ぶ変態って、ある意味メス堕ちなのでは?
喜んではいないけども、この場の全員が――僕以外の世界そのものが、そう見てきているのでは?
「………………………………」
ぐりっ。
「ぶひぃ!!!」
……予定では今ごろ、何事もなく屋敷に帰っていたはずなのに、どうしてこうなったんだろうなぁ……。
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