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第6話 “逃げ道“に二重線を引く、重さ。
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夕方、執務がひと段落した頃。
俺は書庫で、ひとりになっていた。
本当は、彼女と帰る約束をしていた。
帰ろう、と言われた。
袖をつままれた。
あれは約束だ。
――なのに俺は、書庫に逃げた。
理由は簡単だ。
怖い。
今日の俺は、“特別にしたい”なんて言った。
あんなのは。
言ったらいけない類の言葉だ。
言ったら、期待させる。
言ったら、彼女を縛る。
言ったら、彼女がもっと――俺に向けて重くなる。
それは、怖い。
嬉しいのに、怖い。
そして何より。
彼女の重さが“帰る場所”になってしまった今。
俺はもう、戻れない。
戻れない場所に足を踏み入れるのが、恐ろしくて仕方がない。
書庫の匂いは落ち着く。
紙とインクの匂い。
古い木の棚の匂い。
ここは誰も俺の内側に踏み込んでこない。
ここでは俺は、役割だけで存在できる。
俺は机に向かい、次の交渉用の資料に目を通した。
文字を追っているはずなのに、視界がぼやける。
頭の中に浮かぶのは、彼女の声だ。
「特別、くれたから」
あの言葉が、ずるい。
俺はいつも、人に優しくすることはできる。
でも“特別”は違う。
特別は、責任だ。
特別は、約束だ。
特別は――
「……俺には、重い」
口に出してしまった。
そして、その瞬間。
書庫の扉が、静かに開く音がした。
俺の背中が凍る。
振り向かなくても、分かる。
足音が軽い。
でも、迷いがない。
俺の逃げ道を把握して、当然のように来る足音。
「ここだった」
彼女の声。
やわらかいのに、確定的。
俺はゆっくり振り向いた。
彼女は、扉の前に立っていた。
いつものにこにこした表情じゃない。
怒っているわけでもない。
でも――まっすぐに、真面目だった。
「帰るって言ったのに」
責める声じゃない。
確認する声。
それが一番怖い。
俺は反射的に笑顔を作る。
「すみません。少しだけ、確認したい資料が」
「“大丈夫です”禁止」
即。
彼女はすぐそれを言った。
俺の言い訳を、丸ごと潰す言葉。
俺は息を止めた。
くそ。
この人、本当に容赦がない。
優しいくせに。
「……」
俺は黙った。
黙るのも逃げだ。
でも、黙る逃げ道も塞がれているのが分かる。
彼女は机の前まで来て、少しだけ身を乗り出した。
距離が近い。
でも抱きしめたりはしない。
今の彼女は、“甘やかす”じゃなく、“捕まえる”を選んでいる。
「本音」
彼女は短く言った。
「今」
俺は苦く笑った。
「……厳しいですね」
「うん」
彼女も笑わない。
「好きだから」
その言葉は、言い訳じゃなく、理由だった。
俺はもう逃げられない。
逃げても、追いかけられる。
追いかけられて――捕まえられる。
なら。
どこで負けるのが、一番傷が浅い?
俺は息を吐いて、ようやく言った。
「……怖いです」
言った瞬間。
自分の喉が震えるのが分かった。
怖い。
たった三文字なのに。
俺にとっては、致命傷みたいな言葉だ。
彼女は、頷いた。
「うん」
否定しない。
慰めない。
ただ、受け止める。
「何が怖い?」
俺の喉が詰まる。
何が。
何が怖い?
全部だ。
彼女が好きなこと。
彼女の重さが嬉しいこと。
俺が、そこに救われてしまうこと。
救われたら、もう。
俺の人生は“ひとりで耐える”方向に戻れない。
「……あなたが」
俺は言葉を探しながら、絞り出した。
「……俺を、好きだって言うのが怖いです」
言った途端。
彼女の目が、少しだけ揺れた。
悲しそうな揺れ。
でも怒ってはいない。
怒っていないのが、逆に痛い。
「……それ、ひどいね」
彼女が小さく言った。
責めるんじゃない。
ただ、事実として言った。
それが刺さる。
俺は唇を噛んだ。
「……分かってます」
言いながら、胸の奥がぎゅっと痛む。
「でも、俺は」
俺は机の端を握った。
力を入れないと、崩れる。
「……期待するのが怖い」
言ってしまった。
期待。
その言葉の中に、俺の弱さが全部入っている。
彼女が好きだと知ったら。
彼女が特別だと知ったら。
俺は欲しくなる。
もっと。
もっと。
ずっと。
離れないでほしい。
見捨てないでほしい。
帰ってきてほしい。
――そんな醜い欲が、出てくる。
その欲を持つ自分が怖い。
それを見せたら嫌われる。
だから俺は、優しいふりをして、ふんわりしたふりをして、
いつでも離れられる顔で、生きてきたのに。
彼女は、少し黙った。
そして、机の上に置いていた俺のペンを、そっと取った。
紙を一枚引き寄せる。
そこに、綺麗な字で書いた。
「逃げ道」
それから、その文字に二重線を引く。
ゆっくり、確実に。
そして、言った。
「作るな」
心臓が跳ねた。
彼女は顔を上げて、まっすぐ俺を見る。
「逃げ道、作らないで」
その言葉は重い。
でも、怖い重さじゃない。
“ここにいて”という重さ。
帰ってきて、という重さ。
俺は息ができなくなる。
「……迷惑をかけたくないんです」
俺は最後の抵抗を出した。
迷惑。
それを言えば、彼女は引くはずだ。
普通の人なら。
普通の人なら、だ。
彼女は引かない。
むしろ、静かに笑った。
「迷惑かけて」
俺の胸がどくんと鳴った。
「私は、あなたの婚約者だよ」
婚約者。
その言葉は、理屈のはずなのに。
彼女が言うと、誓いみたいになる。
「あなたが弱いの、迷惑じゃない」
「……でも」
「迷惑って言うなら」
彼女は少しだけ身を乗り出し、囁くように言った。
「私が重いのも迷惑でしょ」
――違う。
違う、違う。
迷惑じゃない。
重いのが嬉しい。
重いのが救いだ。
俺は言葉を失った。
彼女は、俺の沈黙を答えとして受け取ったように頷いた。
「ほら」
「……」
「あなた、私の重さが好きなくせに」
当てるな。
見抜くな。
そんなことを言われたら、俺は。
俺はもう。
演技できない。
俺は視線を逸らし、弱々しく言った。
「……好きです」
言ってしまった。
終わった。
俺は終わった。
彼女の頬が、少しだけ赤くなる。
でも彼女は、すぐ笑わない。
ここは、笑うところじゃないと分かっている。
「うん」
真剣に頷く。
「じゃあ、私も言う」
彼女は深呼吸して、言った。
「私はあなたが好き」
その言葉が、胸の奥に落ちた。
落ちて、じわじわ広がる。
怖い。
でも同時に――楽になる。
俺は震える息で言った。
「……そんなの」
「うん」
「……そんなの、受け取ったら」
俺は喉を押さえるように言った。
「……欲しくなります」
欲しい。
欲しい。
欲しい。
その言葉が、俺の中で暴れる。
彼女は、一瞬だけ目を見開いた。
それから、笑った。
やわらかい笑い。
嬉しい笑い。
「欲しがって」
その言葉が、優しすぎて。
俺はとうとう、膝から力が抜けそうになる。
「欲しがっていい」
彼女は、机の向こうから手を伸ばして、俺の手の甲に触れた。
ぎゅっとは握らない。
ただ触れる。
でも、逃げられない触れ方。
「私ね」
彼女は、少しだけ声を落とした。
「あなたに、重いって思われても好きでいる」
その覚悟が、胸を刺す。
俺は、喉の奥が熱くなった。
「……やめてください」
震える声で言う。
「……そんなの、ずるい」
彼女は微笑む。
「ずるいよ」
当たり前のように認める。
そして、最後に言った。
「だって、あなたはずっと一人だったから」
一人だった。
その言葉は、俺の核心を突いた。
俺は、ずっと一人だった。
誰かに頼るのが怖くて。
期待するのが怖くて。
優しいふりをして。
ふんわりして。
天然で。
誰も踏み込めない場所に自分を置いて。
そうして生きてきた。
でも彼女は、その孤独を“責めない”。
ただ、塞ぐ。
重い愛で、塞いでしまう。
逃げ道を塞いで、帰る場所を作る。
俺は、とうとう顔を上げた。
「……俺」
声が震える。
「……あなたがいないと、だめです」
言ってしまった。
言った瞬間、彼女の目が潤む。
そして、彼女は――机を回り込み、俺の横に来た。
今度は、抱きしめた。
救済じゃない。
罰でもない。
ただ、当たり前の抱擁。
「うん」
彼女の声が耳元に落ちる。
「それでいいよ」
それでいい。
そんな許可を、俺は知らなかった。
俺は彼女の背に手を回した。
弱い力で。
でも逃げない力で。
「……帰りたいです」
俺が言うと、彼女は頷いた。
「うん」
「帰ろう」
俺は目を閉じた。
もう逃げない。
逃げ道を作らない。
だって、この人が塞ぐと言った。
重い愛で。
優しい圧で。
俺が迷子にならないように。
俺は書庫で、ひとりになっていた。
本当は、彼女と帰る約束をしていた。
帰ろう、と言われた。
袖をつままれた。
あれは約束だ。
――なのに俺は、書庫に逃げた。
理由は簡単だ。
怖い。
今日の俺は、“特別にしたい”なんて言った。
あんなのは。
言ったらいけない類の言葉だ。
言ったら、期待させる。
言ったら、彼女を縛る。
言ったら、彼女がもっと――俺に向けて重くなる。
それは、怖い。
嬉しいのに、怖い。
そして何より。
彼女の重さが“帰る場所”になってしまった今。
俺はもう、戻れない。
戻れない場所に足を踏み入れるのが、恐ろしくて仕方がない。
書庫の匂いは落ち着く。
紙とインクの匂い。
古い木の棚の匂い。
ここは誰も俺の内側に踏み込んでこない。
ここでは俺は、役割だけで存在できる。
俺は机に向かい、次の交渉用の資料に目を通した。
文字を追っているはずなのに、視界がぼやける。
頭の中に浮かぶのは、彼女の声だ。
「特別、くれたから」
あの言葉が、ずるい。
俺はいつも、人に優しくすることはできる。
でも“特別”は違う。
特別は、責任だ。
特別は、約束だ。
特別は――
「……俺には、重い」
口に出してしまった。
そして、その瞬間。
書庫の扉が、静かに開く音がした。
俺の背中が凍る。
振り向かなくても、分かる。
足音が軽い。
でも、迷いがない。
俺の逃げ道を把握して、当然のように来る足音。
「ここだった」
彼女の声。
やわらかいのに、確定的。
俺はゆっくり振り向いた。
彼女は、扉の前に立っていた。
いつものにこにこした表情じゃない。
怒っているわけでもない。
でも――まっすぐに、真面目だった。
「帰るって言ったのに」
責める声じゃない。
確認する声。
それが一番怖い。
俺は反射的に笑顔を作る。
「すみません。少しだけ、確認したい資料が」
「“大丈夫です”禁止」
即。
彼女はすぐそれを言った。
俺の言い訳を、丸ごと潰す言葉。
俺は息を止めた。
くそ。
この人、本当に容赦がない。
優しいくせに。
「……」
俺は黙った。
黙るのも逃げだ。
でも、黙る逃げ道も塞がれているのが分かる。
彼女は机の前まで来て、少しだけ身を乗り出した。
距離が近い。
でも抱きしめたりはしない。
今の彼女は、“甘やかす”じゃなく、“捕まえる”を選んでいる。
「本音」
彼女は短く言った。
「今」
俺は苦く笑った。
「……厳しいですね」
「うん」
彼女も笑わない。
「好きだから」
その言葉は、言い訳じゃなく、理由だった。
俺はもう逃げられない。
逃げても、追いかけられる。
追いかけられて――捕まえられる。
なら。
どこで負けるのが、一番傷が浅い?
俺は息を吐いて、ようやく言った。
「……怖いです」
言った瞬間。
自分の喉が震えるのが分かった。
怖い。
たった三文字なのに。
俺にとっては、致命傷みたいな言葉だ。
彼女は、頷いた。
「うん」
否定しない。
慰めない。
ただ、受け止める。
「何が怖い?」
俺の喉が詰まる。
何が。
何が怖い?
全部だ。
彼女が好きなこと。
彼女の重さが嬉しいこと。
俺が、そこに救われてしまうこと。
救われたら、もう。
俺の人生は“ひとりで耐える”方向に戻れない。
「……あなたが」
俺は言葉を探しながら、絞り出した。
「……俺を、好きだって言うのが怖いです」
言った途端。
彼女の目が、少しだけ揺れた。
悲しそうな揺れ。
でも怒ってはいない。
怒っていないのが、逆に痛い。
「……それ、ひどいね」
彼女が小さく言った。
責めるんじゃない。
ただ、事実として言った。
それが刺さる。
俺は唇を噛んだ。
「……分かってます」
言いながら、胸の奥がぎゅっと痛む。
「でも、俺は」
俺は机の端を握った。
力を入れないと、崩れる。
「……期待するのが怖い」
言ってしまった。
期待。
その言葉の中に、俺の弱さが全部入っている。
彼女が好きだと知ったら。
彼女が特別だと知ったら。
俺は欲しくなる。
もっと。
もっと。
ずっと。
離れないでほしい。
見捨てないでほしい。
帰ってきてほしい。
――そんな醜い欲が、出てくる。
その欲を持つ自分が怖い。
それを見せたら嫌われる。
だから俺は、優しいふりをして、ふんわりしたふりをして、
いつでも離れられる顔で、生きてきたのに。
彼女は、少し黙った。
そして、机の上に置いていた俺のペンを、そっと取った。
紙を一枚引き寄せる。
そこに、綺麗な字で書いた。
「逃げ道」
それから、その文字に二重線を引く。
ゆっくり、確実に。
そして、言った。
「作るな」
心臓が跳ねた。
彼女は顔を上げて、まっすぐ俺を見る。
「逃げ道、作らないで」
その言葉は重い。
でも、怖い重さじゃない。
“ここにいて”という重さ。
帰ってきて、という重さ。
俺は息ができなくなる。
「……迷惑をかけたくないんです」
俺は最後の抵抗を出した。
迷惑。
それを言えば、彼女は引くはずだ。
普通の人なら。
普通の人なら、だ。
彼女は引かない。
むしろ、静かに笑った。
「迷惑かけて」
俺の胸がどくんと鳴った。
「私は、あなたの婚約者だよ」
婚約者。
その言葉は、理屈のはずなのに。
彼女が言うと、誓いみたいになる。
「あなたが弱いの、迷惑じゃない」
「……でも」
「迷惑って言うなら」
彼女は少しだけ身を乗り出し、囁くように言った。
「私が重いのも迷惑でしょ」
――違う。
違う、違う。
迷惑じゃない。
重いのが嬉しい。
重いのが救いだ。
俺は言葉を失った。
彼女は、俺の沈黙を答えとして受け取ったように頷いた。
「ほら」
「……」
「あなた、私の重さが好きなくせに」
当てるな。
見抜くな。
そんなことを言われたら、俺は。
俺はもう。
演技できない。
俺は視線を逸らし、弱々しく言った。
「……好きです」
言ってしまった。
終わった。
俺は終わった。
彼女の頬が、少しだけ赤くなる。
でも彼女は、すぐ笑わない。
ここは、笑うところじゃないと分かっている。
「うん」
真剣に頷く。
「じゃあ、私も言う」
彼女は深呼吸して、言った。
「私はあなたが好き」
その言葉が、胸の奥に落ちた。
落ちて、じわじわ広がる。
怖い。
でも同時に――楽になる。
俺は震える息で言った。
「……そんなの」
「うん」
「……そんなの、受け取ったら」
俺は喉を押さえるように言った。
「……欲しくなります」
欲しい。
欲しい。
欲しい。
その言葉が、俺の中で暴れる。
彼女は、一瞬だけ目を見開いた。
それから、笑った。
やわらかい笑い。
嬉しい笑い。
「欲しがって」
その言葉が、優しすぎて。
俺はとうとう、膝から力が抜けそうになる。
「欲しがっていい」
彼女は、机の向こうから手を伸ばして、俺の手の甲に触れた。
ぎゅっとは握らない。
ただ触れる。
でも、逃げられない触れ方。
「私ね」
彼女は、少しだけ声を落とした。
「あなたに、重いって思われても好きでいる」
その覚悟が、胸を刺す。
俺は、喉の奥が熱くなった。
「……やめてください」
震える声で言う。
「……そんなの、ずるい」
彼女は微笑む。
「ずるいよ」
当たり前のように認める。
そして、最後に言った。
「だって、あなたはずっと一人だったから」
一人だった。
その言葉は、俺の核心を突いた。
俺は、ずっと一人だった。
誰かに頼るのが怖くて。
期待するのが怖くて。
優しいふりをして。
ふんわりして。
天然で。
誰も踏み込めない場所に自分を置いて。
そうして生きてきた。
でも彼女は、その孤独を“責めない”。
ただ、塞ぐ。
重い愛で、塞いでしまう。
逃げ道を塞いで、帰る場所を作る。
俺は、とうとう顔を上げた。
「……俺」
声が震える。
「……あなたがいないと、だめです」
言ってしまった。
言った瞬間、彼女の目が潤む。
そして、彼女は――机を回り込み、俺の横に来た。
今度は、抱きしめた。
救済じゃない。
罰でもない。
ただ、当たり前の抱擁。
「うん」
彼女の声が耳元に落ちる。
「それでいいよ」
それでいい。
そんな許可を、俺は知らなかった。
俺は彼女の背に手を回した。
弱い力で。
でも逃げない力で。
「……帰りたいです」
俺が言うと、彼女は頷いた。
「うん」
「帰ろう」
俺は目を閉じた。
もう逃げない。
逃げ道を作らない。
だって、この人が塞ぐと言った。
重い愛で。
優しい圧で。
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