お人好しな新米冒険者は最強パーティに愛で尽くされる~行き倒れ戦士と毒舌魔導師、そして大型犬な後継者に囲まれて~

たら昆布

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25話

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聖域での激戦から数日が経ち、レオたちは聖都の静かな別荘で休息の時を過ごしていた。
窓の外には穏やかな庭園が広がり、小鳥のさえずりが聞こえる。
しかし、レオの心には、古傷のような小さな痛みが疼き続けていた。

「……ねえ、みんな。本当に僕でいいのかな」

ふと漏れた呟きに、部屋にいた三人の視線が一斉に突き刺さった。
レオは天蓋付きの大きなベッドの上で、自分の細い指先を見つめながら言葉を続ける。

「村にいた頃、僕はいつも『お節介で無能』だって言われていたんだ。何をやっても中途半端で、誰の役にも立てなくて……。だから、こんなにすごいみんなが、どうして僕なんかのために命を懸けてくれるのか、時々分からなくなるんだよ」

レオの琥珀色の瞳が、過去の影に曇る。
自分には価値がない。
そう刷り込まれてきた二十年間の時間は、最強の男たちに愛されてなお、レオの心を縛り付けていた。

「……誰がそんな寝言を言った。その村の連中を、今から根こそぎ叩き斬ってきてもいいんだぞ」

地響きのような低音とともに、ガウルがベッドの縁に腰を下ろした。
ガウルの大きな掌がレオの頬を包み込み、強引に自分の方を向かせる。
至近距離で見つめ合う視線。
ガウルの瞳には、烈しい怒りと、それを上回る深い慈しみが宿っていた。

「レオ、よく聞け。あんたがいなければ、俺はあの森で朽ち果てていた。俺に生きる意味を与えたのは、あんたのその『お節介』だ。……俺にとっては、あんたこそが唯一の救いなんだよ」

ガウルはレオの額に自分の額を押し当てた。
混ざり合う熱い吐息。
ガウルの硬い胸板から伝わる激しい鼓動が、レオの「無価値観」を力ずくで書き換えていく。

「やれやれ。野蛮な戦士の言葉だけでは、まだ不安なようだね」

シリウスが優雅な足取りで近づき、レオの反対側に座った。
彼はレオの手を取り、指先にそっと唇を寄せる。
ひんやりとした、けれど情熱を秘めた瞳がレオを射抜いた。

「レオ、君のその資質――至純の光は、君の心が美しくなければ決して目覚めなかったものだ。君を無能だと笑った連中は、太陽の眩しさを理解できない土竜(もぐら)と同じだよ。……君は僕の知的好奇心を満たし、冷え切った魔力を熱くさせてくれる。僕にとって、君以上の価値を持つ存在はこの世に存在しない」

シリウスの細長い指が、レオの首筋を優しくなぞる。
わずかな体温の変化に敏感に反応し、レオの身体が甘く震えた。
シリウスはレオの耳朶を軽く噛み、熱い言葉を流し込む。

「君を否定する過去があるなら、僕たちがそのすべてを塗りつぶしてあげる。……いいね、レオ?」

「……自分も、自分も言いたいっす!」

カイトがレオの足元から這い上がり、レオの腰にがっしりと抱きついた。
若さ溢れる太陽のような笑顔が、レオの視界を明るく染める。

「自分、名門の重圧に負けそうだった時、レオさんに声をかけてもらって救われたんす!『一緒に来ない?』って言ってくれたあの瞬間、自分、生まれて初めて自由になれた気がしたっす!……レオさんは、最高のリーダーで、最高に可愛い自分のお姫様っす!」

「お、お姫様なんて……っ」

「自分にとってはそうっす! レオさんの笑顔一つで、自分はどこまででも強くなれるんす。価値がないなんて、二度と言わないでほしいっす!」

カイトがレオの胸元に顔を埋め、大型犬のように頬をすり寄せる。
三方向から注がれる、圧倒的な全肯定。
三つの異なる「熱」が、レオの冷えていた心の空洞を、愛という名の蜜で満たしていく。

レオの目から、一筋の涙がこぼれ落ちた。
それは悲しみの涙ではなく、ようやく「ここにいてもいいんだ」と自分を許せた、解放の涙だった。

「……ありがとう。……僕、もう迷わないよ。みんなが僕を必要だって言ってくれるなら、僕は僕のために……みんなの傍にいたい」

レオが泣き笑いの表情で告げると、男たちの理性が一気に弾けた。

「……ああ。一生離さん。あんたのすべてを、俺が守り抜く」

ガウルがレオの腰を引き寄せ、深い口付けを交わす。

「ふふ、よく言えたね。……ご褒美に、今夜はたっぷりとかわいがってあげよう」

シリウスがレオのシャツのボタンを一つ、また一つと外していく。

「レオさん! 自分、世界一幸せにするっすよ!」

カイトがレオの首筋に、熱いキスマークを刻みつけた。

過去のトラウマは、三人の獣たちの烈しい愛によって、溶けるように消え去っていった。
レオは今、初めて自分の価値を自覚した。
それは、最強の男たちに愛でられ、求められ、独占されるという、甘美で残酷な宿命。

「(……ああ。僕、幸せすぎて、どうにかなっちゃいそうだよ……っ)」

琥珀色の瞳を潤ませ、レオは三人の熱の中に身を投じた。
一人の少年が、三人の男たちの『愛し子』として完成した、幸福な午後。
レオの新しい人生は、ここから本当の意味で始まろうとしていた。
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