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10 夢
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寂しく悲しい夢…………。
◇
金髪の縦ロール、目が青い10歳の女の子がいた。名前はプルメリア。
「これも、嫌よ!もっと可愛いの持って来て!」
「しかし…(もう着たことのないドレスは全てお出ししたのだけれど……)」
「私の言う事が聞けないの?使えない子ね!」
「あらあら、どうしたの?」
「お母様!私、可愛い服がほしいわ!」
「あら、良いわね!どんな服にしようかしら。」
「ええっとねー!」
父親はほとんど顔を合わせることはなく、顔を合わせても会話はない。
兄もいるが、部屋にこもっていることが多く、出てきたとしても、好き放題しているプルメリアと、それを諌めない母親のことを軽蔑の目で見ていた。
母親はプルメリアにとても甘く、否とした事がないのではないかというくらい、言われるがまま全てを与えていた。
プルメリアは、自分を愛してくれるのは母親だけだと感じていた。だからこそ、愛を確かめるために我儘をいった。聞いてもらえると愛されていると実感できたから。
そんな生活の中で、第2王子ライアンの婚約者の話が来た。婚約者候補が集まる場に出席すると、令嬢が何人か来ており、お茶会をした。その後、父親にどう思うか聞かれたとき、プルメリアは「結婚したいです」と即答した。婚約者候補としてライアン王子に会ったとき、一目惚れをしていたからだ。そして、婚約者候補筆頭だったプルメリアは、ライアン王子の婚約者になった。
プルメリアの我儘は変わらなかったが、ライアン王子のため、淑女教育は真面目に受けた。
すると、徐々にわがままを言う事も少なくなっていった。
13歳。学園に入学する歳になると、令嬢として恥ずかしくない行動をする様にになり、美人に成長し、縦ロールにも磨きがかかった。
入学した報告のため婚約者であるライアン王子に会いにいくと、横にはオレンジ色のふわふわした髪の女生徒がいた。ライアン王子の周りには側近もいるのだが、何故かふたりが気になり目が離せない。そして、ふたりを見ていると、王子はその女生徒の事を好いているのだとすぐに分かった。
プルメリアの心は乱れた。それを押し殺し、ライアン王子に近づくと、周りの側近達は退いたが、女生徒はそのままだった。
ライアン王子がプルメリアに気づき声をかけた。
「プルメリアか。」
「ライアン様、お久しぶりでございます。入学の挨拶に参りました。」
「そうか。入学おめでとう。」
「ありがとうございます。…あの…その方は?」
「クリスティーナ·アンバー嬢だ。」
「よろしくお願いします」
何故、ライアン様の横にいるの?そこは私の場所よ。婚約者の私がいるのに何故退かないの?
クリスティーナはその後もいつも変わらず、ライアン王子のそばにいた。プルメリアはライアン王子にも、クリスティーナにも苦言や警告をするが、それでも変わらない。
そのうち、周りの令嬢たちがクリスティーナに強く当たるようになった。その様子がプルメリアの目にはいる事もあったが、プルメリアは助けも加担もせず、傍観する姿勢をとった。
また、仲のいい二人を見るたびに、心の中にどんなに嵐が吹き荒れても、婚約者としてのプライドがあり、手を出すことはしなかった。学業の合間を縫い、妃教育も受けていたから忙しくもあったのだ。
第1王子に何かあったときは、第2王子であるライアン王子が王太子となるため、その伴侶も妃教育は必要なのだ。
今だけよ。今だけ我慢すれば……。
そんな日々が過ぎ、ライアン王子が卒業する年になった。プルメリアは17歳。あと1年で卒業し、ライアン王子と結婚する事になっていた。
しかし、卒業式の日に事件は起こった。
ライアン王子とクリスティーナが腕を組んでプルメリアの前に立つ。ふたりの後ろには騎士もいた。
「プルメリア、お前との婚約を破棄する!」
「!!何故ですか?」
「お前はクリスティーナを虐めていたそうだな。私の伴侶にそんな奴はいらない。」
「何を仰っているのか分かりかねます。」
「しらをきるのか?皆が教えてくれたぞ。」
「皆ですか?…私が何をしたと?」
「他の令嬢に指示をだし、暴言暴力をさせたのだろう。指示されたとの言質も取っているぞ。」
「私を信じてはくれないのですね。ライアン様のために、血反吐を吐くような教育を受けてきたのですよ。貴方様の妃になるために。」
「だから、偉いと?暴言や暴力もありだと、そういうのか?」
「そんな事は言っていません。いじめる暇など無かったのです。」
「皆から言質を取ったと言っただろう。諦めろ。今なら国外追放で許してやる。」
「……………国外追放?……婚約者である私は蔑ろにされているのに、なぜそこまでその女を守ろうとするのですか?そもそも、婚約者がいる男性を誑かした女性が悪いのですよ?」
「やっと認めたか!」
「答えてください!」
「愛する女を守って何が悪い!プルメリアを連れていけ!」
後ろにいた騎士に命令し、そのままプルメリアに背を向け行ってしまった。
プルメリアは呆然とその背中を見ていた。
その後は、騎士に連れられ学園の外へ行き、馬車に乗せられた。
……私は愛されないの?…頑張ってきたのに…。わがままもやめたのに……。国外追放って…。
目から涙があふれた。拭いても拭いても出てくる。
ガタン
馬車が止まると、御者に外に引きずり出された。
「痛い。何するの?」
その瞬間、
パチン
プルメリアの中で何かが弾けた。
この光景見たことがある…確かこの後…
プルメリアは御者によって、ナイフを胸に付き立てられた。
◇
目を覚ますと、プルメリアの顔が涙で濡れていた。
私、泣いてた?
悲しい夢だったような気がするけど、思い出せない…。
◇
金髪の縦ロール、目が青い10歳の女の子がいた。名前はプルメリア。
「これも、嫌よ!もっと可愛いの持って来て!」
「しかし…(もう着たことのないドレスは全てお出ししたのだけれど……)」
「私の言う事が聞けないの?使えない子ね!」
「あらあら、どうしたの?」
「お母様!私、可愛い服がほしいわ!」
「あら、良いわね!どんな服にしようかしら。」
「ええっとねー!」
父親はほとんど顔を合わせることはなく、顔を合わせても会話はない。
兄もいるが、部屋にこもっていることが多く、出てきたとしても、好き放題しているプルメリアと、それを諌めない母親のことを軽蔑の目で見ていた。
母親はプルメリアにとても甘く、否とした事がないのではないかというくらい、言われるがまま全てを与えていた。
プルメリアは、自分を愛してくれるのは母親だけだと感じていた。だからこそ、愛を確かめるために我儘をいった。聞いてもらえると愛されていると実感できたから。
そんな生活の中で、第2王子ライアンの婚約者の話が来た。婚約者候補が集まる場に出席すると、令嬢が何人か来ており、お茶会をした。その後、父親にどう思うか聞かれたとき、プルメリアは「結婚したいです」と即答した。婚約者候補としてライアン王子に会ったとき、一目惚れをしていたからだ。そして、婚約者候補筆頭だったプルメリアは、ライアン王子の婚約者になった。
プルメリアの我儘は変わらなかったが、ライアン王子のため、淑女教育は真面目に受けた。
すると、徐々にわがままを言う事も少なくなっていった。
13歳。学園に入学する歳になると、令嬢として恥ずかしくない行動をする様にになり、美人に成長し、縦ロールにも磨きがかかった。
入学した報告のため婚約者であるライアン王子に会いにいくと、横にはオレンジ色のふわふわした髪の女生徒がいた。ライアン王子の周りには側近もいるのだが、何故かふたりが気になり目が離せない。そして、ふたりを見ていると、王子はその女生徒の事を好いているのだとすぐに分かった。
プルメリアの心は乱れた。それを押し殺し、ライアン王子に近づくと、周りの側近達は退いたが、女生徒はそのままだった。
ライアン王子がプルメリアに気づき声をかけた。
「プルメリアか。」
「ライアン様、お久しぶりでございます。入学の挨拶に参りました。」
「そうか。入学おめでとう。」
「ありがとうございます。…あの…その方は?」
「クリスティーナ·アンバー嬢だ。」
「よろしくお願いします」
何故、ライアン様の横にいるの?そこは私の場所よ。婚約者の私がいるのに何故退かないの?
クリスティーナはその後もいつも変わらず、ライアン王子のそばにいた。プルメリアはライアン王子にも、クリスティーナにも苦言や警告をするが、それでも変わらない。
そのうち、周りの令嬢たちがクリスティーナに強く当たるようになった。その様子がプルメリアの目にはいる事もあったが、プルメリアは助けも加担もせず、傍観する姿勢をとった。
また、仲のいい二人を見るたびに、心の中にどんなに嵐が吹き荒れても、婚約者としてのプライドがあり、手を出すことはしなかった。学業の合間を縫い、妃教育も受けていたから忙しくもあったのだ。
第1王子に何かあったときは、第2王子であるライアン王子が王太子となるため、その伴侶も妃教育は必要なのだ。
今だけよ。今だけ我慢すれば……。
そんな日々が過ぎ、ライアン王子が卒業する年になった。プルメリアは17歳。あと1年で卒業し、ライアン王子と結婚する事になっていた。
しかし、卒業式の日に事件は起こった。
ライアン王子とクリスティーナが腕を組んでプルメリアの前に立つ。ふたりの後ろには騎士もいた。
「プルメリア、お前との婚約を破棄する!」
「!!何故ですか?」
「お前はクリスティーナを虐めていたそうだな。私の伴侶にそんな奴はいらない。」
「何を仰っているのか分かりかねます。」
「しらをきるのか?皆が教えてくれたぞ。」
「皆ですか?…私が何をしたと?」
「他の令嬢に指示をだし、暴言暴力をさせたのだろう。指示されたとの言質も取っているぞ。」
「私を信じてはくれないのですね。ライアン様のために、血反吐を吐くような教育を受けてきたのですよ。貴方様の妃になるために。」
「だから、偉いと?暴言や暴力もありだと、そういうのか?」
「そんな事は言っていません。いじめる暇など無かったのです。」
「皆から言質を取ったと言っただろう。諦めろ。今なら国外追放で許してやる。」
「……………国外追放?……婚約者である私は蔑ろにされているのに、なぜそこまでその女を守ろうとするのですか?そもそも、婚約者がいる男性を誑かした女性が悪いのですよ?」
「やっと認めたか!」
「答えてください!」
「愛する女を守って何が悪い!プルメリアを連れていけ!」
後ろにいた騎士に命令し、そのままプルメリアに背を向け行ってしまった。
プルメリアは呆然とその背中を見ていた。
その後は、騎士に連れられ学園の外へ行き、馬車に乗せられた。
……私は愛されないの?…頑張ってきたのに…。わがままもやめたのに……。国外追放って…。
目から涙があふれた。拭いても拭いても出てくる。
ガタン
馬車が止まると、御者に外に引きずり出された。
「痛い。何するの?」
その瞬間、
パチン
プルメリアの中で何かが弾けた。
この光景見たことがある…確かこの後…
プルメリアは御者によって、ナイフを胸に付き立てられた。
◇
目を覚ますと、プルメリアの顔が涙で濡れていた。
私、泣いてた?
悲しい夢だったような気がするけど、思い出せない…。
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