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窓につけられたカーテンの隙間から、外が見える。馬車は、リカルド殿下の国と我が国の境界方向に向かっているようだった。
「どこまで行くのかしら?」
「言えるわけ無いだろ。」
「そうよね。」
手続きが面倒だから、国は越えないと思っていたけれど、間違いだったかしら…。
「…恐くないのか?」
「?」
「俺たちのような者に、連れ去られているんだぞ?」
「ああ、そうね。でも、私が選んで付いてきたんだし、貴方達も不思議と悪い感じはしないのよね。」
それに、ノアと、メランがいるし…。
そうなのだ。作戦が順調なら、ふたりが密かに付いてきている。
だから、私は冷静でいられるし、恐くも無い。
そして、思うままに動ける。
「この馬車は雇い主から?」
「…」
「それとも、盗んだのかしら?」
「…」
「何も答えてはくれないのね。まぁ、それが当たり前だけれど…。」
「何が言いたい?」
「聞かれてポロポロ話すようでは、失格と言う事よ。」
「…調子が狂う。少し黙っててくれ。」
「考えておいてね。」
そう言い、微笑みかける。
「「!」」
そこからは言われた通り何も話さず、時間だけが過ぎていった。
木が多くなってきたわね。
その時、馬車が止まった。
「今日はここで野宿だ。あんたは馬車の中で寝ろ。文句は言うな。」
「文句なんてないわよ。貴方達はどこで寝るの?」
「その辺に決まっているだろう。」
「そう。…ちょっとまってね。」
私は馬車をゴソゴソと探る。
「何してるんだ?」
「こういう馬車は、何処かに…。ほら、あった。」
私は、収納庫を探していた。収納庫の中にはクッションや毛布が入っている事もあるのだ。
「中身は…クッションと毛布が二組。はい、どうぞ。」
「は?」
「見張りは交代だろうから、二組でも何とかなるわよね?」
「ちょっとまて。あんたが使えばいいだろ。」
「外の方が寒いし、大変でしよ?はい、受け取って。」
黒尽くめは渋々受け取る。
外が段々と暗くなってくる。
夕飯は固いパンに干し肉だった。
野宿中は、トイレにも行かせてくれた。
「逃げるか心配しないの?」
「自分から付いてきたんだ。逃げないと判断した。それに、ここで逃げたところで、迷うだけだぞ。」
「それもそうね。」
そして、馬車の中で夜を越し、朝が来た。
夜は何事もなく、しっかり寝れたので、すっきり目覚められた。
「おはよう。良い朝ね。」
その言葉に、またもや黒尽くめ達は驚いている。
「良い朝と言ったか?」
「ええ。」
「あんた、本当の令嬢ではないだろう。身代わりか?」
「いやいや。正真正銘、プルメリア·オパールよ。」
「…」
疑っているのか、変な目で見られた。
しかし、それ以上の追求はなく、朝ごはんを食べた後、出発した。
どんどん森の中へはいっていく。
「着いたぞ。」
馬車が止まり、ドアが開けられた。
「降りろ。」
馬車から降りると、眼の前には古い屋敷がある。
「付いてこい。」
私は、また黒尽くめ達に囲まれて移動した。
屋敷に入り、そのまま応接室のような所へ連れて行かれる。
そこには、丸々と太ったおじさんが椅子に座っていた。
「連れてまいりました。」
黒尽くめ達は、その人の前で片膝を付き、頭を下げた。
「ご苦労。ふーん、これはこれは…。」
上から下までみられる。
嫌な視線…。
このおじさん、身なりはいいから他国の貴族、もしくは商人。
我が国の貴族ではないのは確かね。
私達貴族は、国の成り立ちを必ず勉強する。そして、それと一緒に貴族名鑑などという物も覚えるのだ。
この世界、写真はないので、書かれているのは名前のみ。実際に会って、顔と名前を一致させなくてはならない。
この間の舞踏会は、殆どの貴族が参加していた。欠席だった者は少ない。そして、この位の年齢の男性はいなかった筈だ。
「これでは、殿下も離れられないだろうな。一緒に来れば、妾にはしてやるから我慢しろ。」
えーと、リカルド殿下を国へ戻すために、私は人質にされ、正妻は別に立てるけれど、協力すれば妾にはしてくれると。
…そういうことで良いのかしら?
その時、
バン!
ドアが勢い良く開かれた。
「なんてことをしてくれたんだ!」
怒りながら部屋へ入ってきたのは、あの家紋が付いた馬車の持ち主であろう男性。
「やはり貴方が関わっていたのですね。」
それは、学園長だった。
「どこまで行くのかしら?」
「言えるわけ無いだろ。」
「そうよね。」
手続きが面倒だから、国は越えないと思っていたけれど、間違いだったかしら…。
「…恐くないのか?」
「?」
「俺たちのような者に、連れ去られているんだぞ?」
「ああ、そうね。でも、私が選んで付いてきたんだし、貴方達も不思議と悪い感じはしないのよね。」
それに、ノアと、メランがいるし…。
そうなのだ。作戦が順調なら、ふたりが密かに付いてきている。
だから、私は冷静でいられるし、恐くも無い。
そして、思うままに動ける。
「この馬車は雇い主から?」
「…」
「それとも、盗んだのかしら?」
「…」
「何も答えてはくれないのね。まぁ、それが当たり前だけれど…。」
「何が言いたい?」
「聞かれてポロポロ話すようでは、失格と言う事よ。」
「…調子が狂う。少し黙っててくれ。」
「考えておいてね。」
そう言い、微笑みかける。
「「!」」
そこからは言われた通り何も話さず、時間だけが過ぎていった。
木が多くなってきたわね。
その時、馬車が止まった。
「今日はここで野宿だ。あんたは馬車の中で寝ろ。文句は言うな。」
「文句なんてないわよ。貴方達はどこで寝るの?」
「その辺に決まっているだろう。」
「そう。…ちょっとまってね。」
私は馬車をゴソゴソと探る。
「何してるんだ?」
「こういう馬車は、何処かに…。ほら、あった。」
私は、収納庫を探していた。収納庫の中にはクッションや毛布が入っている事もあるのだ。
「中身は…クッションと毛布が二組。はい、どうぞ。」
「は?」
「見張りは交代だろうから、二組でも何とかなるわよね?」
「ちょっとまて。あんたが使えばいいだろ。」
「外の方が寒いし、大変でしよ?はい、受け取って。」
黒尽くめは渋々受け取る。
外が段々と暗くなってくる。
夕飯は固いパンに干し肉だった。
野宿中は、トイレにも行かせてくれた。
「逃げるか心配しないの?」
「自分から付いてきたんだ。逃げないと判断した。それに、ここで逃げたところで、迷うだけだぞ。」
「それもそうね。」
そして、馬車の中で夜を越し、朝が来た。
夜は何事もなく、しっかり寝れたので、すっきり目覚められた。
「おはよう。良い朝ね。」
その言葉に、またもや黒尽くめ達は驚いている。
「良い朝と言ったか?」
「ええ。」
「あんた、本当の令嬢ではないだろう。身代わりか?」
「いやいや。正真正銘、プルメリア·オパールよ。」
「…」
疑っているのか、変な目で見られた。
しかし、それ以上の追求はなく、朝ごはんを食べた後、出発した。
どんどん森の中へはいっていく。
「着いたぞ。」
馬車が止まり、ドアが開けられた。
「降りろ。」
馬車から降りると、眼の前には古い屋敷がある。
「付いてこい。」
私は、また黒尽くめ達に囲まれて移動した。
屋敷に入り、そのまま応接室のような所へ連れて行かれる。
そこには、丸々と太ったおじさんが椅子に座っていた。
「連れてまいりました。」
黒尽くめ達は、その人の前で片膝を付き、頭を下げた。
「ご苦労。ふーん、これはこれは…。」
上から下までみられる。
嫌な視線…。
このおじさん、身なりはいいから他国の貴族、もしくは商人。
我が国の貴族ではないのは確かね。
私達貴族は、国の成り立ちを必ず勉強する。そして、それと一緒に貴族名鑑などという物も覚えるのだ。
この世界、写真はないので、書かれているのは名前のみ。実際に会って、顔と名前を一致させなくてはならない。
この間の舞踏会は、殆どの貴族が参加していた。欠席だった者は少ない。そして、この位の年齢の男性はいなかった筈だ。
「これでは、殿下も離れられないだろうな。一緒に来れば、妾にはしてやるから我慢しろ。」
えーと、リカルド殿下を国へ戻すために、私は人質にされ、正妻は別に立てるけれど、協力すれば妾にはしてくれると。
…そういうことで良いのかしら?
その時、
バン!
ドアが勢い良く開かれた。
「なんてことをしてくれたんだ!」
怒りながら部屋へ入ってきたのは、あの家紋が付いた馬車の持ち主であろう男性。
「やはり貴方が関わっていたのですね。」
それは、学園長だった。
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