異世界で悪役令嬢として生きる事になったけど、前世の記憶を持ったまま、自分らしく過ごして良いらしい

千晶もーこ

文字の大きさ
95 / 134

75 作戦決行

しおりを挟む
今日は作戦決行の日
私はライラと、馬車に乗った。

「上手く行くでしょうか?」
「どうかしらね。この機会を逃さないか、用心深く泳がすか、分からないけれど…。とりあえず、買い物を楽しみましょう。ライラも欲しい物を考えておいてね。」
「私ですか?」
「そうよ。3人にもお土産を買わなくてはね。」

街に着き、馬車から降りる。

「それでは、時間になりましたら、迎えに参ります。」
「よろしくお願いしますね。」

馬車は走り去った。

「さてと、端からぐるっと見ましょうか。」
「畏まりました。」
「ふんふんふんふん~♪」

鼻歌を歌いながら、歩く。

「あ、お茶のブレンドですって。この間来たときは無かったわ。行ってみましょう。」
「はい。」

私達はいくつかお店を周っていると、同じ人が一定の距離を開けて、ずっとついて来る事に気づく。

「お土産は買えたわ。…ライラ、しっかり持ち帰っておいてね。」
「畏まりました。」

そして、私達はメイン通りから外れた。
少し歩くと、足音が増える。

「増えたわね。」
「プルメリア様…。」

私達は黒尽くめに囲まれた。

「この間の方達のお仲間さんかしら?」

答えは無い。
黒尽くめは4人。

「一緒に来てもらおう。」

ひとりが口を開いた。

いきなり襲っては来ないのね…。

「なぜ?」
「…」
「理由くらい教えてもらっても良いのではない?」
「…」

襲っても来ないし、話もしない。

うーん…。

「いいわ。行きましょう。」
「「「「!」」」」
「プルメリア様!?」

黒尽くめだけでなく、ライラも驚いている。

応戦して、わざと捕まる作戦だったけれど変更ね。

「ゴホン。…それでは、ふたりとも付いてきてください。」
「それは駄目よ。ライラは帰して。」
「それはできません。」
「私のわがままに巻き込めないわ。」
「たかが侍女だろ?」
「されど侍女よ。ネーロ!」
「はい!」

今までのやり取りを見ていたからか、手は出さず私の近くに現れる。

「護衛…。居たのか?」

えーと…、この黒尽くめ達は大丈夫かしら?女性ふたりの買い物、しかも侯爵令嬢。護衛がいないはず、なくない?

「居るのに、なぜ攻撃してこない?」

黒尽くめのひとりが不思議そうにネーロに聞く。

ネーロがこちらをみて、話す許可を求めている。

相手は、話を聞く気があるようだし、大丈夫だろう。

私は頷く。

「主が囲まれただけで、手を出していては怒られる。」
「いや、普通は怒られないだろう?」
「…」
「マジか…?」

黒尽くめ達は、驚いている。
話している相手だけではない。
他の3人もただ黙っている。

悪い気配もしないのだが、どういう事だろう?

「貴方達は、舞踏会の時の黒尽くめ達と仲間ではないの?」

改めて聞いてみるが、答えはない。

「来てもらおう。」
「先程も言ったけれど、私は良いわよ。ライラは駄目。」
「助けを呼ぶだろう?」
「あら、助けを呼ばれて、すぐに捕まるような方達なの?」

黒尽くめ達は、顔を見合わせる。

この人達、全然悪い感じがしないんだけど…。

「はぁ…。何なんだ、あんたは…。」
「知らないの?オパール家の、」
「そういう事ではない。」

名乗ろうとしたら、遮られた…。

「指示されたのは、ご令嬢だけだ。行くぞ。」
「ライラは良いのね?」
「それは誰だ。俺達には一人の令嬢しか見えない。」
「都合の良い目ね。」
「…」

ライラとネーロは動かない。
私は黒尽くめ達に囲まれ、一緒に歩く。

これ、目立つよね?

と思っていると、人気のない裏道で馬車に乗せられ、黒尽くめ二人も一緒に乗り込む。残りの二人は御者席だ。

馬鹿なの?
それとも、わざと?

その馬車には、見覚えのある家紋が付けられていた。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

元貧乏貴族の大公夫人、大富豪の旦那様に溺愛されながら人生を謳歌する!

楠ノ木雫
恋愛
 貧乏な実家を救うための結婚だった……はずなのに!?  貧乏貴族に生まれたテトラは実は転生者。毎日身を粉にして領民達と一緒に働いてきた。だけど、この家には借金があり、借金取りである商会の商会長から結婚の話を出されてしまっている。彼らはこの貴族の爵位が欲しいらしいけれど、結婚なんてしたくない。  けれどとある日、奴らのせいで仕事を潰された。これでは生活が出来ない。絶体絶命だったその時、とあるお偉いさんが手紙を持ってきた。その中に書いてあったのは……この国の大公様との結婚話ですって!?  ※他サイトにも投稿しています。

異世界で王城生活~陛下の隣で~

恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。  グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます! ※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。 ※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。

「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)

透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。 有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。 「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」 そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて―― しかも、彼との“政略結婚”が目前!? 婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。 “報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。

【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!

白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、 《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。 しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、 義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった! バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、 前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??  異世界転生:恋愛 ※魔法無し  《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆

モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~

咲桜りおな
恋愛
 前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。 ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。 いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!  そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。 結構、ところどころでイチャラブしております。 ◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆  前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。 この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。  番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。 「小説家になろう」でも公開しています。

無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています

如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」 何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。 しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。 様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。 この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが…… 男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。

【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?

雨宮羽那
恋愛
 元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。 ◇◇◇◇  名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。  自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。    運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!  なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!? ◇◇◇◇ お気に入り登録、エールありがとうございます♡ ※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。 ※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。 ※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))

転生令嬢、シスコンになる ~お姉様を悪役令嬢になんかさせません!~

浅海 景
恋愛
物心ついた時から前世の記憶を持つ平民の子供、アネットは平凡な生活を送っていた。だが侯爵家に引き取られ母親違いの姉クロエと出会いアネットの人生は一変する。 (え、天使?!妖精?!もしかしてこの超絶美少女が私のお姉様に?!) その容姿や雰囲気にクロエを「推し」認定したアネットは、クロエの冷たい態度も意に介さず推しへの好意を隠さない。やがてクロエの背景を知ったアネットは、悪役令嬢のような振る舞いのクロエを素敵な令嬢として育て上げようとアネットは心に誓う。 お姉様至上主義の転生令嬢、そんな妹に絆されたクーデレ完璧令嬢の成長物語。 恋愛要素は後半あたりから出てきます。

処理中です...