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校外学習
楓を怒らせると怖ぇぞー?
しおりを挟む俺がうるせぇ豚美を相手にしてると、誰かに背中をトントンとされた。振り向くと同じクラスの奴らがいて、コソコソと俺にこう言った。
「秋山~、この後合流しね?」
「何それ?」
「俺らの班と秋山達の班で一緒に周ろって言ってんの♪」
よく見ると、合流を提案して来た男の後ろでこちらを見ながらキャーキャー言ってる女共が見えた。
「うるさいのが増えるんならやだ」
「うるさくしない!あいつらにはちゃんと言うから!」
「どうせ楓がいるから女共に言われたんだろ?それなら楓に許可取れよ」
「ちょっと~、何コソコソ話してるのー?」
お、うちのうるせぇのが入って来やがった。
豚美が聞くとクラスの男は満面の笑みを浮かべて普通の声で話し始めた。
「鮎川さーん♪俺達も混ぜて欲しいなぁって相談してたんです~♪」
「なんだよ、お前は豚美狙いかよ」
「ちょ!本人の前でそれ言う!?」
「混ぜて欲しいって、勝手に貴哉と決めないでよね~?」
「俺も反対だな。後で活動内容をまとめて発表もするし、内容が被ったりしたら評価も悪くなるからな」
豚美と楓にマイナスな事を言われて狼狽える男。残念だけどこの二人を納得させなきゃ無理だな。
俺はどっちでも良かったからとりあえず楓に任せる事にした。
「楓がそう言うんならダメだな~」
「そんな~!そんなの内容なんて被らないようにどうとでも出来るだろ~?頼むよ~」
「しつけぇなぁ、楓がダメって言ったらダメなんだ!」
俺らと男が揉めてるのが分かったのか、後ろで見ていた男の班の女子達が入って来た。
俺は気にせず肉を食う。
「何苦戦してんだよ?お前秋山と仲良いんじゃなかったのかよ」
「秋山とは仲良いけど、野崎はちょっと……」
「楓くん、ウチらも混ぜてよ♪人数多い方が楽しいから♪」
俺の後ろでそんな会話が聞こえて来て、豚美が反応していた。
「あんた達諦めなって!班決めの時点で負けてるんだから」
「瑠美ばっかズルいじゃん。同じクラスの仲間なんだから混ぜてよ」
「だーかーらー!私が良くても楓くんが反対してるんだってば!しつこいと嫌われるよ~?」
「豚美の言う通りだぞー?ほら見ろよ楓の顔。どんどん機嫌悪くなってる~」
俺が豚美に加勢して言うと、しつこい女子共が慌て始めた。
実際楓はポーカーフェイスだから分かりにくいけど、長年一緒にいる俺にはかなり機嫌が悪いって分かるんだ。
口数が減れば減るほど怒ってる証拠だ。
「楓を怒らせると怖ぇぞー?なんたって俺よりも強ぇんだから♪」
「わ、分かったよ!諦めるから楓くん怒らないでっ」
「うるさくしてごめんね?ウチらの事、嫌いにならないでね?」
無表情の楓に媚びるようにそう言って立ち去る女子共。初めに声をかけて来た男も慌ててその後を追っていなくなった。
さて、楓さんの機嫌を直してやらないとな。
「楓~、そんなに怒るなよ~。うるせぇのは豚美だけになったんだしよ」
「うるさいのはあんたもでしょ!」
「貴哉には怒ってないから気にするなよ」
「そ?じゃあいっか~♪腹も膨れた事だし次行こうぜ~」
「貴哉ってば野菜残してる!ほら玉ねぎがまだお皿に残ってるよ!」
「もう腹いっぱいなんだって~」
「それなら俺が食べるよ。腹が膨れたなら無理して食べる事ない」
俺の皿に残っていた玉ねぎを楓がパクッと食うと、豚美は呆れたような顔で俺を見ていた。
どうだ!楓がいりゃ俺には勝てねぇんだよ♪
豚美の顔が面白くて俺は思わず笑っちまった。
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