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1章
はいはい。お前ってほんと可愛いのな
しおりを挟む俺と双葉が座って話してると、紘夢から着信があった。お、空の方も落ち着いたか?
「おう、空どんなだ?」
『大分落ち着いたよ~。双葉くんはー?』
「こっちもオーケーだ」
俺は隣にいる双葉をチラッと見ながら喋ると申し訳なさそうに下を向いていた。
「双葉は大分反省してるよ。空は普通に話せそうか?」
『大丈夫だと思うよ~。ジュース買って来てくれたら全部許すって言ってる~。あはは♪』
「随分楽しそうじゃん。了解。そんじゃ適当に買って行くわ。どこにいんの?」
紘夢の声の他にも空と茜の笑い声が聞こえて来て俺は嬉しくなって、立ち上がって双葉の肩に手を置くと、不安そうに見上げて来た。
俺は三人の居場所を聞いて電話を切る。
「うし!行くぞ双葉~」
「貴哉、早川さんは許してくれますか?」
「どうだろうなー?あいつめちゃくちゃ怒ってるって」
「……どうしよう」
「嘘だよ♪ジュース買って行けば全部許してくれるって。一緒に行こうぜ♪」
「ジュース……早川さんは何が好きですか!?」
「んー、あいつはアイスティーとか良く飲んでるかなー?今は寒いからホットのが良いかもな」
「俺買います!」
「そんじゃ俺は残りの二人の分買うわ」
双葉は仲直りする気はあるみてぇだな。電話の感じだと向こうも楽しそうにやってるみてぇだからまた五人で楽しく過ごせそうだな。
飲み物を人数分買って、俺と双葉は空達が待つ売店まで向かう。
双葉はホットティーを二個。俺はホットココアを三個ドリンクホルダーに入れて持って歩いていた。
「貴哉、俺もう一つ約束破りました」
「ん?どんな約束だ?」
「早川さんに暴力しないって約束です。俺はダメ人間です」
「それなら平気だろ。あいつはちゃんと謝れば許してくれっからよ。それと、空も良い奴なんだぜー?まぁ俺の元彼なだけはあるって感じ?」
「元彼なんですか!?二人の様子を見て現在進行形なのかと思ってました!」
「ああ、今俺は誰とも付き合ってねぇよ。伊織とも連絡取ってねぇし」
「あの赤い髪の人ですね。でも貴哉と早川さんは両想いなんですよね?どうして今は付き合ってないんですか?」
「まぁいろいろあってよ。今はこうだけど、その内空と付き合うと思うんだ。あ、空には言うなよ?」
「あ、はい。そのいろいろが気になります」
「俺は今まで空の事傷付け過ぎたんだ。すげぇ反省してるとこ。それと俺が今は一人になりたいってだけ。この前まで伊織と付き合ってたんだけど、疲れちまったんだ」
「伊織さんとは戻らないんですか?」
「今の感じだと無いんじゃん?あいつがこんなけ俺をほっとくって事はそういう事だろ」
自分で言っていて複雑な気持ちになった。
伊織の事はまだ好きだ。でも最近は本当に会わないし、連絡も取ってないから気持ちも落ち着いて来てるのはある。あいつもあいつで頑張ってるんだろうけど、今のところ俺が伊織に惚れ直す要素は無いな。
この胸に下げてる指輪付きのネックレスを外すのも時間の問題かもな……
少し寂しい気持ちになったけど、無理矢理笑顔を作って空の話をしてやろうと思った。
「それよりも空だよ。俺と空がさっきみたいに言い合うのは恒例行事みたいなもんなんだ。だから次見掛けてもまたかぐらいに思ってくれればいいからよ」
「恒例行事……でも、貴哉を不快にさせるのは許せません」
「そこなんだよな~。お前ってほんと俺の事好きだよな。まぁ俺の声聞けば止まってくれるし、空が強くなりゃいっか~」
「そうです♪俺は貴哉がいてくれれば良い子に戻りますよ♪だからずっと側にいて俺を制御してて下さいね」
「はは、なんだそりゃ!面倒だから自分で制御出来るようになってくれよ~」
「無理ですね。だって貴哉の事大好きなんですもん♪」
「はいはい。お前ってほんと可愛いのな」
ずっと可愛い双葉でいてくれたら最高なのにな。
今だってこんなに嬉しそうに笑ってさ、みんなの前でも笑顔でいられたら周りも怖がらずにいてくれるだろう。空だって怯えないで何か言ってもちゃんと突っ込んでくれるんじゃねぇかな?
10
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