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1章
二人は俺の奢りだぞ
しおりを挟む電話で指定された所まで行きあいつらを見付けると、テーブルにはたくさんのお菓子とかが置いてあってめちゃくちゃ楽しそうに話していた。
何普通に和んでんだよ。
「おいっ!美味そうなもん食ってんじゃん♪」
「あ、貴ちゃん♪ねぇこれ食べてみて~!美味しいよ~」
紘夢は合流した俺に一口サイズの饅頭を差し出して来たから、そのままパクッと食ってやる。
おっ!中身は甘いのかと思ったら肉まんみてぇな味じゃん♪小腹が空いてたからめちゃくちゃ美味かった♪
「うまっ♪ほいお前らはココアな。二人は俺の奢りだぞ」
「ありがとう秋山♪」
「あったかーい♪ありがとー」
俺がテーブルに買って来た飲み物を置くと、二人は喜んで手に取った。空のは双葉が持ってるんだけど、ちゃんと渡せるかな?
チラッと見てみると、双葉は空が座る横に立っていた。
「…………」
「あー、双葉くん?無言で上から見られると怖いんだけど?」
「早川さん」
「はい」
「さっきのゾンビのアトラクションで俺勝ちました」
「えっ?」
いきなりそんな事を言うから空だけじゃなくて俺まで驚いちまった。素直に謝るのかと思ってたぜ。確かにビビり勝負は双葉の勝ちだったけど……
空は言われると思ってなかった、てか忘れてたんじゃね?だから何て言い返したらいいのか困ってる感じだった。
「負けた人は勝った人の言う事を聞くでしたね。ここで命令します。俺と仲直りして下さい!」
「ここでそれ出してくんのかよっ!」
「あはは~!双葉くんてば可愛いーなぁ♪こりゃ空くん負けたね~」
「はは、空どうすんだー?」
「仲直りするよ!俺はビビりで負けたからなっ」
空と双葉以外は笑っていたけど、真剣な顔のままの双葉が持っていたホットティーを空に渡しながら申し訳なさそうに言った。
「あの、本当にごめんなさい。二度とやらないって言ったのに、約束破ってしまいました。でもまた早川さんと仲良くしたいです」
「それ本当に思ってるのか?」
「思ってます……貴哉の大切な人だから大切にしなくちゃいけないんです。でも貴哉が嫌な思いするの許せないんです。だから早川さんがもっと大人になってください」
「ん?おい俺謝られてるんだよな?」
双葉の謝罪を聞きながら俺達に確認してくる空。もうすっかりいつもの空だな。
双葉の素直過ぎる謝罪に年上の俺達は甘やかすしか出来なかった。
「許してあげたら?空くんがもっと頑張ればいいだけでしょ」
「俺もそう思うぞ。浅野はちゃんと謝ったし、みんなの前で謝れるってとても偉いと思うぞ」
「もー!分かった分かった!分かりましたよ!双葉くん、俺も怒らせるような事して悪かったよ。今度からは気を付けるな。仲直りしよう。それとドリンクありがとう」
「貴哉♪許してもらえました!」
「おお、やったな双葉♪」
嬉しそうにパァッと笑顔になってすぐに俺に報告してくる双葉。
なんか小さい子供同士の喧嘩見てるみてぇで笑えるわ。
まぁこれで仲直りも出来たしめでたしめでたしか?
「あ、金払うよ。いくら?」
「いえ、これはお詫びの気持ちです。本当は俺お金全然持ってないですけど、これで許してもらえるなら……」
「何その俺がカツアゲしたみたいなセリフ。すげぇ飲みづらいじゃんっいいよ!俺が奢るよ!」
「あ、それなら夕飯奢って下さい。あとお土産も買いたいのでそれもお願いします」
「図々しいな!ドリンク代出した方がいいわ!」
「まぁまぁ、まだ中学生だし俺らで奢ってあげようよ。双葉くんも座って休んで」
俺はとっくに座ってテーブルの上の菓子とか食ってたけど、紘夢が言うようにずっと立ちっぱなしだった双葉は座る場所に困ってるようだった。
空いた椅子が俺と空の間にあるからだ。
申し訳なさそうに俺に確認して来た。
「俺、ここ座っていいんですか?」
「いいに決まってんじゃん。夕飯とお土産代はせびる癖に何遠慮してんだ」
「貴哉が早川さんの隣がいいかなって」
「別にどこでもいいよ。なぁ?空~」
「今はな!」
「空くん、そう言う言い方するから良くないんだよ~。みんなでいる時は牽制するような言い方はやめなって」
「は、はい……肝に銘じます……」
紘夢にごもっともな事を言われて苦笑いしてる空。
それを笑う俺たち。
なんだかんだ楽しく過ごせて良かったわ。
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