【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ6th season

pino

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7章

それじゃ紘夢はどうなっちゃうんだ?

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 冬休みに入ってから俺は忌々しい宿題を持って紘夢の家に通っていた。目標は今年中に終わらせる事!その為には紘夢んとこにいりゃ間違いねぇだろって訳♪我ながら頭良いぜ~♪


「紘夢~!今日も来てやったぜ~」

「貴ちゃんいらっしゃい。空くんはまだ来てないよ~」


 広いリビングに入ると、でっけぇテーブルに座って手を振る紘夢と、一生懸命勉強してる双葉がいた。
 それにしても紘夢の奴無事で良かったな~。俺と階段落ちた後、病院に行って診てもらったらしいけど、打撲と擦り傷だけで特に異常は無かったって。俺もホッとしたぜ。
 双葉も受験に向けて真面目に頑張ってるみてぇだな。関心関心♪


「貴哉だぁ♪一条さん、休憩しませんか?」

「そうだね。そろそろ茜ちゃんも来る頃だし、お茶にしよっか~。的羽?」


 紘夢は使用人の的場を探しに席を立った。
 俺は双葉に近付いて受験勉強とやらを見てみる。
 ん?これって中学でやるもんなの?
 俺の知らない文字や記号だらけだけど、双葉はちゃんと理解してんのかな?


「双葉、お前って城山受けるんだよな?」

「はい」

「俺、城山受けた時こんな文字や記号読んだり書いたりした記憶ねぇんだけど」

「そうなんですか?もしかして試験だけ他の人に受けさせたりしてませんよね?」

「んな事するか!」

「貴ちゃんが城山受かったのは奇跡なんだよね~?たまたま記号問題が全部合ってたとか、採点する側がミスったとかいろいろな奇跡が重なったんだと思うよー?」

「実力だってば!俺あん時必死で勉強したんだからなっ!」


 戻って来た紘夢にもマイナスな事言われたから言い返すと、二人共笑っていた。
 まったく!俺が城山を受かった話しをすると揃いも揃って同じ事言いやがる。

 俺がふんっと機嫌悪く椅子に座ると、お茶と菓子を運んで来た的羽と目が合った。


「おう的羽。元気そうじゃん」

「おかげさまで。貴哉さん、実は報告があります」

「何だよ改まって」


 紘夢の世話係の的羽っていう大学生はいつも俺の事をさん付けして、変な敬語を使ってくる。緩くていつもやる気なさそうにしてるイメージだけど、紘夢の事ちゃんと考えてる所もあるのを俺は知ってる。だから的羽の事は好きだ。
 そんな的場がゴホンと軽く咳払いをして、その報告とやらをして来た。


「私、的羽泰志ですが、今月いっぱいで坊ちゃんの使用人を辞めさせていただく事になりました」

「はぁ!?なんで?どうして!?」


 俺は急な報告に、的場と紘夢を交互に見ながら驚いていた。
 だって、的羽がいなくなったら紘夢はどうするんだよ?こんな広い家に一人ぼっちになっちゃうじゃねぇか。てっきり的場は一生ここにいると思い込んでたぜ。


「貴哉さんには大変お世話になりました。どうかこれからも坊ちゃんの事をよろしくお願い致します」

「もー、的羽ってばからかってないで本当の事教えてあげなって~」


 俺に頭を下げて最後の挨拶みたいなのを言い始める的場に対して紘夢が呆れたようにお茶を飲んでいた。って事は嘘か?的羽のヤロー!いい度胸してんじゃねぇか。


「からかってませんよ。俺は本気です。一度坊ちゃんの使用人を辞めて学業に専念する事にしました」

「な、なぁ、それじゃ紘夢はどうなっちゃうんだ?」


 やっぱり辞めるんじゃねぇか!
 俺は心配になって紘夢に聞いてみた。


「貴ちゃん、状況は変わらないよ。俺から言わせれば的羽は今まで通り俺専属の使用人。実は父さんと話し合って仲直りしたんだけど、どうやら父さんは的羽の事をかなり気に入ってるらしくて大学を出た後に正社員として雇うって約束してくれたんだよ。早期内定ってやつだね。その代わり卒業が絶対条件。父さんは言ったら聞かない性格だから気を付けた方がいいよ~?」


 紘夢がニヤニヤしながら的羽に言うと、的羽は照れながら笑っていた。的羽のこんな顔初めて見るんだけど!


「はい。肝に銘じますわ。俺、こんなんだから誰かに認めてもらうなんて今までになくて……坊ちゃんの使用人のバイトも友達から聞いて給料目当てで応募しただけなんです。こんな済む世界の違う奴らとは縁もゆかりもない俺でしたが、坊ちゃんといるのは刺激的で何だかんだ楽しいんです。これからは学業メインになりますけど、坊ちゃんに言われたら言う事聞いちゃいそうですわ」


 「はは」と軽く笑う的羽の鼻が少し赤くなってるのに気付いて、俺は心から良かったなと思った。
 

「的羽はほとんど学校行ってなかったからもう留年は確定してるんだ。てか的羽は大学辞めるつもりだったらしい。アホだよね~?でも父さんとの約束があるから留年してでも卒業するって。これからの学費等は父さんが全部責任持って世話してくれるって話になったんだよ」

「ほんとラッキーですわ~」


 相変わらずな軽くて緩い感じの的羽だったけど、目がいつものやる気ないのとは違って見えた。
 
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