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8章
茜は~、ジュース?
しおりを挟む俺は二人より先にリビングに行くと、広い空間に広いテーブルに双葉が一人で座って何かを書いていた。
「お待たせ双葉!って勉強してたのか!?」
「はい。受験、もうすぐなので」
年明け早々どえらい事してんなこいつも。
まぁ悪い事じゃねぇからいいけどよ。
俺が来たから勉強道具を片付け始める双葉、テーブルの上は酒やつまみ、帰りに買って来た弁当とかが並んでいる。
「貴哉は何から飲みますか?」
「ビールからかな。紘夢はシャンパンつってたな。お前は日本酒だっけ?茜は~、ジュース?」
「せっかくなんで俺もシャンパン貰おうと思ってます。一条さんは珍しいお酒いっぱい持ってて凄いです」
「へー、酒の種類とか良く分かんねぇけど、それってそんな凄いの?んじゃ俺もそれ飲みたい♪」
シャンパンの入った瓶を楽しそうに見てる双葉、良かった。一人にしたけど、大丈夫そうだったな。
何でか俺は双葉の事になると世話焼きたくなっちまう。やっぱり、今まで年下に慕われて好かれるって無かったから可愛いなと思うんだ。
「まさか貴哉とお酒飲めるなんて思ってなかったので嬉しいです♪今日来て良かったです」
「俺も双葉と飲めるの嬉しいぜ~♪今日は限界まで楽しもうな~」
「貴哉は、早川さんがいないから元気が無いと思ってました。俺達とも楽しんでくれますか?」
「えー!俺ってそんな元気なさそうだった!?全然お前達とも楽しんでるけどよ……」
確かに空がいないのは寂しいよ。でもそれを態度に出してこうして双葉にまで気を使わせちまってたなんて、少し悪い気がした。
「態度に出てたなら悪かったな。俺は双葉達といるのも楽しいと思ってるぜ」
「本当ですか?それなら良かったです」
「双葉も大分紘夢や茜と仲良くなったよな。あいつらも変わってるけど、あまり人と喋らないって言ってたお前が良くやってるよ」
「二人共とても良い人なんで。あと、貴哉の事を本当に信頼して大切にしてるの一緒にいて分かるので、二人の事は好きです」
「二人の事は、ね~。それなら嬉しいや♪あの二人は俺も大好きだからよ♪」
「貴哉ありがとう」
「ん、何に対しての礼だ?」
「俺と仲良くしてくれてって意味です。貴哉と関わるようになって自分でも変わったなと思います。毎日が楽しくて、次の日が来るのが楽しみになりました」
「はは、それぐらいで礼なんていらねぇよ。それはお前が元々持ってた物だし、俺はきっかけを作っただけだろ。まぁお前がそう言うんならこれからも弟分として面倒見てやるけどー?」
「是非お願いします♪兄貴~♪」
明るい笑顔を向けて来る双葉。全然背は双葉のが大きいのに、その笑顔だけはとても幼くて愛らしく感じた。
可愛いーなぁおい♡年下に懐かれるのってこんな気持ちなのかぁ。て事は紘夢や茜も俺に対してこんな気持ちなのか?俺が喜んだり笑ったりしたら可愛いって思われてんのかな?
紘夢からは別の意味での好意もあるけど……
こりゃ双葉に礼言うのは俺の方だな。紘夢や茜達の俺に対する気持ちを教えてくれたんだからな。
双葉と話すようになってここまで仲良くなれなかったらずっと知らないままだったかも知れないもんな。
よし、これからは年下には優しくしてやるか♪
ただし、類は別だ。あいつも城山を受験するらしいし、いつかは向き合わなきゃいけなくなる時が来るとは思っていた。
だけど、類ってなるとどうにも逃げたくなるんだ。幸い伊織に夢中で空の事には気付かれてないみてぇだけど、もし伊織に飽きて矛先が空に向いたらと思うと嫌になる。
伊織は伊織で類を相手にしないだろうな。飽きるのも時間の問題か……
空と伊織、今頃何してんのかな?
俺は首に付けてるネックレスを無意識に触って二人の事を考えて少しだけ懐かしく思った。
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