【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ6th season

pino

文字の大きさ
149 / 156
9章

それセンスねぇじゃん

しおりを挟む

 桃山の言うスカッとするような楽しい場所は駅前のカラオケ屋だった。そりゃスカッとはするだろうよ。別に俺もカラオケは嫌いじゃねぇよ。でも今は歌いたい気分じゃなかったんだよな。

 俺はマイクを握って目の前で熱唱している相変わらずのイケメンを見ながら焼きそばを食べながらコーラを飲んでいた。
 こいつ歌まで上手いのかよ。ズルいだろそれは。桃山の歌う歌はロックって言うの?ガヤガヤうるさくて激しい感じのが多かった。

 歌い終わった桃山はドカッと椅子に座るとメニューを開いて何か頼もうとしていた。


「あー気持ち~♪貴哉歌わねぇの?てか俺しか歌ってなくね?」

「今飯食ってるから」

「なぁ!この特大パフェ食わねぇ!?五人前だって!」

「絶対頼むな!腹壊す!それと俺生クリーム無理だから吐く!」

「そんじゃ普通の食おーっと♪」


 桃山はパフェの他にもポテトを頼んでいた。
 ここに来てからまだ1時間も経って無いけど、桃山は伊織の話をしなかった。もしかして帰って来てるの知らない?いやいや、俺よりマメに伊織とやり取りしてるんだろ?知っててもおかしくはねぇよな。
 桃山は俺の顔を見てニコッと笑った。


「貴哉、何があったんだ?俺を呼ぶなんて相当の事があったんだろ?」

「まぁ、それなりにな」

「それと泣いた後の顔してんよ。可愛いけど」

「嘘!?俺また目ぇ腫れてんの!?」


 それは知らなかった!あの時みてぇに顔に違和感無かったから迂闊だった!慌てて自分の顔を触りながら鏡になるようなもんがねぇか探してると桃山がケラケラ笑いながら立ち上がった。


「またって何だよまたって。腫れてねぇから気にすんなよ。何かいつもより目潤んでて可愛いってだけ」

「可愛い言うなっての」


 腫れてない事にホッとして俺は焼きそばと一緒に頼んだ唐揚げを口に放り込む。
 立ち上がった桃山はそのまま俺の方まで歩いて来て普通に隣に座って来た。俺は特に気にする事はなかった。むしろ今は誰かに側にいてもらった方が落ち着くんだ。


「空はどうした?」

「あ、返事返すの忘れてた」


 時間は14時過ぎ。ずっと空から連絡は入ってたけど、今日は一切返してない。さすがに怒られるなと思ってスマホをいじる。
 視線はスマホの画面だったけど、気配で桃山が俺の方に寄って来るのが分かった。


「えー、貴哉って彼氏にもそんなタイプー?」

「仕方ねぇだろ。元々こういうのマメじゃねぇし、ずっとスマホ見てるとか面倒じゃん」

「そう?俺なら好きな子からの連絡なら速攻で返すけど」

「お前授業中でも電話出るもんな」

「そう言うお前も授業中に電話掛けてんじゃん♪まぁ俺が授業中に出るのは好きな子からの電話だけだけど♡」


 とうとう桃山が俺に触れた。肩に腕を回して来て、軽く抱き寄せられた。拒むべきだよなー。んー、でももうちょい様子見るか。俺は抱き寄せる桃山の手を見て大人しくしていた。
 桃山の手にはたくさんの指輪が付いていた。手首にはブレスレットも。そして何より目立つのはネイルだ。いつもネイルしてるのは知ってたけど、いつもは黒が多いけど、今日のは白くて珍しいなと思った。


「嫌がらないんだ?」

「様子見。やっちゃダメな事したら抵抗する」

「やっちゃダメな事ってー?教えてー♡」

「うるせぇ!てかパフェとか来るんだろ?あんま張り付くなよ」

「まだ来ねぇだろ。来ても見せ付けてやろうぜ♪」

「ダサッ!お前ってそう言う事するの?それセンスねぇじゃん」

「あはは!貴哉にそれ言われるとかウケるわ!」


 桃山の口癖を真似してやると、楽しそうに笑ってた。
 きっと桃山なりに俺に気使ってんだと思うんだ。
 こいつはそう言う奴だから。だから俺も桃山を頼ったのかも知れない。
 
 この後俺もマイクを握って桃山と二人で騒ぎまくった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は未定 ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い ・本格的に嫌われ始めるのは2章から

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

秋山くんは中学生

pino
BL
秋山貴哉の中学時代のお話。 メインの「どいつもこいつもかかって来やがれ」シリーズでもちょこちょこ出て来る貴哉の中学時代の話や、まだ知られざる貴哉の過去などを書いてます。 貴哉の親友で相棒の野崎楓の他、今回初登場の人達も登場します。 貴哉の天然無自覚モテ期は既に始まっていた!? BLです。 表紙は三年の番長、蓮田史郎です。

どうしょういむ

田原摩耶
BL
苦手な性格正反対の難あり双子の幼馴染と一週間ひとつ屋根の下で過ごす羽目になる受けの話。 穏やか優男風過保護双子の兄+粗暴口悪サディスト遊び人双子の弟×内弁慶いじめられっ子体質の卑屈平凡受け←親友攻め 学生/執着攻め/三角関係/幼馴染/親友攻め/受けが可哀想な目に遭いがち 美甘遠(みかもとおい) 受け。幼い頃から双子たちに玩具にされてきたため、双子が嫌い。でも逆らえないので渋々言うこと聞いてる。内弁慶。 慈光宋都(じこうさんと) 双子の弟。いい加減で大雑把で自己中で乱暴者。美甘のことは可愛がってるつもりだが雑。 慈光燕斗(じこうえんと) 双子の兄。優しくて穏やかだが性格が捩れてる。美甘に甘いようで甘くない。 君完(きみさだ) 通称サダ。同じ中学校。高校にあがってから美甘と仲良くなった親友。美甘に同情してる。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

処理中です...