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9章
桃山んち~?
しおりを挟むカラオケ屋を出ると外は暗くなり始めていた。もう18時かー、あー、明日から学校か~。
桃山と並んで街中を歩く。やっぱり桃山は目立つのか通り過ぎる人や遠くから見てる人とかがいて改めてこいつ凄えなって思った。こりゃマスクした方がいいわ。
「なぁこの後どうする?」
「帰るだろ」
「えー、もう少し一緒にいようぜ~?」
「つっても何するんだよ?明日から学校始まるんだぞ」
「え、貴哉やる気満々?すげー」
「嫌だけど休めねぇんだよ!」
「あー、崖っぷちなんですもんね。ぷぷぷ。可哀想~」
「お前こそヤバそうなのに、意外と真面目なんだな」
桃山はこんな性格だから、授業サボったり休んだり激しそうだけど、俺より余裕そうなのは何でだ?ずる賢そうだから上手くやってるんだろうけど、そんな方法があるなら真似したいぐらいだぜ。
「俺結構真面目よ。あんま学校休まねぇよ。授業サボるのも調整してるし、テストでは平均以上キープしてるし」
「お前頭良いのかよっ」
「普通だよ。でも城山受かるぐらいの頭は持ってんよ♪」
その手の話はもうし飽きたのでスルーする事にした。
まぁそりゃそうだよな、城山にいる奴らはみんなそれなりの学力を持ってる筈だよな。俺が特殊なだけ。
ここで強い風が吹いて俺が寒さで着てた上着に首を窄めて震えていると、桃山は自分の黒いマフラーを取って俺に巻き始めた。
桃山の温もりが残っていて、暖かくて俺は口元まで隠して暖を取った。
「サンキュー。お前は寒くねぇの?」
「寒いよ。でも貴哉が風邪引いたらやだからしてていいよ」
ニコッと笑って優しい事を言うイケメン。マフラーの下はハイネックのこれまた黒いカットソー。そして黒いロングコート。いつも黒い桃山だけど、何で黒ばっかなんかな?俺も黒系が多いけど、ここまで黒ばっかではない。白いTシャツも着るし、茶色いキャップも被る。
「桃山って黒が好きなのか?」
「好きよ。一番落ち着くからな」
「にしては今日は白いネイルなんだな。何で?」
「あー、これね。ただの気分転換だよ。でもやっぱ落ち着かないから帰ったら塗り直すんだ」
ここで何となく違和感を感じた。
桃山元気ない感じ?初めの電話と、カラオケではいつも通りに感じたけど、今並んで歩いてても、淡々と話すだけでいつものようにふざけたりして来なかった。
それにさっきもう少し一緒にいようって、本気だったのかな?
「桃山、お前こそ何かあった?」
「!」
俺が聞いてみると桃山は目を丸くして驚いていた。そしてフワッと表情を柔らかくて笑った。
いつものイタズラを楽しむような強気な笑顔じゃなくて、優しい安心出来るような笑顔だった。
「すげぇじゃん貴哉♪やっぱ俺が惚れただけはあるな」
「夕飯、食って行こうぜ。てか今日お前に上手いもん作ってもらおうと思ってたんだよ」
「俺の手料理が食いてぇの?」
「そ。電話した時腹減ってたからさ~。まぁ今はファミレスでも……」
「家来るか?好きなもん何でも作ってやんよ♪」
「桃山んち~?」
背の高い桃山は腰を曲げて俺を覗き込むようにして笑顔で聞いて来た。
んー、まぁ今の桃山なら行っても平気か~。
それにこいつがどんな家に住んでるのかも気になるしな。
「行く。どんなけセンスのある部屋で暮らしてんのか見てやるよ」
「キャハ♪ハイセンス過ぎて住みたくなっても知らねぇよ?」
それから俺達はしばらく電車に乗って桃山んちへ向かった。
桃山の料理も楽しみだけど、ちゃんと話も聞いてやろう。これは今日俺に元気をくれたお礼だ。
もし変な事して来たりしたら思い切り叫んでやろう。いや、こいつにそんなの通じるか?他にもなんか考えとくか~。
とか思いつつ俺はそんなのもすぐに忘れて桃山と電車に揺られながら普通の友達みたいに過ごしていた。
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