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2章 大切な友達
22.ワイルドな友達
しおりを挟む買い物を済ませて大我くんの部屋に帰ってご飯の準備を始める。炊飯器が見当たらなかったから、レトルトのご飯を買って来た。鍋は使えなくはない。ただ部屋と一緒になってるキッチンが少し散らかっていてそれを片付けるのに時間が掛かってしまった。
火が使える環境に整えて、まずは魚を用意する。焼いて匂いを嫌がられた時の事を考えて比較的抑えられる鯖の味噌煮にした。
小さいフライパンを使い、あらかた準備が出来たら副菜、味噌汁の準備。
簡単に出来るほうれん草の胡麻和えに、豆腐とワカメの味噌汁にした。本当はもっと野菜を取り入れた方がいいとは思ったけど、あまり買い込みすぎても二人分だし、食材が無駄になってしまうと思って使い切る分だけにしたんだ。
何とか準備を整えて次は食事をする場所だ。一応部屋にはテーブルがあるけど、壁に付けて配置してある机の上は色々な物置と化していて、とてもじゃないけどそこで食事なんて出来そうにない。
行儀が悪いけど床で食べるしかないか。せめて布団は畳みたい。なんだったら干したいぐらいだ。
後は盛り付けるだけの段階で、時間も12時を回ったのでとりあえず大我くんを起こす事にした。
「大我くん、そろそろ起きて?」
「…………」
熟睡してる大我くんはなかなか起きないのは勉強済みだ。だけど、今は熟睡してる訳じゃないっぽい。ピアスが付いた眉毛がピクッと動いて、起きる気配があったんだ。
「ご飯作ったから一緒に食べよう?」
「……飯?」
あ、起きた♪
ご飯に釣られたのか薄っすら目を開ける大我くんはまだ眠そうだったけど、朝よりは起こすのに苦労しなくてホッとした。
それから大我くんはクンクンと匂いを嗅ぎ出してヘラ~と表情を緩めて笑った。
「美味そうな匂いだな~♪」
「きっと美味しく出来たと思うよ」
「ナオキングが作ったのか?」
「うん。お口に合えばいいけど」
「食う!腹減った!」
ずっとボソボソと喋っていたけど、いきなり上半身を起こして目もぱっちり開いた大我くんは大きな伸びをしながら立ち上がる。
そしてそのまま洗面所へ消えて行った。
俺はその隙に食べる場所を作ろうと布団を畳む。
勝手に干したら怒られるかな?と、とりあえず今は畳むだけにしておこう!
スペースを作ってもう一度テーブルを見る。
やっぱりテーブルは使いたい。でもこの大量の小物類をどかすのは大変そうだし、そんな事したら床が散らかってしまう。
どうしようか迷っていると、歯ブラシを咥えた大我くんが戻って来て「どうした?」と声を掛けて来た。
「あ、食事をするのにテーブルを使おうと思うんだけど……物を片付けたらダメだよね?」
「ああ、そんな事か。それならこうすりゃいい」
「え?……ええー!?」
大我くんはそこら辺に落ちていたゴミ袋をバサっと広げてテーブルの端にセットしたと思ったらテーブルの上の物を腕で一気にそのゴミ袋目掛けて落とし始めた。
そんなやり方でいいの!?使いっ放しのグラスとかアクセサリーとか一緒になっちゃったけどいいの!?
驚くべき光景に俺は開いた口が塞がらなかった。
「大我くんっ!それゴミ袋だよ!」
「あ?んなもんあひょれしわれればいーらろ」
歯磨きをしながらだったから何を言ってるのか分からなかったけど、どうやらこれでいいらしい。家主が言うんだから従うしかない。
俺は一瞬で綺麗に片付いたテーブルの上を拭く事にした。
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