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2章 大切な友達
24.本気なの?演技なの?
しおりを挟む大我くんの話を聞いた後、俺は真っ直ぐに大我くんを見て伝える事にした。
大我くんはいつも通りで、ニコニコ笑顔で俺を見ていた。
「実は伊吹さんと付き合う事になったんだ」
「ん?」
「あ、お付き合いさせていただける事になった。かな?」
何だか凄い上からの言い方になってしまったと思って言い直すと、大我くんの表情が曇ったのに気付く。
もしかして怒った?
やっぱりいくら大我くんでも好きな人を取られたら嫌だよな。俺は大我くんの気持ちを深く考えずに打ち明けた事に後悔しかけた。
いや、そう考えるのはよそう。
伊吹さんとは真剣に付き合うんだ。
もちろん大我くんとも真剣に友達を続けたいと思っている。
だからこそこの事は話さなきゃいけなかったんだ。
俺は間違えてない!
「ナオキング、それガチ?」
「ガ、ガチだよ!すぐに言わなくてごめん……」
「いや、ちょっと待ってくれ?ナオキングと伊吹が付き合うって、どういう事だ?意味分かんねぇわ」
「……えっと、伊吹さんと土曜日にデートした時に正式に付き合う事になって……すぐに大我くんにも言わなきゃって思ってたんだけど、その……」
「いやいや、何で伊吹と付き合えてんだって話。だって伊吹は客とは付き合わないような事言ってたぞ?連絡先だって教えないし、そもそもこないだの土曜は伊吹は出勤してねぇだろ」
「俺と会う為に伊吹さんが休んでくれたんだ。連絡先も交換してる……」
明らかに声のトーンが低くなり、大我くんが怒ってるのが伝わって来て、俺は怯える気持ちを押し殺して質問に答えていた。
さっきまでの平和だった空気が俺の言葉によって冷たいものになった事に、ショックを受けた。
「あー何かムカつくなぁ」
「ごめんなさい……」
「何謝ってんの?自分の物になったからって見下してんのか?」
「そんな事ないよ!俺は大我くんとも仲良くやって行きたいと思ってるんだ!」
「仲良くね~、てか俺らの同盟はどうなんの?二人で伊吹を愛しましょうって約束したじゃん」
「それは……ごめん……」
どんどん責められて俺は何を言うのが正解なのか分からなくなって来た。
今は何を言っても怒らせてしまうと思うんだ。
怖くて大我くんの顔が見れずに下を向いてると、大我くんは何かを思い付いたようにこう言った。
「あ、そっか。そう言う事か!ナオキングが付き合ったって事は俺も伊吹と付き合ったって事か!」
「……!?」
「二人で仲良くって同盟組んだんだし、そう言う事になるよな?そっか~♪それならそうと早く言えよ~♪」
話が思わぬ方向へ進みそうになって、俺は更に頭がこんがらがった。
大我くんは本気で言っているのか?
だとしたら間違えてるって言った方がいいよな?
でも、大我くんが言ってる事の方が正しい可能性も?
いやいや、一度に二人の人と恋人になるってどう考えてもおかしな話じゃないか?
さすがに経験の無い俺でもそれは良くない事だって分かるぞ。
でも怒りかけてた大我くんはすっかりいつもの機嫌の良さそうな笑顔に戻っていて、俺は首を横に振れずにいた。
伊吹さん助けて下さい!
でないと大我くんはとんでもない勘違いをしてしまいます!
俺は心の中で必死にそう叫んでいた。
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