我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「失礼ね~! 人をなんだと思ってるのよ~! プンプン!」

 なんだその怒り方は? お前がやったってちっとも可愛くねぇぞ?

「性欲に塗れた肉食系女子」

「酷い~! 傷付くわぁ~! ヨヨヨ...」

 コイツはいつまで続ける気なんだ? 私は段々イライラして来た。

「アランをどこに連れて行くつもりよ?」

「スチュワード子爵家」

「あぁ、そういうこと...」

「という訳だから。アラン、出掛ける前に御粧ししなさい」

「へっ!? なんで!? どういうこと!? スチュワード子爵家ってなに!?」

 アランの頭の中がクエスチョンマークだらけになってしまったのも無理はない。

「あなたの養子先になる家よ」

「あぁ...」

 全て合点がいったのか、アランは静かに頷いた。

「養子にするにしても、一度は顔合わせしておきたいって先方から言われててね。だから一緒に来なさい」

「で、でも...」

「なに躊躇ってんのよ? 今がちょうど良いタイミングでしょ? 障害は全てなくなったんだから」

「そ、そうなんだけどさ...な、なんて言ったらいいのか...ま、まだ心の準備が...」

 そう言ってアランは縋るような目付きで私の方を見た。

「アラン、取り敢えず顔合わせだけして来なさい。結論を出すのは後でもいいから。ね?」

 だから私は助け船を出した。

「...分かった...」

「よろしい。アンリエット、ちょっと化粧室を借りるわよ?」

「ご自由に...」

 エリザベートが引き摺るようにしてアランを連れて行く様を、私はなんだか他人事みたいにボンヤリと眺めていた。


◇◇◇


「アンリエット...」

「あら? 兄さん? 生きてたのね?」

「ハハハ...なんとかね...」

 昼食の席に現れた兄は少し回復したようだ。

「ロバート様、今から昼食をご用意致しますので少々お待ち下さい」

「あぁ、済まないがよろしく頼むよ...」

 そこにセバスチャンがやって来て、申し訳なさそうにそう言った。

「えっ!? セバスチャン、私と兄さんは同じメニューじゃないの!?」

 私はビックリして尋ねていた。ちなみに私の今日の昼食メニューはサンドイッチにベーグルサンド、コーンスープに野菜サラダ、デザートは果物盛合せというシンプルなものだ。時間が掛かるようなメニューは一つもない。

「その...エリザベート様から昼食はスッポン鍋にアボガドバーガー、食後にマムシ酒をと指示されておりまして...」

「えぇっ!? それって毎食!?」

「はい...ちなみに夜はレバニラ炒めにニンニク増し増しのガーリックステーキ、食後にはウコン酒となっております...」

 聞くだけで鼻血が出そうなメニューに私は開いた口が塞がらなかった。
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