我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「ウィリアム、ちょっといい?」

 私は中庭でマックスをあやしているウィリアムの所に行った。

「あぁ、もう話は終わったのか?」

「えぇ、パトリックがあなたに話があるって。私がマックスを見てるから行って来て?」

「分かった」

「さぁマックス、お姉ちゃんと遊びましょうね~」

「ママ~!」

「いやだからお姉ちゃんだって...」

 そろそろマックスにママと呼ばれるのは改めないといけない。だからと言ってオバサン呼びは断固として拒否する! 文句は認めない!


◇◇◇


 やがて話を終えたのか、覚悟完了したような顔のパトリックがやって来た。

「...アンリエット、色々とありがとう.. マックスを引き取るよ...」

「分かったわ。マックス~! パパが迎えに来たわよ~!」

 私は芝生の上でボール遊びをしているマックスに呼び掛けた。

「パパ~!」

「...マックス、待たせたな。帰ろうか...」

「うん!」

「...それじゃアンリエット...」

「えぇ、パトリック...その...頑張ってね...」

 私はそう言うしかなかった。

「...あぁ...」

 パトリック達が帰った後、私はアランの労を労った。

「アラン、お疲れ様。取り敢えず今日はゆっくり休みなさい」

「いや、大丈夫だよ...」

「体は疲れてないみたいだけど、心は疲れ切ってるみたいよ? 酷い顔してるわ。いいから休みなさい」

「分かった...済まない...」

 アランを下げさせた後、私は自分の仕事に戻った。


◇◇◇


「やっほ~♪」

 次の日、エリザベートがやって来た。相変わらず無駄にテンションが高い。

「アランは? そろそろ戻って来た?」

「えぇ、昨日戻って来たわ」

「呼んでちょうだいな♪」

「イヤ」

「なんでよ~?」

「なんかイヤな予感がするから」

「そんなことないわよ~♪ アランにとって、とっても良いことなのよ~♪」

「怪し過ぎる...」

 私は警戒心を強めた。絶対にアランと会わせてはならない。そう思っていたのだが...

「お嬢、ごめん...寝坊した...」

 当のアランが申し訳無さそうな顔で現れてしまった。私は頭を抱えた。

「あら~♪ アラン~♪ お久ぁ~♪」

 途端にエリザベートの目が、獲物をターゲットロックオンした肉食獣のそれになった。

「あぁ、エリザベート嬢、しばらく」

「アンリエット、ちょっとアランを借りるわよ?」

 私はエリザベートがアランに近付こうとするのを体でブロックした。

「ダメ」

「だからなんでよ~?」

「食われそうだから」

 エリザベートの獲物になんかにして堪るもんかい!
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