我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「あぁ、なんてこと...私の義妹にそんな性癖があっただなんて...世も末だわ...ヨヨヨ...」

 エリザベートのアホが大袈裟に悲しむ演技を始めやがった。

「だから人を勝手にSM趣味だとか決め付けんじゃねぇって! それからなにをサラッと義妹呼びしていやがる! まだ籍も入れてない内からフライングしてんじゃねぇ!」

「あぁ、こんなに口が汚くなっちゃって...ねぇ坊や、パパにどうやって報告したらいいのかしらね...実の妹がグレちゃったなんて知ったらきっと悲しむでしょうねぇ...お~ 良し良し...」

 エリザベートのバカが今度はお腹を擦り始めやがった。

「まだ男か女かも分かんねぇ内から坊や呼びしてんじゃねぇ! それから誰がグレてるって!? 変な言い掛かり付けてんじゃねぇよ! それとまだお腹の子が動く訳ねぇだろが! 下手な演技してんじゃねぇ! 全くもう! 突っ込み所が多過ぎんだよ! ハァハァ...」

 いかんいかん...クソッタレなエリザベートのペースにすっかり振り回されて我を忘れてしまった...落ち着け落ち着け...まずは腹式呼吸だ...ヒッヒッフー...ヒッヒッフー...

「アンリエット、大丈夫? そんなに怒りっぽくなるなんて、カルシウムが足りてないんじゃないの? アラン、ホットミルクでも持って来てあげて?」

「誰のせいでこうなったと思ってやがんだ...全く...アラン、持って来んでいい...」

 部屋を出て行こうとするアランを呼び止めた。こんなヤツの言うことなんざ律儀に聞かんでいい。

「アラン、そう言えば私になにか用事があったんじゃないの?」

 私は敢えて話題を変えることにした。

「あ、そうだった! お嬢...い、いえ...お、お嬢様!」

 チッ! 私が指揮棒を振りかぶるより早く訂正しやがったか! アラン、命拾いしたな!

「お手紙が来ております」

「誰から?」

「サンタンデル伯爵様からでございます」

 その名を聞いた途端、私とエリザベートは目を合わせた。なんとも言えない緊張感が走る。

 一人、事情を知らないアランだけは何事か? とポカンとしている。

「そう...ありがと...」

 私は手紙を受け止って封を開けた。

「うわぁ...」

 手紙の内容を確認した私は、思わず声を上げてしまった。

「なんて書いてあったの?」

 私は無言で手紙をエリザベートに渡した。

「うへぇ...こりゃまた面倒な...」

 エリザベートも私と同じような反応を見せた。その手紙にはこう書かれていたのだ。

 私のお見合い相手が見付かったと。
 
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