我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「あのジジイ、一体どういうつもりよ?」

「昔っから世話を焼くのが好きって言うか、お節介が過ぎるって言うか...」

「きっとあれでしょ? 仲人になった数を自慢する親戚のオバハンみたいなもんなんでしょ?」

「それは否定できないわね...」

『このカップルがちょうど100組目になるのよ~♪ 仲人は私にとって生き甲斐なの~♪ ホッホッホッ~♪』

 みたいなノリなんだろうな...きっと...

「ちなみにギルバートを紹介したのもサンタンデル伯爵だったりするんだよね...」

「そうだったんだ...」

「ギルバートがあんなことになってめっちゃ怒り捲ってたっけな..」

 私は遠い目をした。

「うわぉ...その光景が目に浮かぶようだわぁ...」

「その怒りが私にも飛び火して困ったんだけどね...」

「うん!? それってどういうこと!?」

「サンタンデル伯爵曰く『男に浮気されるのは女の方にも責任がある!』だそうよ...」

「うわぁ...なによそれ...いつの時代の話?」

 封建時代かもね...

「まぁ古い方だからね...」

「それにしたって考え方が古過ぎるわよ...あぁ、だからあんな偏屈になっちゃったのか...」

「そういうことね...どんなことがあったって女は男に従うべしって言う古き良き時代の生き残りだから...」

「ちっとも良くないわよね...」

「女にとってはね...」

「それでどうすんの? お見合い受けるの?」

「う~ん...会うだけは会っておかないとまた後がうるさいからなぁ...」

 私は頭を抱えた。

「そんなにイヤだったら会わなきゃいいじゃない?」

「だから断ったりしたら後々面倒なんだってば...」

「断るのに正当な理由があれば、さすがに偏屈ジジイも文句言えないでしょ?」

「正当な理由って?」

「既に相手が居るってことよ。ね? アラン?」

 そこでエリザベートはアランの方に向き直った。

「へっ!?」

 事情を知らず一人蚊帳の外だったアランは、いきなり振られて面食らっている。まぁ確かに無理もない。

 そこで私は簡単に、サンタンデル伯爵との関係性をアランに説明してあげることにした。

「実はね、アラン...」

 私の話を聞き終えたアランが神妙な顔付きになった。

「...それでお嬢...」

 指揮棒ピシッ!

「お、お嬢様はどうなさりたいのですか?」

「私としては会うだけ会ってみようと思ってる。そうすればサンタンデル伯爵の顔も立つでしょ?」

「...それって相手次第ではそのまま婚約って流れに?」

「まぁ可能性は0じゃないでしょうね」

 限りなく0に近いけどね。
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