93 / 287
父性ホルモンどぱどぱ
しおりを挟む
スラムの人を治療するべきか悩んだけど、シュレアやベステルタの声に押されて治療(浄化)したよ。でも効果が予想以上でスラムがピカピカ、綺麗になってしまった。フェイさんが入信するために押し寄せる民衆から僕を守ってくれたけど、その瞳は狂信者のそれだった。も、目的は果たしたからね。孤児院にとんぼ返りしたよ。
「ただい「ケイ様! 先ほどの演説、カリン感激しました!」お、おう」
そうだ、ここにも狂信者がいたんだった。うう、逃げ場はないのか。
「ケイ様、新たな子羊たちの洗礼はお任せください! このカリン、片っ端からジオスの子にしてみせます!」
やべーよ、張り切っちゃっているよ。どうすっかな。本当ならこの後奴隷を雇うつもりだったんだけどな。
「使徒様! 使徒様はおられますか! フェイです。約束通りジオス教徒に入信しに参りました!」
「ケイの旦那! ママンの具合が良くなったんだ! ぜひとも俺をジオス教徒に入信させてくれ!」
「俺も!」「私も!」
孤児院の扉の外から喜びに満ちたフェイさんの声とパウロとあとたくさん。はえーよ。僕はジェットプテュエラ号で帰ってきたのに。何か特殊な歩法でも使ったのか? それにいっぺんに来るなって言ったのに……。頼むから静かにしてくれないか?
「フェイ……演説に出てきた名前ですね?」
カリンの目が鋭く光る。
「そ、そうだよ。スラムのリーダーみたいな人なんだ」
「なるほど。分かりました」
カリンがつかつかと歩いていく。何か嫌な予感がする。
『ごめんプテュエラ。この周りにも防音壁張ってもらってもいい?』
『別にかまわんが……。でーと楽しみにしているぞ?』
『ちょっとプテュエラ何よ、でーとって。教えなさい』
『秘密だ』
プテュエラはすぐに防音壁を展開してくれたが、ベステルタと小競り合いしている。だめだ冷静な人がいない。救いは無いのか。
「……」
あ、シルビアがこっちをじっと見ている。もう君しかいない。
「……し、シルビア?」
「……ふん」
どこかに行ってしまった。見捨てられた。神はいない。
カリンはパウロたちが騒ぐ扉の前に立って、大きく息を吸った。
「静まれ!」
ええ……。
「わたくしは使徒様専属の信徒であり、洗礼を執り仕切る司祭、カリン・リッカリンデン! 蒙昧なる子羊たちよ、使徒ケイ様は崇高なる力の行使により一時的に休まれております! 貴方たちのために御身体を犠牲にしたのですよ? 自分たちの欲望に目が眩んで感謝を忘れるとは何事ですか! 恥を知りなさい! 聖編を千回黙読して出直しなさい!」
一喝どころか五喝ほどするカリン。さすが元祖狂信者。年季がちげえや。そして君は僕の専属信徒で司祭だったんだね。専属信徒ってマネージャーかな。初めて知ったよ。
そして外はしん、と静まえり返る。
「司祭様。私はスラムを仕切るオボロ代表、フェイ・イェウと申します。この度は誠に申し訳ございません。使徒様の御身を顧みず、自らの無知蒙昧さを恥じ入るばかりでございます」
フェイさんが代表して答えた。
まるで心の底から反省しているかのような声。やめてくれよ。ちょっと前まで熱いバトルを繰り広げていたじゃないか。もはや懐かしいよ。新しい称号ってもしかして狂信者増やす効果があるんじゃないだろうな。普通の人と普通に話したい……。
「その心掛け、忘れてはいけませんよ」
「はっ! もちろんです司祭様!」
扉を隔てて会話する新旧狂信者。僕はじっと動かず空気の振りをしている。
「本日のところは時間が無いので貴方と数名の洗礼を行います。後日、そちらで調整の上、来ると良いでしょう」
「はっ! 有難き幸せ!」
過ぎろ時間よ過ぎろ。それか戻れ……。
「ケイ様、どうやら本当にお疲れの様子。ここはこのカリンに任せて、奥で休まれてください。それと大変心苦しいのですが、新たな同胞に亜人様たちのお姿を見せて頂くようお願い申し上げます」
丁寧だけど逃げ場のないお願いだ。あとカリンって張り切ると自分の事「このカリン」って言うよね。
「分かった……。『ベステルタ、プテュエラ。これから新しいジオス教徒が入信するから姿を見せて欲しいってさ』」
ベステルタはさっき見せてたけどね。防具を外して気配を解放するのかな。
『分かったわ。ふふ、腕が鳴るわね』
『ああ、二人で練習したもんな』
うきうきの二人。知らない間にそんなことしていたのかよ。
ただでさえ酷い精神的苦痛を感じているのに、亜人必殺のダークアクションを見せされたら心が崩壊する。
だめだ、部屋に帰ろう。あー、疲れた……。
奥の部屋に戻るとサンドリアがベッドにちょこんと腰掛けていた。
「あ、お帰りなさい」
純真無垢なサンドリア。ぎこちない笑みと、細い肩。
むらむらっ。
「ど、どうしたの……きゃっ」
抱きしめて匂いをいっぱいに吸い込む。くんかくんかうすんすんぷはー。うん! 春先の幼馴染の部屋の匂い!
「ちょっと疲れたんだ……しばらくこうさせて……」
「そ、そうなんだ。おつかれさま」
よしよし、と撫でられる。
ポッ。やばい惚れそう。サンドリアはナデポの能力者だったようだ……。
そのままなし崩しにいちゃついて繁った。サンドリアとの繁殖はとてもKENZENで健康的だったけど、ある一線を超えるとムカデが飛び出してきて丸呑みされるからHENTAIに変わってしまう。まあ、外のダークアクションやら狂信者トークが聞こえなくてちょうどよかったけど。
…………
カリンがジオス神の尊さ、亜人の素晴らしさを礼拝堂で説いている。それは良い。でも僕のことまで話さないでほしい。お優しい方とか、いと高き方とか。使徒様と接する時の心構えとか。熱を帯びた話しっぷりが聞いていて辛い。現実逃避するためにサンドリアの身体に溺れた。
今はいちゃいちゃピロートーク中だ。いや、霧から生えたムカデを枕にしているからムカデトークか?
サンドリアがきょどきょどしつつ、三白眼をぱちぱちさせて、一生懸命話してくれるのは心が安らぐ……。
「そ、それでね姉さんがね、やっぱり二刀流は最高だぜって! よくわからないけど」
「うんうんそっかあすごいね、はいお肉たくさん食べるんだよ」
「う、うん。食べる」
恥ずかしそうにお腹をきゅうきゅう鳴らすサンドリアにきゅんきゅんする。
フレベやらダンボやらブラサの生肉をサンドリアのムカデに与える。内臓が好きらしいからそれも一緒に。ムカデはきしゃーっと喜び? ながら無邪気にパクつく。ちょっと可愛く思えてきた。はー、心安らぐ。サンドリアは可愛いし良い子だな……。母性と父性が同時に刺激される。
「ケイ様。洗礼の儀が終わり、信徒たちも帰りました」
カリンの声がする。ああ、終わってしまったか。行かなければ。奴隷による人員の拡充は急務だからね。早く終わらせて楽しよう。
「ありがとう、お疲れ様。ところでこれから孤児院の護衛のために奴隷を見に行くんだけど、カリンも来てくれる?」
流石に人員の選出を僕だけでやる訳にはいかない。シルビアはコスモディアの製造で忙しいからね。
「畏まりました。少々お待ちください」
カリンはそう言って身支度を始める。
「……」
「あっ」
その後ろの物陰からシルビアがじっとこっちを見つめている。家政婦かな?
「やあシル……」
「このロリコン」
ぐっは。
違うんだ。違うんだよ。誤解だ。
サンドリアは僕よりずっと歳上なんだよ。だから見た目はロリでも合法いや合法とかじゃなくて。あれ僕ってロリコンなのか? 自信無くなってきた。いや、シャロンちゃんとかファイナちゃんには父性しか湧かないから大丈夫なはずだ。
「お待たせしました」
「……」
カリンはよそ行きの格好に着替えていた。うっ、可愛い。可愛い女の子だ。大人しい服装だけどスカート姿で、こう色々と強調される。抱き締めたい。でも我慢だ。
後ろにシルビアが控えてジト目でこっちを見ている。やりづらい。
「問題無いよ。カリンはシスター服も可愛いけど普通の服装も可愛いね」
「カリンは仕事でシスター服着ているんだけど? ケイの趣味のためじゃないんだけど?」
し、辛辣ぅー。
シルビアさん容赦ない。いや、おっしゃる通りでマジでへこむ。僕の浅く歪んだ女性観をばっさり切り捨てられた気分だ。
「シルビア、なんてこと言うんですか。ケイ様はただ誉めて下さったのよ。言葉の表面だけでなくもう少し深いところまで察すれば分かることじゃない」
カリンが擁護してくれる。狂信者とか言ってごめんなさい。ありがとうございます。もっと言って下さい。
「だ、だってサンドリアちゃんみたいないたいけな少女と……その、そういうことするような変態だし……」
シルビアが顔を赤らめつつ反論する。ただ、サンドリアにちゃん付けしたくなるのは分かる。
「サンドリア様はわたくしたちよりずっと歳上よ?」
そう! そうなんだよ!
「え、そうなの?」
「そうよ。それに亜人様を近所の少女みたいに扱うのは不敬だと思うわ」
「うーん、それならいいの、かな?」
と考え込むシルビア。あと一息だ。
「ねえ、ケイ。ちょっと誤解があったのは認めるけどサンドリアちゃんの気持ちも聞きたいな。通訳できる?」
それならお安いご用だ。僕とサンドリアは仲良い……よね? あらためて言われると自信無くなってくる。なんか今日は自信喪失してばかりだな。
「サンドリアちょっといいかな。シルビアが僕とサンドリアが仲良いのか知りたいんだって」
「え、え? そうなんだ。仲良い……よね?」
途端に不安に顔を曇らせるサンドリア。きょどきょどしている。きょど可愛い。抱き締めて「なかよしだよなかよしだよグェヘヘ」って言って飴ちゃんたくさんあげたい。きっと父性ホルモンがあったら今の僕はどぱどぱ垂れ流しているに違いない。
「もちろんもちろん。でもシルビアには仲良いのが伝わりづらいみたいでさ」
「そ、そっか。よかった。でもどうすればいいのかな」
「うーん、何でも気持ちを表せばいいと思うよ」
ほら、ぎゅっとしたりとか。ぐへへ。
「わ、わかった。えいっ!」
「キシャァァァァァ!」
ズボォ!
サンドリアのムカデ先輩が僕の頭から足先まで丸呑みにした。
はは。目に入れても痛くない、の延長だよ。ってそんなわけあるかい。
ただ、シルビアには効き目抜群だったようで後で謝られた。いや、わかってくれたらいいのよ。身体張った甲斐があったよ。
ていうかこのムカデ、最近丸呑みするとき妙に嬉しそうなんだよね。サンドリアと連動しているのか?
「ただい「ケイ様! 先ほどの演説、カリン感激しました!」お、おう」
そうだ、ここにも狂信者がいたんだった。うう、逃げ場はないのか。
「ケイ様、新たな子羊たちの洗礼はお任せください! このカリン、片っ端からジオスの子にしてみせます!」
やべーよ、張り切っちゃっているよ。どうすっかな。本当ならこの後奴隷を雇うつもりだったんだけどな。
「使徒様! 使徒様はおられますか! フェイです。約束通りジオス教徒に入信しに参りました!」
「ケイの旦那! ママンの具合が良くなったんだ! ぜひとも俺をジオス教徒に入信させてくれ!」
「俺も!」「私も!」
孤児院の扉の外から喜びに満ちたフェイさんの声とパウロとあとたくさん。はえーよ。僕はジェットプテュエラ号で帰ってきたのに。何か特殊な歩法でも使ったのか? それにいっぺんに来るなって言ったのに……。頼むから静かにしてくれないか?
「フェイ……演説に出てきた名前ですね?」
カリンの目が鋭く光る。
「そ、そうだよ。スラムのリーダーみたいな人なんだ」
「なるほど。分かりました」
カリンがつかつかと歩いていく。何か嫌な予感がする。
『ごめんプテュエラ。この周りにも防音壁張ってもらってもいい?』
『別にかまわんが……。でーと楽しみにしているぞ?』
『ちょっとプテュエラ何よ、でーとって。教えなさい』
『秘密だ』
プテュエラはすぐに防音壁を展開してくれたが、ベステルタと小競り合いしている。だめだ冷静な人がいない。救いは無いのか。
「……」
あ、シルビアがこっちをじっと見ている。もう君しかいない。
「……し、シルビア?」
「……ふん」
どこかに行ってしまった。見捨てられた。神はいない。
カリンはパウロたちが騒ぐ扉の前に立って、大きく息を吸った。
「静まれ!」
ええ……。
「わたくしは使徒様専属の信徒であり、洗礼を執り仕切る司祭、カリン・リッカリンデン! 蒙昧なる子羊たちよ、使徒ケイ様は崇高なる力の行使により一時的に休まれております! 貴方たちのために御身体を犠牲にしたのですよ? 自分たちの欲望に目が眩んで感謝を忘れるとは何事ですか! 恥を知りなさい! 聖編を千回黙読して出直しなさい!」
一喝どころか五喝ほどするカリン。さすが元祖狂信者。年季がちげえや。そして君は僕の専属信徒で司祭だったんだね。専属信徒ってマネージャーかな。初めて知ったよ。
そして外はしん、と静まえり返る。
「司祭様。私はスラムを仕切るオボロ代表、フェイ・イェウと申します。この度は誠に申し訳ございません。使徒様の御身を顧みず、自らの無知蒙昧さを恥じ入るばかりでございます」
フェイさんが代表して答えた。
まるで心の底から反省しているかのような声。やめてくれよ。ちょっと前まで熱いバトルを繰り広げていたじゃないか。もはや懐かしいよ。新しい称号ってもしかして狂信者増やす効果があるんじゃないだろうな。普通の人と普通に話したい……。
「その心掛け、忘れてはいけませんよ」
「はっ! もちろんです司祭様!」
扉を隔てて会話する新旧狂信者。僕はじっと動かず空気の振りをしている。
「本日のところは時間が無いので貴方と数名の洗礼を行います。後日、そちらで調整の上、来ると良いでしょう」
「はっ! 有難き幸せ!」
過ぎろ時間よ過ぎろ。それか戻れ……。
「ケイ様、どうやら本当にお疲れの様子。ここはこのカリンに任せて、奥で休まれてください。それと大変心苦しいのですが、新たな同胞に亜人様たちのお姿を見せて頂くようお願い申し上げます」
丁寧だけど逃げ場のないお願いだ。あとカリンって張り切ると自分の事「このカリン」って言うよね。
「分かった……。『ベステルタ、プテュエラ。これから新しいジオス教徒が入信するから姿を見せて欲しいってさ』」
ベステルタはさっき見せてたけどね。防具を外して気配を解放するのかな。
『分かったわ。ふふ、腕が鳴るわね』
『ああ、二人で練習したもんな』
うきうきの二人。知らない間にそんなことしていたのかよ。
ただでさえ酷い精神的苦痛を感じているのに、亜人必殺のダークアクションを見せされたら心が崩壊する。
だめだ、部屋に帰ろう。あー、疲れた……。
奥の部屋に戻るとサンドリアがベッドにちょこんと腰掛けていた。
「あ、お帰りなさい」
純真無垢なサンドリア。ぎこちない笑みと、細い肩。
むらむらっ。
「ど、どうしたの……きゃっ」
抱きしめて匂いをいっぱいに吸い込む。くんかくんかうすんすんぷはー。うん! 春先の幼馴染の部屋の匂い!
「ちょっと疲れたんだ……しばらくこうさせて……」
「そ、そうなんだ。おつかれさま」
よしよし、と撫でられる。
ポッ。やばい惚れそう。サンドリアはナデポの能力者だったようだ……。
そのままなし崩しにいちゃついて繁った。サンドリアとの繁殖はとてもKENZENで健康的だったけど、ある一線を超えるとムカデが飛び出してきて丸呑みされるからHENTAIに変わってしまう。まあ、外のダークアクションやら狂信者トークが聞こえなくてちょうどよかったけど。
…………
カリンがジオス神の尊さ、亜人の素晴らしさを礼拝堂で説いている。それは良い。でも僕のことまで話さないでほしい。お優しい方とか、いと高き方とか。使徒様と接する時の心構えとか。熱を帯びた話しっぷりが聞いていて辛い。現実逃避するためにサンドリアの身体に溺れた。
今はいちゃいちゃピロートーク中だ。いや、霧から生えたムカデを枕にしているからムカデトークか?
サンドリアがきょどきょどしつつ、三白眼をぱちぱちさせて、一生懸命話してくれるのは心が安らぐ……。
「そ、それでね姉さんがね、やっぱり二刀流は最高だぜって! よくわからないけど」
「うんうんそっかあすごいね、はいお肉たくさん食べるんだよ」
「う、うん。食べる」
恥ずかしそうにお腹をきゅうきゅう鳴らすサンドリアにきゅんきゅんする。
フレベやらダンボやらブラサの生肉をサンドリアのムカデに与える。内臓が好きらしいからそれも一緒に。ムカデはきしゃーっと喜び? ながら無邪気にパクつく。ちょっと可愛く思えてきた。はー、心安らぐ。サンドリアは可愛いし良い子だな……。母性と父性が同時に刺激される。
「ケイ様。洗礼の儀が終わり、信徒たちも帰りました」
カリンの声がする。ああ、終わってしまったか。行かなければ。奴隷による人員の拡充は急務だからね。早く終わらせて楽しよう。
「ありがとう、お疲れ様。ところでこれから孤児院の護衛のために奴隷を見に行くんだけど、カリンも来てくれる?」
流石に人員の選出を僕だけでやる訳にはいかない。シルビアはコスモディアの製造で忙しいからね。
「畏まりました。少々お待ちください」
カリンはそう言って身支度を始める。
「……」
「あっ」
その後ろの物陰からシルビアがじっとこっちを見つめている。家政婦かな?
「やあシル……」
「このロリコン」
ぐっは。
違うんだ。違うんだよ。誤解だ。
サンドリアは僕よりずっと歳上なんだよ。だから見た目はロリでも合法いや合法とかじゃなくて。あれ僕ってロリコンなのか? 自信無くなってきた。いや、シャロンちゃんとかファイナちゃんには父性しか湧かないから大丈夫なはずだ。
「お待たせしました」
「……」
カリンはよそ行きの格好に着替えていた。うっ、可愛い。可愛い女の子だ。大人しい服装だけどスカート姿で、こう色々と強調される。抱き締めたい。でも我慢だ。
後ろにシルビアが控えてジト目でこっちを見ている。やりづらい。
「問題無いよ。カリンはシスター服も可愛いけど普通の服装も可愛いね」
「カリンは仕事でシスター服着ているんだけど? ケイの趣味のためじゃないんだけど?」
し、辛辣ぅー。
シルビアさん容赦ない。いや、おっしゃる通りでマジでへこむ。僕の浅く歪んだ女性観をばっさり切り捨てられた気分だ。
「シルビア、なんてこと言うんですか。ケイ様はただ誉めて下さったのよ。言葉の表面だけでなくもう少し深いところまで察すれば分かることじゃない」
カリンが擁護してくれる。狂信者とか言ってごめんなさい。ありがとうございます。もっと言って下さい。
「だ、だってサンドリアちゃんみたいないたいけな少女と……その、そういうことするような変態だし……」
シルビアが顔を赤らめつつ反論する。ただ、サンドリアにちゃん付けしたくなるのは分かる。
「サンドリア様はわたくしたちよりずっと歳上よ?」
そう! そうなんだよ!
「え、そうなの?」
「そうよ。それに亜人様を近所の少女みたいに扱うのは不敬だと思うわ」
「うーん、それならいいの、かな?」
と考え込むシルビア。あと一息だ。
「ねえ、ケイ。ちょっと誤解があったのは認めるけどサンドリアちゃんの気持ちも聞きたいな。通訳できる?」
それならお安いご用だ。僕とサンドリアは仲良い……よね? あらためて言われると自信無くなってくる。なんか今日は自信喪失してばかりだな。
「サンドリアちょっといいかな。シルビアが僕とサンドリアが仲良いのか知りたいんだって」
「え、え? そうなんだ。仲良い……よね?」
途端に不安に顔を曇らせるサンドリア。きょどきょどしている。きょど可愛い。抱き締めて「なかよしだよなかよしだよグェヘヘ」って言って飴ちゃんたくさんあげたい。きっと父性ホルモンがあったら今の僕はどぱどぱ垂れ流しているに違いない。
「もちろんもちろん。でもシルビアには仲良いのが伝わりづらいみたいでさ」
「そ、そっか。よかった。でもどうすればいいのかな」
「うーん、何でも気持ちを表せばいいと思うよ」
ほら、ぎゅっとしたりとか。ぐへへ。
「わ、わかった。えいっ!」
「キシャァァァァァ!」
ズボォ!
サンドリアのムカデ先輩が僕の頭から足先まで丸呑みにした。
はは。目に入れても痛くない、の延長だよ。ってそんなわけあるかい。
ただ、シルビアには効き目抜群だったようで後で謝られた。いや、わかってくれたらいいのよ。身体張った甲斐があったよ。
ていうかこのムカデ、最近丸呑みするとき妙に嬉しそうなんだよね。サンドリアと連動しているのか?
24
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる