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彼女の躾をお任せ頂けないでしょうか?
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パーティー名を『亜人の星』にしようとしたら、周りの冒険者たちにものすごく拒絶されて、冷ややかな目で見られた。取り消そうと思ったけど、やっぱりやめたよ。亜人の契約者が亜人の汚名をそのままにしてどうするんだ。だから頑張って評判を上げるために動くことにした。
「ケイさん、亜人の星、確かに登録しました。本登録完了になります。すみません、こちらが冒険者ギルドカードです。ベステルタさんのもどうぞ」
改めて言われるとダサいな。いや、もう気にしないでいこう。亜人の星最強、亜人の星最高……。
シャールちゃんから二枚のカードを手渡される。ん? なんかびくびくしているぞ?
「あれ、僕って登録してなかったっけ?」
びくっと、怯えたように反応するシャールちゃん。なんだこれは。めっちゃ脅かしたくなる。
「はい……すみません。前回のは仮登録のカードでした。ケイさんのパーティー名を聞きそびれてしまい本登録が完了できませんでした……今回のが本登録のカードになります」
申し訳なさそうにシャールちゃんは頭を下げる。
話を訊いてみると、ソロ登録でもパーティー名は必要らしい。だからずっと仮登録のままだったそうだ。
「いやいや、確認しなかった僕が悪いよ。どうもありがとう。これでJランク冒険者ってことでいいよね?」
「はい。間違いありません。おめでとうございます」
ぱちぱち、と拍手してくれる。大多数は冷ややかな目線を送ってきてるけど。
「まあ大変だろうが頑張れよ。これは俺からの餞別だ」
おっちゃん獣人冒険者もジョッキを傾け、一杯奢ってくれた。優しい。
「ありがとうございます、えーと」
「ラーズだ。Eランクだが半分引退しているようなもんだ。こうやって新人冒険者に世話焼くのが好きなしがないロートル冒険者だよ。それと冒険者同士なんだ、敬語はいらないぞ。分からないことがあったらいろいろ聞いてくれ。よろしくな」
「うん、よろしく」
握手を交わす。なんていい人なんだ。これからも何かと頼らせてもらおう。
「ラーズさんはとてもいい人なんですよ。私にも助言くれるんです」
へー、そうなんだ。やっぱりいい人の周りにはいい人が集まるんだね。
「やめてくれ、そんなんじゃねえよ。ただ、シャールちゃんは本当は仕事できるのにうまく活かせていないのが見ていられなくてな……。ギルドという組織がこの子の良さを消しちまっている気がしてよ。なんだか部品みたいな扱いされてるみたいで可哀そうなんだ」
残念そうに言うラーズさん。すごいな、この人柔軟な思考の持ち主だね。ホワイト企業の概念が無さそうな世界なのに。個人が組織の歯車になるっていう発想も先をいっている。
「そ、そんな。その気持ちだけでうれしいです」
シャールちゃんはわたわた手を振って恥ずかしがる。ああっ、机の紙とかペンが落ちた。かわゆ。
「ラーズさん、僕も同じ気持ちです」
「お。お前さんも分かるのか。やっぱそうだよなあ。ケイって言ったか? お前さんとは仲良くやれそうだ。亜人なんて言った時はびっくりしちまったが、あんたならきっと大丈夫だ。表立っては難しいが、フォローはしてやるよ。好きなようにやれ。ちょっと急用を思い出したから行くわ」
ごっごっ、と酒を飲み干して去っていった。扉がきぃ、と開いてバタンと閉まる。か、かっけぇ。僕もああいう風になりたい。僕の他にもおっちゃんを尊敬の目で見ている冒険者がいた。現役時代は有名だったのかな? 命のやり取りする職業で五体満足で引退するのって、やっぱすごいのかも。
「ごっごっ……うぐぐ」
「ちょ、ケイ、酒強くないんだから無理しちゃだめよ」
ダメだった。
…………
「で、では明朝、ギルドに来てください。お待ちしていますね」
シャールちゃんはにっこり微笑んだ。守りたいこの笑顔。
よし、やることは大体終わったな。孤児院に戻るか。
ただ、ギルドを出る時にシャールちゃんがケバイ受付嬢にまたガミガミ言われていた。仕事のことかもしれないから口出しはできないけど、個人的には許せん。
「ベステルタ、素材と魔石卸すのはさっきの受付嬢、シャールさんのとこだけにしようね」
「あら、そうなの? 何か考えがあるのね。分かったわ」
ベステルタの信頼に満ちた目が辛い。何もないです。ただシャールちゃんと仲良くなりたいのと、彼女のところで魔石と素材卸せばもっと仲良くできると思ったからです。あとギルドへの当て付けです。つまり下心です。
冒険者ギルドでの諸々の手続きが終わった。これから帰ってご飯食べて繁るだけだ。ぬふふ。
いやー、やっぱりデイライトは何かと忙しいね。森でのゆったりした生活が懐かしい。でも、働いている感じはしないよ。好きなことや興味のあることをやっているだけだ。これならいくらでも忙しくていいかもな。
孤児院に戻るといつものように、まずザルドたちが元気よく出迎えてくれた。そのあとにカリンと亜人たちが続く。
「お帰りなさいませ御主人様」
「お、お帰りなさいませご主人様」
うおう、びっくりした! ルーナとマイアが跪いている。
「な、なんで跪いているの?」
「ケイ様は御主人様ですから。当たり前のことです」
「です……」
ルーナは淀みなくいった。すごい。今まで見てきた人の中で一番跪くのがうまい。うまいってどうなんだ? マイアはぎこちない。これが年季の差か……。
「ケイ様、二人には既に洗礼を施しました。これでジオス教徒が新たに増えました。さらに明日以降もスラムから続々と入信しに来るでしょう。ジオス様への信仰が増え、御力も日に日に増しているのが分かります。もしかしたら神託を授かるかもしれません。……ああっ、そんなことになったらどうしましょう!」
くねくね、と身体を捩らせるカリン。ジオスの力って分かるものなのか? でも、カリンはおそらくジオス教徒のラスト司祭だから分かるのかもしれない。それがこれなのはちょっとアレだけど。
「ロ……んんっ、ケイ。ごはん出来てるよー」
シルビアが奥から声をかけてくる。誤魔化したけど今ロリコンって言おうとしたよね?
「今行くよ。ルーナたちもおいで」
僕は大人だからスルーするけどな。
「いえ、私たち床か厩で十分でございます」
「えっ……あ、そ、そのとおりでございます」
ルーナ、そんなことしたら完全にシルビアに嫌われてしまうよ。マイアも嘘だろって顔してたし。君はもう少し謙遜した方がいいけど。
結局ルーナも一緒に席に着いた。シルビアが強引に押し切ったからだ。そりゃ床に座って食べている人がいたら落ち着かないよね。
ルーナはしぶしぶ食卓の隅に座った。マイアもそれに倣う。大勢の子供たちに囲まれる形になり、子供たちは興味津々だ。
案の定子供たちに質問されまくっていたけど二人とも嫌がらずに答えていた。マイアはにこにこ楽しそうに、ルーナは丁寧に。二人の個性が出ているなあ。
ていうかこのまま人数増えたら部屋に入りきらなくなるよね。どうしたもんか。
「こんな美味しいもの食べたことありません!」
「マイア、もうちょいゆっくり食べなよ」
「ふぁい! ふぃまふぇん!」
マイアが口一杯にフレイムラグーやサラダを次から次に詰め込んでいる。恍惚とした表情だ。まあ一杯食べたいのが彼女の望みだったから仕方ないけどね。行儀悪いよ。子供たち真似するよ。
それを見ていたルーナが黙ってその頬をつねる。ただつねるのではなく、つねりあげる。
「いふぁふぁふぁふぁい!」
「貴方、立場をわきまえなさい。御主人様に注意されたら指の一本や二本差し出すつもりで謝りなさい」
ぐるる、とルーナがハイエナフェイスを歪めてマイアを注意する。注意というか恫喝に近い。顔がめっちゃこわい。
奴隷歴の長いルーナはマイアの行動が見過ごせなかったようだ。でも指差し出されても困るよ。
「ごめんなふぁい! ごめんなふぁい!」
マイアは悲痛な声を上げる。
ギリギリとマイアの柔らかそうなほっぺをつねりあげていく。マイアの体が持ち上がりそうだ。めちゃくちゃ痛そう。
「そんな大きな声を出したら皆様に迷惑でしょう?」
「いいいぃ!」
マイアが両目に涙を溜めている。
「る、ルーナその辺でいいよ」
「はっ。申し訳ありません。でしゃばった真似をしました。貴方もきちんと謝るのよ。早くしなさい」
「も、もおふぃわけありません……」
二人が頭を下げる。マイアがびくびくしながらルーナを怯えた目付きで見ている。そりゃそうなるよ。こっわ。
「あやまるのよ!」
「いふぁーい!」
それを見た子供たちがきゃっきゃと真似をして遊んでいる。あーあ、真似しちゃったよ。まあ怖がらなくてよかったけど。
「御主人様、彼女の躾をお任せ頂けないでしょうか? このままでは問題です」
「う、うーん。あんまり厳しくしたくないんだけどな」
奴隷が奴隷に躾られるのってどうなんだ?
「お気遣いありがとうございます。しかし、御主人様はジオス教徒を導く立場のお方。その奴隷の躾がなっていないのは周りに示しがつきません」
「ふむ……それは確かに良くありませんね」
ギラリ、とカリンの目が光った。あ、これは狂信者の瞳だ。あかん。
「ケイ様とジオス様が軽んじられるのは許されることではありません。ルーナ、宜しく頼みますね」
「はっ、お任せ下さい」
この二人何か息が合っていないか? ああ……二人とも何かに仕える者だからか。うわ、マイアの表情が絶望に染まっている。それでもご飯を食べるのは止めていないけど。
「シルビア、コスモディアの進捗はどう?」
そう言えば気になっていたので尋ねてみた。
「ん? あーそうだね。いい感じだよ。もう少ししたら試作品を完成させられると思うな」
お、思ったよりかなり早いな。
「コスモディアの製造ってそんなに簡単なの?」
「簡単だよー。ブラス家秘伝の製法があってこそだけどね」
まるで焼き鳥屋のタレみたいだな。でもそれなら安心して、子供たちに任せられるね。
「もう手先が器用な子たちに、少しずつ教えているんだよ。本格的な製造に入ったら彼らに他の子をまとめてもらうつもり」
子供の内からそんなマネジメントできるのか……? いや、まあでもこの世界にはレベルがあるし獣人は成長が早いみたいだからなんとかなるのかな。ザルドたちもトレーニングは続けているみたいで、少しずつ体が大きくなっている。レベルってすごい。
「ケイさん、亜人の星、確かに登録しました。本登録完了になります。すみません、こちらが冒険者ギルドカードです。ベステルタさんのもどうぞ」
改めて言われるとダサいな。いや、もう気にしないでいこう。亜人の星最強、亜人の星最高……。
シャールちゃんから二枚のカードを手渡される。ん? なんかびくびくしているぞ?
「あれ、僕って登録してなかったっけ?」
びくっと、怯えたように反応するシャールちゃん。なんだこれは。めっちゃ脅かしたくなる。
「はい……すみません。前回のは仮登録のカードでした。ケイさんのパーティー名を聞きそびれてしまい本登録が完了できませんでした……今回のが本登録のカードになります」
申し訳なさそうにシャールちゃんは頭を下げる。
話を訊いてみると、ソロ登録でもパーティー名は必要らしい。だからずっと仮登録のままだったそうだ。
「いやいや、確認しなかった僕が悪いよ。どうもありがとう。これでJランク冒険者ってことでいいよね?」
「はい。間違いありません。おめでとうございます」
ぱちぱち、と拍手してくれる。大多数は冷ややかな目線を送ってきてるけど。
「まあ大変だろうが頑張れよ。これは俺からの餞別だ」
おっちゃん獣人冒険者もジョッキを傾け、一杯奢ってくれた。優しい。
「ありがとうございます、えーと」
「ラーズだ。Eランクだが半分引退しているようなもんだ。こうやって新人冒険者に世話焼くのが好きなしがないロートル冒険者だよ。それと冒険者同士なんだ、敬語はいらないぞ。分からないことがあったらいろいろ聞いてくれ。よろしくな」
「うん、よろしく」
握手を交わす。なんていい人なんだ。これからも何かと頼らせてもらおう。
「ラーズさんはとてもいい人なんですよ。私にも助言くれるんです」
へー、そうなんだ。やっぱりいい人の周りにはいい人が集まるんだね。
「やめてくれ、そんなんじゃねえよ。ただ、シャールちゃんは本当は仕事できるのにうまく活かせていないのが見ていられなくてな……。ギルドという組織がこの子の良さを消しちまっている気がしてよ。なんだか部品みたいな扱いされてるみたいで可哀そうなんだ」
残念そうに言うラーズさん。すごいな、この人柔軟な思考の持ち主だね。ホワイト企業の概念が無さそうな世界なのに。個人が組織の歯車になるっていう発想も先をいっている。
「そ、そんな。その気持ちだけでうれしいです」
シャールちゃんはわたわた手を振って恥ずかしがる。ああっ、机の紙とかペンが落ちた。かわゆ。
「ラーズさん、僕も同じ気持ちです」
「お。お前さんも分かるのか。やっぱそうだよなあ。ケイって言ったか? お前さんとは仲良くやれそうだ。亜人なんて言った時はびっくりしちまったが、あんたならきっと大丈夫だ。表立っては難しいが、フォローはしてやるよ。好きなようにやれ。ちょっと急用を思い出したから行くわ」
ごっごっ、と酒を飲み干して去っていった。扉がきぃ、と開いてバタンと閉まる。か、かっけぇ。僕もああいう風になりたい。僕の他にもおっちゃんを尊敬の目で見ている冒険者がいた。現役時代は有名だったのかな? 命のやり取りする職業で五体満足で引退するのって、やっぱすごいのかも。
「ごっごっ……うぐぐ」
「ちょ、ケイ、酒強くないんだから無理しちゃだめよ」
ダメだった。
…………
「で、では明朝、ギルドに来てください。お待ちしていますね」
シャールちゃんはにっこり微笑んだ。守りたいこの笑顔。
よし、やることは大体終わったな。孤児院に戻るか。
ただ、ギルドを出る時にシャールちゃんがケバイ受付嬢にまたガミガミ言われていた。仕事のことかもしれないから口出しはできないけど、個人的には許せん。
「ベステルタ、素材と魔石卸すのはさっきの受付嬢、シャールさんのとこだけにしようね」
「あら、そうなの? 何か考えがあるのね。分かったわ」
ベステルタの信頼に満ちた目が辛い。何もないです。ただシャールちゃんと仲良くなりたいのと、彼女のところで魔石と素材卸せばもっと仲良くできると思ったからです。あとギルドへの当て付けです。つまり下心です。
冒険者ギルドでの諸々の手続きが終わった。これから帰ってご飯食べて繁るだけだ。ぬふふ。
いやー、やっぱりデイライトは何かと忙しいね。森でのゆったりした生活が懐かしい。でも、働いている感じはしないよ。好きなことや興味のあることをやっているだけだ。これならいくらでも忙しくていいかもな。
孤児院に戻るといつものように、まずザルドたちが元気よく出迎えてくれた。そのあとにカリンと亜人たちが続く。
「お帰りなさいませ御主人様」
「お、お帰りなさいませご主人様」
うおう、びっくりした! ルーナとマイアが跪いている。
「な、なんで跪いているの?」
「ケイ様は御主人様ですから。当たり前のことです」
「です……」
ルーナは淀みなくいった。すごい。今まで見てきた人の中で一番跪くのがうまい。うまいってどうなんだ? マイアはぎこちない。これが年季の差か……。
「ケイ様、二人には既に洗礼を施しました。これでジオス教徒が新たに増えました。さらに明日以降もスラムから続々と入信しに来るでしょう。ジオス様への信仰が増え、御力も日に日に増しているのが分かります。もしかしたら神託を授かるかもしれません。……ああっ、そんなことになったらどうしましょう!」
くねくね、と身体を捩らせるカリン。ジオスの力って分かるものなのか? でも、カリンはおそらくジオス教徒のラスト司祭だから分かるのかもしれない。それがこれなのはちょっとアレだけど。
「ロ……んんっ、ケイ。ごはん出来てるよー」
シルビアが奥から声をかけてくる。誤魔化したけど今ロリコンって言おうとしたよね?
「今行くよ。ルーナたちもおいで」
僕は大人だからスルーするけどな。
「いえ、私たち床か厩で十分でございます」
「えっ……あ、そ、そのとおりでございます」
ルーナ、そんなことしたら完全にシルビアに嫌われてしまうよ。マイアも嘘だろって顔してたし。君はもう少し謙遜した方がいいけど。
結局ルーナも一緒に席に着いた。シルビアが強引に押し切ったからだ。そりゃ床に座って食べている人がいたら落ち着かないよね。
ルーナはしぶしぶ食卓の隅に座った。マイアもそれに倣う。大勢の子供たちに囲まれる形になり、子供たちは興味津々だ。
案の定子供たちに質問されまくっていたけど二人とも嫌がらずに答えていた。マイアはにこにこ楽しそうに、ルーナは丁寧に。二人の個性が出ているなあ。
ていうかこのまま人数増えたら部屋に入りきらなくなるよね。どうしたもんか。
「こんな美味しいもの食べたことありません!」
「マイア、もうちょいゆっくり食べなよ」
「ふぁい! ふぃまふぇん!」
マイアが口一杯にフレイムラグーやサラダを次から次に詰め込んでいる。恍惚とした表情だ。まあ一杯食べたいのが彼女の望みだったから仕方ないけどね。行儀悪いよ。子供たち真似するよ。
それを見ていたルーナが黙ってその頬をつねる。ただつねるのではなく、つねりあげる。
「いふぁふぁふぁふぁい!」
「貴方、立場をわきまえなさい。御主人様に注意されたら指の一本や二本差し出すつもりで謝りなさい」
ぐるる、とルーナがハイエナフェイスを歪めてマイアを注意する。注意というか恫喝に近い。顔がめっちゃこわい。
奴隷歴の長いルーナはマイアの行動が見過ごせなかったようだ。でも指差し出されても困るよ。
「ごめんなふぁい! ごめんなふぁい!」
マイアは悲痛な声を上げる。
ギリギリとマイアの柔らかそうなほっぺをつねりあげていく。マイアの体が持ち上がりそうだ。めちゃくちゃ痛そう。
「そんな大きな声を出したら皆様に迷惑でしょう?」
「いいいぃ!」
マイアが両目に涙を溜めている。
「る、ルーナその辺でいいよ」
「はっ。申し訳ありません。でしゃばった真似をしました。貴方もきちんと謝るのよ。早くしなさい」
「も、もおふぃわけありません……」
二人が頭を下げる。マイアがびくびくしながらルーナを怯えた目付きで見ている。そりゃそうなるよ。こっわ。
「あやまるのよ!」
「いふぁーい!」
それを見た子供たちがきゃっきゃと真似をして遊んでいる。あーあ、真似しちゃったよ。まあ怖がらなくてよかったけど。
「御主人様、彼女の躾をお任せ頂けないでしょうか? このままでは問題です」
「う、うーん。あんまり厳しくしたくないんだけどな」
奴隷が奴隷に躾られるのってどうなんだ?
「お気遣いありがとうございます。しかし、御主人様はジオス教徒を導く立場のお方。その奴隷の躾がなっていないのは周りに示しがつきません」
「ふむ……それは確かに良くありませんね」
ギラリ、とカリンの目が光った。あ、これは狂信者の瞳だ。あかん。
「ケイ様とジオス様が軽んじられるのは許されることではありません。ルーナ、宜しく頼みますね」
「はっ、お任せ下さい」
この二人何か息が合っていないか? ああ……二人とも何かに仕える者だからか。うわ、マイアの表情が絶望に染まっている。それでもご飯を食べるのは止めていないけど。
「シルビア、コスモディアの進捗はどう?」
そう言えば気になっていたので尋ねてみた。
「ん? あーそうだね。いい感じだよ。もう少ししたら試作品を完成させられると思うな」
お、思ったよりかなり早いな。
「コスモディアの製造ってそんなに簡単なの?」
「簡単だよー。ブラス家秘伝の製法があってこそだけどね」
まるで焼き鳥屋のタレみたいだな。でもそれなら安心して、子供たちに任せられるね。
「もう手先が器用な子たちに、少しずつ教えているんだよ。本格的な製造に入ったら彼らに他の子をまとめてもらうつもり」
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