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ポーター契約
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「そう言えばお前、同期がどうだとか言ってたな」
「あ、はい。紅蓮隊っていうんですけど。俺たちよりも先に二層に挑戦していているんです。あいつらには負けたくなくて」
「ほお? なんでだ?」
「あいつら、俺たちをバカにしたんです! 『田舎者には一層がお似合いだ』って!」
「許せないんだな!」
バッズとタークは息巻いて声を荒げた。パメラだけは心配そうな顔をしている。
紅蓮隊か。新人の割には装備が良くて、腕もあったけど、突っ走りがちのパーティだったね。でもラーズさんのアドバイスを受けて弱点をうまく補完できたのかもしれない。他人を馬鹿にするようなやつらには見えなかったけど、まあ同期だとライバル視することもあるのかもね。
「バカ野郎」
「イテッ! な、何するんですか!」
ゴチッとまたもやアビディの拳骨が落ちる。
「いいかボウズども。焦っても何もいいことなんかねえぞ。焦って判断を鈍らせたやつから死んでいく」
「ねえ君たち。紅蓮隊に馬鹿にされたのが悔しいのは分かるよ。でも、そいつらを見返すのが本当の目標なの?」
「そ、それは」
「ラーズさんから似たようなこと聞かなかったか? 心は熱く、頭はクールにとかよ」
「……言われました」
先輩にボロクソ言われがっくしと肩を落とすタークくん。どんまいどんまい。
「まーでもよ、分かるぜ。オメーらの気持ちは。今の時期だと何するにも金がかかってキツい時期だよな。とにかく前に進まないと何物にもなれないって思い込むんだ」
「迷宮に潜れば装備が傷んで修理でお金が必要だし、疲れた身体を癒すにはちゃんとした宿に泊まらないといけないし、ご飯もきちんと食べないと力が出ない。それで焦って一発デカいのを狙おうとすると、大怪我するかあっけなく死ぬ。運よく帰れても金は稼げないジリ貧よね」
「先が見えないから心が不安になって、ちょっとした悪口にも過敏に反応しちまって喧嘩になったりするんだよなあ」
「そう、ホントにそう、そうなんです」
パメラがめちゃくちゃ深く頷いている。もしかして彼女がこのパーティの会計係なのかな? 苦労してそうだ。
「……紅蓮隊の件は俺が悪かったです。本当ならリーダーとして冷静な判断をしなきゃいけないのに。俺はリーダー失格です」
「ターク……」
「アビディさん、教えてください。俺は、どうしたらいいんでしょうか。シェリルさんが言った通り、このままじゃジリ貧です。なんとか打開したいけど、俺は頭も経験も足りないから何も追いつかないんです。キツいことでも何でもやります。俺を信じてついてきてくれたパメラやバッズたちに報いたいんです。飢えさせたくないんです。いい思いをさせてやりたいんです。お願いします!」
うおお、タークくん、圧巻の土下座だ。仲間を想う土下座は美しいな。バッズとパメラはじーんと感じ入っている。
「バカだなオメーら。何も分かっちゃいねえ。実力無いやつらに教えてくださいって言われて、教えるような善人なんか、いやしねえんだぞ」
「そうね、すべてを投げ出して差し出しても尻の毛まで毟られてボロ雑巾みたいに捨てられるのがオチよ」
おほっ、美人がいきなり尻の毛とか言わないで欲しい。チンピクしてしまった。
「でもなあ、ターク。世の中には実力以上に物を言う要素がある。なんだか分かるか?」
「……すんません。バカなもんで、わからないです」
「運だよ、運。こればっかは誰にも制御できねえ。ターク、お前は運がいいな」
アビディはニンマリと笑った。
「えっ?」
「なあ、ドラゴンソード。俺たち骨喰いと『ポーター契約』しねえか?」
ポーター契約。
なんとなーく話には聞いていたけども。詳しくは知らんかった。あれだよね、荷運び的なサムシングだよね。
「ポーター契約、ですか? すみませんアビディさん。ポーターはあまり稼げないって聞いたことがあります」
「はあ、ターク。オメーはまず聞いた情報を鵜呑みにする癖を直さないとだめだな。危なかっしくて見てらんねえわ」
「情報の裏取りをする習慣も忘れずにね」
「うっ、すみません」
呆れ顔の二人。タークくんは思ったことすぐ言っちゃうからね。それがいいところでもあるんだけど。
「別にポーターは稼げなくないぜ。要はやりようさ。あとは考え方だな。……ケイ、なんだと思う?」
「うぇっ?」
いきなり僕に振るなよ! 僕は基本的に人の話集中して聞けないんだから。今なんて三角チョコパイ食べたいな~って考えてたんだぞ。
「ポーターのことはあんまし知らないけど……。荷運び専門ってことだよね?」
「そうだ」
「じゃあ出費が少ないんじゃない?」
「クックック。まさにその通りだ。ポーターは荷運び専門だからな。基本、戦闘をすることはない。契約でそう決まってる。ま、最低限身を守ってもらう必要はあるがな」
「な、なるほど」
分かってそうな、なさそうな顔でタークくんが頷く。その後ろで猛然とパメラがメモを取っていた。バッズはうんうん唸っている。
「他にも、戦闘をしないから怪我もしにくいのよ。当然医療費も抑えられる。固定費の削減につながるわ」
「こ、固定費」
「タァークゥ、オメーはもっと学をつけろ。迷宮だけが冒険者じゃねえぞ。パメラを見習っとけ」
「は、はい」
「大丈夫。私、頑張るから。タークも少しずつ、ね?」
「お、おう」
いやー、これくらいの歳の子に固定費とか伝えるのは酷な気もするな。でも、冒険者として生きていく上では大事な概念だよね。
「俺たちも底辺からの出発だったからな。修理費と医療費には頭を悩まされたもんだぜ。でもポーターならそこら辺を抑えられる」
「それに少ないけど固定給+歩合だからね。とりあえずお金は入ってくるわ。ついて行った冒険者たちがまったく素材採れなくても、ポーターは最低限収入がある」
「毎日、少しずつだが着実に金は増えていくぞ。それに気付いた時は驚くと同時に、もっと早く気付けば良かった、と後悔したもんだ……」
「ほんと、世の中情報をとれないやつは一生貧乏くじを引き続けるのよねえ」
しみじみと苦労を滲ませる二人。情報の重要性についてはまったくもってそのとおりだと思う。
「……俺、冒険者ってのは、迷宮に潜って魔獣ぶっ倒して、素材をたくさん採ってくればいいとばかり思ってました」
「わかるわ~その認識。でもな、それに気づければ次のランクが見えてくるわよ」
「でも、なんで俺たちにこんないい話を? 他にも条件良さそうな冒険者はいそうですが」
タークくんがそういうとアビディは「おっ」という顔をして笑った。きっと質問してきたのが嬉しかったんだろうな。
「逆に何でだと思う?」
「ええっ? う、うーん」
「……ド、ドラゴンソードが有望だから、なんだな?」
「はっはっは。自意識過剰がよぉ~。でも、あながち外れちゃいない」
「えっ?」
「……誰もポーターをやりたがらない。もしくは信頼できるポーターを探すのが難しい、とかですか?」
「パメラ、いい子だな。唐揚げをやろう」
「あっ、遠慮します……」
嬉しそうに苦唐揚げを差し出すアビディから嫌そうな顔で距離を置くパメラ。
「まあ、そんなとこだ。ポーターはなぁ、『冒険者のなりそこない』とか『冒険者のお零れを狙う犬』っていうイメージがあるんだよ。だから誰もやりたがらねえ」
「やったとしても嫌々なのよね。適当な仕事しかしないのよ。最悪なのは素材を持ち逃げするやつらね。まあそんなのは捕まえてぶっ殺すだけだけど、こっちが戦闘中だと逃げられることもあるし、毎回そんな事に気を使うのも疲れるのよね」
「だから信頼できそうなポーターは貴重ってわけだ。オメーらは『孤爪のラーズ』の薫陶を受けてるし、この弱そうだけどつえぇ兄ちゃんが師匠だからな。信頼は置けそうだと踏んだのさ」
「は、はぇ~」
タークくん感心しまくって変な声が出てるよ。
「どうやら興味持ったみてえだな?
んじゃあもう少し突っ込んで仕事内容を言っておくぞ。
俺たちのメイン階層は十~十五層。ここで採れる素材は全部高く売れる。地上とも比較的行き来しやすい。骨喰いの実力なら安定して周回できる……が、輸送力が足りねえんだ。この層の素材は嵩張るからな」
「君たちにはポーターとして荷運びを専門にやってもらいたいの。戦闘は私たちに任せて。だが最低限身を守れるようにはしてね」
「……分かりました。その話、受けさせて「ま、待ってください!」くだ、パメラ?」
そのまま話を受けようとしたタークくんをパメラが遮った。
「承諾する前に、報酬の内訳を聞かせてください」
「ふふふ……。パメラ、いい子ね。報酬の確認もせずに承諾しようとするなんて、詐欺師にとったらカモよ?」
「……パメラ、どうも俺にはこういうのが向いてないみたいだ。お前に任せてもいいか?」
「う、うん。任せて!」
情けない表情でタークがパメラに助けを求めた。
彼女、タークに頼られてものすごく張り切っているな。たぶん今まではタークが全部こういうの決めてきたんだろうな。本格的に頼られて嬉しかったんだろう。
「報酬は……九対一だ。もちろん俺らが九だぜ」
「そ、そんな!」
「それはあまりにもぼり過ぎなんだな!」
タークとバッズが悲痛な声を上げる。
「いや、これは相場としては普通だぜ? なにせオメーらは命の危険を冒す必要がないんだからな。労せずして稼げるんたぜ? それにオメーらより強い冒険者の力を借りれるんだから、普段よりも実入りがいいかもしれないぜ?」
「そ、そうなのか?」
「わからないんだな……」
困惑気味な二人。こればっかはなんとも言えないけど、労せずしてってのは言いすぎかな。だって重い素材を何時間も運ぶんだから、めちゃくちゃ労すると思う。
「……待ってください。やっぱりそれでは少なすぎます」
パメラもそこら辺に気づいているのか、強気に出た。
「先ほど言っていた通り、私たちは骨喰いにとって貴重なポーター候補。立場は対等とまではいかなくても、もう少し優遇してくれてもいいのでは?」
「ハッハッハ! その通りだ。確かに俺たちは、お前たちの協力がけっこう欲しい。引退するために資金が必要だからな。体力あるうちにがっぽり稼いどかないといけねえんだ」
「パメラ、ちゃんと交渉できたわね。まだまだ拙いけど、偉いわよ。男二人は彼女を見習うように」
「えへへ」
「ぱ、パメラすげえ」
「すごいんだな」
おお、どうやらパメラは合格点を貰えたようだ。よかったね。
「さて、報酬だが。比率を変えることはできねえ。なぜなら金こそが俺たちの目的だからだ。パメラ、逆に訊くが何が欲しい?」
「そ、それは」
「……貴方たちの、経験をください」
答えに窮するパメラの代わりに今度はタークくんが言った。
「……お二人の話を聞いていて、分かりました。骨喰いは、すごいパーティだ。底辺から本当に苦労して、体当たりで何事も経験して、情報を掴んでいって……。俺なんてただのガキなんだと痛感しました……。貴方たちの経験はお金よりも価値があります。だから、骨喰いが培ってきた冒険者の知恵を俺たちに教えてください」
「ふっふっふ。でも、それならラーズがいるじゃねえか。あっちのほうがランクは上だぜ?」
「その通りです。でも、ラーズさんは実際に現場に来れるわけじゃないし、いつでも話せるわけじゃないんです。もし契約を結んだら、骨喰いとは長い時間を一緒に過ごすことになります。仕事の合間でもいいんです。魔獣の倒し方や、陣形、考え方などを教えてくれませんか?」
「……いいんじゃない?」
「だな。よっし、ターク。よく考えたな。いいだろう。報酬に加え、俺たちの経験や知識を伝授してやる。それで契約成立だ」
「あ、ありがとうございます!」
「ちゃんとした契約はギルドに戻ってちゃんと書面で交わすからな。契約書、なくすんじゃねえぞ?」
「はい!」
おおー! うまく話がまとまったみたいだ。なんか骨喰いがうまいことタークくんたちを誘導してたっぽいけど、彼らもちゃんとそこから外れずにゴールに辿り着けたみたいだね。一連のやり取りで、タークくんもパメラたそも、だいぶ得るものがあったんじゃないかな。バッズは……頑張れ。
「さっきメインの階層は十一から十五層って言ったが、いきなりオメーらがそこまで来るとは思ってねえ。六~十層でもそこそこ稼げるからな。そこが当面の目標だ。それまではみっちりしごいてやるからな。覚悟しろよ」
「パーティは別だから一緒には戦えないけど、ボスの倒し方とか、戦闘面でのアドバイスはしてあげるから頑張るのよ」
「はい! 本当に、本当にありがとうございます!」
「この先もそうだが、浅層程度で張り合うんじゃねーぞ。今は下積み時代なんだ。馬鹿にされても歯を食いしばって耐えろ。ここで頑張ったことは後で必ず役に立つ。稼いだらまずは装備を整えろ。そして自己投資だ。俺はこれに気づくのが遅かった……。学と技を身につけるんだ。手始めに、ちゃんとした流派を学べ。雷光流、空心流、戦刀流、なんでもいい。ギルドでなら金出せば一級までは認定してもらえるからな……」
「は、はいなんだな」
アビディが苦唐揚げをパクつきながらめっちゃ喋ってる。ドラソの面々はちょっと圧倒され気味だ。シェリルさんは……苦笑いだ。
ちょんちょん、と腕を突かれる。
「ケイ、もう行かない? 暇だわ」
「確かにそうだね。すぐ行くつもりだったのにけっこう留まっちゃったな。……こほん、みんな。僕たちはそろそろ行くよ」
「おっ、そうか。気をつけてなぁ」
「地上でもよろしくね」
「師匠……本当にお世話になりました!」
僕何かお世話したっけ? ほぼ骨喰いたちが世話焼いてたような感じだったけど。
さて、そこまでロスはないけど超特急でかっ飛ばすとするかな。五層までの素材は別にいらないし。
あ、そうだ。
「あー、先を急いでるもんで、素材は拾わないから好きにしていいよ」
「ま、マジッすか」
「ぜ、全部採っていいんだな?」
「これは……チャンス?」
ドラソたちは降って湧いたお金拾いのチャンスにザワザワしている。
「ケイ、先を急いでるってど真ん中突っ切るつもりじゃないよな?」
「大いにそのつもりだよ」
「いやいや、浅層っていっても迂回もせずに突っ切ったらかなりの魔獣がやってくるぞ。大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
「そうか……お前がそう言うならいいんだろうな……」
「ねえ、ケイ君。もし、襲ってくる魔獣を片っ端から倒していくなら、いくら浅層でもそれなりの額になるけど本当にいいの?」
「うん。ぶっちゃけ、今はお金より時間のほうが貴重なんだよね」
シャールちゃんに早く会いたいしね。
「ったく、上位冒険者みたいなこといいやがるぜ。まあ、中身はもう似たようなもんか。んじゃ、格下らしくおこぼれに預かるとするかね」
やれやれ、と肩を竦めるアビディ。
「こりゃあ他のやつらも呼んだほうがいいかもな。素材取りまくるぞ」
「ドラゴンソード、まだ本契約してないけど今からポーター始める? 今回に限って取り分は七対三でいいわよ。ね、アビディ?」
「それでいいぜ。ここで稼いだ金を自己投資に回せば次からの攻略が楽になるだろ」
「……パメラ、どうする? 俺はいいと思うんだけど」
「私もいいと思う。迷宮で儲けのチャンスがあるのに乗らないのは冒険者じゃないもん。バッズもいい?」
「二人が決めたなら、問題ないんだな!」
うん、いい感じに方針決まったみたいだね。じゃあ僕はそろそろおいとますっか。っと、その前に。
「そういえばアビディ、五層以降の魔獣って何が出るの?」
「ああ、キョンだぜ」
……どのキョン?
「あ、はい。紅蓮隊っていうんですけど。俺たちよりも先に二層に挑戦していているんです。あいつらには負けたくなくて」
「ほお? なんでだ?」
「あいつら、俺たちをバカにしたんです! 『田舎者には一層がお似合いだ』って!」
「許せないんだな!」
バッズとタークは息巻いて声を荒げた。パメラだけは心配そうな顔をしている。
紅蓮隊か。新人の割には装備が良くて、腕もあったけど、突っ走りがちのパーティだったね。でもラーズさんのアドバイスを受けて弱点をうまく補完できたのかもしれない。他人を馬鹿にするようなやつらには見えなかったけど、まあ同期だとライバル視することもあるのかもね。
「バカ野郎」
「イテッ! な、何するんですか!」
ゴチッとまたもやアビディの拳骨が落ちる。
「いいかボウズども。焦っても何もいいことなんかねえぞ。焦って判断を鈍らせたやつから死んでいく」
「ねえ君たち。紅蓮隊に馬鹿にされたのが悔しいのは分かるよ。でも、そいつらを見返すのが本当の目標なの?」
「そ、それは」
「ラーズさんから似たようなこと聞かなかったか? 心は熱く、頭はクールにとかよ」
「……言われました」
先輩にボロクソ言われがっくしと肩を落とすタークくん。どんまいどんまい。
「まーでもよ、分かるぜ。オメーらの気持ちは。今の時期だと何するにも金がかかってキツい時期だよな。とにかく前に進まないと何物にもなれないって思い込むんだ」
「迷宮に潜れば装備が傷んで修理でお金が必要だし、疲れた身体を癒すにはちゃんとした宿に泊まらないといけないし、ご飯もきちんと食べないと力が出ない。それで焦って一発デカいのを狙おうとすると、大怪我するかあっけなく死ぬ。運よく帰れても金は稼げないジリ貧よね」
「先が見えないから心が不安になって、ちょっとした悪口にも過敏に反応しちまって喧嘩になったりするんだよなあ」
「そう、ホントにそう、そうなんです」
パメラがめちゃくちゃ深く頷いている。もしかして彼女がこのパーティの会計係なのかな? 苦労してそうだ。
「……紅蓮隊の件は俺が悪かったです。本当ならリーダーとして冷静な判断をしなきゃいけないのに。俺はリーダー失格です」
「ターク……」
「アビディさん、教えてください。俺は、どうしたらいいんでしょうか。シェリルさんが言った通り、このままじゃジリ貧です。なんとか打開したいけど、俺は頭も経験も足りないから何も追いつかないんです。キツいことでも何でもやります。俺を信じてついてきてくれたパメラやバッズたちに報いたいんです。飢えさせたくないんです。いい思いをさせてやりたいんです。お願いします!」
うおお、タークくん、圧巻の土下座だ。仲間を想う土下座は美しいな。バッズとパメラはじーんと感じ入っている。
「バカだなオメーら。何も分かっちゃいねえ。実力無いやつらに教えてくださいって言われて、教えるような善人なんか、いやしねえんだぞ」
「そうね、すべてを投げ出して差し出しても尻の毛まで毟られてボロ雑巾みたいに捨てられるのがオチよ」
おほっ、美人がいきなり尻の毛とか言わないで欲しい。チンピクしてしまった。
「でもなあ、ターク。世の中には実力以上に物を言う要素がある。なんだか分かるか?」
「……すんません。バカなもんで、わからないです」
「運だよ、運。こればっかは誰にも制御できねえ。ターク、お前は運がいいな」
アビディはニンマリと笑った。
「えっ?」
「なあ、ドラゴンソード。俺たち骨喰いと『ポーター契約』しねえか?」
ポーター契約。
なんとなーく話には聞いていたけども。詳しくは知らんかった。あれだよね、荷運び的なサムシングだよね。
「ポーター契約、ですか? すみませんアビディさん。ポーターはあまり稼げないって聞いたことがあります」
「はあ、ターク。オメーはまず聞いた情報を鵜呑みにする癖を直さないとだめだな。危なかっしくて見てらんねえわ」
「情報の裏取りをする習慣も忘れずにね」
「うっ、すみません」
呆れ顔の二人。タークくんは思ったことすぐ言っちゃうからね。それがいいところでもあるんだけど。
「別にポーターは稼げなくないぜ。要はやりようさ。あとは考え方だな。……ケイ、なんだと思う?」
「うぇっ?」
いきなり僕に振るなよ! 僕は基本的に人の話集中して聞けないんだから。今なんて三角チョコパイ食べたいな~って考えてたんだぞ。
「ポーターのことはあんまし知らないけど……。荷運び専門ってことだよね?」
「そうだ」
「じゃあ出費が少ないんじゃない?」
「クックック。まさにその通りだ。ポーターは荷運び専門だからな。基本、戦闘をすることはない。契約でそう決まってる。ま、最低限身を守ってもらう必要はあるがな」
「な、なるほど」
分かってそうな、なさそうな顔でタークくんが頷く。その後ろで猛然とパメラがメモを取っていた。バッズはうんうん唸っている。
「他にも、戦闘をしないから怪我もしにくいのよ。当然医療費も抑えられる。固定費の削減につながるわ」
「こ、固定費」
「タァークゥ、オメーはもっと学をつけろ。迷宮だけが冒険者じゃねえぞ。パメラを見習っとけ」
「は、はい」
「大丈夫。私、頑張るから。タークも少しずつ、ね?」
「お、おう」
いやー、これくらいの歳の子に固定費とか伝えるのは酷な気もするな。でも、冒険者として生きていく上では大事な概念だよね。
「俺たちも底辺からの出発だったからな。修理費と医療費には頭を悩まされたもんだぜ。でもポーターならそこら辺を抑えられる」
「それに少ないけど固定給+歩合だからね。とりあえずお金は入ってくるわ。ついて行った冒険者たちがまったく素材採れなくても、ポーターは最低限収入がある」
「毎日、少しずつだが着実に金は増えていくぞ。それに気付いた時は驚くと同時に、もっと早く気付けば良かった、と後悔したもんだ……」
「ほんと、世の中情報をとれないやつは一生貧乏くじを引き続けるのよねえ」
しみじみと苦労を滲ませる二人。情報の重要性についてはまったくもってそのとおりだと思う。
「……俺、冒険者ってのは、迷宮に潜って魔獣ぶっ倒して、素材をたくさん採ってくればいいとばかり思ってました」
「わかるわ~その認識。でもな、それに気づければ次のランクが見えてくるわよ」
「でも、なんで俺たちにこんないい話を? 他にも条件良さそうな冒険者はいそうですが」
タークくんがそういうとアビディは「おっ」という顔をして笑った。きっと質問してきたのが嬉しかったんだろうな。
「逆に何でだと思う?」
「ええっ? う、うーん」
「……ド、ドラゴンソードが有望だから、なんだな?」
「はっはっは。自意識過剰がよぉ~。でも、あながち外れちゃいない」
「えっ?」
「……誰もポーターをやりたがらない。もしくは信頼できるポーターを探すのが難しい、とかですか?」
「パメラ、いい子だな。唐揚げをやろう」
「あっ、遠慮します……」
嬉しそうに苦唐揚げを差し出すアビディから嫌そうな顔で距離を置くパメラ。
「まあ、そんなとこだ。ポーターはなぁ、『冒険者のなりそこない』とか『冒険者のお零れを狙う犬』っていうイメージがあるんだよ。だから誰もやりたがらねえ」
「やったとしても嫌々なのよね。適当な仕事しかしないのよ。最悪なのは素材を持ち逃げするやつらね。まあそんなのは捕まえてぶっ殺すだけだけど、こっちが戦闘中だと逃げられることもあるし、毎回そんな事に気を使うのも疲れるのよね」
「だから信頼できそうなポーターは貴重ってわけだ。オメーらは『孤爪のラーズ』の薫陶を受けてるし、この弱そうだけどつえぇ兄ちゃんが師匠だからな。信頼は置けそうだと踏んだのさ」
「は、はぇ~」
タークくん感心しまくって変な声が出てるよ。
「どうやら興味持ったみてえだな?
んじゃあもう少し突っ込んで仕事内容を言っておくぞ。
俺たちのメイン階層は十~十五層。ここで採れる素材は全部高く売れる。地上とも比較的行き来しやすい。骨喰いの実力なら安定して周回できる……が、輸送力が足りねえんだ。この層の素材は嵩張るからな」
「君たちにはポーターとして荷運びを専門にやってもらいたいの。戦闘は私たちに任せて。だが最低限身を守れるようにはしてね」
「……分かりました。その話、受けさせて「ま、待ってください!」くだ、パメラ?」
そのまま話を受けようとしたタークくんをパメラが遮った。
「承諾する前に、報酬の内訳を聞かせてください」
「ふふふ……。パメラ、いい子ね。報酬の確認もせずに承諾しようとするなんて、詐欺師にとったらカモよ?」
「……パメラ、どうも俺にはこういうのが向いてないみたいだ。お前に任せてもいいか?」
「う、うん。任せて!」
情けない表情でタークがパメラに助けを求めた。
彼女、タークに頼られてものすごく張り切っているな。たぶん今まではタークが全部こういうの決めてきたんだろうな。本格的に頼られて嬉しかったんだろう。
「報酬は……九対一だ。もちろん俺らが九だぜ」
「そ、そんな!」
「それはあまりにもぼり過ぎなんだな!」
タークとバッズが悲痛な声を上げる。
「いや、これは相場としては普通だぜ? なにせオメーらは命の危険を冒す必要がないんだからな。労せずして稼げるんたぜ? それにオメーらより強い冒険者の力を借りれるんだから、普段よりも実入りがいいかもしれないぜ?」
「そ、そうなのか?」
「わからないんだな……」
困惑気味な二人。こればっかはなんとも言えないけど、労せずしてってのは言いすぎかな。だって重い素材を何時間も運ぶんだから、めちゃくちゃ労すると思う。
「……待ってください。やっぱりそれでは少なすぎます」
パメラもそこら辺に気づいているのか、強気に出た。
「先ほど言っていた通り、私たちは骨喰いにとって貴重なポーター候補。立場は対等とまではいかなくても、もう少し優遇してくれてもいいのでは?」
「ハッハッハ! その通りだ。確かに俺たちは、お前たちの協力がけっこう欲しい。引退するために資金が必要だからな。体力あるうちにがっぽり稼いどかないといけねえんだ」
「パメラ、ちゃんと交渉できたわね。まだまだ拙いけど、偉いわよ。男二人は彼女を見習うように」
「えへへ」
「ぱ、パメラすげえ」
「すごいんだな」
おお、どうやらパメラは合格点を貰えたようだ。よかったね。
「さて、報酬だが。比率を変えることはできねえ。なぜなら金こそが俺たちの目的だからだ。パメラ、逆に訊くが何が欲しい?」
「そ、それは」
「……貴方たちの、経験をください」
答えに窮するパメラの代わりに今度はタークくんが言った。
「……お二人の話を聞いていて、分かりました。骨喰いは、すごいパーティだ。底辺から本当に苦労して、体当たりで何事も経験して、情報を掴んでいって……。俺なんてただのガキなんだと痛感しました……。貴方たちの経験はお金よりも価値があります。だから、骨喰いが培ってきた冒険者の知恵を俺たちに教えてください」
「ふっふっふ。でも、それならラーズがいるじゃねえか。あっちのほうがランクは上だぜ?」
「その通りです。でも、ラーズさんは実際に現場に来れるわけじゃないし、いつでも話せるわけじゃないんです。もし契約を結んだら、骨喰いとは長い時間を一緒に過ごすことになります。仕事の合間でもいいんです。魔獣の倒し方や、陣形、考え方などを教えてくれませんか?」
「……いいんじゃない?」
「だな。よっし、ターク。よく考えたな。いいだろう。報酬に加え、俺たちの経験や知識を伝授してやる。それで契約成立だ」
「あ、ありがとうございます!」
「ちゃんとした契約はギルドに戻ってちゃんと書面で交わすからな。契約書、なくすんじゃねえぞ?」
「はい!」
おおー! うまく話がまとまったみたいだ。なんか骨喰いがうまいことタークくんたちを誘導してたっぽいけど、彼らもちゃんとそこから外れずにゴールに辿り着けたみたいだね。一連のやり取りで、タークくんもパメラたそも、だいぶ得るものがあったんじゃないかな。バッズは……頑張れ。
「さっきメインの階層は十一から十五層って言ったが、いきなりオメーらがそこまで来るとは思ってねえ。六~十層でもそこそこ稼げるからな。そこが当面の目標だ。それまではみっちりしごいてやるからな。覚悟しろよ」
「パーティは別だから一緒には戦えないけど、ボスの倒し方とか、戦闘面でのアドバイスはしてあげるから頑張るのよ」
「はい! 本当に、本当にありがとうございます!」
「この先もそうだが、浅層程度で張り合うんじゃねーぞ。今は下積み時代なんだ。馬鹿にされても歯を食いしばって耐えろ。ここで頑張ったことは後で必ず役に立つ。稼いだらまずは装備を整えろ。そして自己投資だ。俺はこれに気づくのが遅かった……。学と技を身につけるんだ。手始めに、ちゃんとした流派を学べ。雷光流、空心流、戦刀流、なんでもいい。ギルドでなら金出せば一級までは認定してもらえるからな……」
「は、はいなんだな」
アビディが苦唐揚げをパクつきながらめっちゃ喋ってる。ドラソの面々はちょっと圧倒され気味だ。シェリルさんは……苦笑いだ。
ちょんちょん、と腕を突かれる。
「ケイ、もう行かない? 暇だわ」
「確かにそうだね。すぐ行くつもりだったのにけっこう留まっちゃったな。……こほん、みんな。僕たちはそろそろ行くよ」
「おっ、そうか。気をつけてなぁ」
「地上でもよろしくね」
「師匠……本当にお世話になりました!」
僕何かお世話したっけ? ほぼ骨喰いたちが世話焼いてたような感じだったけど。
さて、そこまでロスはないけど超特急でかっ飛ばすとするかな。五層までの素材は別にいらないし。
あ、そうだ。
「あー、先を急いでるもんで、素材は拾わないから好きにしていいよ」
「ま、マジッすか」
「ぜ、全部採っていいんだな?」
「これは……チャンス?」
ドラソたちは降って湧いたお金拾いのチャンスにザワザワしている。
「ケイ、先を急いでるってど真ん中突っ切るつもりじゃないよな?」
「大いにそのつもりだよ」
「いやいや、浅層っていっても迂回もせずに突っ切ったらかなりの魔獣がやってくるぞ。大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
「そうか……お前がそう言うならいいんだろうな……」
「ねえ、ケイ君。もし、襲ってくる魔獣を片っ端から倒していくなら、いくら浅層でもそれなりの額になるけど本当にいいの?」
「うん。ぶっちゃけ、今はお金より時間のほうが貴重なんだよね」
シャールちゃんに早く会いたいしね。
「ったく、上位冒険者みたいなこといいやがるぜ。まあ、中身はもう似たようなもんか。んじゃ、格下らしくおこぼれに預かるとするかね」
やれやれ、と肩を竦めるアビディ。
「こりゃあ他のやつらも呼んだほうがいいかもな。素材取りまくるぞ」
「ドラゴンソード、まだ本契約してないけど今からポーター始める? 今回に限って取り分は七対三でいいわよ。ね、アビディ?」
「それでいいぜ。ここで稼いだ金を自己投資に回せば次からの攻略が楽になるだろ」
「……パメラ、どうする? 俺はいいと思うんだけど」
「私もいいと思う。迷宮で儲けのチャンスがあるのに乗らないのは冒険者じゃないもん。バッズもいい?」
「二人が決めたなら、問題ないんだな!」
うん、いい感じに方針決まったみたいだね。じゃあ僕はそろそろおいとますっか。っと、その前に。
「そういえばアビディ、五層以降の魔獣って何が出るの?」
「ああ、キョンだぜ」
……どのキョン?
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しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
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仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
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テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
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