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純魔法使い同士の戦い
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戦いが本格的に始まったのだが、自分はさっそく首をひねった。エリザも対戦相手の魔法使いも一切アーマーの弱点属性となる魔法を使っていないのだ。しかも使っている魔法はかなり初期の連射こそできるけれど威力は低い魔法ばかり。なぜだろう? 弱点以外の属性を使う理由があるというのだろうか? そんな自分の疑問を見抜いたのだろう、ミリーが自分に話しかけてきた。
「アースさん~、少々アーマー系統の防御魔法に対する講義を行いますね~。今の状況が、アースさんにとっては理解が難しいでしょうから~」
ミリーの言葉に、自分は素直に疑問をぶつけた。なぜ相手の弱点を突ける属性が使えるのに使わないのかと。こうやって打ち合いを行うことに意味はあるのかと。この問いかけに対するミリーからの返答はこうであった。
「あの防御魔法はですね~、常に一定の防御力を持っているわけじゃないんですよ~。属性攻撃を受けるほどに受けたダメージ属性に対する防御力が上がって、他が下がっていくんです~」
つまり、だ。単純な話をするとこういうことらしい。エリザの張った《ダークエレメントアーマー》の防御力が、最初は光に対する防御力だけが一〇ほどでほかの属性に対する防御力が七〇ある状態からスタートするとしよう。そしてここに今の対戦相手が使っている火と風の属性攻撃を何度も受けたと仮定する。
すると、火と風に対する属性防御が上がって八五ぐらいになり、他の属性防御が下がっていく。ただ、この下げ幅は一律ではないとのこと。苦手な属性は特に下がりやすくなっているんだそうで──例えば先の例だと、火と風と光以外の属性防御が五ほど下がって光耐性は十五も下がってしまうんだそうだ。スタートが一〇しかないのに一五も下がったらどうなるか? 当然マイナスになってしまうので受けるダメージが増えてしまう。
「と言う訳ででして~、アーマーを張った魔法使いの弱点属性を使うのは後の方になるんですよ~。それに属性防御が高まるといっても全くダメージを受けなくなるわけではないですからね~、それらを加味したうえでの読みあいが発生するんです~」
なるほどな、アーマー系統の存在は知っていたがこういった倍部の情報までは知らなかった。おそらくこれも検証の結果判明したのだろう。それを考慮してもモンスター相手には効果は絶大だな。使ってくる属性が弱点出ないのなら最初から防御力が高いし、弱点であっても被弾ごとに防御力が上がる。情報サイトにておすすめ魔法になっていた理由が、本当の意味で理解できた。
「対人戦以外なら、基本的に使っていって問題ない防御魔法なんですね」「単純に属性防御力が上昇しますからね~。属性を全く使わない相手には無意味ですが~、大半のモンスターは何らかの属性を纏っていますから~」
だからこそ、エリザも対戦相手も相手の弱点を突いた時のダメージを跳ね上げるためにほかの属性の魔法で連射が効き、なおかつ消耗が少ない魔法を連射しているのか。決めるときは一撃で決めるという戦いになりそうだな、これが今の純粋な魔法使いにおける戦いの環境なのか。
「そうなると、決着がつく時は一瞬と言う事になりそうですが」「そうですね~、この戦い方を両者が選択時点でそうなることはほぼ必然となりますから~。後はエリザちゃんが魔法を撃つタイミングを間違えないことにすべてがかかって来るでしょうね~。もちろんお相手さんも同じことですけれど~」
ミリーから教えてもらっている間にも、双方魔法の連射を止めることなく続けている。むろん棒立ちではなく回避運動も取ってはいるが避けきれていない。ゆえにアーマーに魔法が無数に刺さっていて、体にまとっている双方のアーマーがどんどん膨れ上がってきているようにも見える。
「アーマーが膨れ上がってきましたね~、お互いに間違いなく弱点属性の体制は大幅にマイナスになっていることは間違いないです~。この戦いはここからが肝心ですよ~? お互いの状況はお互いに痛いほど理解していますから~、後は肝心の一撃を叩き込めるか否かです~。撃つときは迷いなく全力で打ち込む事ができるかどうか。度胸が試されますね~」
確かに、お互いの弱点と狙いは鏡写し。やりたい事もやられてはならないこともすべて同じ。さらに言えば今回はエリザは闇で相手は光。物語にて何度もぶつかることを強いられてきた属性同士のぶつかり合いとなる。実に分かりやすい構図となるだろう……
戦いは完全に変わった。先ほどまであれほど魔法を撃ちまくっていたのに、一転してお互いに魔法を撃たず動き回って相手をけん制しながら詠唱を行っている。その詠唱も終わり──戦いの場に似つかわしくない静寂が支配した。しかし、エリザと対戦相手の杖の先には濃密な何かが渦巻いている。お互いに相手を一撃で落とすための魔法があそこに留まっている訳か。
しかし、両者ともに放たない。なぜだろう? もはや場は整った、ならばあとはどんな結果になろうが放つしかないのではないだろうか? 後は相殺しあって、威力が勝っていた側が相手を押しつぶす。それしかないと思うのだが──
「お互いに限界まで為に溜めて、相手より一瞬だけでいいので遅く放ちたいんですよ~」
ここでまた、ミリーがそっと教えてくれた。また純魔法使い同士のルールというが法則みたいなものがあるのか。
「アースさんはアニメなどで見たことがありませんか~? お互いが放った強力なエネルギー同士がぶつかり合って押し合うという光景を~」
そりゃ、見たことはあるさ。あのぎりぎりの押し合いは見ているだけでも力が入る。しかし──引っかかるのはそこではない。
「ミリー、よくそんなことを知っているな?」
つい、丁寧に話そうとしていた口調が外れた。自分はミリーの正体を知っている。本来ならば彼女はここに居るはずのない人間であると言う事も。何せ彼女は六英雄の一人、紅一点。本名などは一切不明な女性だ。そんな女性がまさか、アニメの話を振って来るとは夢にも思わなかった。
「私だって昔からこうだったわけじゃないですよ~。それに、幼いころの私はそっちの方のアニメなどが大好きだったんですよ~」
まあ、この話は分かる。男に生まれたから男性向けのもの、女性に生まれたから女性向けのものを好まなくてはならないなんて決まりはない。気に入ったものを存分に楽しめばそれでいい。もちろんほかの人に多大な迷惑をかけるようなことは論外だが、彼女はそういうタイプの人間ではないと言う事がわかるぐらいには付き合いが長いからなぁ。
「それは分かりました、別段文句もないですが。つまり、今から起きることはまさにそれを模した光景が広がることになる、と?」
自分の問いかけに、ミリーはゆっくりとうなずいた。
「魔法使いのスキルの中に、チャージする事で威力を大きく上げるものがあるんですよ~。今二人が杖の先に魔法をとどめているのがまさにそれですね~。そしてそのスキルの特徴として~、最大までチャージするとどのような魔法でも光線系の軌道になるんですよ~、それもすごく太くなるんです~。そんな魔法同士がぶつかり合えば、どうなるかは予想が付きますよね~?」
なるほど、まさにアニメのあれになるわけか。強大な力と力の押し合いならば、負けた側にすべての力が押し寄せることになるだろう。
「そして、この仕組みにはちょっとした隠し要素があるんですよ~。それは相手よりも〇・五秒ぐらい遅く放つことで相手に向かって押す力が大きく強まるという物ですねー。こういった戦いでは、その要素を発揮できるか否かでかなり差が出ます~。だからこそ、互いに狙っているんですね。そのため、なかなか双方ともに魔法を放たないという状況が生まれるのですが~──エリザちゃん、気おされたらそんなテクニックに関係なく負けちゃうわよ~」
──なるほど、よく見ている。エリザの額には汗が浮かんでいる。明確に焦りを感じているのだろう。一方で相手はそう言ったわかりやすいアクションを見せていない。だからミリーはエリザが相手に気おされていると判断したわけか。だが、ミリーの言う通り相手が強いことを認めたうえで自分ならやれると思わなければ、負けてしまうんだぞ?
(エリザ、お前さんだって散々今までにいろんなところを歩いて様々なピンチや苦境を味わってきただろ? その経験はちゃんと体と心に息づいているはず。それを思い出してくれ)
やがて、エリザも対戦相手も両者共に相手へ向かって杖を向けた。いつでも魔法を放てる態勢だ。あとは、二人の度胸とここに来るまでに磨いてきたものによって決着がつく。自分はそれを見守るだけだ。
*****
急におなかが下り気味で、書き上げるまでに数回トイレに駆け込む羽目に。
昨日何か変なの食べたかなあ? 記憶をたどってもおかしいものは口にしていないのですが。
腹痛とかはないし、書き上げた後はずいぶん落ち着いたので大丈夫でしょうけど。
「アースさん~、少々アーマー系統の防御魔法に対する講義を行いますね~。今の状況が、アースさんにとっては理解が難しいでしょうから~」
ミリーの言葉に、自分は素直に疑問をぶつけた。なぜ相手の弱点を突ける属性が使えるのに使わないのかと。こうやって打ち合いを行うことに意味はあるのかと。この問いかけに対するミリーからの返答はこうであった。
「あの防御魔法はですね~、常に一定の防御力を持っているわけじゃないんですよ~。属性攻撃を受けるほどに受けたダメージ属性に対する防御力が上がって、他が下がっていくんです~」
つまり、だ。単純な話をするとこういうことらしい。エリザの張った《ダークエレメントアーマー》の防御力が、最初は光に対する防御力だけが一〇ほどでほかの属性に対する防御力が七〇ある状態からスタートするとしよう。そしてここに今の対戦相手が使っている火と風の属性攻撃を何度も受けたと仮定する。
すると、火と風に対する属性防御が上がって八五ぐらいになり、他の属性防御が下がっていく。ただ、この下げ幅は一律ではないとのこと。苦手な属性は特に下がりやすくなっているんだそうで──例えば先の例だと、火と風と光以外の属性防御が五ほど下がって光耐性は十五も下がってしまうんだそうだ。スタートが一〇しかないのに一五も下がったらどうなるか? 当然マイナスになってしまうので受けるダメージが増えてしまう。
「と言う訳ででして~、アーマーを張った魔法使いの弱点属性を使うのは後の方になるんですよ~。それに属性防御が高まるといっても全くダメージを受けなくなるわけではないですからね~、それらを加味したうえでの読みあいが発生するんです~」
なるほどな、アーマー系統の存在は知っていたがこういった倍部の情報までは知らなかった。おそらくこれも検証の結果判明したのだろう。それを考慮してもモンスター相手には効果は絶大だな。使ってくる属性が弱点出ないのなら最初から防御力が高いし、弱点であっても被弾ごとに防御力が上がる。情報サイトにておすすめ魔法になっていた理由が、本当の意味で理解できた。
「対人戦以外なら、基本的に使っていって問題ない防御魔法なんですね」「単純に属性防御力が上昇しますからね~。属性を全く使わない相手には無意味ですが~、大半のモンスターは何らかの属性を纏っていますから~」
だからこそ、エリザも対戦相手も相手の弱点を突いた時のダメージを跳ね上げるためにほかの属性の魔法で連射が効き、なおかつ消耗が少ない魔法を連射しているのか。決めるときは一撃で決めるという戦いになりそうだな、これが今の純粋な魔法使いにおける戦いの環境なのか。
「そうなると、決着がつく時は一瞬と言う事になりそうですが」「そうですね~、この戦い方を両者が選択時点でそうなることはほぼ必然となりますから~。後はエリザちゃんが魔法を撃つタイミングを間違えないことにすべてがかかって来るでしょうね~。もちろんお相手さんも同じことですけれど~」
ミリーから教えてもらっている間にも、双方魔法の連射を止めることなく続けている。むろん棒立ちではなく回避運動も取ってはいるが避けきれていない。ゆえにアーマーに魔法が無数に刺さっていて、体にまとっている双方のアーマーがどんどん膨れ上がってきているようにも見える。
「アーマーが膨れ上がってきましたね~、お互いに間違いなく弱点属性の体制は大幅にマイナスになっていることは間違いないです~。この戦いはここからが肝心ですよ~? お互いの状況はお互いに痛いほど理解していますから~、後は肝心の一撃を叩き込めるか否かです~。撃つときは迷いなく全力で打ち込む事ができるかどうか。度胸が試されますね~」
確かに、お互いの弱点と狙いは鏡写し。やりたい事もやられてはならないこともすべて同じ。さらに言えば今回はエリザは闇で相手は光。物語にて何度もぶつかることを強いられてきた属性同士のぶつかり合いとなる。実に分かりやすい構図となるだろう……
戦いは完全に変わった。先ほどまであれほど魔法を撃ちまくっていたのに、一転してお互いに魔法を撃たず動き回って相手をけん制しながら詠唱を行っている。その詠唱も終わり──戦いの場に似つかわしくない静寂が支配した。しかし、エリザと対戦相手の杖の先には濃密な何かが渦巻いている。お互いに相手を一撃で落とすための魔法があそこに留まっている訳か。
しかし、両者ともに放たない。なぜだろう? もはや場は整った、ならばあとはどんな結果になろうが放つしかないのではないだろうか? 後は相殺しあって、威力が勝っていた側が相手を押しつぶす。それしかないと思うのだが──
「お互いに限界まで為に溜めて、相手より一瞬だけでいいので遅く放ちたいんですよ~」
ここでまた、ミリーがそっと教えてくれた。また純魔法使い同士のルールというが法則みたいなものがあるのか。
「アースさんはアニメなどで見たことがありませんか~? お互いが放った強力なエネルギー同士がぶつかり合って押し合うという光景を~」
そりゃ、見たことはあるさ。あのぎりぎりの押し合いは見ているだけでも力が入る。しかし──引っかかるのはそこではない。
「ミリー、よくそんなことを知っているな?」
つい、丁寧に話そうとしていた口調が外れた。自分はミリーの正体を知っている。本来ならば彼女はここに居るはずのない人間であると言う事も。何せ彼女は六英雄の一人、紅一点。本名などは一切不明な女性だ。そんな女性がまさか、アニメの話を振って来るとは夢にも思わなかった。
「私だって昔からこうだったわけじゃないですよ~。それに、幼いころの私はそっちの方のアニメなどが大好きだったんですよ~」
まあ、この話は分かる。男に生まれたから男性向けのもの、女性に生まれたから女性向けのものを好まなくてはならないなんて決まりはない。気に入ったものを存分に楽しめばそれでいい。もちろんほかの人に多大な迷惑をかけるようなことは論外だが、彼女はそういうタイプの人間ではないと言う事がわかるぐらいには付き合いが長いからなぁ。
「それは分かりました、別段文句もないですが。つまり、今から起きることはまさにそれを模した光景が広がることになる、と?」
自分の問いかけに、ミリーはゆっくりとうなずいた。
「魔法使いのスキルの中に、チャージする事で威力を大きく上げるものがあるんですよ~。今二人が杖の先に魔法をとどめているのがまさにそれですね~。そしてそのスキルの特徴として~、最大までチャージするとどのような魔法でも光線系の軌道になるんですよ~、それもすごく太くなるんです~。そんな魔法同士がぶつかり合えば、どうなるかは予想が付きますよね~?」
なるほど、まさにアニメのあれになるわけか。強大な力と力の押し合いならば、負けた側にすべての力が押し寄せることになるだろう。
「そして、この仕組みにはちょっとした隠し要素があるんですよ~。それは相手よりも〇・五秒ぐらい遅く放つことで相手に向かって押す力が大きく強まるという物ですねー。こういった戦いでは、その要素を発揮できるか否かでかなり差が出ます~。だからこそ、互いに狙っているんですね。そのため、なかなか双方ともに魔法を放たないという状況が生まれるのですが~──エリザちゃん、気おされたらそんなテクニックに関係なく負けちゃうわよ~」
──なるほど、よく見ている。エリザの額には汗が浮かんでいる。明確に焦りを感じているのだろう。一方で相手はそう言ったわかりやすいアクションを見せていない。だからミリーはエリザが相手に気おされていると判断したわけか。だが、ミリーの言う通り相手が強いことを認めたうえで自分ならやれると思わなければ、負けてしまうんだぞ?
(エリザ、お前さんだって散々今までにいろんなところを歩いて様々なピンチや苦境を味わってきただろ? その経験はちゃんと体と心に息づいているはず。それを思い出してくれ)
やがて、エリザも対戦相手も両者共に相手へ向かって杖を向けた。いつでも魔法を放てる態勢だ。あとは、二人の度胸とここに来るまでに磨いてきたものによって決着がつく。自分はそれを見守るだけだ。
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