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準決勝は、決着に向けて加速する
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レイジが投げた片手斧は、相手による槍の薙ぎ払いによって弾かれる。しかし、空中で予定にない大きな動きをすれば──当然体勢もバランスも大きく崩れる。自分がある程度空中戦が出来るのは風魔術や《大跳躍》などの補佐があるおかげなのだ。果たして、彼女にそれらに該当するスキルがあるのか? レイジが再び片手斧を投擲、これで分かるだろう。
レイジの片手斧が相手に迫るが──相手は動けない。どうやら先ほどの薙ぎ払いは反射的に行ってしまった動作の様だ。投げられたレイジの片手斧が、相手の腹部に食らいつく。鮮血が空中で舞い散っていく。
「ぐ、あああ……」
苦悶の声を上げる相手。が、まだ倒せていない以上レイジがさらなる追撃に移るのは当然の事。レイジの投擲した片手斧によってダメージを被った相手は、まともな着地が出来ず地面に落下した。何とか立ち上がろうとするが、当然レイジがそれを待つ道理などありはしない。レイジの大盾によるシールドバッシュが相手に襲い掛かった。
このシールドバッシュを相手はもろに食らう事となった。まるでダンプカーが人を跳ね飛ばしたかのような光景がそこに展開される。軽々と鎧を着た相手が宙を舞い、そしてヴァルキュリアス側からは悲鳴が上がった。武舞台の上を受け身など一切取れずに落下して何度も転がっていく相手。リアルだったら、間違いなく即死だ。
やがて動きを止めた相手だが、まだその姿は消えない。つまりHPが残っているという事を意味している。レイジはとどめを刺すべく相手に駆け寄るが、ここで相手がギブアップを宣言した。無理もない、レイジの攻撃を受けた相手はまさに満身創痍だ。もはや戦うだけの気力も残っていないのだろう。
『そこまで! ギブアップ宣言が行われましたのでブルーカラー側の勝利となります! 五分の休憩をはさみ、次の試合へと移ります!』
宣言が行われると同時に、レイジがゆっくりと武器を下ろした。レイジは先の試合でかなりのダメージを負っていたが、勝ってくれたのは大きい。ここでもしレイジが負けて相手が3連勝となったら、流れは明確に相手に移っていただろう。流れという物はなかなかに厄介で、逆らう事は難しい。格闘技やこういったゲームだけじゃない、スポーツにだって仕事にだって流れという物は必ずある。
だからこそ、相手に勢いづく流れを引き留めてくれたレイジの勝利はとても大きいのだ。武舞台を降りてきたレイジを、皆で称える。
「レイジ、スゲーいい勝ちっぷりだったぜ!」「ほんと、3連敗したら絶対相手は勢いづいてたでしょ。レイジ君が勝ってくれてほんと良かったわ」「お見事です、レイジさん。これで相手は残り二人ですから、相当なプレッシャーになっているはずです」
レイジも満足そうに何度も頷いた。腰を下ろしたレイジは大きく息を吐いた。
「楽勝ではなかったがな。だが何とか勝利できた……特に相手が飛ぶことを予想して投擲用の片手斧を盾の裏で持ち直していたことが功を奏した。相手が空中機動を可能とする系統のスキルを持っている可能性もあったが、今回はそうではなかったな。なんにせよ、これでこちらが明確に優位になった。エリザの攻撃もあって、向こうの残り二人のHPは回復しても三割あるかないかぐらいだろう。次の週で勝ってしまいたいな」
残っている相手二人のHPは残り僅かだろう。特にエリザの自爆魔法? を受けたネフィさんは瀕死まで落い詰められただろうし、ロナちゃんに勝ったプレイヤーもあの爆発の余波を受けている。だからこそ、レイジの発言にも合った通り次の対戦で両者を倒して勝っておきたい。何せこれはまだ準決勝、決勝がまだあるのだから。
「確かにレイジさんの言う通りですね、これ以上戦いを引き延ばすと次の決勝に差しさわりが出るでしょう。HPやMPは回復しても、プレイヤーの疲労感は抜けません。次で決着をつける、そういう心持ちで選ばれた方は武舞台に上がりましょう。このぐらいのプレッシャーでつぶれるような方は、ここにおりませんし」
カナさんの言葉に皆で頷く。そして五分が過ぎ、次の対戦相手を決めるルーレットが回る。ロナちゃんを下した人とはカザミネが。そしてネフィさんの相手に自分が選ばれた。
『以上となります! 次の試合の選手は武舞台に上がってください!』
言葉に従い、カザミネと向こうの選手が武舞台の上に立つ。が、すでに相手側はへとへとの状態だ。五分間の休憩程度で、あのロナちゃんとの押し合いにぎりぎりまで競り合った事による精神的な疲労は抜けるもんじゃない。呼吸も乱れているし、表情も苦しげだ。それでも部舞台に上がってきた以上、戦う意思はあるのだ。ならば倒すしかない。
『大丈夫ですか? ギブアップも受け付けていますが?』「大丈夫、始めていいわ」
運営役のプレイヤーも心配になったようでギブアップの確認を取ったが、彼女の答えはノー。ならば勝負を始めるしかないよな、とカザミネも思ったのだろう。表情が明確に引き締まったのが見て取れる。
『分かりました、では試合を始めてください!』
試合開始の宣言塔同時に、相手はカザミネに向かって槍を構えての突撃を行った。おそらく、向こうも分かっているんだろう。短期決戦で決着をつけるしかない、と。ましてやロナちゃんとあんな形で競り合いをしてしまったんだ。かなり中のプレイヤーは精神的な疲労を覚えているはずだ。ならば、一気に一撃必殺を仕掛けるしかないと考えたのだろう。
だが、カザミネはその可能性をきちんと頭に入れる人間だ。カナさんの所の道場に通うようになってからは、更に大太刀の扱いだけではなくそういった思考的な面も磨かれている。故に、この相手の行動は読めていたのだろう。カザミネは大太刀を突っ込んできた相手に向かって一閃し、直後に軽く体を動かして回避行動をとった。
カザミネが避けたことで突撃を避けられた相手だが──そのまま倒れてしまった。もちろんその理由は分かっている……何せ相手の倒れた体の首から上がないのだから。カザミネは突進してきた相手に対して太太刀の刃の先で一閃したが、その一閃は的確に相手の首を捕らえていたのだ。それを証明するために、首が上から落ちてきた。
その首は相手の胴体の上に落ちた。流石に狙ってはいないよな? 偶然だよな? ただカザミネは涼しい顔をして大太刀についた血を紙で拭い去り、その紙を素早く切り裂いた後にゆっくりと納刀。斬られた紙は細切れになってふっと中の中に消えていった。
『そこまで! ブルーカラー側の勝利です! そして次の試合でヴァルキュリアス側の選手が負けますと、ヴァルキュリアス側は全滅となります!』
勝利宣言がなされたことで、カザミネはゆっくりと武舞台の上にから降りて来た。入れ分かる形で今度は自分が武舞台の上に向かう。
「決めてきてくださいね」「了解」
そんな短い言葉を交わして、自分は武舞台の上に立った。向こうも最後の一人となったネフィさんが上がって来る。だが、ネフィさんの目にあきらめの色はない。むしろここから全員食ってやると言わんばかりの覇気と闘志が見える。
「なるほど、全く折れていませんね」「もちろん、私はまだやられていないんだ。だったらここから全部勝てばひっくり返すことはできる! 諦める理由は何一つないって事だよ!」
うん、これは厄介だ。一瞬の油断でこっちの首を掻っ切られそうになるだけの圧を感じる。が……こっちだってそれなりの経験と旅、そして戦いを経験してきた。この圧に負けるような弱い心は持っていない。
「良く分かりました。その上で言いましょう……自分は、そんな貴女を喰らって先に行きます。こちらにも、負ける理由は一つもない!」
はっきり宣言し、相手を見つめる。睨まなくても、圧は発する事が出来る。その証拠に、ネフィさんがほんの僅かではあるがのけ反った。が、その直後に胸を一度大きくたたいた。
「いいね、これだ。これが楽しいんだ。さあアース、精いっぱい戦おう! お互い悔いがないように!」「むろん、承知です」
互いに武舞台の上で構える。それを確認した運営役のプレイヤーが声を発した。
『両者ともに、準備はいいですね? では試合を始めてください!』
試合開始の宣言と共に、自分もネフィさんも共に前に出た。そして互いの武器をぶつけあい、火花が散る。ヴァルキュリアスとの決着をここでつけよう。勝って、決勝に進ませてもらう!
*********
ナイトレイン、めっちゃキツイ。流石はフロム、簡単に勝たせてはくれない。
今の所、最初のケルベロスと蛾&サソリのボスしか倒せていません。
レイジの片手斧が相手に迫るが──相手は動けない。どうやら先ほどの薙ぎ払いは反射的に行ってしまった動作の様だ。投げられたレイジの片手斧が、相手の腹部に食らいつく。鮮血が空中で舞い散っていく。
「ぐ、あああ……」
苦悶の声を上げる相手。が、まだ倒せていない以上レイジがさらなる追撃に移るのは当然の事。レイジの投擲した片手斧によってダメージを被った相手は、まともな着地が出来ず地面に落下した。何とか立ち上がろうとするが、当然レイジがそれを待つ道理などありはしない。レイジの大盾によるシールドバッシュが相手に襲い掛かった。
このシールドバッシュを相手はもろに食らう事となった。まるでダンプカーが人を跳ね飛ばしたかのような光景がそこに展開される。軽々と鎧を着た相手が宙を舞い、そしてヴァルキュリアス側からは悲鳴が上がった。武舞台の上を受け身など一切取れずに落下して何度も転がっていく相手。リアルだったら、間違いなく即死だ。
やがて動きを止めた相手だが、まだその姿は消えない。つまりHPが残っているという事を意味している。レイジはとどめを刺すべく相手に駆け寄るが、ここで相手がギブアップを宣言した。無理もない、レイジの攻撃を受けた相手はまさに満身創痍だ。もはや戦うだけの気力も残っていないのだろう。
『そこまで! ギブアップ宣言が行われましたのでブルーカラー側の勝利となります! 五分の休憩をはさみ、次の試合へと移ります!』
宣言が行われると同時に、レイジがゆっくりと武器を下ろした。レイジは先の試合でかなりのダメージを負っていたが、勝ってくれたのは大きい。ここでもしレイジが負けて相手が3連勝となったら、流れは明確に相手に移っていただろう。流れという物はなかなかに厄介で、逆らう事は難しい。格闘技やこういったゲームだけじゃない、スポーツにだって仕事にだって流れという物は必ずある。
だからこそ、相手に勢いづく流れを引き留めてくれたレイジの勝利はとても大きいのだ。武舞台を降りてきたレイジを、皆で称える。
「レイジ、スゲーいい勝ちっぷりだったぜ!」「ほんと、3連敗したら絶対相手は勢いづいてたでしょ。レイジ君が勝ってくれてほんと良かったわ」「お見事です、レイジさん。これで相手は残り二人ですから、相当なプレッシャーになっているはずです」
レイジも満足そうに何度も頷いた。腰を下ろしたレイジは大きく息を吐いた。
「楽勝ではなかったがな。だが何とか勝利できた……特に相手が飛ぶことを予想して投擲用の片手斧を盾の裏で持ち直していたことが功を奏した。相手が空中機動を可能とする系統のスキルを持っている可能性もあったが、今回はそうではなかったな。なんにせよ、これでこちらが明確に優位になった。エリザの攻撃もあって、向こうの残り二人のHPは回復しても三割あるかないかぐらいだろう。次の週で勝ってしまいたいな」
残っている相手二人のHPは残り僅かだろう。特にエリザの自爆魔法? を受けたネフィさんは瀕死まで落い詰められただろうし、ロナちゃんに勝ったプレイヤーもあの爆発の余波を受けている。だからこそ、レイジの発言にも合った通り次の対戦で両者を倒して勝っておきたい。何せこれはまだ準決勝、決勝がまだあるのだから。
「確かにレイジさんの言う通りですね、これ以上戦いを引き延ばすと次の決勝に差しさわりが出るでしょう。HPやMPは回復しても、プレイヤーの疲労感は抜けません。次で決着をつける、そういう心持ちで選ばれた方は武舞台に上がりましょう。このぐらいのプレッシャーでつぶれるような方は、ここにおりませんし」
カナさんの言葉に皆で頷く。そして五分が過ぎ、次の対戦相手を決めるルーレットが回る。ロナちゃんを下した人とはカザミネが。そしてネフィさんの相手に自分が選ばれた。
『以上となります! 次の試合の選手は武舞台に上がってください!』
言葉に従い、カザミネと向こうの選手が武舞台の上に立つ。が、すでに相手側はへとへとの状態だ。五分間の休憩程度で、あのロナちゃんとの押し合いにぎりぎりまで競り合った事による精神的な疲労は抜けるもんじゃない。呼吸も乱れているし、表情も苦しげだ。それでも部舞台に上がってきた以上、戦う意思はあるのだ。ならば倒すしかない。
『大丈夫ですか? ギブアップも受け付けていますが?』「大丈夫、始めていいわ」
運営役のプレイヤーも心配になったようでギブアップの確認を取ったが、彼女の答えはノー。ならば勝負を始めるしかないよな、とカザミネも思ったのだろう。表情が明確に引き締まったのが見て取れる。
『分かりました、では試合を始めてください!』
試合開始の宣言塔同時に、相手はカザミネに向かって槍を構えての突撃を行った。おそらく、向こうも分かっているんだろう。短期決戦で決着をつけるしかない、と。ましてやロナちゃんとあんな形で競り合いをしてしまったんだ。かなり中のプレイヤーは精神的な疲労を覚えているはずだ。ならば、一気に一撃必殺を仕掛けるしかないと考えたのだろう。
だが、カザミネはその可能性をきちんと頭に入れる人間だ。カナさんの所の道場に通うようになってからは、更に大太刀の扱いだけではなくそういった思考的な面も磨かれている。故に、この相手の行動は読めていたのだろう。カザミネは大太刀を突っ込んできた相手に向かって一閃し、直後に軽く体を動かして回避行動をとった。
カザミネが避けたことで突撃を避けられた相手だが──そのまま倒れてしまった。もちろんその理由は分かっている……何せ相手の倒れた体の首から上がないのだから。カザミネは突進してきた相手に対して太太刀の刃の先で一閃したが、その一閃は的確に相手の首を捕らえていたのだ。それを証明するために、首が上から落ちてきた。
その首は相手の胴体の上に落ちた。流石に狙ってはいないよな? 偶然だよな? ただカザミネは涼しい顔をして大太刀についた血を紙で拭い去り、その紙を素早く切り裂いた後にゆっくりと納刀。斬られた紙は細切れになってふっと中の中に消えていった。
『そこまで! ブルーカラー側の勝利です! そして次の試合でヴァルキュリアス側の選手が負けますと、ヴァルキュリアス側は全滅となります!』
勝利宣言がなされたことで、カザミネはゆっくりと武舞台の上にから降りて来た。入れ分かる形で今度は自分が武舞台の上に向かう。
「決めてきてくださいね」「了解」
そんな短い言葉を交わして、自分は武舞台の上に立った。向こうも最後の一人となったネフィさんが上がって来る。だが、ネフィさんの目にあきらめの色はない。むしろここから全員食ってやると言わんばかりの覇気と闘志が見える。
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うん、これは厄介だ。一瞬の油断でこっちの首を掻っ切られそうになるだけの圧を感じる。が……こっちだってそれなりの経験と旅、そして戦いを経験してきた。この圧に負けるような弱い心は持っていない。
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はっきり宣言し、相手を見つめる。睨まなくても、圧は発する事が出来る。その証拠に、ネフィさんがほんの僅かではあるがのけ反った。が、その直後に胸を一度大きくたたいた。
「いいね、これだ。これが楽しいんだ。さあアース、精いっぱい戦おう! お互い悔いがないように!」「むろん、承知です」
互いに武舞台の上で構える。それを確認した運営役のプレイヤーが声を発した。
『両者ともに、準備はいいですね? では試合を始めてください!』
試合開始の宣言と共に、自分もネフィさんも共に前に出た。そして互いの武器をぶつけあい、火花が散る。ヴァルキュリアスとの決着をここでつけよう。勝って、決勝に進ませてもらう!
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