15 / 40
第1章 Ⅲ節 イーディディイールにて
Ⅲ節 イーディディイールにて 3
しおりを挟む
3
太陽はへシリア山脈の山の端からようやくイーディディイールへとその光を落としていた。イグナティオは小屋を出ると器用に寝転ぶ浮浪者たちの隙間を縫って、もらい受けた馬のところへと向かった。そんなイグナティオは報酬を目の前にして喜ぶでなく険しい顔つきであった。
(あの銀髪のガキ。間違いなく皇族だ。どこぞの貴族のぼんぼんならまだいけたが、皇族ではまずい。非常にまずい)
ホスロイの峠道で思い付いた企みでこの貧困区へとファルシールらを連れて来たが、ここへきて実行に移すことを躊躇った。相手が皇族かもしれないためである。
(あのガキが下げていた短剣の鞘の黒獅子の金細工、間違いなく皇家の紋章だ)
小屋に入って間近で見て確信した。
イグナティオは職業柄、様々な者と取り引きをするので、シャリムの皇族に関することも勿論知っていた。黒い獅子は初代皇帝アル=シャースフの異名である。シャリム皇家はその獅子の頭のモチーフを紋章として掲げている。そのような紋章をあしらった物を使うことを許される者は、皇族の中でも本流の血族の限られた者のみであった。
イグナティオがふたりを連れ込んだのは、貧困区にある売春小屋であった。熱を出している方は適当な奴隷商に売り付けるとして、銀髪の方は見目が良く男であろうと欲しがる"物好き"は多くいるだろうと考えていたが、皇族ともなればそうもいかない。ここイーディディイールは皇都の目と鼻の先であり、下手をして宮廷に見つかって保護されでもすれば、自分の足がつくのは確実である。
何より死罪になってまで得たい金ではない。それよりも皇族との繋がりを持つことで、更なる富が得られる方を選ぶのは商人として当然の判断であった。
その上で、イグナティオは迷っていた。
現行の皇族の立ち位置は、危うい砂の塔の上にあった。
(諸侯の離叛、権威の形骸化、度重なる東方遠征、昨日の敗北。ひとつ木片を抜けば積み木を倒すように崩れ散るような国だ。従来のように安定した後ろ楯として期待を掛ける事が叶わぬ)
イグナティオは馬の頭数を数えながら、結局、そうであるあるなら、皇国が崩れて皇族の後ろ楯の価値がなくなる前に売り捌いておけば、銀髪のガキが客をとった回数分の報酬を持続的に得られる、と考えてふたりをそのまま売り飛ばす事にした。
本業はきとんとした商品を取り引きすることだが、値がつくものならば何でも商品として見る。イグナティオは商品の紹介料として商品が稼いだ金の2割を貰うことにしている。
(ホスロイであのガキらが逃げるきっかけを作ってくれたのは大いにありがたいが、金にならねば意味はない)
数え終わるとイグナティオは一番屈強な馬を先頭に立てて、自分は後方の馬に跨がった。
(後の事は売春小屋を執り仕切るセグバントに委ねておけば、いつもの事であるから理解しているだろう。俺はさっさと退散するとしよう。このような場所に長居は無用だ)
「銀髪の名も知れぬガキ、俺は嘘は吐いていないぞ? 今後ともお前がその身で金を稼ぎ俺に納め続けることが"取引"なのだからな」
イグナティオは指笛をファルシールに聞こえないよう小さく鳴らして馬を進めた。
目指すのは皇都であった。
。。。
ファルシールはイグナティオの退出は一時のものであると思っていたが、四半刻が過ぎてもなかなか帰ってこないので業を煮やしていた。その頃、例のオトコオンナは薬を煎じて戻ってくると、与一の口に匙で息を吹きかけて冷ましながら薬を飲ませていた。
「だいぶ落ち着いて来たみたいね~! 私のクスリは良く効くので有名なの! この分だと明日には元気になってるわ!」
オトコオンナはにんまりと笑って言う。
「そうか......」
ファルシールは半信半疑であった。オトコオンナの持ってきた薬の色が、自分が風邪を引いてよく宮廷で処方されたものとは全く異なっていたからだ。匂いはまさに薬草そのものだが、どす黒く濁って濃い紫色をしていたので気になって仕方がない。飲まされていた与一も心なしか眠っていながら苦悶しているように見えて、口当たりのよいものではないことを思わせる。
「良薬は口に苦し、よ~」
オトコオンナはファルシールの不審そうな顔を見て、付け加えるように片目を瞑って微笑んだ。ファルシールもひきつりがちに笑み返した。
確かに与一の顔色は先ほどに比べて幾ばくか良くなっている気がしないでもなかった。
(ヨイチめ、気を揉ませよって......。このお代は高くつくぞ)
ファルシールは寝台で眠っている与一をひと睨みして、やっと心を少し落ち着けた。まだ街道の駅駐屯兵の屯所には辿り着いていないのに加えて貧困区という場所に身を置いている現状は、とても安心できるとまでは言えなかったが、考えてみれば平原からこの小屋まで絶えず追われ、逃げ続けていた。倒れないで座っている自分が信じられないほど疲れているはずが、今の今までそれを感じることはなかった。そのくらい息つく暇がなかったのだな、とファルシールは思い返した。
一方、オトコオンナは空になった薬の椀を側にあった机に置くと、頃合いを計ってファルシールに向いた。
「ねえあなた、お名前を教えくれな~い? 名前を教えてくれないと呼びにくいじゃない? 私はセグバントっていうの! あなたみたいなカワイイ子に会えて嬉しいわぁ~!」
唐突に喧しい声で聞かれてファルシールはびくついた。
「断らせて......いただく」
「あらぁ!! ケチな男の子は同年代の女の子にはモテないわよ~」
セグバントと名乗ったオトコオンナは、ファルシールに身を乗り出して詰め寄った。ファルシールは香水の匂いが甚だしいセグバントに壁まで気圧された。
「つ、連れを診てくれたことには大いに感謝するが、遺憾にも身を明かせぬ故、容赦されよ......」
再度丁寧に断った。
「それは困ったわねぇ......あなたの愛称を考えてあげたかったのだけれども」
セグバントはファルシールの身なりを下から上へ舐めるように見分した。
鎧の下に着る鎖帷子を纏っているところから察して、セグバントは少年が戦に負けて敗走している途中であることを確信していた。またイグナティオが連れてくる商品は、大概どこかの貴族や良いところの子女で、少年もおそらく貴い身分であることは分かっていた。
(落ち武者って言い方は似合わないけれど、楽園を追われた幼気な仔鹿ちゃんってところかしら。お友達つきだなんて、ますます"そそる"わね)
「......愛称?」
「そうよ! あなたは今後とも私の店で働いてもらうのだもの、呼び方がなければお客様だって困るでしょ?」
「......な、何を言って──」
その時、ファルシールは急に力が抜けるような眩暈に襲われた。視界がぼやけて目の前のものが2つ3つに増え、被って見えはじめる。
「なん......だ、これ、は......」
「あらあらあら! ようやく効いてきた感じぃ~? 結構しぶとかった方よあなた~。きっと小さい頃から毒に慣らされてきたのね。今までのコの中で一番遅かったわよ~」
「毒......だと......」
ファルシールは意識が遠退く中、部屋の隅に置いてあった香炉に目をやった。赤みを帯びた白い煙が細く立ち上るその香は、小屋に入った時からすでに焚かれていた。
「そうそ! ご明察よ~。あのお香がね、いい感じに心と身体を麻痺させるのよ。あなたは強いから心までは麻痺してないみたいだけど。あ、でも安心して! あなたのお友達とは、しばらくは一緒だから」
セグバントは立ち上がって東方風の円卓の下から鎖が連なる鉄の足枷を取り出した。
「おま......え......」
「悪く思わないでね~! あなたはとっても素敵な商品になるから手荒な真似はしたくなかったのよ~」
ファルシールは腰に下げた短剣を抜こうとしたが、ますます薄くなっていく意識に抜く気力を奪われ、ついに自分の頭を支える力を失って、項垂れるように落ちた。倒れ際に与一が横目を掠めた。
太陽はへシリア山脈の山の端からようやくイーディディイールへとその光を落としていた。イグナティオは小屋を出ると器用に寝転ぶ浮浪者たちの隙間を縫って、もらい受けた馬のところへと向かった。そんなイグナティオは報酬を目の前にして喜ぶでなく険しい顔つきであった。
(あの銀髪のガキ。間違いなく皇族だ。どこぞの貴族のぼんぼんならまだいけたが、皇族ではまずい。非常にまずい)
ホスロイの峠道で思い付いた企みでこの貧困区へとファルシールらを連れて来たが、ここへきて実行に移すことを躊躇った。相手が皇族かもしれないためである。
(あのガキが下げていた短剣の鞘の黒獅子の金細工、間違いなく皇家の紋章だ)
小屋に入って間近で見て確信した。
イグナティオは職業柄、様々な者と取り引きをするので、シャリムの皇族に関することも勿論知っていた。黒い獅子は初代皇帝アル=シャースフの異名である。シャリム皇家はその獅子の頭のモチーフを紋章として掲げている。そのような紋章をあしらった物を使うことを許される者は、皇族の中でも本流の血族の限られた者のみであった。
イグナティオがふたりを連れ込んだのは、貧困区にある売春小屋であった。熱を出している方は適当な奴隷商に売り付けるとして、銀髪の方は見目が良く男であろうと欲しがる"物好き"は多くいるだろうと考えていたが、皇族ともなればそうもいかない。ここイーディディイールは皇都の目と鼻の先であり、下手をして宮廷に見つかって保護されでもすれば、自分の足がつくのは確実である。
何より死罪になってまで得たい金ではない。それよりも皇族との繋がりを持つことで、更なる富が得られる方を選ぶのは商人として当然の判断であった。
その上で、イグナティオは迷っていた。
現行の皇族の立ち位置は、危うい砂の塔の上にあった。
(諸侯の離叛、権威の形骸化、度重なる東方遠征、昨日の敗北。ひとつ木片を抜けば積み木を倒すように崩れ散るような国だ。従来のように安定した後ろ楯として期待を掛ける事が叶わぬ)
イグナティオは馬の頭数を数えながら、結局、そうであるあるなら、皇国が崩れて皇族の後ろ楯の価値がなくなる前に売り捌いておけば、銀髪のガキが客をとった回数分の報酬を持続的に得られる、と考えてふたりをそのまま売り飛ばす事にした。
本業はきとんとした商品を取り引きすることだが、値がつくものならば何でも商品として見る。イグナティオは商品の紹介料として商品が稼いだ金の2割を貰うことにしている。
(ホスロイであのガキらが逃げるきっかけを作ってくれたのは大いにありがたいが、金にならねば意味はない)
数え終わるとイグナティオは一番屈強な馬を先頭に立てて、自分は後方の馬に跨がった。
(後の事は売春小屋を執り仕切るセグバントに委ねておけば、いつもの事であるから理解しているだろう。俺はさっさと退散するとしよう。このような場所に長居は無用だ)
「銀髪の名も知れぬガキ、俺は嘘は吐いていないぞ? 今後ともお前がその身で金を稼ぎ俺に納め続けることが"取引"なのだからな」
イグナティオは指笛をファルシールに聞こえないよう小さく鳴らして馬を進めた。
目指すのは皇都であった。
。。。
ファルシールはイグナティオの退出は一時のものであると思っていたが、四半刻が過ぎてもなかなか帰ってこないので業を煮やしていた。その頃、例のオトコオンナは薬を煎じて戻ってくると、与一の口に匙で息を吹きかけて冷ましながら薬を飲ませていた。
「だいぶ落ち着いて来たみたいね~! 私のクスリは良く効くので有名なの! この分だと明日には元気になってるわ!」
オトコオンナはにんまりと笑って言う。
「そうか......」
ファルシールは半信半疑であった。オトコオンナの持ってきた薬の色が、自分が風邪を引いてよく宮廷で処方されたものとは全く異なっていたからだ。匂いはまさに薬草そのものだが、どす黒く濁って濃い紫色をしていたので気になって仕方がない。飲まされていた与一も心なしか眠っていながら苦悶しているように見えて、口当たりのよいものではないことを思わせる。
「良薬は口に苦し、よ~」
オトコオンナはファルシールの不審そうな顔を見て、付け加えるように片目を瞑って微笑んだ。ファルシールもひきつりがちに笑み返した。
確かに与一の顔色は先ほどに比べて幾ばくか良くなっている気がしないでもなかった。
(ヨイチめ、気を揉ませよって......。このお代は高くつくぞ)
ファルシールは寝台で眠っている与一をひと睨みして、やっと心を少し落ち着けた。まだ街道の駅駐屯兵の屯所には辿り着いていないのに加えて貧困区という場所に身を置いている現状は、とても安心できるとまでは言えなかったが、考えてみれば平原からこの小屋まで絶えず追われ、逃げ続けていた。倒れないで座っている自分が信じられないほど疲れているはずが、今の今までそれを感じることはなかった。そのくらい息つく暇がなかったのだな、とファルシールは思い返した。
一方、オトコオンナは空になった薬の椀を側にあった机に置くと、頃合いを計ってファルシールに向いた。
「ねえあなた、お名前を教えくれな~い? 名前を教えてくれないと呼びにくいじゃない? 私はセグバントっていうの! あなたみたいなカワイイ子に会えて嬉しいわぁ~!」
唐突に喧しい声で聞かれてファルシールはびくついた。
「断らせて......いただく」
「あらぁ!! ケチな男の子は同年代の女の子にはモテないわよ~」
セグバントと名乗ったオトコオンナは、ファルシールに身を乗り出して詰め寄った。ファルシールは香水の匂いが甚だしいセグバントに壁まで気圧された。
「つ、連れを診てくれたことには大いに感謝するが、遺憾にも身を明かせぬ故、容赦されよ......」
再度丁寧に断った。
「それは困ったわねぇ......あなたの愛称を考えてあげたかったのだけれども」
セグバントはファルシールの身なりを下から上へ舐めるように見分した。
鎧の下に着る鎖帷子を纏っているところから察して、セグバントは少年が戦に負けて敗走している途中であることを確信していた。またイグナティオが連れてくる商品は、大概どこかの貴族や良いところの子女で、少年もおそらく貴い身分であることは分かっていた。
(落ち武者って言い方は似合わないけれど、楽園を追われた幼気な仔鹿ちゃんってところかしら。お友達つきだなんて、ますます"そそる"わね)
「......愛称?」
「そうよ! あなたは今後とも私の店で働いてもらうのだもの、呼び方がなければお客様だって困るでしょ?」
「......な、何を言って──」
その時、ファルシールは急に力が抜けるような眩暈に襲われた。視界がぼやけて目の前のものが2つ3つに増え、被って見えはじめる。
「なん......だ、これ、は......」
「あらあらあら! ようやく効いてきた感じぃ~? 結構しぶとかった方よあなた~。きっと小さい頃から毒に慣らされてきたのね。今までのコの中で一番遅かったわよ~」
「毒......だと......」
ファルシールは意識が遠退く中、部屋の隅に置いてあった香炉に目をやった。赤みを帯びた白い煙が細く立ち上るその香は、小屋に入った時からすでに焚かれていた。
「そうそ! ご明察よ~。あのお香がね、いい感じに心と身体を麻痺させるのよ。あなたは強いから心までは麻痺してないみたいだけど。あ、でも安心して! あなたのお友達とは、しばらくは一緒だから」
セグバントは立ち上がって東方風の円卓の下から鎖が連なる鉄の足枷を取り出した。
「おま......え......」
「悪く思わないでね~! あなたはとっても素敵な商品になるから手荒な真似はしたくなかったのよ~」
ファルシールは腰に下げた短剣を抜こうとしたが、ますます薄くなっていく意識に抜く気力を奪われ、ついに自分の頭を支える力を失って、項垂れるように落ちた。倒れ際に与一が横目を掠めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる