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第1章 Ⅳ節 皇都陥落─前編─
Ⅳ節 皇都陥落─前編─ 1
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皇都アキシュバル。シャリム皇国の都にして、東西貿易の要であり、大陸文化の中心的な都市である。皇国の主要都市を結び、かつ東西南北の四方へと続く街道の交点に位置する。これらの4つの街道は皇国の富の源泉であり、大陸の東西南北を交易によって繋ぐ重要な道である。
シャリム発祥の地、西方、草原のウールバールを通り、西の海の海運商業国家ネルヴィオスと、さらに先の砂漠と二つの大河に挟まれ、いにしえの文明を承け継ぐメギイト王国を結ぶコモドゥール街道。北方にある峻嶺な雪山セヴェージ山脈のさらに向こう側、鉄鋼の産出国ロルドへと通じるハシュヌマーン街道。東方、絹と紗、陶磁器の国シノへと繋がるシャルハール街道。そして、皇国南方、大河マルワリード河の恵みを潤沢に受けた皇国の一大穀倉地域ジャラルシードへ広大な岩石砂漠の中を突っ切って続くサキュロエス街道。それらの守護的役割を皇都アキシュバルは担っている。
また、アキシュバルは高さ30アリフ(メートル)を超える三重の円城に囲まれ、その中に60万人の市民を抱えている。整然とした区画整理がなされている都市内部には、広いところで50アリフもある大路が延び、日干しレンガで組み上げられた建物がところ狭しと建ち並ぶ。市民の住む区画の奥には大商人たちが邸宅を構える富裕区画があり、さらにその奥には大理石の豪奢な建物が建つ貴族区画、最奥部、都市中央に広大な皇宮区画、といった具合に建造された。
町並みの美しさは西方一と賞され、下水道を完備し、さらには上水道までもが引かれており、まさに技術の粋を極めた都市である。
首都として置かれたのは、実に600年ほど前まで遡る。メギイト王国の首都ラシュに比べればその歴史は浅いものの、絶えず多民族が入り乱れ、その文化を吸収し、発展してきた。
完成までには莫大な財と時間を費やしたが、初代皇帝アル・シャースフはアキシュバルの建設を熱心に行ったという。皇帝が行った東方遠征の理由が都の建設費を賄うためだったという冗談が城下の市民の間で長く伝えられているくらいである。
その甲斐あって都市計画が始まってより162年、アル・シャースフ死後にようやく一通りの完成をみた。現在でも絶えず建設が行われている。
しかしながら、繁栄の裏に貧困区の影は必ず付きまとう。アキシュバルの三重の城壁の南西部の壁沿いには、ひとつの町ほどの大きさがある貧困区が存在している。町の治安を維持するために貧民たちを一ヵ所に集めた地区で、救貧院を中心としてあばら屋が建ち並ぶ。
パルソリア平原から敗北の報が届いてより一夜明けた朝方、その貧困区で些かの騒ぎがあった。
この時、皇都鎮護将の大万騎将ダレイマーニは、日課である、日の出前の剣の鍛練で皇宮の外の詰め所に居た。鍛練の相手となっていたのは、背が高く体格の良い若い武者である。
一閃、二閃と鋭く重い剣戟を浴びせつけて、ダレイマーニに迫ろうとする若武者は、そのことごとくを老練な虎将にいなされて、涼しげな朝の空気の中で額に汗を滲ませていた。
ダレイマーニも圧されているように見えて、隙あらば若武者の急所へと刃を突き立てており、両者の剣技は優れて拮抗していた。
事件を報告をしに来た部下の兵士が、ふたりの気迫に圧され責務を忘れてしばらく見入ったほどである。
「ケイヴァーン。そろそろ折れてはくれぬか。部下が困っておる」
ダレイマーニはケイヴァーンと呼ばれた若武者のひと振りを軽く払って距離をとると、剣を納めた。
「負けそうだったからではございませんか? 父上」
ケイヴァーンは素直に聞き入れて攻勢をやめると、挑発的にひとこと言って剣を鞘に納めた。
「わしを負かせるとしたら、それはおぬしがわしの歳を越えた頃くらいからじゃな」
「それでは、父上はとっくに居ないではないですか」
ダレイマーニは息子にさらりと毒づかれて、ほほほと笑い、白いひげを撫でつつ睨み付けた。
「おお、怖い怖い」
「生意気に育ちよって、愚息めが......」
そう言って、言葉には怒気を含んでいない。
ケイヴァーンは今年で二十四になるダレイマーニの息子であった。
ダレイマーニザード=ケイヴァーン=ファーシ。武術は槍術から体術まで、シャリム軍の中でも一二を争う達人で、十六の時に西方メギイトの剣闘場にて獅子を素手で倒したという伝説を持つ。
背が高く、服の上からでも分かるほど体躯が良い。また、顔も男らしく眉の整った美男子ともなれば、ひとたび行軍で市中に出ると見物の婦人方から黄色い歓声が上がる。加えて、金色の髪、深い彫りに濃く碧い瞳は、シャリムでは珍しいために、それも相まっている。彼自身は甚だ困っているが、それでも武骨な表情を崩さないのは、武人の心構えである。
しかし彼が最もその名を轟かせるのは、やはり戦場である。ケイヴァーンの乗る黒馬と黒い甲冑に濃紅のマントは、ケイヴァーンの存在を示すのに十分過ぎる。その姿を遠目から見た者は、敵であれば槍を棄てて一目散に逃げ出すほどである。彼の率いる重騎兵の突撃は進路上のものを一切薙ぎ倒す。真っ向から対峙して生きて帰った者は居ないからである。
それほどの武勇を誇るケイヴァーンであったが、皇太子フェルキエスと確執があるために、此度のキースヴァルト討伐からは外され、皇都の守りについていた。
「して、報告は」
ダレイマーニはぼうっと突っ立っていた部下に話を振った。部下は2人の剣戟を頭の中で反芻していたらしく、少し間をおいて「は、はい!」と慌てて返した。
「報告します。本日未明、貧困区にて先日出立した我が軍がパルソリア平原にて壊滅した、などと吹聴する輩が出まして、貧困区を中心に噂が広がりつつございます」
ダレイマーニは白眉の根を寄せた。敗北の報を知っているのはダレイマーニの他には宰相のベルマンと一部の部下のみである。ダレイマーニは息子のケイヴァーンにさえ漏らしていない。もちろんこの部下も知り得ない情報である。
「それは誠か?」
ダレイマーニは動揺を見せないように語気を変えずに問うた。
「は。ただいま南西地区の警備兵長を仰せつかるニハヴァンテが不届き者を捜している最中でございます」
「ふむ」
部下の兵士が口にした人物の名を聞いて、ケイヴァーンが表情を曇らせた。
「父上。ニハヴァンテという者、私はどうも不安を禁じ得ません」
ケイヴァーンはダレイマーニに向いた。
「いかに」
「彼は少々荒療治が過ぎるところがあります。武人の家ではございますが、いたずらに人を罰するを好む輩で、それゆえ貧困区に近い南西地区の警備兵長へと半ば左遷になったと聞きます。噂の元凶を絶つために血を見るような騒ぎになれば、事の次第のよっては、かえって悪手になるやもしれませぬ」
ケイヴァーンは敗北の報を知らなかった。しかし、直感的に噂の恐ろしさを感じ取った。
現在のシャリムの軍は向かうところ敵無しである。城下の市民も、そのような噂を信じる事は無いであろう。しかし、いたずらに噂を抑える真似をすれば、それは噂を真実と認めたことになり兼ねない。そうなれば、隠していたことを変に突かれかねない。
ダレイマーニは息子の云わんとしている事を察した。
「確かに」
ダレイマーニは報告に来た兵士に命じた。
「ニハヴァンテには、くれぐれも穏便に済ませるよう忠告いたせ。それと、吹聴した輩は、わしの前に連れて来るよう伝えよ」
「は」
ダレイマーニは、漏れていないはずの敗北の報を、なぜ詳細に語れるのかを問いただすつもりであった。昨夜のベルマンとの相談で決まったように、早めに公式の情報を公表する予定であったが、現行の対策では、ただ市民の動揺を煽ることになる。こうなっては、ますます情報の公開に慎重にならなければならなくなった。
一方、ケイヴァーンは走り去る兵士を見届ける老将の後ろ姿を見ながら、頭の隅で引っ掛かるような感覚を覚えた。
(本来であれば父上の元へパルソリア平原での戦の第一報が入っているはずだが、それが無い。それとこの一件、関わりがあるように見えるが......)
ケイヴァーンはかぶりを振って「では父上、わたくしは持ち場へと向かいます故、これにて」と言い、軽く頭を下げて退いた。
皇都アキシュバル。シャリム皇国の都にして、東西貿易の要であり、大陸文化の中心的な都市である。皇国の主要都市を結び、かつ東西南北の四方へと続く街道の交点に位置する。これらの4つの街道は皇国の富の源泉であり、大陸の東西南北を交易によって繋ぐ重要な道である。
シャリム発祥の地、西方、草原のウールバールを通り、西の海の海運商業国家ネルヴィオスと、さらに先の砂漠と二つの大河に挟まれ、いにしえの文明を承け継ぐメギイト王国を結ぶコモドゥール街道。北方にある峻嶺な雪山セヴェージ山脈のさらに向こう側、鉄鋼の産出国ロルドへと通じるハシュヌマーン街道。東方、絹と紗、陶磁器の国シノへと繋がるシャルハール街道。そして、皇国南方、大河マルワリード河の恵みを潤沢に受けた皇国の一大穀倉地域ジャラルシードへ広大な岩石砂漠の中を突っ切って続くサキュロエス街道。それらの守護的役割を皇都アキシュバルは担っている。
また、アキシュバルは高さ30アリフ(メートル)を超える三重の円城に囲まれ、その中に60万人の市民を抱えている。整然とした区画整理がなされている都市内部には、広いところで50アリフもある大路が延び、日干しレンガで組み上げられた建物がところ狭しと建ち並ぶ。市民の住む区画の奥には大商人たちが邸宅を構える富裕区画があり、さらにその奥には大理石の豪奢な建物が建つ貴族区画、最奥部、都市中央に広大な皇宮区画、といった具合に建造された。
町並みの美しさは西方一と賞され、下水道を完備し、さらには上水道までもが引かれており、まさに技術の粋を極めた都市である。
首都として置かれたのは、実に600年ほど前まで遡る。メギイト王国の首都ラシュに比べればその歴史は浅いものの、絶えず多民族が入り乱れ、その文化を吸収し、発展してきた。
完成までには莫大な財と時間を費やしたが、初代皇帝アル・シャースフはアキシュバルの建設を熱心に行ったという。皇帝が行った東方遠征の理由が都の建設費を賄うためだったという冗談が城下の市民の間で長く伝えられているくらいである。
その甲斐あって都市計画が始まってより162年、アル・シャースフ死後にようやく一通りの完成をみた。現在でも絶えず建設が行われている。
しかしながら、繁栄の裏に貧困区の影は必ず付きまとう。アキシュバルの三重の城壁の南西部の壁沿いには、ひとつの町ほどの大きさがある貧困区が存在している。町の治安を維持するために貧民たちを一ヵ所に集めた地区で、救貧院を中心としてあばら屋が建ち並ぶ。
パルソリア平原から敗北の報が届いてより一夜明けた朝方、その貧困区で些かの騒ぎがあった。
この時、皇都鎮護将の大万騎将ダレイマーニは、日課である、日の出前の剣の鍛練で皇宮の外の詰め所に居た。鍛練の相手となっていたのは、背が高く体格の良い若い武者である。
一閃、二閃と鋭く重い剣戟を浴びせつけて、ダレイマーニに迫ろうとする若武者は、そのことごとくを老練な虎将にいなされて、涼しげな朝の空気の中で額に汗を滲ませていた。
ダレイマーニも圧されているように見えて、隙あらば若武者の急所へと刃を突き立てており、両者の剣技は優れて拮抗していた。
事件を報告をしに来た部下の兵士が、ふたりの気迫に圧され責務を忘れてしばらく見入ったほどである。
「ケイヴァーン。そろそろ折れてはくれぬか。部下が困っておる」
ダレイマーニはケイヴァーンと呼ばれた若武者のひと振りを軽く払って距離をとると、剣を納めた。
「負けそうだったからではございませんか? 父上」
ケイヴァーンは素直に聞き入れて攻勢をやめると、挑発的にひとこと言って剣を鞘に納めた。
「わしを負かせるとしたら、それはおぬしがわしの歳を越えた頃くらいからじゃな」
「それでは、父上はとっくに居ないではないですか」
ダレイマーニは息子にさらりと毒づかれて、ほほほと笑い、白いひげを撫でつつ睨み付けた。
「おお、怖い怖い」
「生意気に育ちよって、愚息めが......」
そう言って、言葉には怒気を含んでいない。
ケイヴァーンは今年で二十四になるダレイマーニの息子であった。
ダレイマーニザード=ケイヴァーン=ファーシ。武術は槍術から体術まで、シャリム軍の中でも一二を争う達人で、十六の時に西方メギイトの剣闘場にて獅子を素手で倒したという伝説を持つ。
背が高く、服の上からでも分かるほど体躯が良い。また、顔も男らしく眉の整った美男子ともなれば、ひとたび行軍で市中に出ると見物の婦人方から黄色い歓声が上がる。加えて、金色の髪、深い彫りに濃く碧い瞳は、シャリムでは珍しいために、それも相まっている。彼自身は甚だ困っているが、それでも武骨な表情を崩さないのは、武人の心構えである。
しかし彼が最もその名を轟かせるのは、やはり戦場である。ケイヴァーンの乗る黒馬と黒い甲冑に濃紅のマントは、ケイヴァーンの存在を示すのに十分過ぎる。その姿を遠目から見た者は、敵であれば槍を棄てて一目散に逃げ出すほどである。彼の率いる重騎兵の突撃は進路上のものを一切薙ぎ倒す。真っ向から対峙して生きて帰った者は居ないからである。
それほどの武勇を誇るケイヴァーンであったが、皇太子フェルキエスと確執があるために、此度のキースヴァルト討伐からは外され、皇都の守りについていた。
「して、報告は」
ダレイマーニはぼうっと突っ立っていた部下に話を振った。部下は2人の剣戟を頭の中で反芻していたらしく、少し間をおいて「は、はい!」と慌てて返した。
「報告します。本日未明、貧困区にて先日出立した我が軍がパルソリア平原にて壊滅した、などと吹聴する輩が出まして、貧困区を中心に噂が広がりつつございます」
ダレイマーニは白眉の根を寄せた。敗北の報を知っているのはダレイマーニの他には宰相のベルマンと一部の部下のみである。ダレイマーニは息子のケイヴァーンにさえ漏らしていない。もちろんこの部下も知り得ない情報である。
「それは誠か?」
ダレイマーニは動揺を見せないように語気を変えずに問うた。
「は。ただいま南西地区の警備兵長を仰せつかるニハヴァンテが不届き者を捜している最中でございます」
「ふむ」
部下の兵士が口にした人物の名を聞いて、ケイヴァーンが表情を曇らせた。
「父上。ニハヴァンテという者、私はどうも不安を禁じ得ません」
ケイヴァーンはダレイマーニに向いた。
「いかに」
「彼は少々荒療治が過ぎるところがあります。武人の家ではございますが、いたずらに人を罰するを好む輩で、それゆえ貧困区に近い南西地区の警備兵長へと半ば左遷になったと聞きます。噂の元凶を絶つために血を見るような騒ぎになれば、事の次第のよっては、かえって悪手になるやもしれませぬ」
ケイヴァーンは敗北の報を知らなかった。しかし、直感的に噂の恐ろしさを感じ取った。
現在のシャリムの軍は向かうところ敵無しである。城下の市民も、そのような噂を信じる事は無いであろう。しかし、いたずらに噂を抑える真似をすれば、それは噂を真実と認めたことになり兼ねない。そうなれば、隠していたことを変に突かれかねない。
ダレイマーニは息子の云わんとしている事を察した。
「確かに」
ダレイマーニは報告に来た兵士に命じた。
「ニハヴァンテには、くれぐれも穏便に済ませるよう忠告いたせ。それと、吹聴した輩は、わしの前に連れて来るよう伝えよ」
「は」
ダレイマーニは、漏れていないはずの敗北の報を、なぜ詳細に語れるのかを問いただすつもりであった。昨夜のベルマンとの相談で決まったように、早めに公式の情報を公表する予定であったが、現行の対策では、ただ市民の動揺を煽ることになる。こうなっては、ますます情報の公開に慎重にならなければならなくなった。
一方、ケイヴァーンは走り去る兵士を見届ける老将の後ろ姿を見ながら、頭の隅で引っ掛かるような感覚を覚えた。
(本来であれば父上の元へパルソリア平原での戦の第一報が入っているはずだが、それが無い。それとこの一件、関わりがあるように見えるが......)
ケイヴァーンはかぶりを振って「では父上、わたくしは持ち場へと向かいます故、これにて」と言い、軽く頭を下げて退いた。
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