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第五章
5.泣くな【2】
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「本当に、どれ程の魔力をお持ちなのですか」
溜め息と共に告げられました。
あ、ベンダーツさんも私と同じ事を思ったみたいです。
「俺は俺だ。比べるものなどない」
「はいはい、そうでした。過去に類を見ない魔力の持ち主で、多くの精霊に好かれた者。単身で国を出て旅までしてしまう行動力もお持ちなのですから、歴代の皇帝閣下様方と比べようもないですね」
呆れたような、開き直ったような言い方でした。
でも何だか、いつもよりフランクな気がします。
「何だ、言いたい事があるなら言え」
「どうせ、私の言葉なんて届きませんでしょ。貴方はいつも、ご自分のやりたい事をなさる」
「当たり前だ。お前は言いたい事を言うがな」
「それはそうです。私かガルシアくらいではないですか、貴方に進言するのは。それくらいは我慢して頂かなくては」
「……分かっている」
そんな二人のやり取りを見ていて、本当に信頼しているのだと思いました。何だか、羨ましくもあります。
「ところで、ペルニギュート様の件をきちんと説明して頂けますか?」
決して下手ではない言い方で問い掛けてきたベンダーツさんに、ヴォルは僅かに言い淀みました。
先程の簡潔な説明では完全には納得して頂けなかったようですね。
「……睡眠魔法を掛けたのはペルニギュートだ」
「それはおかしいですね。ペルニギュート様は魔力をお持ちではない筈です」
先程と同じ説明でしたが、すぐにベンダーツさんから突っ込みが入ります。
やはり、そうきますか。どうやらこれは周知の事実な訳ですね。
でも彼は実際に魔法を使いました。
「肉体は、な」
「……どういう事ですか」
眉間を寄せるベンダーツさんは、何かを感じたのか苛立ちを見せています。
「魂だよ」
「確かに、魔力鑑定は誕生後一月の間に行われます。その額に魔法石を置き反応を見るので、本人の意思は関係なく行われますね。魔法石が光輝けば魔力を持ち、精霊がついていれば石が浮かびます。貴方様は吹き飛んで砕かれましたけどね」
淡々と説明をされる中で、私は初めて魔力の有無をどの様に鑑定するのかを知りました。──って言うか、吹き飛んで砕けたってどうなんですか?!
「王族や貴族は生まれてすぐ。だが俺はここに来た時だろ。……お前もいたのか」
「はい。数えで五つのお歳でしたね。私はその時既にお仕えすると決まっていましたので、その場に立ち会わせて頂きました。……そしてその魔力鑑定で、ペルニギュート様は無反応でした」
淡々と明かされる二人の出逢いです。
ふむふむ、既にペルさんは魔力持たざる者と判定された訳ですね。
というか──ヴォルが皇帝様の御子息であると分かって連れて来られた時からベンダーツさんがずっと一緒にいるというのは、もの凄い長い付き合いじゃないですか。
私は話を聞きながらも、その小さい頃のヴォルを見たかったと思ってしまいました。
「それでも、ペルニギュート様が魔力をお持ちであるという事ですね」
「そうだ。魔法石の力が弱まったのはいつだ」
「十年程前からですが。……まさか、魔法石の魔力をあの方が吸収したと言われるのですか?」
「そう言う事だ」
驚くベンダーツさんです。有り得ない事が起きたと、そんな感じでしょうか。
でも事実。有り得ないなんて事はないのですよね。
溜め息と共に告げられました。
あ、ベンダーツさんも私と同じ事を思ったみたいです。
「俺は俺だ。比べるものなどない」
「はいはい、そうでした。過去に類を見ない魔力の持ち主で、多くの精霊に好かれた者。単身で国を出て旅までしてしまう行動力もお持ちなのですから、歴代の皇帝閣下様方と比べようもないですね」
呆れたような、開き直ったような言い方でした。
でも何だか、いつもよりフランクな気がします。
「何だ、言いたい事があるなら言え」
「どうせ、私の言葉なんて届きませんでしょ。貴方はいつも、ご自分のやりたい事をなさる」
「当たり前だ。お前は言いたい事を言うがな」
「それはそうです。私かガルシアくらいではないですか、貴方に進言するのは。それくらいは我慢して頂かなくては」
「……分かっている」
そんな二人のやり取りを見ていて、本当に信頼しているのだと思いました。何だか、羨ましくもあります。
「ところで、ペルニギュート様の件をきちんと説明して頂けますか?」
決して下手ではない言い方で問い掛けてきたベンダーツさんに、ヴォルは僅かに言い淀みました。
先程の簡潔な説明では完全には納得して頂けなかったようですね。
「……睡眠魔法を掛けたのはペルニギュートだ」
「それはおかしいですね。ペルニギュート様は魔力をお持ちではない筈です」
先程と同じ説明でしたが、すぐにベンダーツさんから突っ込みが入ります。
やはり、そうきますか。どうやらこれは周知の事実な訳ですね。
でも彼は実際に魔法を使いました。
「肉体は、な」
「……どういう事ですか」
眉間を寄せるベンダーツさんは、何かを感じたのか苛立ちを見せています。
「魂だよ」
「確かに、魔力鑑定は誕生後一月の間に行われます。その額に魔法石を置き反応を見るので、本人の意思は関係なく行われますね。魔法石が光輝けば魔力を持ち、精霊がついていれば石が浮かびます。貴方様は吹き飛んで砕かれましたけどね」
淡々と説明をされる中で、私は初めて魔力の有無をどの様に鑑定するのかを知りました。──って言うか、吹き飛んで砕けたってどうなんですか?!
「王族や貴族は生まれてすぐ。だが俺はここに来た時だろ。……お前もいたのか」
「はい。数えで五つのお歳でしたね。私はその時既にお仕えすると決まっていましたので、その場に立ち会わせて頂きました。……そしてその魔力鑑定で、ペルニギュート様は無反応でした」
淡々と明かされる二人の出逢いです。
ふむふむ、既にペルさんは魔力持たざる者と判定された訳ですね。
というか──ヴォルが皇帝様の御子息であると分かって連れて来られた時からベンダーツさんがずっと一緒にいるというのは、もの凄い長い付き合いじゃないですか。
私は話を聞きながらも、その小さい頃のヴォルを見たかったと思ってしまいました。
「それでも、ペルニギュート様が魔力をお持ちであるという事ですね」
「そうだ。魔法石の力が弱まったのはいつだ」
「十年程前からですが。……まさか、魔法石の魔力をあの方が吸収したと言われるのですか?」
「そう言う事だ」
驚くベンダーツさんです。有り得ない事が起きたと、そんな感じでしょうか。
でも事実。有り得ないなんて事はないのですよね。
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