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第七章
3.異質な気配を纏う男がいた【2】
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「爵位は第三位だけど、結構セントラルの中では政治に強い影響力のある人でね。俺は直接言葉を交わした事がなかったから能力の事を知らなかったけど、どうやらそれすらも知略の一つだったんだろうねぇ」
「ゼブル卿が魔力所持者か」
ベンダーツさんの会話に、ヴォルが思い出すような言葉を続けます。
それが私には『そうとは思えない』と聞こえたので、爵位を持つ方となら王城内で出会っていてもおかしくはないと考えつつも問い掛けました。
「ヴォルもその人を知っているのですか?」
「あぁ。何度か強制的な社交の場で言葉を交わした事がある。だが、魔力を感じた事はなかった」
「何それ。普段は魔力の片鱗も見せないって?それ、かなり危ない人物じゃん。しかも既に政治に深く関わってる」
ヴォルの返答は意外なものであったらしく、ベンダーツさんが驚きに目を見開いています。
しかしながら、もし本当に言葉へ魔力が込められるのであれば──。って、ヴォルだって言葉に魔力を乗せているのではないですか?
「魔力を言葉に乗せると、みんなヴォルがするみたいな魔法になるのではないのですか?」
「それは契約した精霊の力による。俺の周囲にいる精霊は、四元素の地・水・空気・火だ。その中でも細やかに種類がある。空気の元素を持つ精霊の中でも風の精霊は相性が良いからか、大きな力を借りている。セントラルの結界が一番分かりやすいだろ」
「は、はい。シャボン玉のような、ヴォルが良く使う結界ですよね」
「そうだ。そして全ての精霊が目に見える現象を起こす訳ではない」
魔法を使えない私の素朴な質問でしたが、ヴォルは細かな説明をしてくれました。
魔力と言葉の関係は、私が思っている程単純ではなさそうです。はっきりいって、元素とか現象とか分からない事が多かったですが、相性が関係するのだという事は分かりました。
でも思っていた以上に、精霊さんにはたくさんの種類があるようです。見た目は皆さん同じように、背中に綺麗な羽根を持った小さな人ですけど。
「でもさぁ、セグレスト・ゼブル伯爵は魔力所持者の印をつけられてはいないんだよねぇ。俺も知らなかったって事は、裏で手を回してるなぁ?」
「う、裏って……」
「政治の世界は綺麗な事ばかりではないって意味さ。ま、メルが知る必要もないだろうけどね。どうせヴォルが触れさせないだろうし」
ベンダーツさんのニヤリと浮かべた笑みに黒いものが見えました。
どうやら、裏とか表とかがある怖い世界のようです。でも普通に王城にいる人達は怖かったのですが。
「仮に言葉に魔力を乗せて人を操れるとなると、あの者の地位は正当なものとは言いがたいな」
「だよねぇ。ってか、ここで何やってんだ?俺等の邪魔?」
ヴォルの呟きに同意したベンダーツさんは、更に思考を巡らさせていました。
邪魔って──、そんな簡単な理由ですか?
「だが魔物を使ったサガルットへの攻撃は、もっと以前からの痕跡があった。少なくとも数年規模で干渉している」
「だとすると俺達とは関係なく、以前からこの町を落とすつもりだったと言う事かぁ」
ヴォルとベンダーツさんは話が通じているらしく、端的な言葉ばかりでいまいち私には分かりません。
そこでどうしてなのか、私なりに考えてみました。セントラルの南に位置するこのサガルットを攻撃して、ゼブルさんに何の得があるのでしょう。
そうです、『得』です。人が死んでしまうかもしれない事件を起こしても、得る価値がある『何か』の存在を感じました。
「魔法石か」
「うん。他にも金目の物はあるだろうけど……一番は、ねぇ?」
ヴォルとベンダーツさんは結論に辿り着いたようです。
しかしながら魔法石とは?
私はとうとう湧き出る疑問に耐えられなくなり、話の合間ですが問い掛ける事にしました。
「ゼブル卿が魔力所持者か」
ベンダーツさんの会話に、ヴォルが思い出すような言葉を続けます。
それが私には『そうとは思えない』と聞こえたので、爵位を持つ方となら王城内で出会っていてもおかしくはないと考えつつも問い掛けました。
「ヴォルもその人を知っているのですか?」
「あぁ。何度か強制的な社交の場で言葉を交わした事がある。だが、魔力を感じた事はなかった」
「何それ。普段は魔力の片鱗も見せないって?それ、かなり危ない人物じゃん。しかも既に政治に深く関わってる」
ヴォルの返答は意外なものであったらしく、ベンダーツさんが驚きに目を見開いています。
しかしながら、もし本当に言葉へ魔力が込められるのであれば──。って、ヴォルだって言葉に魔力を乗せているのではないですか?
「魔力を言葉に乗せると、みんなヴォルがするみたいな魔法になるのではないのですか?」
「それは契約した精霊の力による。俺の周囲にいる精霊は、四元素の地・水・空気・火だ。その中でも細やかに種類がある。空気の元素を持つ精霊の中でも風の精霊は相性が良いからか、大きな力を借りている。セントラルの結界が一番分かりやすいだろ」
「は、はい。シャボン玉のような、ヴォルが良く使う結界ですよね」
「そうだ。そして全ての精霊が目に見える現象を起こす訳ではない」
魔法を使えない私の素朴な質問でしたが、ヴォルは細かな説明をしてくれました。
魔力と言葉の関係は、私が思っている程単純ではなさそうです。はっきりいって、元素とか現象とか分からない事が多かったですが、相性が関係するのだという事は分かりました。
でも思っていた以上に、精霊さんにはたくさんの種類があるようです。見た目は皆さん同じように、背中に綺麗な羽根を持った小さな人ですけど。
「でもさぁ、セグレスト・ゼブル伯爵は魔力所持者の印をつけられてはいないんだよねぇ。俺も知らなかったって事は、裏で手を回してるなぁ?」
「う、裏って……」
「政治の世界は綺麗な事ばかりではないって意味さ。ま、メルが知る必要もないだろうけどね。どうせヴォルが触れさせないだろうし」
ベンダーツさんのニヤリと浮かべた笑みに黒いものが見えました。
どうやら、裏とか表とかがある怖い世界のようです。でも普通に王城にいる人達は怖かったのですが。
「仮に言葉に魔力を乗せて人を操れるとなると、あの者の地位は正当なものとは言いがたいな」
「だよねぇ。ってか、ここで何やってんだ?俺等の邪魔?」
ヴォルの呟きに同意したベンダーツさんは、更に思考を巡らさせていました。
邪魔って──、そんな簡単な理由ですか?
「だが魔物を使ったサガルットへの攻撃は、もっと以前からの痕跡があった。少なくとも数年規模で干渉している」
「だとすると俺達とは関係なく、以前からこの町を落とすつもりだったと言う事かぁ」
ヴォルとベンダーツさんは話が通じているらしく、端的な言葉ばかりでいまいち私には分かりません。
そこでどうしてなのか、私なりに考えてみました。セントラルの南に位置するこのサガルットを攻撃して、ゼブルさんに何の得があるのでしょう。
そうです、『得』です。人が死んでしまうかもしれない事件を起こしても、得る価値がある『何か』の存在を感じました。
「魔法石か」
「うん。他にも金目の物はあるだろうけど……一番は、ねぇ?」
ヴォルとベンダーツさんは結論に辿り着いたようです。
しかしながら魔法石とは?
私はとうとう湧き出る疑問に耐えられなくなり、話の合間ですが問い掛ける事にしました。
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