異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎

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【220 近況報告】

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孤児院に帰ると、子供達がワッと集まって来た。お帰りなさいと沢山声をかけられる。

玄関に入れる人数は限られているので、おしくら饅頭にならないように、私は素早くコートをかけて室内に入る。

日中は晴れていたけれど、孤児院に着く頃にほんの少しだけ雪が降ってきた。
名残雪だろう。

日も長くなってきたし、あとは暖かくなるだけだと思う。


全員が集まったところで、今日のお店は沢山人が来て賑やかだったと報告し、メアリーちゃんのポーさんが完売した事も告げると、子供達はすごいすごいと声を上げてはしゃいだ。

メアリーちゃんも、すぐにポーさんを大量生産しなければと決意を目に宿しているけど、一人で手作業で作るので、やはりある程度の数を揃えるには時間がかかる。

誰か手伝おうにも、メアリーちゃんの技量に並ぶ人がいないし、出来上がりに差があってはまずいという事で、もはやポーさんぬいぐるみは、メアリーちゃんだけのブランドになってしまった。


初日で70個完売という事を考えると、予約を受ければかなりの注文が入ると思う。

でも、それで100も200も受けていたら、メアリーちゃんに相当な負担がかかるので、ポーさんぬいぐるみは一定の数が出来上がったら、ゲリラ販売という事で落ち着いた。

こういう希少な物は、日本だったらプレミアがついて、もの凄い値段になりそうだなと思った。




今日の夕食は、キャロルちゃんの作ったシチューだ。いつもメアリーちゃんが作ってくれているけど、今日は疲れているだろうという事で、ちゃんと作って待っていてくれたのだ。

ジョルジュさんに、どうですか?と聞いて、美味しいと言ってもらえると、少し頬を赤くして小さく笑うところが見ていて可愛い。


その隣で複雑な表情をしてシチューを食べているトロワ君。
私は、トロワ君はキャロルちゃんが好きなのかなと思っている。

そうなると、トロワ君にとってジュルジュさんはライバルだ。

ギスギスしたりしないのかな?と心配になるんだけど、トロワ君はジョルジュさんのところは、相変わらずジョルにぃと呼んで慕っている。



トロワ君は大人だと思った。
普通、10歳でこういう感情にうまく折り合いがつけれるだろうか?

キャロルちゃんがジョルジュさんを好きなのは見ていて分かるはず。それなのに、いつもと変わらず接しているなんて、気持ちがとても強く、真っすぐに育っているんだなと思った。



「ねぇ、ジョルジュ、久しぶりだけど、最近は何してたの?仕事とかさ」

ジャニスさんがシチューを口に運びながら、斜め向かいに座るジョルジュさんに話しを向ける。


私もたまに風の精霊さんを通して、簡単な近況報告くらいはやりとりをしていたけど、ジョルジュさんは、みんな元気にしているぞ、とか、あっさりした感じの返事が多いのだ。

多分、ジョルジュさんの性格からして、細かい事も聞きたい時は、具体的に聞かないといけないのだろう。


「仕事か・・・俺は、俺達家族は普段は狩りで生計を立てている。獲物の毛皮や肉を売ったりしてな。一年通してそれは変わらない」

「へぇ~、じゃあこの三ヶ月も同じ事してたの?ずっと狩り?」



「・・・・・実はな、城で弓兵や剣士を増員するらしく、新人弓兵の指導に依頼されて連日鍛えていたんだ」

「え?そうなの?私達も月に3~4回は城に行って魔法の指導してたけど、一度も会わなかったね?」

ジャニスさんは、ブレンダン様とウィッカーさんに確認するように顔を向ける。

そうじゃな。会わなかったな。と二人が返事をすると、ジョルジュさんは顔を少し横に振った。


「あぁ、俺の家に来てもらってたんだ。一度城で指導した事があるが、あそこでは駄目だ。障害の全くない場所で、少し離れた的を射抜く事になんの意味がある?リンゴを撃つのならそれでもいい。だが、実戦では相手も動くんだ。障害をくぐり標的を撃つ。その技術を身に付けたいのなら、城では駄目だ」

ジョルジュさんはスプーンを置いて、自分の指導方法を説明し始めた。やはりこだわりがあるようで、語りにめずらしく熱が入っている。



「あ、そう言えば、私が王宮剣士を辞める少し前から、体力型が増えてきてたね」

リンダさんが、思い出したように少しだけ高い声を出した。

ほんの数か月前までは王宮仕えの剣士だったリンダさんは、まだ国の内部事情に明るい。

リンダさんの話しでは、これまで魔法使い八割、体力型兵士二割の構成だったけど、体力型をまずは三割に増やしていく方針らしい。


「カエストゥスは体力型が少ないから、時間はかかるだろうけど、私は良い傾向だと思うな。魔法使いは魔力が切れたらおしまいだから、体力型と連携できるなら戦術も広がるしね」

話しながらシチューの皿を綺麗に空にしたリンダさんは、キャロルちゃんに、美味しいシチューをもう少し食べたいなぁ~、とチラチラ見ながらアピールする。


「もう、リン姉さんって、本当そういうとこ変わってないですね」

キャロルちゃんは、小言を口にしながらも、どこか嬉しそうにリンダさんの皿を取ってキッチンへ足を運んだ。やはり自分の作ったお料理が美味しいと言ってもらえるのは嬉しい。


それから、みんなで談笑をしながら食事を終えた。

会話は主にリサイクルショップの事だった。子供達も見たがっているので、お店がもう少し落ち着いたら連れて行こう。

明日も忙しくなりそうだけど、楽しみな気持ちが大きくて、私は胸を弾ませていた。
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