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【365 幻の腕】
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「ブレンダン・・・ランデル・・・やはり、貴様・・・・・」
テレンスは一目で状況を把握した。
テレンスの放った氷魔法は、ブレンダンだけを狙ったものだった。
だが、すぐそばにいたクラレッサが巻き込まれないように、ブレンダンはクラレッサの手を掴み寄せ、結界を張って護った。
それはつまり、すでにブレンダンはクラレッサと心を通わせているという事だ。
自分に目を向けるクラレッサの表情にも、いつもと違う変化があった。
感情の読めない冷たい目が特徴だったが、今自分を見るその目には人間味があった。
「・・・兄さま・・・」
か細い声がテレンスの耳に届き、それがテレンスを更に苛立たせた。
「クラレッサのあんな目・・・・・いったいいつ以来だ・・・くそッツ!」
ブレンダンの身を案じるような優しさと、兄に対して攻撃を止めて欲しいとすがるような弱い目。
右手の周りの空気が急速に冷えていく。
氷柱のように先が細く鋭く尖った氷が、いくつも空中で形作られる。
「ブレンダンーーーッツ!貴様よくもクラレッサを惑わせたなァァァーッツ!」
「刺氷弾か!?この魔力・・・ウィッカーと良い勝負じゃな」
テレンスが右腕を振るうと、数十発もの刺氷弾が、降り注ぐようにブレンダンに襲い掛かった。
青魔法使いであるブレンダンは、セオリー通り結界で防ぐ。
テレンスは空中から雨あられのように、矢継ぎ早に次弾を撃ち放ってくるがそれも結界で防ぐ。
結論を言ってしまえば、ウィッカー並みの魔力を持つテレンスであっても、爆裂弾、刺氷弾といった初級魔法でブレンダンの結界を突破する事は不可能である。
しかし、上級魔法を使用するわけにはいかない。
上級魔法ならば一発ではできなくとも、数発まとめればブレンダンの結界を破る事はできる。
だが、結界を破った勢いでクラレッサを巻き込んでしまう。
霊力で防ぐ事はしてくるだろう。クラレッサの霊力を考えれば、巻き込まれたとしても死ぬことは無い。
だが、兄としての感情が、クラレッサを巻き込む事をためらっていた。
それゆえに、こうして下級魔法を撃ち続けているのは、ブレンダンの足止めのためである。
結界を破る事ができない事は分かっている。だが、みすみす逃がすわけにもいかない。
そしてクラレッサとこれ以上話しをさせないためである。
余計な事を吹き込まれ、これ以上クラレッサの心を乱す事はさせない。
何を話したか分からないが、自分がここに着くまでの間に、ブレンダンはクラレッサの信頼の勝ち取っている。
これ以上は・・・・・
「ブレンダン!貴様は邪魔なんだよーッツ!」
叫び声を上げ、右手を高く振り上げる。
破壊のエネルギーが集中し、周囲の空気が弾け出す。
爆裂空破弾
爆発の中級魔法であるが、テレンスが放つそれは、上級魔法に匹敵する程の威力である。
テレンスの爆裂空破弾がブレンダン目掛けて撃ち放たれた。
「む!?この威力・・・妹まで巻き添えにするつもりか!?」
防ぐことはできる。
だが、自分に向けて撃たれた爆裂空破弾は、上級魔法に勝るとも劣らない威力だった。
もし結界が持たなかったら、このクラレッサまで巻き込んでしまう。
そんな事も分からんのか?
いや、こやつはワシを知っておった。ワシが防ぎきると信じておるのか?
防がれる事を前提にした攻撃だというのか?
ならば目的はなんじゃ?なにがしたい?
様々な疑問が頭をよぎるをが、今は防ぐしかない。
「クラレッサ!ちょいと衝撃が来るぞ、しっかり掴まっとれ!」
ブレンダンが前を見たまま声を上げると、その腰に腕が強く回された、
その直後、ブレンダンの結界に衝突した爆裂空破弾は、足元を大きく揺るがす程の爆発と共に、爆煙を巻き上げた。
「くっ、やるのう、中級魔法でこの威力か・・・クラレッサ、大丈夫か!?」
前を向いたまま腰にしがみつくクラレッサに言葉をかける。
「はい、大丈夫です。おじいさん、兄さまは怒っているようです。おじいさんの話しは聞きません。私が出て話しましょうか?」
「・・・そうするしかないかもしれんのう。ならば、この爆煙が治まり、視界が開けてからじゃ。今出れば、お主が撃たれるかも・・・」
クラレッサの提案に顔を向けたその時、ブレンダンの目の前に肘から先しかない手が突如現れた。
眼前ほんの数センチで広げられた手の平には、高密度の魔力が集中している。
「な・・・!?」
喉の奥からかすかに声がもれた次の瞬間、ブレンダンの顔が爆ぜた。
テレンスは一目で状況を把握した。
テレンスの放った氷魔法は、ブレンダンだけを狙ったものだった。
だが、すぐそばにいたクラレッサが巻き込まれないように、ブレンダンはクラレッサの手を掴み寄せ、結界を張って護った。
それはつまり、すでにブレンダンはクラレッサと心を通わせているという事だ。
自分に目を向けるクラレッサの表情にも、いつもと違う変化があった。
感情の読めない冷たい目が特徴だったが、今自分を見るその目には人間味があった。
「・・・兄さま・・・」
か細い声がテレンスの耳に届き、それがテレンスを更に苛立たせた。
「クラレッサのあんな目・・・・・いったいいつ以来だ・・・くそッツ!」
ブレンダンの身を案じるような優しさと、兄に対して攻撃を止めて欲しいとすがるような弱い目。
右手の周りの空気が急速に冷えていく。
氷柱のように先が細く鋭く尖った氷が、いくつも空中で形作られる。
「ブレンダンーーーッツ!貴様よくもクラレッサを惑わせたなァァァーッツ!」
「刺氷弾か!?この魔力・・・ウィッカーと良い勝負じゃな」
テレンスが右腕を振るうと、数十発もの刺氷弾が、降り注ぐようにブレンダンに襲い掛かった。
青魔法使いであるブレンダンは、セオリー通り結界で防ぐ。
テレンスは空中から雨あられのように、矢継ぎ早に次弾を撃ち放ってくるがそれも結界で防ぐ。
結論を言ってしまえば、ウィッカー並みの魔力を持つテレンスであっても、爆裂弾、刺氷弾といった初級魔法でブレンダンの結界を突破する事は不可能である。
しかし、上級魔法を使用するわけにはいかない。
上級魔法ならば一発ではできなくとも、数発まとめればブレンダンの結界を破る事はできる。
だが、結界を破った勢いでクラレッサを巻き込んでしまう。
霊力で防ぐ事はしてくるだろう。クラレッサの霊力を考えれば、巻き込まれたとしても死ぬことは無い。
だが、兄としての感情が、クラレッサを巻き込む事をためらっていた。
それゆえに、こうして下級魔法を撃ち続けているのは、ブレンダンの足止めのためである。
結界を破る事ができない事は分かっている。だが、みすみす逃がすわけにもいかない。
そしてクラレッサとこれ以上話しをさせないためである。
余計な事を吹き込まれ、これ以上クラレッサの心を乱す事はさせない。
何を話したか分からないが、自分がここに着くまでの間に、ブレンダンはクラレッサの信頼の勝ち取っている。
これ以上は・・・・・
「ブレンダン!貴様は邪魔なんだよーッツ!」
叫び声を上げ、右手を高く振り上げる。
破壊のエネルギーが集中し、周囲の空気が弾け出す。
爆裂空破弾
爆発の中級魔法であるが、テレンスが放つそれは、上級魔法に匹敵する程の威力である。
テレンスの爆裂空破弾がブレンダン目掛けて撃ち放たれた。
「む!?この威力・・・妹まで巻き添えにするつもりか!?」
防ぐことはできる。
だが、自分に向けて撃たれた爆裂空破弾は、上級魔法に勝るとも劣らない威力だった。
もし結界が持たなかったら、このクラレッサまで巻き込んでしまう。
そんな事も分からんのか?
いや、こやつはワシを知っておった。ワシが防ぎきると信じておるのか?
防がれる事を前提にした攻撃だというのか?
ならば目的はなんじゃ?なにがしたい?
様々な疑問が頭をよぎるをが、今は防ぐしかない。
「クラレッサ!ちょいと衝撃が来るぞ、しっかり掴まっとれ!」
ブレンダンが前を見たまま声を上げると、その腰に腕が強く回された、
その直後、ブレンダンの結界に衝突した爆裂空破弾は、足元を大きく揺るがす程の爆発と共に、爆煙を巻き上げた。
「くっ、やるのう、中級魔法でこの威力か・・・クラレッサ、大丈夫か!?」
前を向いたまま腰にしがみつくクラレッサに言葉をかける。
「はい、大丈夫です。おじいさん、兄さまは怒っているようです。おじいさんの話しは聞きません。私が出て話しましょうか?」
「・・・そうするしかないかもしれんのう。ならば、この爆煙が治まり、視界が開けてからじゃ。今出れば、お主が撃たれるかも・・・」
クラレッサの提案に顔を向けたその時、ブレンダンの目の前に肘から先しかない手が突如現れた。
眼前ほんの数センチで広げられた手の平には、高密度の魔力が集中している。
「な・・・!?」
喉の奥からかすかに声がもれた次の瞬間、ブレンダンの顔が爆ぜた。
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