異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎

文字の大きさ
725 / 1,560

724 アラタとカチュアの結婚式 ②

しおりを挟む
「うわぁ・・・カチュアちゃんめっちゃ綺麗だね」

神父の前に立つアラタとカチュア。
純白のウエディングドレスに身を包むカチュアを見つめて、シャノンは呟いた。

シャノンの髪は少しクセのある黒髪で、サイドをツイスト編みで仕上げている。
花の刺繍のレースの使いのドレスは、空色のとても爽やかな色使いだった。

「そうね。カチュアちゃん、久しぶりに会ったけど前よりずっと綺麗になったわね。えっと先月誕生日って聞いたから今19歳よね。なんだか急に大人の女性になったって感じがするわ」

シャノンの隣に座るリンジーは、口元に笑みを浮かべて神父の前に立つ二人を見つめている。

リンジーは腰より下まである長いシルバーグレーの髪を、肩よりしたくらいの高さで華やかに結び、ハーフアップにしてまとめている。
肩の辺りに程よく透け感があり、袖がレースの濃紺のドレスを着て、パールのネックレスを付けている。


「私より一つ年下なんて思えないです。すごく綺麗・・・・・いいなぁ」

長椅子の端に座るファビアナが羨ましそうにカチュアを見つめて呟くと、リンジーがファビアナの膝に手を置いて、ぽんぽんと叩いた。

「ファビアナ、あなたも婚約したんだし、そのうちウエディングドレスを着るのよ。ビリージョーさんにうんと綺麗なところ見せてあげてね。まぁ、今日のファビアナのドレス姿を見た時の反応を考えれば、想像できちゃうけどね」

そう言って、リンジーがウインクをして見せると、ファビアナは赤くなった頬を両手で押さえた。

ファビアナは淡いピンクのドレスを着ている。
ボリュームのある薄紫色の髪はアップにしてまとめているため、うなじが見える。
ビリージョは今日ファビアナに会った時、それを見て顔を赤くしていたのだ。

「・・・ね、ねぇリンジー・・・ビ、ビリージョーさん・・・私の事、どう思ったかな?」

頬を押さえたままチラリとリンジーに目を向けるファビアナ。

「あらあら、そんなの綺麗だなって思ったに決まってるじゃない」

恥ずかしそうに、けれどとても嬉しそうな笑顔のファビアナを見て、リンジーも優し気に微笑んだ。




「ビリージョー、お前のおかげでファビアナも望まない婚約をせずにすんだ。堅苦しい王宮暮らしもしないでよくなったし、本当に感謝してるぞ」

ガラハドは腕を組んで、隣に座るビリージョーに顔を向けた。
二人ともネイビーのスーツを着て、落ち着いた様子で椅子に腰を掛けている。

「・・・口には出さないが、ファビアナは俺とのんびり料理屋をやりたかったのかもしれない。けど、いくら王位継承権を放棄しても、王女には変わりない。平民に嫁ぐわけにはいかないだろ?アンリエール女王陛下の温情で子爵位をもらって、さらに後ろ盾にまでなっていただいて、やっと婚約を認めてもらえたけど、貴族になったからには料理だけをやるわけにはいかない。ファビアナにも苦労をかけると思う・・・」

ビリージョーが眉間を押すように指を当て目を閉じると、ガラハドはビリージョーの胸を軽く叩いた。

「何言ってんだよ?結婚したら、二人で支えあうのが普通だろ?ファビアナはお前と一緒なら、そんなの苦労にも思わないと思うぜ。親代わりで見て来た俺が断言してやる。だから、あんまり難しく考えんじゃねぇぞ?お前とファビアナの結婚式は、俺が泣くくらい幸せな顔を見せてくれよな?」

大柄なガラハドに肩を叩かれる。細かい事は気にするなと笑うガラハドにつられるように、ビリージョーも笑った。




「店長さん、お蔭様で今日の良き日を迎える事ができました」

「あの子のあんな幸せそうな顔、私達も初めて見ました」

カチュアの祖父母が一番前の席に腰をかけながら、隣に座る店長のバリオスに感謝の言葉を口にする。

「いえいえ、私は大した事はしておりません。カチュアさんは接客も丁寧だし、カチュアさんの作る傷薬はとても評判が良いんです。レイジェスになくてはならない存在なんです。こちらの方が助けられているんですよ。お相手のアラタも誠実な人柄ですから、きっと幸せになれますよ」

ニコリと微笑んで、普段のカチュアの様子を口にするバリオスに、カチュアの祖父母は目に涙を浮かべて何度も頷いた。

バリオスは神父の前に立つアラタとカチュアに顔を戻した。


神父の話しを聞きながら、幸せそうに微笑む二人を見つめていると、ふと自分の時が思い出される。
バリオスは長い金色の髪を結ぶ青い紐を、そっと指で撫でて目を閉じた。



純白のウエディングドレスに身を包むメアリーはとても綺麗だった。

あの日の事は今も昨日の事のように思い出せる。
今日のように穏やかな青空が広がっていて、みんなが祝福してくれた。


俺の人生で、一番幸せな日だった・・・・・・・


メアリー
ティナ

思い浮かぶのは最愛の妻と娘の笑顔・・・・・



「・・・店長さん?どう、されたんですか?」


カチュアの祖母ハンナが、驚きと心配の混じった声を出す。


「・・・え・・・あぁ、なんでもありません。幸せそうな二人に感動したんです」


ハンナに声をかけられて、いつの間にか両の眼から涙が零れている事に気が付き、笑って指で拭う。


「そう、ですか・・・」

じゃあ、なんでそんな悲しそうな目をしているんですか?
そう聞こうとして、ハンナは言葉を飲み込んだ。

バリオスは表情を戻して、アラタとカチュアを見つめている。
なにかを聞ける雰囲気でもなかったし、聞いてはいけないとも感じていた。


「失礼しました。さぁ、お孫さんの晴れの日です。式を見守りましょう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺! 神獣達のママ(♂)なんです!

青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。 世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。 王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。 その犯人は5体の神獣。 そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。 一件落着かと思えたこの事件。 だが、そんな中、叫ぶ男が1人。 「ふざけんなぁぁぁあ!!」 王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。 神獣達のママ(男)であった……。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった

ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。 学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。 だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。 暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。 よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!? ……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい! そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。 赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。 「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」 そう、他人事のように見送った俺だったが……。 直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。 「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」 ――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。

武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!

Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。 裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、 剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。 与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。 兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。 「ならば、この世界そのものを買い叩く」 漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。 冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力―― すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。 弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。 交渉は戦争、戦争は経営。 数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。 やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、 世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。 これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。 奪うのではない。支配するのでもない。 価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける―― 救済か、支配か。正義か、合理か。 その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。 異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。 「この世界には、村があり、町があり、国家がある。 ――全部まとめて、俺が買い叩く」

正しい聖女さまのつくりかた

みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。 同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。 一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」 そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた! 果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。 聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

異世界でカイゼン

soue kitakaze
ファンタジー
作者:北風 荘右衛(きたかぜ そうえ)  この物語は、よくある「異世界転生」ものです。  ただ ・転生時にチート能力はもらえません ・魔物退治用アイテムももらえません ・そもそも魔物退治はしません ・農業もしません ・でも魔法が当たり前にある世界で、魔物も魔王もいます  そこで主人公はなにをするのか。  改善手法を使った問題解決です。  主人公は現世にて「問題解決のエキスパート」であり、QC手法、IE手法、品質工学、ワークデザイン法、発想法など、問題解決技術に習熟しており、また優れた発想力を持つ人間です。ただそれを正統に評価されていないという鬱屈が溜まっていました。  そんな彼が飛ばされた異世界で、己の才覚ひとつで異世界を渡って行く。そういうお話をギャグを中心に描きます。簡単に言えば。 「人の死なない邪道ファンタジーな、異世界でカイゼンをするギャグ物語」 ということになります。

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍
ファンタジー
 "私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。  動けない、何もできない、そもそも身体がない。  自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。 ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。  それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

処理中です...