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725 アラタとカチュアの結婚式 ③
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「はい。誓います」
教会で行われた結婚式。神父の前でアラタとカチュアは愛を誓い合った。
誓いのキスを促され二人は向かい合った。
そっと手を伸ばして、アラタはゆっくりとカチュアのヴェールを上げる。
「・・・アラタ君」
自分を見つめる薄茶色の瞳、少し赤く染まった頬、ピンク色の唇から名前を呼ばれ、ふいに沢山の思い出が思い起こされた。
思えば、ずいぶん遠いところまで来た。
この世界に来てまだ一年も経っていない。けれどもうずいぶん長い時間を過ごしたように感じる。
日本にいる父と母、そして弟は今何をしているだろう。
ほんの一年前は、まさか自分が結婚をするなんて夢にも思わなかった。
そもそも自分は誰かと人生を歩んで行く事なんてできない。そうした協調性が無い人間だと思っていた。
けれどこの世界に来て、レイジェスで働いて、沢山の友人ができた。
そしてこれからの人生を一緒に生きていきたいと思える、大切の人までできた。
日本に残してきた家族の事は今も時折思い出す。
確執もあった。家族と顔を合わせる事が苦痛な時もあった。けれど今はとても懐かしい。
叶うならば一目でいいから会いたい。
そしてカチュアを、最愛の妻を紹介したい。
「・・・アラタ君、また考え事?」
「あ、えっと・・・ごめん」
カチュアがクスクス笑いながら、ジロリとアラタを見る。
「ヴェールを上げたらぼーっとするんだもん。アラタ君、こんな時まで何を考えてたの?」
「・・・うちの両親と弟にも、カチュアを紹介したかったなって」
笑って話すアラタだが、その瞳の奥が少しだけ寂しそうに見えて、カチュアはアラタの手を握った。
「アラタ君・・・これからは私がずっと一緒にいるよ。アラタ君が寂しくならないように、子供がいっぱいの楽しい家庭を作りたい。一緒に幸せになろう!」
「カチュア・・・うん、ありがとう。楽しい家庭を作ろう。俺はカチュアがいてくれて幸せだよ。カチュア・・・愛してる」
そして見つめあう二人は口づけを交わした。
誓いのキスを交わすと、盛大な拍手鳴り響き、おめでとうの言葉が飛び交った。
シャクール・バルデスも両手をたたき合わせながら、目を細めて優し気な声を出した。
「久しぶりに会ったが、アラタも良い顔つきになったな。以前も悪くはなかったが、どこか弱さが見えた。妻をめとるとこうも変わるものか」
「そうですね。とてもたくましくなられたと感じます。カチュアさんがそれだけ大切という事ですね。シャクール様、私も楽しみに待ってますね」
「フッ、もちろんだ。期待しておけ。バルデス家の当主の手の平返しをみただろう?サリーが女王陛下の養子になったと聞いて、目の色を変えて歓迎したのは笑えたな。サリーよ、私達もあの二人のように幸せを掴もう。これからも共にいてくれ」
サリーの手に自分の手を重ねて笑いかけると、サリーもその手に自分の手を重ねた。
「はい。サリーはこれからもずっと、シャクール様のお傍におります」
アンリエールの養子になり、バルデス家の当主に認められて以降、サリーはバルデスをシャクールと呼ぶようになった。
身分の違いを気にして、どうしてもその一歩が踏み込めないでいたが、周囲に認めらてようやく最後の一歩を踏み込む事ができたのである。
しばらくは恋人としての時間を楽しむため、結婚を先に延ばしているが、すでにお互いを十分に知っている二人は、まるで夫婦のようなたたずまいだった。
「いいなー・・・私もウエディングドレス着たいなぁ」
カチュアの花嫁姿を羨ましそうに見つめるミレーユは、自然と憧れが言葉に出ていた。
今日はジェロムと一緒に招待され、新調したドレスで参加した。
ライムグリーンのドレスと、それに合わせた白いボレロがとても爽やかな印象だった。
肩より下まで伸ばしたロングブラウンの髪は、あえてゆるくまとめて、抜け感を出したアップにまとめている。
「・・・あれ、着たいのか?」
ブラックスーツの襟を意味も無く正しながら、ミレーユの様子を伺うようにジェロムが問いかける。
「そりゃあ私も女だもん。一度は来てみたいよ。もらってくれる人がいればだけどね、あはは」
冗談めかして笑って見せると、ジェロムはわざとらしく咳払いをして、目を逸らしながらモゴモゴと話しだした。
「あ~、えぇっと、そ、そのよぉ・・・お、お前さえよけりゃ、その、お、俺と・・・一回、見に行ってみない?」
「・・・え?ジェロム君、どうしたの?何を見に行くの?」
きょとんとした表情でジェロムに顔を向けると、ミレーユは小首を傾げた。
「な、何をって、お前・・・ド、ドレ・・・」
「ウエディングドレス、ジェロム君が私に着せてくれるの?」
「なっ、お前!分かってんじゃねぇか!」
ニコニコした笑顔のミレーユに、ジェロムはからかわれたと知って顔を赤くする。
眉を寄せて睨み付けると、ミレーユはジェロムの膝にそっと手を置いた。
「嬉しいよ、ジェロム君。楽しみにしてるね」
「なっ!・・・あ、ああ、た、楽しみにしてろよな」
「うん!」
今着ている新調したばかりのドレスも、今朝ジェロムに褒められて嬉しかった。
けれど、自分にウエディングドレスを着せてくれると言うジェロムの気持ちは、それ以上に嬉しかった。
教会で行われた結婚式。神父の前でアラタとカチュアは愛を誓い合った。
誓いのキスを促され二人は向かい合った。
そっと手を伸ばして、アラタはゆっくりとカチュアのヴェールを上げる。
「・・・アラタ君」
自分を見つめる薄茶色の瞳、少し赤く染まった頬、ピンク色の唇から名前を呼ばれ、ふいに沢山の思い出が思い起こされた。
思えば、ずいぶん遠いところまで来た。
この世界に来てまだ一年も経っていない。けれどもうずいぶん長い時間を過ごしたように感じる。
日本にいる父と母、そして弟は今何をしているだろう。
ほんの一年前は、まさか自分が結婚をするなんて夢にも思わなかった。
そもそも自分は誰かと人生を歩んで行く事なんてできない。そうした協調性が無い人間だと思っていた。
けれどこの世界に来て、レイジェスで働いて、沢山の友人ができた。
そしてこれからの人生を一緒に生きていきたいと思える、大切の人までできた。
日本に残してきた家族の事は今も時折思い出す。
確執もあった。家族と顔を合わせる事が苦痛な時もあった。けれど今はとても懐かしい。
叶うならば一目でいいから会いたい。
そしてカチュアを、最愛の妻を紹介したい。
「・・・アラタ君、また考え事?」
「あ、えっと・・・ごめん」
カチュアがクスクス笑いながら、ジロリとアラタを見る。
「ヴェールを上げたらぼーっとするんだもん。アラタ君、こんな時まで何を考えてたの?」
「・・・うちの両親と弟にも、カチュアを紹介したかったなって」
笑って話すアラタだが、その瞳の奥が少しだけ寂しそうに見えて、カチュアはアラタの手を握った。
「アラタ君・・・これからは私がずっと一緒にいるよ。アラタ君が寂しくならないように、子供がいっぱいの楽しい家庭を作りたい。一緒に幸せになろう!」
「カチュア・・・うん、ありがとう。楽しい家庭を作ろう。俺はカチュアがいてくれて幸せだよ。カチュア・・・愛してる」
そして見つめあう二人は口づけを交わした。
誓いのキスを交わすと、盛大な拍手鳴り響き、おめでとうの言葉が飛び交った。
シャクール・バルデスも両手をたたき合わせながら、目を細めて優し気な声を出した。
「久しぶりに会ったが、アラタも良い顔つきになったな。以前も悪くはなかったが、どこか弱さが見えた。妻をめとるとこうも変わるものか」
「そうですね。とてもたくましくなられたと感じます。カチュアさんがそれだけ大切という事ですね。シャクール様、私も楽しみに待ってますね」
「フッ、もちろんだ。期待しておけ。バルデス家の当主の手の平返しをみただろう?サリーが女王陛下の養子になったと聞いて、目の色を変えて歓迎したのは笑えたな。サリーよ、私達もあの二人のように幸せを掴もう。これからも共にいてくれ」
サリーの手に自分の手を重ねて笑いかけると、サリーもその手に自分の手を重ねた。
「はい。サリーはこれからもずっと、シャクール様のお傍におります」
アンリエールの養子になり、バルデス家の当主に認められて以降、サリーはバルデスをシャクールと呼ぶようになった。
身分の違いを気にして、どうしてもその一歩が踏み込めないでいたが、周囲に認めらてようやく最後の一歩を踏み込む事ができたのである。
しばらくは恋人としての時間を楽しむため、結婚を先に延ばしているが、すでにお互いを十分に知っている二人は、まるで夫婦のようなたたずまいだった。
「いいなー・・・私もウエディングドレス着たいなぁ」
カチュアの花嫁姿を羨ましそうに見つめるミレーユは、自然と憧れが言葉に出ていた。
今日はジェロムと一緒に招待され、新調したドレスで参加した。
ライムグリーンのドレスと、それに合わせた白いボレロがとても爽やかな印象だった。
肩より下まで伸ばしたロングブラウンの髪は、あえてゆるくまとめて、抜け感を出したアップにまとめている。
「・・・あれ、着たいのか?」
ブラックスーツの襟を意味も無く正しながら、ミレーユの様子を伺うようにジェロムが問いかける。
「そりゃあ私も女だもん。一度は来てみたいよ。もらってくれる人がいればだけどね、あはは」
冗談めかして笑って見せると、ジェロムはわざとらしく咳払いをして、目を逸らしながらモゴモゴと話しだした。
「あ~、えぇっと、そ、そのよぉ・・・お、お前さえよけりゃ、その、お、俺と・・・一回、見に行ってみない?」
「・・・え?ジェロム君、どうしたの?何を見に行くの?」
きょとんとした表情でジェロムに顔を向けると、ミレーユは小首を傾げた。
「な、何をって、お前・・・ド、ドレ・・・」
「ウエディングドレス、ジェロム君が私に着せてくれるの?」
「なっ、お前!分かってんじゃねぇか!」
ニコニコした笑顔のミレーユに、ジェロムはからかわれたと知って顔を赤くする。
眉を寄せて睨み付けると、ミレーユはジェロムの膝にそっと手を置いた。
「嬉しいよ、ジェロム君。楽しみにしてるね」
「なっ!・・・あ、ああ、た、楽しみにしてろよな」
「うん!」
今着ている新調したばかりのドレスも、今朝ジェロムに褒められて嬉しかった。
けれど、自分にウエディングドレスを着せてくれると言うジェロムの気持ちは、それ以上に嬉しかった。
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