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1268 レイチェル 対 バーフラム
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この瞬間を待っていました!
陽が目にかかったのは偶然だと思いますか?いいえ違います、私はあなたと兵達との戦いを見て、あなたが私に匹敵する、あるいは上回るかもしれない戦闘力を持っていると理解しました。
正面から戦っても勝てる自信はあります。ですがこれは戦争です。目的のためにはできるだけ体力を残したまま勝たねばなりません。
であるならば、利用できるものは利用しなければならないでしょう?
この時間、少しづつ陽が傾いてきます。私は兵士達の影を渡り歩きながら、どの位置ならばあなたの視界を奪う事ができるのか、影の中でそれを計算していたんですよ。
最初の一撃もやはりあなたは防いだ。
もちろんあれで仕留められれば最良でしたが、こうなる事は想定内です。
本命の策はこれです。実力者であるあなたならばお分かりでしょう。
私とあなた程の力量の者が戦えば、瞬き程の一瞬の隙が致命的だと。
あなたは陽射しで視界を遮られた。この一撃は躱せない!
「お終いですッッッッッツ!」
最速で最短の距離を走り、バーフラムは大振りのナイフを真っすぐに突き出した!
こいつッ!
私の目に陽が当たり、視界が遮られるこの瞬間を狙っていたのか!?
強い光にこの立ち位置では、とてもまともに目を開ける事ができない。
背後からの奇襲の一撃だけではなかった。
私の立ち位置を巧妙に誘導し、自分は陽を背負うように、そして私の目には刺さるように仕組んだ。
やってくれるじゃないか。
だがな、あまり私を甘くみるなよ?目を眩ませた程度で殺れると思ったか?
舐めるな!
私の師は、風と生きるカエストゥス国のウィッカー・バリオスだ!
視覚を封じられた時の戦い方だって、当然習得しているんだ!
「ウォォォォォーーーーーーーーッツ!」
自分の胸を狙い真っすぐに突き出されたバーフラムのナイフを、私は左手に握るナイフを打ち下ろすように振るい叩き落した!
「ッ!?な、にぃぃぃぃぃッツ!?」
「そこだッ!」
今ので距離は掴んだ!
右足で地面を蹴り、腰を左に回しながら右腕を振り抜く!
「ぐッ!バ、バカな!」
握ったナイフの刃先から微かに伝わって来た感触に、相対する男の肉をかすめた事を知る。
首に狙いをつけたが、頭を振って躱したらしい。ならば切ったのはおそらく頬だな。
バカな?だと、呑気な男だ。目が見えなければ戦えないとでも思っているのか?
店長は言っていた、風を感じろと。
肌に触れる風の動き、耳に聞こえる音、足に伝わる振動、それら全てが敵の位置を教えてくれるんだ。
強い光が目に刺さる。この立ち位置では、とてもまともに目を開ける事ができない。
ならばどうする?半端に開けるくらいならば、いっそ瞼を閉じて視覚は遮断した方がいい。
「私は目を閉じても貴様に勝てるぞ」
「なんだと!?」
腰を右に回しながら、左足でバーフラムの右足を蹴りつける!狙い通り膝に当たったようだ。
「ぐぁッ!」
こいつは漆黒の鎧を身に着けていた。だが全身をガチガチに固めるのではなく、ある程度の動きやすさを重要視した物だった。関節部分に装備は無く、剥き出しだった事が仇(あだ)になったな。
さっき私に突っ込んで来た時のスピードは、軽量化した装備だからこそ出せたものだろう。
だがそれで決められなかった事がお前の敗因だ。
私の攻撃はここからだ。
「ハァァァァァァーーーーーーーーッツ!」
右足を蹴られたバーフラムの体がガクリと右側に崩れたところに、右のナイフをまっすぐに突き出す!
「くっ!」
バーフラムは左の腕当てを前に出して弾いてくるが、鋭い突きは漆黒の腕当てを大きく抉り、噴き出した赤い血が宙に撒き散らされる。
腰を右に捻り、左の下段蹴りを繰り出す!バーフラムの右足脛を蹴りつけた。
再びバーフラムの体が右側に傾いたところに、左のナイフを振り上げて首筋に斬りかかる!
バーフラムは右の腕当てを出してナイフを弾くが、ナイフはバーフラムの右腕も深く抉り取った。
ナイフが弾かれる事は想定していた。私はそれを前提に技を組み立てている。貴様の両腕はこれでもう使い物になるまい。
「ぐぅッ・・・!」
バーフラムの顔が痛みに歪む。
終わりだ!
腰を右に捻り、左の蹴りを右脇腹に叩き込む!バーフラムは脇を締めて右肘を曲げ、右腕で受けようとするが、ナイフで抉られた腕当ては破壊され、そのままバーフラムの右腕をもへし折り、衝撃は腹部にまで響いた。
苦痛に声を漏らすバーフラムの腹に左膝を突き刺す!胃袋が圧し潰され、肺の中の空気も無理やり吐き出されてバーフラムの意識が一瞬遠退く。
ぐらりと上半身が下がったところに、右足を振り上げて顎を蹴り抜く!
上顎と下顎が強烈にぶつけ合わされ、衝撃に耐えきれなかった何本かの歯が砕けて飛び散った。
顎が跳ね上がった事でガラ空きになった喉に、右手に握るナイフを滑らせ斬りかかる!
「ぐッ!おぉぉぉぉぉーーーーーーーーッツ!」
多大なダメージを受けたが、バーフラムはまだ戦意を失っていなかった。
ギラリと目を光らせ、バーフラムは左腕をレイチェルのナイフの前に出した。
「ッ!?」
刃が肉を斬り裂く感触が伝わって来る。
レイチェルの右のナイフは、バーフラムの左手の平を刺し貫いた。
「ウォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッツ!」
バーフラムはそのまま左手を押し込んだ。
押し込む程に深く入る刃が傷口を広げ、強烈な痛みが腕から脳天に突き刺さる。だがそれ以上にこのまま負けるわけにはいかないという断固たる意志がバーフラムを動かし、ナイフを握るレイチェルの右手をそのまま掴んだ。
「むっ!」
右手を掴まれたレイチェルは、残った左手に握るナイフを振るい、バーフラムの首を狙った。
「っ!?」
バーフラムはレイチェルの蹴りで右腕を折られたため、右側はがら空きだった。
だがバーフラムは折れた右腕を持ち上げ首を守り、レイチェルに右腕を刺させたのである。
即座にナイフを抜こうと左手を引く。だがナイフはまるで万力にでも挟まれたかのようにガッチリと固められ、びくりとも動かなかった。
「きさま、まさか筋肉で・・・!?」
そう、バーフラムはあえて腕を刺させた。
そして筋肉を緊張させる事でナイフを抜けなくし、レイチェルから武器を奪ったのだ。
「ハァッ!・・・ハァッ!・・・つ、捕まえたぞ!」
さっきまでの品位ある佇まいはもはや無くなっていた。
何本もの歯を折られた口からはボタボタと血が流れ落ち、一方的に打ちのめされ屈辱と痛みで、その目には怒りの炎が燃え上がっていた。
しかし武器は無く、右腕はへし折られ、左腕も使い物にならない。
足は使えるが、ここから蹴りで逆転できる公算も無い。なりふりかまわなければ噛みつきもあるが、歯も何本も折られている。
そして今ここで腕を離せば、もう二度と捕まえる事はできないだろう。
ならば残された攻撃手段は一つ
「ハァッ!フゥッ!・・・ガァァァァァァーーーーーーッツ!」
バーフラムは上半身を大きくのけ反らせると、反動を付けて頭を振った!
目の前の相手の頭を砕く事のみを考えた全力の頭突きである。その結果、自分の頭も砕けようとかまわない。何が何でもここで赤毛の女を殺す。それほどの覚悟の一撃だった。
レイチェルはナイフを持つ右手は押さえられ、左手のナイフも奪われた。
躱す事はできない。ナイフを離し、左腕で防御ができない事はないが、バーフラムのこの一撃は、まともに受ければレイチェルの左腕を粉々に砕くだろう。いや、それどころか衝撃は腕を貫き体にも胸や腹にも大きなダメージを与えかねない。
ここでそれだけのダメージを負う事は避けたい。
一見レイチェルは追い込まれたように見えた。だがレイチェルに焦りはなかった。
「お前、私が打撃だけだと思ってるだろ?」
バーフラムに握られている右手には、決して離すまいとする強い力がかかっている。
重要なものは重心の移動と脱力、そしてこの右手にかかっている力の流れをずらす!
バーフラムは何をされたのか分からなかった。
ただ目の前にいた赤毛の女の姿が上下逆転し、自分の体が浮いたと感じた一瞬の後、背中から胸を強烈な衝撃が突き抜けた。
「カッ・・・・・・ァ!」
全身が痺れ、指先すら満足に動かせない。呼吸すらままならず、空の青さも目に入らない。
両手両足を投げ出したまま倒れているバーフラムの耳に、たった今ままで戦っていた女の声が届いた。
「私が打撃だけだと思ったのがお前の敗因だ」
それがバーフラムが耳にした最後の言葉だった。
喉に鋭い痛みが走った直後、意識は闇の中へと沈んでいった。
「・・・ふぅ・・・店長、やっぱり私はまだまだです」
レイチェルはゆっくりと目を開けて、額の汗を拭った。
目を閉じたままでは消耗が何倍も違う。
視覚以外を頼りに戦うためには、全神経を限界まで集中させる必要がある。
「もっと鍛えないとな・・・」
・・・影の四人衆か・・・あと三人いるという事だな。
唐突に表れたこいつの能力は確認できなかったが、他の三人も同様の事ができるかもしれない。
みんな、気をつけろよ。
陽が目にかかったのは偶然だと思いますか?いいえ違います、私はあなたと兵達との戦いを見て、あなたが私に匹敵する、あるいは上回るかもしれない戦闘力を持っていると理解しました。
正面から戦っても勝てる自信はあります。ですがこれは戦争です。目的のためにはできるだけ体力を残したまま勝たねばなりません。
であるならば、利用できるものは利用しなければならないでしょう?
この時間、少しづつ陽が傾いてきます。私は兵士達の影を渡り歩きながら、どの位置ならばあなたの視界を奪う事ができるのか、影の中でそれを計算していたんですよ。
最初の一撃もやはりあなたは防いだ。
もちろんあれで仕留められれば最良でしたが、こうなる事は想定内です。
本命の策はこれです。実力者であるあなたならばお分かりでしょう。
私とあなた程の力量の者が戦えば、瞬き程の一瞬の隙が致命的だと。
あなたは陽射しで視界を遮られた。この一撃は躱せない!
「お終いですッッッッッツ!」
最速で最短の距離を走り、バーフラムは大振りのナイフを真っすぐに突き出した!
こいつッ!
私の目に陽が当たり、視界が遮られるこの瞬間を狙っていたのか!?
強い光にこの立ち位置では、とてもまともに目を開ける事ができない。
背後からの奇襲の一撃だけではなかった。
私の立ち位置を巧妙に誘導し、自分は陽を背負うように、そして私の目には刺さるように仕組んだ。
やってくれるじゃないか。
だがな、あまり私を甘くみるなよ?目を眩ませた程度で殺れると思ったか?
舐めるな!
私の師は、風と生きるカエストゥス国のウィッカー・バリオスだ!
視覚を封じられた時の戦い方だって、当然習得しているんだ!
「ウォォォォォーーーーーーーーッツ!」
自分の胸を狙い真っすぐに突き出されたバーフラムのナイフを、私は左手に握るナイフを打ち下ろすように振るい叩き落した!
「ッ!?な、にぃぃぃぃぃッツ!?」
「そこだッ!」
今ので距離は掴んだ!
右足で地面を蹴り、腰を左に回しながら右腕を振り抜く!
「ぐッ!バ、バカな!」
握ったナイフの刃先から微かに伝わって来た感触に、相対する男の肉をかすめた事を知る。
首に狙いをつけたが、頭を振って躱したらしい。ならば切ったのはおそらく頬だな。
バカな?だと、呑気な男だ。目が見えなければ戦えないとでも思っているのか?
店長は言っていた、風を感じろと。
肌に触れる風の動き、耳に聞こえる音、足に伝わる振動、それら全てが敵の位置を教えてくれるんだ。
強い光が目に刺さる。この立ち位置では、とてもまともに目を開ける事ができない。
ならばどうする?半端に開けるくらいならば、いっそ瞼を閉じて視覚は遮断した方がいい。
「私は目を閉じても貴様に勝てるぞ」
「なんだと!?」
腰を右に回しながら、左足でバーフラムの右足を蹴りつける!狙い通り膝に当たったようだ。
「ぐぁッ!」
こいつは漆黒の鎧を身に着けていた。だが全身をガチガチに固めるのではなく、ある程度の動きやすさを重要視した物だった。関節部分に装備は無く、剥き出しだった事が仇(あだ)になったな。
さっき私に突っ込んで来た時のスピードは、軽量化した装備だからこそ出せたものだろう。
だがそれで決められなかった事がお前の敗因だ。
私の攻撃はここからだ。
「ハァァァァァァーーーーーーーーッツ!」
右足を蹴られたバーフラムの体がガクリと右側に崩れたところに、右のナイフをまっすぐに突き出す!
「くっ!」
バーフラムは左の腕当てを前に出して弾いてくるが、鋭い突きは漆黒の腕当てを大きく抉り、噴き出した赤い血が宙に撒き散らされる。
腰を右に捻り、左の下段蹴りを繰り出す!バーフラムの右足脛を蹴りつけた。
再びバーフラムの体が右側に傾いたところに、左のナイフを振り上げて首筋に斬りかかる!
バーフラムは右の腕当てを出してナイフを弾くが、ナイフはバーフラムの右腕も深く抉り取った。
ナイフが弾かれる事は想定していた。私はそれを前提に技を組み立てている。貴様の両腕はこれでもう使い物になるまい。
「ぐぅッ・・・!」
バーフラムの顔が痛みに歪む。
終わりだ!
腰を右に捻り、左の蹴りを右脇腹に叩き込む!バーフラムは脇を締めて右肘を曲げ、右腕で受けようとするが、ナイフで抉られた腕当ては破壊され、そのままバーフラムの右腕をもへし折り、衝撃は腹部にまで響いた。
苦痛に声を漏らすバーフラムの腹に左膝を突き刺す!胃袋が圧し潰され、肺の中の空気も無理やり吐き出されてバーフラムの意識が一瞬遠退く。
ぐらりと上半身が下がったところに、右足を振り上げて顎を蹴り抜く!
上顎と下顎が強烈にぶつけ合わされ、衝撃に耐えきれなかった何本かの歯が砕けて飛び散った。
顎が跳ね上がった事でガラ空きになった喉に、右手に握るナイフを滑らせ斬りかかる!
「ぐッ!おぉぉぉぉぉーーーーーーーーッツ!」
多大なダメージを受けたが、バーフラムはまだ戦意を失っていなかった。
ギラリと目を光らせ、バーフラムは左腕をレイチェルのナイフの前に出した。
「ッ!?」
刃が肉を斬り裂く感触が伝わって来る。
レイチェルの右のナイフは、バーフラムの左手の平を刺し貫いた。
「ウォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッツ!」
バーフラムはそのまま左手を押し込んだ。
押し込む程に深く入る刃が傷口を広げ、強烈な痛みが腕から脳天に突き刺さる。だがそれ以上にこのまま負けるわけにはいかないという断固たる意志がバーフラムを動かし、ナイフを握るレイチェルの右手をそのまま掴んだ。
「むっ!」
右手を掴まれたレイチェルは、残った左手に握るナイフを振るい、バーフラムの首を狙った。
「っ!?」
バーフラムはレイチェルの蹴りで右腕を折られたため、右側はがら空きだった。
だがバーフラムは折れた右腕を持ち上げ首を守り、レイチェルに右腕を刺させたのである。
即座にナイフを抜こうと左手を引く。だがナイフはまるで万力にでも挟まれたかのようにガッチリと固められ、びくりとも動かなかった。
「きさま、まさか筋肉で・・・!?」
そう、バーフラムはあえて腕を刺させた。
そして筋肉を緊張させる事でナイフを抜けなくし、レイチェルから武器を奪ったのだ。
「ハァッ!・・・ハァッ!・・・つ、捕まえたぞ!」
さっきまでの品位ある佇まいはもはや無くなっていた。
何本もの歯を折られた口からはボタボタと血が流れ落ち、一方的に打ちのめされ屈辱と痛みで、その目には怒りの炎が燃え上がっていた。
しかし武器は無く、右腕はへし折られ、左腕も使い物にならない。
足は使えるが、ここから蹴りで逆転できる公算も無い。なりふりかまわなければ噛みつきもあるが、歯も何本も折られている。
そして今ここで腕を離せば、もう二度と捕まえる事はできないだろう。
ならば残された攻撃手段は一つ
「ハァッ!フゥッ!・・・ガァァァァァァーーーーーーッツ!」
バーフラムは上半身を大きくのけ反らせると、反動を付けて頭を振った!
目の前の相手の頭を砕く事のみを考えた全力の頭突きである。その結果、自分の頭も砕けようとかまわない。何が何でもここで赤毛の女を殺す。それほどの覚悟の一撃だった。
レイチェルはナイフを持つ右手は押さえられ、左手のナイフも奪われた。
躱す事はできない。ナイフを離し、左腕で防御ができない事はないが、バーフラムのこの一撃は、まともに受ければレイチェルの左腕を粉々に砕くだろう。いや、それどころか衝撃は腕を貫き体にも胸や腹にも大きなダメージを与えかねない。
ここでそれだけのダメージを負う事は避けたい。
一見レイチェルは追い込まれたように見えた。だがレイチェルに焦りはなかった。
「お前、私が打撃だけだと思ってるだろ?」
バーフラムに握られている右手には、決して離すまいとする強い力がかかっている。
重要なものは重心の移動と脱力、そしてこの右手にかかっている力の流れをずらす!
バーフラムは何をされたのか分からなかった。
ただ目の前にいた赤毛の女の姿が上下逆転し、自分の体が浮いたと感じた一瞬の後、背中から胸を強烈な衝撃が突き抜けた。
「カッ・・・・・・ァ!」
全身が痺れ、指先すら満足に動かせない。呼吸すらままならず、空の青さも目に入らない。
両手両足を投げ出したまま倒れているバーフラムの耳に、たった今ままで戦っていた女の声が届いた。
「私が打撃だけだと思ったのがお前の敗因だ」
それがバーフラムが耳にした最後の言葉だった。
喉に鋭い痛みが走った直後、意識は闇の中へと沈んでいった。
「・・・ふぅ・・・店長、やっぱり私はまだまだです」
レイチェルはゆっくりと目を開けて、額の汗を拭った。
目を閉じたままでは消耗が何倍も違う。
視覚以外を頼りに戦うためには、全神経を限界まで集中させる必要がある。
「もっと鍛えないとな・・・」
・・・影の四人衆か・・・あと三人いるという事だな。
唐突に表れたこいつの能力は確認できなかったが、他の三人も同様の事ができるかもしれない。
みんな、気をつけろよ。
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