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1399 闇を宿した力
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死者の兵隊を踏み台に跳んだソフィアは、フリオサザール・カラスコの頭上を取った。
単純な命令しか受けられない死者達は、ソフィアが空中に跳んでも反応は鈍い。顔を上げる者もいれば、最初の命令通りに前に進むだけの者もいる。
カラスコは確かに死者を操る事は出来る。痛みや恐怖を感じる事なく突き進む死者達は、物量としてものを言わせる分には驚異的だろう。しかしその精度は低い。こうして自分達の主に迫る敵がいても、咄嗟の対応ができないのだから。
「もらったぁーーーーッツ!」
右足に渾身の力を込めて、カラスコの左側頭部を目掛けて蹴りつける!
「ふん」
己の頭部に迫り来るソフィアの蹴りを見ても、カラスコの表情には動揺も焦りも浮かぶ事はなかった。
ただ、カラスコはフィアの蹴りに視線だけを向けると、己の頭を護るように闇の瘴気が厚く集中した。
ソフィアの蹴りは生身であれば、カラスコの頭を砕くには十分な破壊力を持っていた。しかしカラスコの体から溢れる闇の瘴気は、難なくソフィアの蹴りを受け止めた。
「ッ!?」
死者達の体を覆う闇の瘴気とは、質も量もまるで違う。この蹴りで死者達は倒す事ができた。しかしカラスコには届かせる事さえできない。カラスコの闇は頑強でびくともしない。ソフィアが自身の脚に感じた感触は、まるで大岩でも蹴りつけたかと思うものだった。
「すげぇ蹴りだってのは認めるぜ。闇で強化した死人共を倒せるのも納得だ。だが本当の闇を宿している俺には通用しねぇがなぁぁぁぁぁーーーーーーーッツ!」
カラスコはそのまま左手でソフィアの右足を掴むと、力任せにソフィアの体を頭の上に持ち上げた!
「なッ!?」
ソフィアは驚愕した。魔法使いのカラスコが、腕一本で自分を持ち上げたからだ。
女とはいえ、人一人を腕一本で持ち上げるなど容易ではない。
ありえない!魔道具か!?いや・・・これは、まさか!
ソフィアがそれに気づいた時、カラスコは闇に染まった真っ黒の目を細めて嗤った。
「そうだ、これも闇の力だ。体力型をもはるかに凌駕する力を俺は手に入れた」
その身に闇を宿したカラスコの身体能力は、もはや魔法使いのソレとは別物だった。
体中から溢れ出るドス黒い瘴気、体内にも満ち満ちている闇はカラスコに新たなる力を与えていた。
それがこの腕力だ。
「ぶっ潰れろォォォォォーーーーーーーーッツ!」
叫び声を上げてソフィアの体を地面に向けて振り下ろす!
「ぐぅッ!」
ま、まずい!これは・・・・・!
このまま頭から叩きつけられたら、おそらく耐えきれない。
地面にぶつけられるまでのほんの一瞬、刹那の時にソフィアの脳裏に浮かんだイメージは、明確な死だった。
轟音を響かせたその一撃は地面を砕いた。
ソフィアの体は地中にめり込み、砕かれた石と土が巻き上げられる。
地面を砕く程の一撃は、ソフィアの足を握るカラスコの左腕、そして体にも大きな衝撃を与えた。
本来ならば魔法使いのカラスコが耐えられるものではない。反動で倒れてしまっただろう。しかし闇の力で護られた肉体には、まるで何も感じるものがなかった。
そしてせっかく捕まえた敵を、たった一撃で終わらすはずもなかった。
「ふははははは!どうだ!これが闇の力だ!脳みそぶちまけてくたばりやがれ!」
カラスコはソフィアの足を握る左腕に力を込めると、再び頭上高くに振り上げた!
土煙の中からソフィアの体が姿を現す!そしてカラスコの頭の上にまで持ち上げられると、再び地面に叩きつける!
「ウッシァァァァァーーーーー!ウオラァァァァァァーーーーーーーーッツ!」
持ち上げては叩く!叩く!叩く!叩きつけるッ!
フリオサザール・カラスコは、何度も何度もソフィアの体を地面に叩きつけた!
その執拗さは、ここまでソフィアにやられたうっ憤を晴らすだけではない、この女さえ倒せばあとは烏合の衆、自分の闇に太刀打ちできる者はいない、この戦場での勝ちが確定する!
一方的に攻め続けられる、この好機を逃すなどありえない!
万分の一の紛れもなく確実な勝利を手にする!そのために己が足を握る女を、粉砕するかのように叩き続けた!
驚異的な闇の力で、人一人を振り上げては叩き落とす。
幾度となく繰り返されたソレによって、カラスコを中心に周囲の地面は大きく割れて陥没していた。
そして巻き上がる土煙がカラスコの姿さえも消してしまった頃、カラスコは振り下ろしたその手をようやく止めた。
「・・・ふっふっふっ・・・ははははははは!・・・・終わったな。どれ、もう原型なんざ残ってねぇだろうが、ミンチ肉でも見てや・・・・・っ!?」
堅い地面にこれだけ叩きつけたのだ、肉は飛び散り、骨は粉々になり、もはや人の形を成してはいないだろう。
カラスコは掴んでいたソフィアの足を離すと、闇の瘴気で土煙を払いのけ・・・そして絶句した。
「・・・よぉ、良いマッサージだったよ。もう終わりか?」
陥没した地面の上で、頭の後ろで両手を組み、くつろぐように横になっているソフィア・ラルチネーゼが、余裕の笑みをカラスコに向けているのだ。ミンチどころか、その体にはかすり傷一つ無い。
「て、てめぇ・・・な、なんだそれは!?」
目を見開き、ソフィアを指さすカラスコ。
明らかな動揺が感じられる声に、ソフィアはフッと鼻で笑って、ゆっくりと立ち上がる。
そしてソフィアが動くと、ソフィアの体を包む薄青色の水も、それに合わせて動いた。
「・・・まったく、闇の力ってのは本当にすごいね。危うく死ぬとこだったよ。でも、アタシに水の精霊の力を使わせたら、もうあんたに勝ち目はないよ」
単純な命令しか受けられない死者達は、ソフィアが空中に跳んでも反応は鈍い。顔を上げる者もいれば、最初の命令通りに前に進むだけの者もいる。
カラスコは確かに死者を操る事は出来る。痛みや恐怖を感じる事なく突き進む死者達は、物量としてものを言わせる分には驚異的だろう。しかしその精度は低い。こうして自分達の主に迫る敵がいても、咄嗟の対応ができないのだから。
「もらったぁーーーーッツ!」
右足に渾身の力を込めて、カラスコの左側頭部を目掛けて蹴りつける!
「ふん」
己の頭部に迫り来るソフィアの蹴りを見ても、カラスコの表情には動揺も焦りも浮かぶ事はなかった。
ただ、カラスコはフィアの蹴りに視線だけを向けると、己の頭を護るように闇の瘴気が厚く集中した。
ソフィアの蹴りは生身であれば、カラスコの頭を砕くには十分な破壊力を持っていた。しかしカラスコの体から溢れる闇の瘴気は、難なくソフィアの蹴りを受け止めた。
「ッ!?」
死者達の体を覆う闇の瘴気とは、質も量もまるで違う。この蹴りで死者達は倒す事ができた。しかしカラスコには届かせる事さえできない。カラスコの闇は頑強でびくともしない。ソフィアが自身の脚に感じた感触は、まるで大岩でも蹴りつけたかと思うものだった。
「すげぇ蹴りだってのは認めるぜ。闇で強化した死人共を倒せるのも納得だ。だが本当の闇を宿している俺には通用しねぇがなぁぁぁぁぁーーーーーーーッツ!」
カラスコはそのまま左手でソフィアの右足を掴むと、力任せにソフィアの体を頭の上に持ち上げた!
「なッ!?」
ソフィアは驚愕した。魔法使いのカラスコが、腕一本で自分を持ち上げたからだ。
女とはいえ、人一人を腕一本で持ち上げるなど容易ではない。
ありえない!魔道具か!?いや・・・これは、まさか!
ソフィアがそれに気づいた時、カラスコは闇に染まった真っ黒の目を細めて嗤った。
「そうだ、これも闇の力だ。体力型をもはるかに凌駕する力を俺は手に入れた」
その身に闇を宿したカラスコの身体能力は、もはや魔法使いのソレとは別物だった。
体中から溢れ出るドス黒い瘴気、体内にも満ち満ちている闇はカラスコに新たなる力を与えていた。
それがこの腕力だ。
「ぶっ潰れろォォォォォーーーーーーーーッツ!」
叫び声を上げてソフィアの体を地面に向けて振り下ろす!
「ぐぅッ!」
ま、まずい!これは・・・・・!
このまま頭から叩きつけられたら、おそらく耐えきれない。
地面にぶつけられるまでのほんの一瞬、刹那の時にソフィアの脳裏に浮かんだイメージは、明確な死だった。
轟音を響かせたその一撃は地面を砕いた。
ソフィアの体は地中にめり込み、砕かれた石と土が巻き上げられる。
地面を砕く程の一撃は、ソフィアの足を握るカラスコの左腕、そして体にも大きな衝撃を与えた。
本来ならば魔法使いのカラスコが耐えられるものではない。反動で倒れてしまっただろう。しかし闇の力で護られた肉体には、まるで何も感じるものがなかった。
そしてせっかく捕まえた敵を、たった一撃で終わらすはずもなかった。
「ふははははは!どうだ!これが闇の力だ!脳みそぶちまけてくたばりやがれ!」
カラスコはソフィアの足を握る左腕に力を込めると、再び頭上高くに振り上げた!
土煙の中からソフィアの体が姿を現す!そしてカラスコの頭の上にまで持ち上げられると、再び地面に叩きつける!
「ウッシァァァァァーーーーー!ウオラァァァァァァーーーーーーーーッツ!」
持ち上げては叩く!叩く!叩く!叩きつけるッ!
フリオサザール・カラスコは、何度も何度もソフィアの体を地面に叩きつけた!
その執拗さは、ここまでソフィアにやられたうっ憤を晴らすだけではない、この女さえ倒せばあとは烏合の衆、自分の闇に太刀打ちできる者はいない、この戦場での勝ちが確定する!
一方的に攻め続けられる、この好機を逃すなどありえない!
万分の一の紛れもなく確実な勝利を手にする!そのために己が足を握る女を、粉砕するかのように叩き続けた!
驚異的な闇の力で、人一人を振り上げては叩き落とす。
幾度となく繰り返されたソレによって、カラスコを中心に周囲の地面は大きく割れて陥没していた。
そして巻き上がる土煙がカラスコの姿さえも消してしまった頃、カラスコは振り下ろしたその手をようやく止めた。
「・・・ふっふっふっ・・・ははははははは!・・・・終わったな。どれ、もう原型なんざ残ってねぇだろうが、ミンチ肉でも見てや・・・・・っ!?」
堅い地面にこれだけ叩きつけたのだ、肉は飛び散り、骨は粉々になり、もはや人の形を成してはいないだろう。
カラスコは掴んでいたソフィアの足を離すと、闇の瘴気で土煙を払いのけ・・・そして絶句した。
「・・・よぉ、良いマッサージだったよ。もう終わりか?」
陥没した地面の上で、頭の後ろで両手を組み、くつろぐように横になっているソフィア・ラルチネーゼが、余裕の笑みをカラスコに向けているのだ。ミンチどころか、その体にはかすり傷一つ無い。
「て、てめぇ・・・な、なんだそれは!?」
目を見開き、ソフィアを指さすカラスコ。
明らかな動揺が感じられる声に、ソフィアはフッと鼻で笑って、ゆっくりと立ち上がる。
そしてソフィアが動くと、ソフィアの体を包む薄青色の水も、それに合わせて動いた。
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