異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎

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1435 別次元の硬度

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帝国軍第三師団長ザビル・アルバレス。
年齢は三十代半ばといったところだろう。身長は二メートル、そして深紅の鎧の上からでも分かる、鍛え上げられ体躯こそ、アルバレスの代名詞ともいえる鋼鉄の体である。

かつてクインズベリー国での戦いでは、リカルドが放った鉄の矢でさえ弾かれてしまった程である。
それほどの硬度を持った肉体なのだ。だから今、魔導剣士アラン・フィールディングが目にし、その体で受けた衝撃は、当たり前とも言っていいだろう。


「なッ!?」

アランはその腕に感じた衝撃に、思わず顔が引きつった。
分かってはいた。前情報はしっかりと把握していたし、そのつもりで打ち込んだのだ。

しかし今、湾刀を握る両手に響いた衝撃は、アランの知っている鉄とはまるで別物だった。

剣がぶつかった瞬間にアランの脳が受け取ったその絵は、まるで大地に根を生やしたかのように決して動く事がなく、そして山のように大きく頂上の見えない塊だった。
事前に想像していたイメージなど消し飛んだ。恐ろしい程に硬く重い衝撃が、アランの両腕から肩へと響き、思わず剣を落としそうになる程だった。


アルバレスの体は鋼鉄と変わらないとは聞いていた。だからこそアランはこの戦いに備えて、実際に鉄を斬るための訓練を行ってきた。
アルバレスとはビンセントが戦う事になっても諦めきれなかったのだ。

だからアランは、くる日も来る日も鉄に剣を打ち続けた。
その結果一太刀では斬れないにしても、それなりに深い傷を付ける事ができるようにはなっていたのだ。


長い湾刀サーベルを頭上に掲げて振り下ろす。

アランがアルバレスに仕掛けた最初の攻撃は、最も力が入る小細工無しの一太刀だった。
狙いは頭である。アルバレスが兜は被っていなかった事、そして当然ながら頭は最大の急所である。

アランは自分の剣ならば一撃では難しいにしても、アルバレスの鋼鉄の体を敗る事は不可能ではないと確信していた。傷さえ付ける事ができれば、二撃、三撃と重ねていき、そしていずれは倒せる。

その判断でアルバレスの一撃を食らわせわけだが、その考えは真向から否定される結果となった。


「・・・ふん、威勢よく挑んできた割にはこの程度か?」

アランのサーベルはアルバレスの額で止められ、皮一枚さえ斬る事ができなかった。
アランにとっては想定外であり、一瞬我を忘れる程に精神的動揺も大きかったが、アルバレスにとっては想定内どころか当たり前の結果である。従って次の行動は当然アランの先を取る事ができる。

右の拳を握り締めて振り上げる!

「しまッ・・・!」

咄嗟に防ごうとしたが、剣を落とさないようににしっかりと両腕で握っていた事、そして長身のアルバレスの頭に剣を叩き込むため、跳躍していた事が仇となった。

アランは回避はおろか、防御さえする事ができず、アルバレスの右の拳をまともにくらってしまう。


「・・・ッ!」

拳が深々と腹にめり込むアルバレスの拳に、アランは呻き声を上げる事さえできなかった。

アルバレスの拳はただの拳ではない。ニメートルという巨躯は当然拳も人並以上にでかい。そして盛り上がった筋肉を見れば、どれだけの力があるかなど一目で分かるものだ。

それだけならば耐える事はできる。
アランとて体力型だ。覚悟を持って受ければ、どれだけパワーがあろうが一発を耐えられない事はない。

しかし忘れてはいけない。アルバレスは鋼鉄の体を持っている事を。そしてその鋼鉄は、アランの知っている鋼鉄とは、まるで別次元の硬度だという事を。
拳が突き刺さった時、アランの腹部から何かが砕ける鈍い音が鳴った。
そう、アルバレスの鋼鉄の拳は、たった一発でアランの肋骨を砕いたのだ。

「ふん、声も出せないか」

目を見開き体を振るわせるアラン、そのダメージは大きく、このたった一発で戦う力を奪われてしまった。
アルバレスの拳はアランの体を持ち上げるように刺さっており、呼吸さえままならないだろう。

「ウオラァァァァーーーーーーーッツ!」

声を張り上げ、アルバレスはアランの腹に深く拳をめり込ませたまま、力任せに投げ飛ばした。

アランは血反吐を吐き散らしながら飛ばされ、そして強かに樹に背中をぶつけると、前のめりに力なく倒れ、起き上がる事はできなかった。
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