異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎

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1436 何のためにここまで来たのか

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「アラン!」

先行していた弟を追って来たヴァ―ジニアは、たった今目にした光景に驚愕した。

あの赤茶色の髪の大柄な男が、第三師団の団長アルバレスなのだろう。アランの腹に右腕を突き刺して持ち上げている。アランの身長は180センチはあり、体重だって75~80キロはある。しかしアルバレスは軽々と片手で持ち上げていた。アルバレスはニメートルはある巨体なのだ、難しい事ではないだろう。

しかしヴァージニアが驚かされたのはその後だ。なんとアルバレスはそのまま腕一本で、アランを力任せに投げ飛ばしたのだ。
それは放り投げるといった生易しいものではない。まるでボールでも投げるように、十数メートルは先の樹に向かって投げつけたのだ。

相当なダメージを受けていたのだろう。アランは防御も何もできずに、大樹を揺らす程強烈に背中を打ちつけ、そのまま前のめりに力なく倒れた。


目の前で見せつけられた光景が信じられなかった。

身内の贔屓目を無しにしても、弟のアランは優れた身体能力を兼ね備えており、判断も早く機転も利く。
そして努力家でもあった。今回のアルバレス打倒が、ビンセントとアドニスに任される事が決まっても、諦めずに剣を磨き続けて来たのだ。

そのアランの剣が、信じられない事に額で止められたのだ。生身の額でである。
しかもたった一発でアランを倒した。

この現実を見せられて、自尊心が高くそして自信家のヴァージニアであっても、自分達がとった行動はあまりに浅はかだったかもしれないと、そう考えざるをえなくなった。

鋼鉄の体とは聞いていた。しかしここまでなのか?
アランは鉄に切れ目を入れられるくらいまでは、剣の腕を上げていた。その理屈で言えば、アルバレスの体が話しの通り鋼鉄だとしても、全く剣が通らないという事はあり得ないはずだった。

しかし実際にアランが剣を打ちつけた時、アルバレスは微動だにしなかった。つまり剣を額に受けても、一切のダメージが無かったのである。

鋼鉄の体と聞いていたが、これはそんなものではない。それ以上の硬さなのではないか?

そして防御力ばかりに目が行きがちになるが、あのパワーも凄まじい。あのアランをたった一発で無力化したのだ。そして片手であれだけの勢いをつけて投げ飛ばした。桁外れの腕力だ。おそらく自分には防御さえ許されないだろう。ヴァージニアはそう分析した。




「ヴァージニア隊長・・・あいつがアルバレスですね?」

ヴァージニアと共にこの場にたどり着いた部下の一人が、前を向いたまま固い口調で話す。

「ええ、間違いないわ。アランの剣を額で止めるなんて、他の誰にもできないわ。あなた達、武器を構えなさい」

ヴァージニアもまた前を向いたまま答えた。アルバレスとは十メートル程の距離があった。
だがこちらに目をむけていなくとも、当然アルバレスはヴァージニア達、この場に来たロンズデール軍に気が付いている。すでに戦いは始まっているのだ。

ヴァージニアは長剣を構えながら、視線を倒れている弟に向けた。
目算にしておよそ二十メートル先の樹の下に、うつ伏せになって倒れているアランは、ぴくりとも体を動かさない。生きているのか死んでいるのかさえ分からない。

今すぐにでも駆けつけたい・・・・・

アランが投げ飛ばされた時は、思わず一歩を踏み出しかけた。
しかしヴァージニアはアランの姉であると同時に、魔導剣士隊を率いている隊長なのだ。アルバレスを討つために、常に冷静に戦況を見極め、指示を出す必要がある。

ヴァージニアは私的な感情を押さえて、目の前の標的に意識を集中させる。
そして自分と共にここまで来た、魔道剣士達に向けて指示を出した。

「気をつけなさい。アランの剣が通用しなかったという事は、ヤツの体は我々が想定していた以上の硬さという事よ。剣は通らないものとして考えなさい。けれどヤツも人間である以上、鍛えられない部分はある。いいわね、対アルバレスの策を徹底しなさい」


何のために軍の作戦に背いてまでここへ来たのか?

かつての魔道剣士の悪い印象を払拭し、新生魔道剣士はロンズデールを護るために戦っていると信じてもらうためだ。

そしてもう一つ・・・・・

「我々魔道剣士こそが最強だ!総員かかれ!」

自分達の強さを証明するために、魔道剣士達は剣を掲げて地面を蹴った!
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