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1495 クリチコの魔道具
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「ぐぅッ!」
な、なんだこれは!?闘気を纏った俺を軽々と跳ね飛ばしやがった!
あの痩せた体のどこにこれだけのパワーがある!?
「ふははははは!」
空中に飛ばされた俺を追って、深紅の鎧を身につけた金髪の男、フランジミール・クリチコが跳び上がった!ギラついた目で、笑いながら拳を握り締めて向かってくる姿は狂気すら感じさせる。
「チッ!野郎!」
打たれた顎と腹部に痛みが残るが、俺は空中で上半身を起こし、右手に握った剣を正面に構えた!
「シャアァァァーーーーッツ!」
切っ先を向けても、クリチコは警戒する事なく突っ込んで来る。
そして握り締めた拳を躊躇なく、レイマートの顔面に向けて打ち放つ!
こいつ!この剣が見えないのか!?俺が剣を少し傾ければ貴様の腕を落とせるんだぞ!
そんな事も分からないのか?いや、分からないはずがない、ならばなぜこの軌道で拳を打つ!?
深紅の鎧の腕当てか?それで剣を止められるとでも?なめるなよ、闘気を帯びた剣の切れ味は見たはずだ。貴様の部下の胴体を一太刀で斬り飛ばすんだぞ?
いくら火の精霊の力を宿した深紅の鎧とはいえ、腕一本くらい簡単に落とせる!
くそ、なめるなよ!貴様が何を考えていようが・・・
「望み通り斬ってやる!」
クリチコの右拳の軌道は、俺の顔の左側に伸びている。
正面に構えた剣を左側に傾け、そのままクリチコの右腕に刃を落とす!
「・・・な、に!?」
それはまったく予想すらしていなかった。深紅の鎧の防御力次第では、弾かせる可能性は考えていた。
だがこれは、こんな事誰が予想できる?
俺の、俺の剣が・・・
「ふははははは!バカが!」
俺の剣は、刃がクリチコの右腕に接触したところでピタリと止まっていた。
押そうが引こうが、刃はそれ以上動かす事ができない。
まるでその場で固定されたかのようにビクともしないのだ。
こいつ!これがあったから・・・!
俺が全てを察したその時、クリチコが右腕を大きく外へと振り払った。
「ッ!」
握っていた俺の剣は、クリチコの右腕に刃が固定されているため強引に捥ぎ取られた。
「シャアァーーーーーッツ!」
力任せに剣を捥ぎ取られたせいで体勢を崩した。そこにクリチコの左拳が伸びてくる。
咄嗟に腕を上げて顔を護るが、ガードした腕の上から、クリチコは構わずに拳をめり込ませた!
「ッッツ!?」
な、んだと!?
なん、だ!?こ、こいつ、このパワーは!?
クリチコの拳を受けた右腕が、メキメキと嫌な音を立てる。
こいつどうなっている!?身長は俺よりあるようだが、この痩せ気味の細い体、体重は俺よりも軽いはずだ。それなのになんだ?なんなんだこの拳の重さは!?
「ぶっ潰れろオラァァァーーーーーーーッツ!」
怒声を上げて左拳を振り抜く!
跳び上がっている以上、十分に体重を乗せる事ができない。しかしそれでもクリチコの拳は、レイマートを地上に叩き落す程の威力があった。
「ぐぅッ!」
野郎、あまり俺をなめるなよ!
頭から地面に落ちそうになったが、寸前でクルリと体を回転させて、膝と手を着いて地面に着地をする。
落下の勢いで体が後ろに流れ、手足が削った砂が煙を巻き上げる。まともに叩きつけられていれば、ダメージは大きかっただろう。
「はぁ・・・ふぅ・・・」
体が止まったところで、俺は右手を顔の前に上げた。クリチコの拳を防いだ右腕、痛みは強いが骨は折れてはいないようだ。だが指先は震えて拳もうまく握れない。しばらくはまともに使えそうになかった。
「はっはー、ゴールド騎士ってのも大した事はねぇな?その程度かよ?」
クリチコはレイマートに一瞬遅れて空から着地すると、ニヤニヤと笑いながら砂を鳴らしてレイマートに近づく。そして正面で立ち止まると、不自然に右腕にくっついている鉄の剣を左手で取り外し、今だ砂の上に膝を着くレイマートに切っ先を突き付けた。
「おら、てめぇの剣だ。どうする?ぶっ刺してやろうか?クックック、武器が無くなったらもう終わりか?」
「・・・・・・物を固定するその力、魔道具だな?腕を切る前に止めたのは、さすがに驚かされた」
「クックック、その通りだ。魔道具、結着の針、これを刺す事で、俺は自由に物を固定できる。てめぇはまんまとひっかかって、俺に武器を差し出したってわけだ」
嘲笑うクリチコは顔を左に向けると、こめかみを指差して見せた。1~2ミリ程度だが金属らしき物の頭が見える。これがクリチコの言う魔道具、結着の針だ。
「脳に針を刺すのか・・・」
「へっ、びびったか?この程度で怖じ気づくとは、案外臆病なんだな?」
あざ笑うクリチコだったが、レイマートは挑発を意に介さず、膝に付いた砂を払い落としながら、ゆっくりと立ち上がった。
「・・・なるほどな、それじゃあ武器は何も通用しないってわけだ。なかなか面倒くさい能力だな」
「すました顔しやがって、この通りてめぇの武器は奪ったし、他になんか持ってても俺には通用しねぇって分かっただろ?どうすんだよ?どうやって戦うんだ?」
まだ右腕は動かせない。武器も奪われた。しかしレイマートの顔には焦りは微塵もなかった。
強がりではない。なぜならレイマートにとっては、武器を使っている状態こそが、手加減をしているようなものなのだ。
「へらへらしやがって・・・いいぜ、見せてやるよ」
一つ息をついて、左手に闘気を集中させる。
バチバチと空気が音を立てて爆ぜる。光り輝くオーラは指先から鋭く伸びていき、大きく膨らんでいった。
「あ?てめ・・・なんだよそれ?」
レイマートの巨大な闘気は空気を震わせ、足元の砂を吹き飛ばし、ビリビリとクリチコの体を打ちつけた。
獅子の前足を思わせるその技の名は
「レオンクロー、受けてみろ!」
黄金の騎士が地面を蹴って飛び掛かった!
な、なんだこれは!?闘気を纏った俺を軽々と跳ね飛ばしやがった!
あの痩せた体のどこにこれだけのパワーがある!?
「ふははははは!」
空中に飛ばされた俺を追って、深紅の鎧を身につけた金髪の男、フランジミール・クリチコが跳び上がった!ギラついた目で、笑いながら拳を握り締めて向かってくる姿は狂気すら感じさせる。
「チッ!野郎!」
打たれた顎と腹部に痛みが残るが、俺は空中で上半身を起こし、右手に握った剣を正面に構えた!
「シャアァァァーーーーッツ!」
切っ先を向けても、クリチコは警戒する事なく突っ込んで来る。
そして握り締めた拳を躊躇なく、レイマートの顔面に向けて打ち放つ!
こいつ!この剣が見えないのか!?俺が剣を少し傾ければ貴様の腕を落とせるんだぞ!
そんな事も分からないのか?いや、分からないはずがない、ならばなぜこの軌道で拳を打つ!?
深紅の鎧の腕当てか?それで剣を止められるとでも?なめるなよ、闘気を帯びた剣の切れ味は見たはずだ。貴様の部下の胴体を一太刀で斬り飛ばすんだぞ?
いくら火の精霊の力を宿した深紅の鎧とはいえ、腕一本くらい簡単に落とせる!
くそ、なめるなよ!貴様が何を考えていようが・・・
「望み通り斬ってやる!」
クリチコの右拳の軌道は、俺の顔の左側に伸びている。
正面に構えた剣を左側に傾け、そのままクリチコの右腕に刃を落とす!
「・・・な、に!?」
それはまったく予想すらしていなかった。深紅の鎧の防御力次第では、弾かせる可能性は考えていた。
だがこれは、こんな事誰が予想できる?
俺の、俺の剣が・・・
「ふははははは!バカが!」
俺の剣は、刃がクリチコの右腕に接触したところでピタリと止まっていた。
押そうが引こうが、刃はそれ以上動かす事ができない。
まるでその場で固定されたかのようにビクともしないのだ。
こいつ!これがあったから・・・!
俺が全てを察したその時、クリチコが右腕を大きく外へと振り払った。
「ッ!」
握っていた俺の剣は、クリチコの右腕に刃が固定されているため強引に捥ぎ取られた。
「シャアァーーーーーッツ!」
力任せに剣を捥ぎ取られたせいで体勢を崩した。そこにクリチコの左拳が伸びてくる。
咄嗟に腕を上げて顔を護るが、ガードした腕の上から、クリチコは構わずに拳をめり込ませた!
「ッッツ!?」
な、んだと!?
なん、だ!?こ、こいつ、このパワーは!?
クリチコの拳を受けた右腕が、メキメキと嫌な音を立てる。
こいつどうなっている!?身長は俺よりあるようだが、この痩せ気味の細い体、体重は俺よりも軽いはずだ。それなのになんだ?なんなんだこの拳の重さは!?
「ぶっ潰れろオラァァァーーーーーーーッツ!」
怒声を上げて左拳を振り抜く!
跳び上がっている以上、十分に体重を乗せる事ができない。しかしそれでもクリチコの拳は、レイマートを地上に叩き落す程の威力があった。
「ぐぅッ!」
野郎、あまり俺をなめるなよ!
頭から地面に落ちそうになったが、寸前でクルリと体を回転させて、膝と手を着いて地面に着地をする。
落下の勢いで体が後ろに流れ、手足が削った砂が煙を巻き上げる。まともに叩きつけられていれば、ダメージは大きかっただろう。
「はぁ・・・ふぅ・・・」
体が止まったところで、俺は右手を顔の前に上げた。クリチコの拳を防いだ右腕、痛みは強いが骨は折れてはいないようだ。だが指先は震えて拳もうまく握れない。しばらくはまともに使えそうになかった。
「はっはー、ゴールド騎士ってのも大した事はねぇな?その程度かよ?」
クリチコはレイマートに一瞬遅れて空から着地すると、ニヤニヤと笑いながら砂を鳴らしてレイマートに近づく。そして正面で立ち止まると、不自然に右腕にくっついている鉄の剣を左手で取り外し、今だ砂の上に膝を着くレイマートに切っ先を突き付けた。
「おら、てめぇの剣だ。どうする?ぶっ刺してやろうか?クックック、武器が無くなったらもう終わりか?」
「・・・・・・物を固定するその力、魔道具だな?腕を切る前に止めたのは、さすがに驚かされた」
「クックック、その通りだ。魔道具、結着の針、これを刺す事で、俺は自由に物を固定できる。てめぇはまんまとひっかかって、俺に武器を差し出したってわけだ」
嘲笑うクリチコは顔を左に向けると、こめかみを指差して見せた。1~2ミリ程度だが金属らしき物の頭が見える。これがクリチコの言う魔道具、結着の針だ。
「脳に針を刺すのか・・・」
「へっ、びびったか?この程度で怖じ気づくとは、案外臆病なんだな?」
あざ笑うクリチコだったが、レイマートは挑発を意に介さず、膝に付いた砂を払い落としながら、ゆっくりと立ち上がった。
「・・・なるほどな、それじゃあ武器は何も通用しないってわけだ。なかなか面倒くさい能力だな」
「すました顔しやがって、この通りてめぇの武器は奪ったし、他になんか持ってても俺には通用しねぇって分かっただろ?どうすんだよ?どうやって戦うんだ?」
まだ右腕は動かせない。武器も奪われた。しかしレイマートの顔には焦りは微塵もなかった。
強がりではない。なぜならレイマートにとっては、武器を使っている状態こそが、手加減をしているようなものなのだ。
「へらへらしやがって・・・いいぜ、見せてやるよ」
一つ息をついて、左手に闘気を集中させる。
バチバチと空気が音を立てて爆ぜる。光り輝くオーラは指先から鋭く伸びていき、大きく膨らんでいった。
「あ?てめ・・・なんだよそれ?」
レイマートの巨大な闘気は空気を震わせ、足元の砂を吹き飛ばし、ビリビリとクリチコの体を打ちつけた。
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