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やっぱり幼なじみは先輩が苦手らしい
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悪戯っぽく微笑む唇が、何だか妙に艶っぽい。ただ単に俺が意識してるだけかもしれないけれど。おでこにちょこんと……き、キスされたからって。
爽やかな笑顔といいホントに止めて欲しい。朝から刺激が強すぎる。俺の心臓が止まったら、どう責任を取ってくれるっていうんだ!
「ふふ、可愛いな……耳まで真っ赤だぞ?」
「っ……」
色々言いたかったけれど、言葉が出なかった。というか、言える訳がなかった。先輩のこと、好きなんだから、気になっているんだから、仕方がないでしょう、とは。
「ほら、顔洗っておいで? 俺だってパンと目玉焼きくらいは焼けるんだからな」
口を開いては閉じるを繰り返していると、男らしいゴツゴツした手に頭を撫でられる。
頭を下げ、逃げるように向かった洗面所。落ち着くまでの間、何度も洗い、隅々まで歯を磨いた俺を待っていたのは苦笑いを浮かべた先輩だった。
食卓に並んだトーストと目玉焼き。確かに先の宣言通り、焼けてはいた。どちらもちょっぴり焦げていたけれど。
「……すまない」
「お、美味しいですよっ。香ばしくて」
「……ありがとう」
しばらく浮かない顔をしていたけれど、俺が完食するとホッと息を吐いて微笑んでくれた。
食器を洗い、お互い制服に着替えていざ出発! という時だった。元気よく玄関のチャイムが鳴ったのは。
ドアを開けると直ぐ様飛び込んできた満面の笑顔。真っ赤な短髪に、ガッシリとした大柄な身体。昨日となんら変わらない、ダンがそこにいた。
「おはようシュン! 迎えに来たぜ!! ……って何で先輩がそこにいるんだよ!」
俺の後ろに立っていた先輩に気付いた瞬間、ダンの顔から瞬く間に笑顔が消え去る。
「何でって……昨日は、ここに泊まったからに決まってるだろう、なぁシュン?」
そう尋ねる先輩は何だか得意気だ。逞しい腕を俺の肩にさり気なく回し、微笑みかけてくる。
「……俺の、相棒が、随分とお世話になったみたいだな。でも、悪いけどシュンには俺との先約が有るんで……失礼します」
勢いよく伸びてきた太く筋肉質な腕が、先輩を押し退け、俺を抱き寄せる。そのまま振り向くことなく俺の腕を引いて、さっさと歩き始めてしまった。
「ちょっ……ダン! 待って!」
「……シュンは、俺より先輩の方がいいのかよ」
広い背中に声をかけると立ち止まってくれた。振り向いたダンの表情からは、先程の威嚇めいた怒りは消え、しょんぼりと沈んでしまっている。
爽やかな笑顔といいホントに止めて欲しい。朝から刺激が強すぎる。俺の心臓が止まったら、どう責任を取ってくれるっていうんだ!
「ふふ、可愛いな……耳まで真っ赤だぞ?」
「っ……」
色々言いたかったけれど、言葉が出なかった。というか、言える訳がなかった。先輩のこと、好きなんだから、気になっているんだから、仕方がないでしょう、とは。
「ほら、顔洗っておいで? 俺だってパンと目玉焼きくらいは焼けるんだからな」
口を開いては閉じるを繰り返していると、男らしいゴツゴツした手に頭を撫でられる。
頭を下げ、逃げるように向かった洗面所。落ち着くまでの間、何度も洗い、隅々まで歯を磨いた俺を待っていたのは苦笑いを浮かべた先輩だった。
食卓に並んだトーストと目玉焼き。確かに先の宣言通り、焼けてはいた。どちらもちょっぴり焦げていたけれど。
「……すまない」
「お、美味しいですよっ。香ばしくて」
「……ありがとう」
しばらく浮かない顔をしていたけれど、俺が完食するとホッと息を吐いて微笑んでくれた。
食器を洗い、お互い制服に着替えていざ出発! という時だった。元気よく玄関のチャイムが鳴ったのは。
ドアを開けると直ぐ様飛び込んできた満面の笑顔。真っ赤な短髪に、ガッシリとした大柄な身体。昨日となんら変わらない、ダンがそこにいた。
「おはようシュン! 迎えに来たぜ!! ……って何で先輩がそこにいるんだよ!」
俺の後ろに立っていた先輩に気付いた瞬間、ダンの顔から瞬く間に笑顔が消え去る。
「何でって……昨日は、ここに泊まったからに決まってるだろう、なぁシュン?」
そう尋ねる先輩は何だか得意気だ。逞しい腕を俺の肩にさり気なく回し、微笑みかけてくる。
「……俺の、相棒が、随分とお世話になったみたいだな。でも、悪いけどシュンには俺との先約が有るんで……失礼します」
勢いよく伸びてきた太く筋肉質な腕が、先輩を押し退け、俺を抱き寄せる。そのまま振り向くことなく俺の腕を引いて、さっさと歩き始めてしまった。
「ちょっ……ダン! 待って!」
「……シュンは、俺より先輩の方がいいのかよ」
広い背中に声をかけると立ち止まってくれた。振り向いたダンの表情からは、先程の威嚇めいた怒りは消え、しょんぼりと沈んでしまっている。
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