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幼なじみの私服姿がカッコよくて見惚れてしまうんだが?
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「……ホントに、変じゃないかな?」
洗面台の鏡に映る自分を、何度も確認する。チャコールのカーディガンの裾を引っ張ってみたり。白い七分丈シャツのV字の襟を整えてみたり。洗面所の壁ギリギリまで下がってくるりと360度回ってみたり。
やっぱり、この黒のスキニー細くて何か落ち着かないんだけど。みんなと違って、身体のライン、自信ないし。
鏡に映る、普段のだらけた格好と違う自分に背中がむずむずしてきた。
……もし、ダンに笑われたらどうしよう。バッチリコーディネートしてくれたソレイユ先輩を疑ってるわけではないんだけど……だんだん不安になってきたな。
『自信持って!』
不意に、脳裏にソレイユ先輩の笑顔が浮かぶ。柔らかいオレンジ色の眼差しと、俺を応援してくれた優しい声。
不思議だ。思い出しただけなのに、心を覆っていたモヤが晴れていく。
「よし!」
もう、大丈夫だ。だって、ソレイユ先輩のお墨付きだもんな。気合を入れて俺は部屋を飛び出した。
◇
「待ち合わせ場所……この辺でいいかな」
改札口の近くにあるコンビニの前でスマホを開く。ダンから新着メッセージが無いのを確認してから、周囲を見渡した。
「……まだ来てないのかな? まぁ、約束の時間までまだ10分あるし」
……取り敢えず、着いたって送っとこうかな。
メッセージアプリを起動してから、赤いフライパンのアイコンをタッチする。画面の下に表示されたキーボードに触れようとした時だ。
「シュン?」
聞き慣れた声。俺を呼ぶ、少し驚いたような声。
釣られて顔を上げると、私服姿のダンが居た。少しだけ見開かれた真っ赤な瞳が、ぼんやりと俺を見つめている。
黒いVネックのシャツにデニムジャケットを合わせ、ベージュのチノパンと白いスニーカーを履いている。
……やっぱり、イケメンは何着ても似合うな。普段もカッコいいけど、今日のダンはひと際目を惹くというか、輝いて見える。
ダンの眩しさに思わず拝みそうになっていると、どこかバツが悪そうに視線を逸らされてしまった。
「……あんまじろじろ見んなよ、照れるだろ」
「ああ、ごめん。ダンがカッコよ過ぎて見惚れてた」
「おまっ……そーゆーこと、さらっと言うなよな……シュンこそ……その、なんかいつもと雰囲気、違うな……」
「……やっぱ変?」
「いや、なんか大人っぽいてゆーか……好み過ぎてヤバいっつーか……いや、普段も十分可愛いけどよ」
目線を逸らしたまま、太い指で頬を掻く。光の加減だろうか。シャープな横顔が、健康的な頬が、ほんのり赤く染まって見えた気がした。
「良かった。ソレイユ先輩にお礼言わないとな」
「……何で、そこで先輩の名前が出てくんだよ」
洗面台の鏡に映る自分を、何度も確認する。チャコールのカーディガンの裾を引っ張ってみたり。白い七分丈シャツのV字の襟を整えてみたり。洗面所の壁ギリギリまで下がってくるりと360度回ってみたり。
やっぱり、この黒のスキニー細くて何か落ち着かないんだけど。みんなと違って、身体のライン、自信ないし。
鏡に映る、普段のだらけた格好と違う自分に背中がむずむずしてきた。
……もし、ダンに笑われたらどうしよう。バッチリコーディネートしてくれたソレイユ先輩を疑ってるわけではないんだけど……だんだん不安になってきたな。
『自信持って!』
不意に、脳裏にソレイユ先輩の笑顔が浮かぶ。柔らかいオレンジ色の眼差しと、俺を応援してくれた優しい声。
不思議だ。思い出しただけなのに、心を覆っていたモヤが晴れていく。
「よし!」
もう、大丈夫だ。だって、ソレイユ先輩のお墨付きだもんな。気合を入れて俺は部屋を飛び出した。
◇
「待ち合わせ場所……この辺でいいかな」
改札口の近くにあるコンビニの前でスマホを開く。ダンから新着メッセージが無いのを確認してから、周囲を見渡した。
「……まだ来てないのかな? まぁ、約束の時間までまだ10分あるし」
……取り敢えず、着いたって送っとこうかな。
メッセージアプリを起動してから、赤いフライパンのアイコンをタッチする。画面の下に表示されたキーボードに触れようとした時だ。
「シュン?」
聞き慣れた声。俺を呼ぶ、少し驚いたような声。
釣られて顔を上げると、私服姿のダンが居た。少しだけ見開かれた真っ赤な瞳が、ぼんやりと俺を見つめている。
黒いVネックのシャツにデニムジャケットを合わせ、ベージュのチノパンと白いスニーカーを履いている。
……やっぱり、イケメンは何着ても似合うな。普段もカッコいいけど、今日のダンはひと際目を惹くというか、輝いて見える。
ダンの眩しさに思わず拝みそうになっていると、どこかバツが悪そうに視線を逸らされてしまった。
「……あんまじろじろ見んなよ、照れるだろ」
「ああ、ごめん。ダンがカッコよ過ぎて見惚れてた」
「おまっ……そーゆーこと、さらっと言うなよな……シュンこそ……その、なんかいつもと雰囲気、違うな……」
「……やっぱ変?」
「いや、なんか大人っぽいてゆーか……好み過ぎてヤバいっつーか……いや、普段も十分可愛いけどよ」
目線を逸らしたまま、太い指で頬を掻く。光の加減だろうか。シャープな横顔が、健康的な頬が、ほんのり赤く染まって見えた気がした。
「良かった。ソレイユ先輩にお礼言わないとな」
「……何で、そこで先輩の名前が出てくんだよ」
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