どうか、教えて下さい人間様(毎日更新中)

白井のわ

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いつもと違ったのは、報告の後

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 円形のテーブルを囲むように、それぞれの席の前に置かれている端末達。すっかり光を無くしてしまっているそれらがどこか寂し気に見えるのは、つい先程まで賑やかに盛り上がっていた彼らを立体映像として浮かび上がらせていたからだろう。

「大丈夫かな……リアムちゃん」

 話題の中心になっていた俺達の可愛い末っ子。今は一人で遠くの星、現星人からは地球と呼称されている星にて過ごすあの子を思う。

 あの子は、もう俺達が手取り足取り手助けしても許されるひよっ子ちゃんじゃない。とはいえ、今回のお仕事は久しぶりに滅亡の危機から星を救うというもの。あの子の腕は信じていたが、だからといって心配なものは心配なのだ。
 俺も、皆も、時間と仕事が許してくれる限りは集まって、万が一の時はさり気なく手助けしようと意気込んでいた。あの子にバレてしまわないよう、その辺に浮かぶ石ころそっくりに加工した望遠カメラを件の星の二つ後ろの星近くに設置して。それぞれが、カメラからの映像を齧りつくように見ていたのだ。

 まぁ、それはもうあっさりと。杞憂に終わったのだけれども。

 全くもって完璧な手順で件の星と星に住む生き物達の保護を終え、焦ることなく粛々と滅亡の要因になる予定だった隕石を跡形もなく潰してみせたのだから。
 お陰様で俺達の緊張や心配はすぐさま感嘆と安堵へと。見守る会は、祝賀会へと変わっていた。何なら隕石が音もなく気持ちよく潰れた段階で、歓声と共に乾杯の音頭が鳴っていた。お酒や、好みのジュース、はたまた骨付き肉を掲げたりなんかして。

 すっかり盛り上がってしまっていたところで、あの子から連絡が来た。予定していた時間から、一秒も遅れることはなく。相変わらず几帳面だ、なんて誰かが言って。そうだな、そうですね、って笑っていた。

 報告はいつも通りだった。
 終えたばかりの隕石の破壊について、それから件の星から保護液が無くなるまで滞在する旨。それらは丁寧で簡潔で例文に出来るくらい。
 いつもと違ったのは、報告を終えた後だった。あの子が何かを言いたそうに、でも言いにくそうにしていて。だから、俺達はそれとなく待っていた。あの子の方から話したくなるまで。

 あの子を労いながら、それぞれの近況を話していた頃、緊張した面持ちで切り出してきた。少し良いかな、と。待ちに待っていた俺達が打ち合わせもしていないのに揃ってどうぞどうぞと促せば、あの子は少し驚き、申し訳なさそうにしながらも話してくれた。

「聞きたいことが、あるんだ……」

「なに、なに? 何でも教えてあげるよ?」

「交流を……してみたいと思うんだけど……」

「交流……?」

 誰かがあの子の言葉をなぞるように返したところで、俺は嬉しい驚きのあまり固まってしまっていた。皆も似たようなもんだったんだろう。結果、沈黙が訪れてしまっていた。

「交流というと現星人との……かい? そうか、ついに……」

「……でしたら、事前にシミュレーターを使用した方が良いですよ。その現星人の方が、貴方と相性が良いか、お相手がどのような性格をしていらっしゃるのかが、おおよそ分かりますから」

「リアムが心配なのは分かるけどよ、全部シミュレーターの言いなりってのは、ちょっと情緒がねぇっていうか……やっぱり面白くないだろ? こういうのは行き当たりばったりっ、出たとこ勝負で」

「確かにそちらの方が面白いとは思います。ですが、優先すべきはより良い交流を行える可能性を高めることで」

「二人共、落ち着いて……今はアンスリウムの相談に乗っているところだろう?」

 いつも纏め役を買って出てくれる彼を切っ掛けに始まった賑わいは、彼によって収められた。皆、気持ちは同じなんだろう。初めての交流は、楽しいものになって欲しいもんな。
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