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これからは、貴方の頬をつつきたくなったら事前に許可を取りますね!
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ぼんやりしていると、また左の頬をちょんっと。まさかの参戦に思わず手の持ち主へと視線を投げかけていたものの、彼は目を伏せたままだった。あれ? もしかして、この手だけ独立してたりするの?
「……触っている際の感触に、大して差はないかと」
考え出したであろう答えを言ってくれる彼の表情に変わりはない。けれども手の方は、いまだに俺を撫でているし、時々思い出したかのように頬をつついてくる。
やっぱりこっちの手は、彼の意思に関係なく動いていたりするんだろうか。
「ただ、此方の方が便利というか……咄嗟に何かをする際には此方の手が出てしまっているといいますか」
「……利き手みたいなもんなのかな」
「利き手……そう、ですね。その方がしっくりくるやもしれません」
彼は腑に落ちたらしい。やっぱり表情はあまり変わっていないが、此方を見つめてくる眼差しは柔らかい。
「疑問は解決出来たでしょうか」
「あー……うん……手に関しては、半分くらい?」
「では、残りの半分は?」
流石に面と向かって聞けないよな。撫でてくるのはまだいいとして、頬をつついてくるのは何なんだ? ……なんて。
「カイト様?」
失言だったかも。半分なんて言うんじゃなかった。言わずに流していたら、手の方が先に飽きて自然と止めてくれたかもしれないのに。
見つめてくる眼差しは何だかしょんぼりとしてしまっていた。何で聞いてくれないんですか? 聞けないことなんですか? なんて言われているような。
そんな目で見つめられてしまうと、何だか俺が意地悪をしてしまっているような気分になってくる。振り回されているのは、どちらかと言えば俺の方だろうに。
「何で……ずっと俺のこと、触ってるのかな……って」
「どうして、でしょう?」
「は?」
意を決して口にした質問は、質問で返されてしまっていた。
同時にぴたりと止まっていた。撫でていた手も、時々つついてきていた指も。
「え? もしかして……無意識、だった?」
「……申し訳ございません」
不思議そうにしていた彼の表情がみるみる内に暗く沈んでいく。やっぱり俺が意地悪をしているみたいじゃないか。
「いや、うん……じゃあ、仕方がないよ。大丈夫、気にしてないからさ」
「……ありがとうございます」
一応、一件落着……だろうか。リアムはまだ少し気にしているように見えるものの、さっきに比べればその表情は明るさを取り戻している。
後は左右からずっと感じている存在感が離れていってくれれば。
「それじゃあ、さ……この手、退かしてもらってもいい?」
「……嫌、でしたか?」
「えっ」
たちまち再び沈んでいってしまった彼を見て、慌てた俺は否定を示すべく顔の前で全力で手を振っていた。
「ぜんっ、ぜん! 嫌じゃあないっ、嫌じゃあなかったよ?」
言葉でもしっかりと伝えれば、俯きかけていた頭をぱっと上げ、表情を明るくする。結構分かりやすいのかもしれない。
「では……」
自重しているのか言葉は濁してはいるものの、見つめてくる眼差しに宿った期待は隠せてはいない。結構どころじゃない。かもしれないでもない。ほんっと分かりやすい。触りたいんだな。いや、なんで、触りたいんだ?
「あー……ぐぅ……」
キレイだと、二度目も見惚れた弱みだとでも?
不思議な夜空のような、神秘的な宇宙のような、そんな色を宿した瞳で見つめられてしまうと、気持ちが揺らいでしまう。胸の辺りが、何だか妙に締め付けられて。
「い、いきなり頬をつつくのは……止めて欲しいかな? その、びっくりするからさ……」
「はいっ! これからは、貴方の頬をつつきたくなったら事前に許可を取りますね!」
「っ、うん……よろしく、ね……」
何なんだ? つつきたくなったら許可を取るって。
苦笑いを浮かべた自分にツッコミながらも、今更ダメだなんて。喜びに煌めく瞳の美しさに、一瞬でも見惚れてしまった俺に言えるハズもなかった。
「撫でるのは良いってことで宜しいのでしょうか……?」
断れなかった。またしても期待に満ちた眼差しでされたお願いも。
「……触っている際の感触に、大して差はないかと」
考え出したであろう答えを言ってくれる彼の表情に変わりはない。けれども手の方は、いまだに俺を撫でているし、時々思い出したかのように頬をつついてくる。
やっぱりこっちの手は、彼の意思に関係なく動いていたりするんだろうか。
「ただ、此方の方が便利というか……咄嗟に何かをする際には此方の手が出てしまっているといいますか」
「……利き手みたいなもんなのかな」
「利き手……そう、ですね。その方がしっくりくるやもしれません」
彼は腑に落ちたらしい。やっぱり表情はあまり変わっていないが、此方を見つめてくる眼差しは柔らかい。
「疑問は解決出来たでしょうか」
「あー……うん……手に関しては、半分くらい?」
「では、残りの半分は?」
流石に面と向かって聞けないよな。撫でてくるのはまだいいとして、頬をつついてくるのは何なんだ? ……なんて。
「カイト様?」
失言だったかも。半分なんて言うんじゃなかった。言わずに流していたら、手の方が先に飽きて自然と止めてくれたかもしれないのに。
見つめてくる眼差しは何だかしょんぼりとしてしまっていた。何で聞いてくれないんですか? 聞けないことなんですか? なんて言われているような。
そんな目で見つめられてしまうと、何だか俺が意地悪をしてしまっているような気分になってくる。振り回されているのは、どちらかと言えば俺の方だろうに。
「何で……ずっと俺のこと、触ってるのかな……って」
「どうして、でしょう?」
「は?」
意を決して口にした質問は、質問で返されてしまっていた。
同時にぴたりと止まっていた。撫でていた手も、時々つついてきていた指も。
「え? もしかして……無意識、だった?」
「……申し訳ございません」
不思議そうにしていた彼の表情がみるみる内に暗く沈んでいく。やっぱり俺が意地悪をしているみたいじゃないか。
「いや、うん……じゃあ、仕方がないよ。大丈夫、気にしてないからさ」
「……ありがとうございます」
一応、一件落着……だろうか。リアムはまだ少し気にしているように見えるものの、さっきに比べればその表情は明るさを取り戻している。
後は左右からずっと感じている存在感が離れていってくれれば。
「それじゃあ、さ……この手、退かしてもらってもいい?」
「……嫌、でしたか?」
「えっ」
たちまち再び沈んでいってしまった彼を見て、慌てた俺は否定を示すべく顔の前で全力で手を振っていた。
「ぜんっ、ぜん! 嫌じゃあないっ、嫌じゃあなかったよ?」
言葉でもしっかりと伝えれば、俯きかけていた頭をぱっと上げ、表情を明るくする。結構分かりやすいのかもしれない。
「では……」
自重しているのか言葉は濁してはいるものの、見つめてくる眼差しに宿った期待は隠せてはいない。結構どころじゃない。かもしれないでもない。ほんっと分かりやすい。触りたいんだな。いや、なんで、触りたいんだ?
「あー……ぐぅ……」
キレイだと、二度目も見惚れた弱みだとでも?
不思議な夜空のような、神秘的な宇宙のような、そんな色を宿した瞳で見つめられてしまうと、気持ちが揺らいでしまう。胸の辺りが、何だか妙に締め付けられて。
「い、いきなり頬をつつくのは……止めて欲しいかな? その、びっくりするからさ……」
「はいっ! これからは、貴方の頬をつつきたくなったら事前に許可を取りますね!」
「っ、うん……よろしく、ね……」
何なんだ? つつきたくなったら許可を取るって。
苦笑いを浮かべた自分にツッコミながらも、今更ダメだなんて。喜びに煌めく瞳の美しさに、一瞬でも見惚れてしまった俺に言えるハズもなかった。
「撫でるのは良いってことで宜しいのでしょうか……?」
断れなかった。またしても期待に満ちた眼差しでされたお願いも。
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