異世界に来ちゃったよ!?

いがむり

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第1章

(21※)夢か現か…

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「(ねむれない……)」

ソフィアはベッドに入ったものの、エリックに悪いことをしてしまったのではないかと気になり、全く眠れなかった。ソフィアは体を起こし、スピーレ達をみる。ちなみにグライは見張りも兼ねて外で寝ている。

「(みんな、ぐっすりねてる。わたしはだかれてばかりだったからみんなのほうがつかれてるよね…)」

ソフィアは夜風にあたろうとモゾモゾ動く。

「(みんなをおこさないように)」

このときソフィアは無意識にスリープの魔法をかけていたため家族の誰も起きれなかった。









「ん~きもちいい…!」

ソフィアは寝ていた部屋を出て!すぐ近くの中庭にいた。

「みんなどうしてるかな……?またおはなしききたいな…こどもたちとあそびたいな…」

でも私、ファクトリーの場所は誰も知らないし、私もファクトリー以外分からないしなあ……

「シスター、わたしげんきだよ?」

風がソフィアの髪をなびかせる。白銀の髪は月の光で透き通る。

「あいたいな………」

【寂しくなったらこの歌を歌うのよ】

ソフィアは口ずさんだ。その歌は手紙を書きながら再会を願う男女の歌。透き通るような声はエリック邸全体に響き渡り、声を聞いた人々はいつの間にか祈りを捧げていたのをソフィアは知らない。

「……なんか、よけいさみしくなってきた?」

刹那、後方から気配を察知する。ソフィアは振り向くとマイルが立っていた。

「マイルさん、おきてたんですね」

「はい、自主練習をしておりました」

私のために中断させてしまって申し訳ないな……

「れんしゅう、とちゅうでとめてしまってごめんなさい」

「いえ、お気になさらず」











休暇を兼ねての任務……ソフィア様の護衛を任命されてから自分なりに体を休ませていたつもりだが、兄上に報告するときに注意を受けた。これ以上体を休ませていたら任務に支障をきたすと思うのだか……と考えながらも剣を持ち自主練習をしていた。マイルは自己管理が苦手なようだ。

「……この声は…?」

マイルはその声に誘われるように歩いて行く。

「よけいさみしくなってきた?」

そこにはソフィア様がいた。この幼いフェアリーデイが歌っていたのか?ソフィア様は俺に気づいた。気配を消していたずらつもりだったが……

「マイルさん、おきてたんですね」

俺が自主練習をしていたと言うと、申し訳なく思っているようで謝られた。そこまで気にせずとも良いのに……











「…ここは…………?」

記憶にない場所、家の中にいるようだが…見覚えのないものがあちらこちらにある。

「お……お母さ」

「誰がお前の母親よ!?気持ち悪い」

白い髪の幼子……ソフィア様のようだ。母親と呼ぶ女とは外見から全く違う。母親は派手な色のドレスを着ているが幼子は…みすぼらしい服。酷い扱いようだ。

「ご……ごめんなさい」

「お前の声なんか聞きたくないよ!あっちにいけ!!」

……幼子は部屋の隅、埃がたまった一角に座り込む。青あざ、浮き出た骨。それに虚ろだが青い目をしている。やはり、ソフィア様───

「おい!こいつの買い手がついたぞ!」

「そうなの!あら良かったわ~」

自分の子供を売ったのか!?……胸糞悪い。

「さあ、今日からここがお前の新しい家だ家族もいーっぱいいるぞ!」

さっきとは違う高そうな家。……気持ち悪い含みのある笑顔で少女を見る。こいつもやはりさっきと同じなのか?

「ほうら!ここまで来いよ!のろま」

「はっ……はい!」

息を切らしながらたくさんの子供たちと遊んでいる……?

「おっせえんだよ!おら」

少女を蹴ろうとして転ぶ。大泣きする少年に母親がやってきた。

「どうしたんだい!その怪我」

「あいつがこかしたんだ!」

「ち、違いま─」

「俺見たぞ!」

「俺も!」

「俺も見た!」

「ち、ちが」

「こっちに来るんじゃないよ!バケモノ」

親ともあろうものがバケモノ呼ばわりするとは……!

「「「「バッケモノ!バッケモノ!」」」」

「ごめんなさい……」

また場所が変わった……ここは何処だ?真っ暗だが……

「うっ……ごめん…なさい」

「なんだと!?聞こえないぞ!!」

…………酷い。手枷足枷をかけられて身体中に傷だらけ。今も葉巻より細い火の着いたもので腿に擦り付けている。

「ごめんなさい……!!」

「……しばらくここに居るんだな」









「イタイ…イタイ…」

『記憶ヲ消去シマスカ?』

誰の声だ?声であるようで人の肉声ではない。





「ハイ」








「…マ………さん……マイルさん…!」

ソフィア…様の声……。そうかやはり、さっきの夢は……

「…………ソフィア様?」

「ぐすん……マイルさああん!」

彼女は腫れた目で涙を流していた。

「ごめんなさい…わたしが…ぐすっ……わたしが、マイルさんのたいちょう…わるいの……きづいてなかったから…いっぱい、あるきまわらせちゃったからぁぁ…ごめん、なさい」

俺は……ソフィア様が寝室に戻られた後、もう少し体を動かそうとして……倒れたのか。

「……ソフィア様」

俺は彼女の涙を拭う。こんなに小さな彼女が本当にあの夢のような出来事を体験していたのだろうか。もしそうなら相当俺は不安にさせてしまったに違いない。

「心配させてしまい、申し訳ありません。これは俺の自己管理が出来ていなかったんです。ソフィア様のせいでは決してありません」

「でも……でも……」

「それでは、今日1日療養させていただき、回復したらまたソフィア様の護衛をさせていただくということで宜しいでしょうか?」

「……うん」

「ありがとうございます」

ソフィアはこのとき、初めてマイルの優しい笑顔を見た。

「……うん!」













ソフィアが部屋を出ると同時にエリックが入って来た。

「これでもう懲りただろ?」

「はい、兄上」

「……やけにあっさり返したな」

「ソフィア様に、あんなにも悲しい顔をさせてしまったので」

「お前も、ソフィアに当てられたようだな」

「みたいですね」

「私は行ってくる。マイル、お前はしっかり休めよ?」

「はい、兄上。ありがとうございます」

「ああ」

今日は珍しく寝付きが良く、ぐっすり睡眠が取れたお陰で午後にはほとんど体調も回復していた。
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