異世界に来ちゃったよ!?

いがむり

文字の大きさ
54 / 75
第3章

(48)こっそり、こっそり。②

しおりを挟む
私達がいる補給場所は戦闘フィールドの出入口近くなの。お客さんもいるけど間近で騎士さんの戦ってる姿が見れるなんて、迫力満点だよ~!

「皆の者、今日はよく集まってくれた!」

あっ、国王様だ。姿が見えた途端に騎士さん達が隊列を揃えてきっちり整列してる。すごい!

「世界巡礼はその名の通り、世界各地を巡る長い旅路だ。自らの命を懸けなければならないことも多い──」

国王様の大事なお話。私もそうだけど、世界を巡るのは本当に大変なことだと思う。私もこの巡礼がどうなるのかは分からない。でも、それ以上に私を守りながら一緒についてきてくれる騎士さんや冒険者さんの方が、私よりもっともっと危険なものになるよね……

「(本当に……いいのかな?)」
















「……皆、検討を祈る!!」

国王様のお話が終わって、騎士さん達は控え場所に向かうみたい。あ、こっちにも数人の騎士さんがやってきたよ。

「水を貰いたいのだが?」

「はい、どうぞ」

シェラさんは手早く全員に配ってる!私も頑張らないと……!

「嬢ちゃんは手伝いか?」

騎士さんの1人が私に聞いてきたよ。大っきい人だな~。

「はい!騎士さん、頑張ってください!」

「おう!ありがとな」

頭をもみくちゃに撫でられちゃった。

『んもぅ!せっかく髪を整えたのに、ぐちゃぐちゃになっちゃったわ!』

エルブが私の隣でプンプン怒ってる。

「((私はいいよ?だってエルブ達がまた髪を綺麗に整えてくれるもん))」

『もぅ、ハンネったら!これじゃあ怒るに怒れないわ~』

周囲から歓声が聞こえてきたよ!始まるみたい!右側の騎士さんが姿勢を低くして構えて、あっ、左側の騎士さんは一歩下がって構えてる。構え方も人それぞれ違うね。

「──始めっ!」

右側の騎士さんが走り出して、斬りかかって……おぉ!その斬りかかりを受けた!キリキリって剣と剣が鳴ってる。どっちも同じくらいの強さかな?

「嬢ちゃん、お嬢ちゃん」

「あっ、ごめんなさい!お水ですか?」

試合見るのにに夢中になってた!

「それもあるが、騎士達をすごい見てたからな。騎士達に興味がある女の子ってのは中々いないからな」

「そうなんですか!」

でも、言われてみればそうだよね……私くらいだとおままごととかお絵かきとか可愛い遊びが普通だよね。

「おっ、決着ついたみたいだな」

始めに左側にいた騎士さんが勝ったみたい。

「嬢ちゃんはもしかすると、騎士になるかもしれないな!」

「えへへっ……」

私が騎士さん……ちょっといいかも。








前日、マイルは自身が所属する第2番隊の隊長フィリップの元を訪れていた。

「マイルです、失礼します」

フィリップはエリック同様、自らの豪邸と複数人の執事とメイドを雇っていた。エリックとの違いと言えば……

「あら、マイル様。ようこそ、いらっしゃいました」

可憐で優しそうな妻がいること。しかも、まだ幼い乳飲み子もいるほどである。

「失礼しました。また日を改めて──」

「いやいや、改めなくて良い」

帰ろうとするマイルを必死に引き止めるフィリップ。

「それで?やっと来たということは、決めたんだな」

「……はい」

そう、マイルはこのままソフィアと共に世界巡礼について行くか悩んでいたのだった。

「今の実力ではソフィア様の世界巡礼を護衛出来るとは到底思えません」

「(それは考え過ぎだと思うが……)」

マイルは騎士団の中でも上位に入る程の実力があるが、マイル自身は納得がいってない様子。

「まあ、明日の試合次第だな。ソフィア様には──」

「それはまだ内密にお願い致します」

「……分かった」

「私もこの子と一緒に見に行くわ。とっても楽しみにしてますね!」

「はっ!精一杯努めます」

「私から国王に伝えておく。マイル、ご苦労だった」

マイルはフィリップとその妻子に一礼して、エリック邸に戻って行った。

「ソフィア様には内密に、か……」

「マイル様にも、思うところがあるのでしょう」

ソフィア様の専属騎士としてではなく、ベイフロー公国国営騎士団の1人として、見てもらいたいマイルの強い意思がフィリップらに伝わってきた。















始まった後は水分補給にくる騎士さんが多くて全然試合は見れてなかったけど、騎士さんの内面がよく分かったよ!どの騎士さんも優しくて頼れる大人って感じ!まぁ頼れる大人といえば、エリックさんだけど……正直に言うと過保護すぎ、かな?

「(エリックさんはここの騎士さんくらいの優しさでいい気がするな……あれ?)」

騎士さん達でよく見えなかったけど、今マイルさんがいたような……?

「シェラさん、ハンネさん」

すると、ミラさんが袋を片手に持ってきたよ。

「ミラさん!お疲れ様です!」

「2人とも手伝ってくれてありがとうございます!お昼ご飯貰って来たので休憩しましょうか」

「ありがとうございます」

「ありがとうございます!」

別の人が担当に引き継ぎをして私達はご飯を食べるの!エルブとアズルは私が貰ったご飯を分けることになったよ。貰ったのはいいんだけど、中身が私1人じゃ食べられそうにない量だったよ……

「始めっ!」

あっ、また試合始まったみたい。今度は誰かな──

「へっ!?」

「どうしまし……」

そこにいたのはマイルさんその人!だから今日は朝からいなかったんだね。

「きゃー!!マイル様ぁー!!!!」

「かっこいいー!!」

「頑張ってー!!!!」

マイルさんが出て来た途端に黄色い声援がどっと聞こえてきたよ。マイルさん女性に人気だね。実際、整った顔してるし、クールビューティって言うのかな?そんな感じだと思う。

「マイル様……かっこいい」

隣にいるミラさんもマイルさんのファンみたい。

「行くぞ!マイルー!!」

「お願いします!はあっ!」

相手の人はプレッシャーだろうな……でも、マイルさんにも頑張って欲しいな。

「(どっちも頑張ってください!)」

マイルさんと相手の騎士さんはお互い斬り込むけどマイルさんの方が動きが機敏で反応が早い。多分、力は相手の騎士さんの方が勝るけど速さと技術ではマイルさんの方が一枚上手かな。

「くぅっ、参った!」

「勝負あり!」

「ありがとうございました」

マイルさんが礼するとまた悲鳴に近い声援が……耳が痛いよ~。

「ちょっと遅くなっちゃったけど頂きましょうか」

「はい!」

私達はやっとお昼ご飯を食べだして、試合全体も中盤に入ってきたよ。ミラさんはマイルさんの試合を見てから、ず~っとマイルさんのかっこよさを語ってるの。なんだか教えるのに熱が入ったシスターみたい。

そんなミラを横目にソフィアは不思議な感じのする騎士さんが目に入り、違和感を覚えた。

「(なんだが怯えてるみたい……?)」

『((どうしたの?ソフィア))』

心配そんな顔をするソフィアにアズルが尋ねる。

「((ううん、なんでもないよ))」

ソフィアはただ緊張しているだけかもしれない、と安易に考えていた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。 辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

まったく知らない世界に転生したようです

吉川 箱
ファンタジー
おっとりヲタク男子二十五歳成人。チート能力なし? まったく知らない世界に転生したようです。 何のヒントもないこの世界で、破滅フラグや地雷を踏まずに生き残れるか?! 頼れるのは己のみ、みたいです……? ※BLですがBがLな話は出て来ません。全年齢です。 私自身は全年齢の主人公ハーレムものBLだと思って書いてるけど、全く健全なファンタジー小説だとも言い張れるように書いております。つまり健全なお嬢さんの癖を歪めて火のないところへ煙を感じてほしい。 111話までは毎日更新。 それ以降は毎週金曜日20時に更新します。 カクヨムの方が文字数が多く、更新も先です。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

処理中です...