異世界に来ちゃったよ!?

いがむり

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第3章

(64)最後の朝日

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今日は日の出より前に目が覚めちゃった。これでこのベッドで寝るのも部屋で過ごすのも最後だと思うと、寂しくなるね……

「(そうも言ってられないよね。起きなきゃ)」

ソフィアは誰も起こさないようにそっと部屋を出る。というのも、昨夜はフォルン以外の帰りが遅く、ソフィアの部屋に入ったのも夜中だったことをソフィアは気づいていたから。以前も同じようなことがあったが、エルブとアズルが何やらニコニコしながら何かを計画しているようなので、邪魔してはいけないと知らぬふりをしていた。

「ん、んん~」

ソフィアは腕を上げて伸びをする。

「今日でみんなとお別れ、か……」

思い返すと、色々あったね……気がついたら森の中で彷徨って、エルブとアズルに出会って、スピーレ達の精霊の住処で過ごしたよね。今思うと、それほど長くはなかったかも?それから、グライは私を探して精霊の住処まで来てくれたし、スピーレと一緒にソフィアって名前を付けてくれて家族にもなってくれた。オーヴィはアルフさん達と闘っているところに私が割り込んで、穢れを祓ったんだよね。あの後、エルブとアズルと皆で家族の仲間入り。

それから、私が倒れたときに助けてくださったエリックさん。はじめはシスターマリーにとても似ていて、間違えちゃった。それから、国王様に会って家族が私を取り戻しに森の皆総出で大変だったよね……

あ、大変だったと言えば、私が攫われたときもそうだよね。悪い貴族を欺く作戦を立てて、奴隷にされてたベラさん達を教会に転移して我ながら頑張ったと思う。でも、ミーヒャに暫く会えないのは寂しいな。

【いつかきっと……!】

「きっと……また、会えるよね」

すると、部屋からフォルンとオーヴィが出てきた。

「おはよう。オーヴィ、フォルン」

「おはよう」

〈おはよう。ソフィア〉

「珍しいね、オーヴィとフォルンが一緒だなんて」

〈そんなことは無いぞ。昨日もフォルンと話したしな〉

フォルンも頷く。

「あれ、そうなんだ」

〈俺とスピーレは巡礼について行けない。ソフィアと暫く共に居られないのは寂しいが、会えない訳ではないからな〉

「ん?しばらく会えない訳じゃないって、どういう……」

『ソフィア、おはよう~』

『おはよ~ふわぁ……』

今にも寝そうなエルブとアズルが部屋から出てきた。

「おはよう、まだ寝ててもいいのに」

『そういう訳にもいかないわ~』

『そうよぉ~ソフィアの近くにいないとぉ』

最後にグライとスピーレが部屋から出てきたよ。

《そうじゃな。いつでも守れるようにせねばのう》

『エルブもアズルも、しっかりするのだぞ』

『『はぁ~い』』

「2人とも、ありがとう」

「おはようございます。皆様」

そこへ私を起こしに、ベラさんが来たよ。

「あ、ベラさん!おはようございます」

「エリック様と国王様がお待ちです」

「え……あ、そっか」

あのときの結果発表だね。






「失礼します。ソフィアです」

扉を開けるとエリックさんと国王様、それにハンネス王子も。

「ソフィア、おはよう」

「おはようございます。エリックさん、国王様、ハンネス王子」

「ああ、おはよう。ソフィア」

国王様は優しく微笑む。

「おはよう、ソフィア。暫く会えなくなるから、しっかり顔を見ておこうと思ってね」

ハンネス王子も、私に笑いかける。

「レオンとシュゼットも、出発する門で待っていると言っていたぞ」

「そこまでして頂いて……嬉しいです。ありがとうございます」

「国王様、ハンネス王子。お時間が迫っております」

国王様達の側近さんが時間を知らせる。

「そうだな。では本題に入ろう」

国王が真剣な顔になる。その眼差しには興味と期待が込められていた──と言うのも昨夜の出来事にあったからである。






国王は定例会議を終えていつものようにエリック達を集めた。

「さて……明日、ソフィアが巡礼に出立する日となった。会議でも申したように、皆、くれぐれも注意を怠ることのないように。頼んだぞ」

「「「「はっ!」」」」

騎士団長達を激励したところで、国王は話題を変える。

「それにしても……ソフィアは一体誰を選ぶかのう?」

それを聞いたジャックは、ニヤけた顔で答える。

「それはやっぱりマイルさんじゃないっすかね~?」

「俺達の3番隊の奴らも中々だぞ」

「それは私達2番隊も同じだ。でもまさか、あの“マスカラーダ”が参加しているだなんて」

「私も当日までは知らなかったんだ。だが、ジェイコブがあそこまで積極的になれたのもソフィアのお陰だ……」

エリックは既にソフィアとの別れを惜しんでいる様子。そこにアルフが肩を置く。

「おいおいエリック、まだ早いぞ?」

「それはそうだが……いつ戻って来るかと思うと、少し寂しい気がしてな」

その言葉に国王はハンカチを目に押さえながら、

「わしも、もう少しソフィアにいて欲しかったのう……」

「「「「(……)」」」」

国王に騎士団長達の冷ややかな目が。

「な、なんじゃ……?」

「「「「なんでもありません(ないっす)」」」」






「ソフィアの選んだ騎士は誰じゃな?」

ソフィアは国王を真っ直ぐ見て、

「はい、私は──」



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